【白猫】アマーリエ・思い出
アマーリエ・グラス cv.田澤利依子 世界を放浪し唄を聞かせる吟遊詩人のエルフ。 その清らかな唄声に全ての生命が耳を澄ませる。 |
フォースター Story
思い出1
らららる~♪
<美しい金髪の女性が、竪琴を流麗につま弾きながら、歌を歌っている。>
わあ……楽しそうな歌声――
はー、ホントねぇ。こっちまで楽しくなってくるね。
うふふ――ありがと♪
あたし、アマーリエ。世界に歌を届ける吟遊詩人よ。
鳥さんたちが、この島はいい島よ、ってさえずっていたから、つい来ちゃったの♪
鳥の言葉がわかるのぉ?
うん、わたしたちエルフ族は、動物さんとお話できるのよ~。
歌が聴きたくなったら、いつでも言ってね。心を込めて、歌うから……♪
思い出2
<抱くべからざる 恋ぞあり 逢うべからざる 人ぞある>
<いかに この身焦がれども 愛のさえずり 禁忌にたがわず>
<朽ちゆく胸に 思慕を閉じ せめて痛みを 愛おしむ……>
物悲しい曲ですね……
これは昔の恋物語よ~。身分違いの恋ゆえに、引き裂かれたふたりのね……
両思いなのに結ばれないなんて、報われないわねぇ~……
そうね……でも、だからこそ、こうして歌に残ったのだと思うわ。
この歌に込められたのは、深い哀切の響き……
このふたりの悲劇を、繰り返すことがないようにって……そう願った人が残したのかもね。
歌は、気持ちを形にしたもの。何かを歌にして残すってことは、気持ちを残すってことなのよ。
思い出3
この島は、いいソウルを育んでいるわね~♪
ソウル……って、自然の生命力、とかだっけ。アンタ、そんなのわかるの~?
うん。エルフは、ソウルの結晶……いわゆる妖精の一種だから。
ルーンが落ちてくる前、天空に満ちていた上質なソウル。エルフの祖はそこから生まれたらしいの。
じゃあ、今は……?
ルーンと一緒にエルフも地上に落っこちちゃったらしくてね~。
その影響で、昔あったような力はほとんど失われちゃってるみたいなの~。寿命も短くなっちゃって……
え、どのくらい?
長く生きてせいぜい千年……くらいかしら?儚いものよね~。
いやいやいやいや!じゅーぶんすぎるでしょ!
アマーリエさん、おいくつなのかしら……
思い出4
ねえ、主人公。<ろけんろー>って知ってる~?
ある国で大人気の音楽らしいの。とっても刺激的なんですって!
刺激的……音楽が?
とにかくすっごく盛り上がるそうなの~。
アマーリエさん、興味あるんですか?
吟遊詩人としてはね~♪古くから残ってきた歌もいいけど、新しく作られる歌にだって、とっても興味があるわ~♪
う~ん、どうなのかしら~。聴いてみたいなぁ~♪
思い出5
…………
<アマーリエが青ざめた顔で震えている……>
ア――アマーリエさん?だ、大丈夫ですか?
<ろけんろー>を……
え?
<ろけんろー>を、聴いてきたの。ちょうど、近くの島でコンサートがあるって話だったから……
そ……それで?
まさか……まさか、あんな激しくて騒々しい音楽だったなんて……
渦巻く熱狂……天を震わす絶叫……血を吐くような観客たちの悲鳴……次々と狂乱して倒れる少女たち……
阿鼻叫喚の地獄絵図か何か?
うう……ううう―――あんな、あんな音楽があったなんて……うう……
思い出6
ああ……麗しく響くような光―――なんて心地いい……
ろ……
ろ?
ろけんろーーーっ!!
うわぁっ!?
ありがとう、主人公。おかげで気持ちの整理がついたわ。
<ろけんろー>は、うるさくて、野蛮でおっかない音楽だけど……
でも、真に迫る凄みがあって、ほんの刹那に閃く想いを、必死に残そうとするみたいだった。
正直びっくりしちゃったけど……あれも、想いを形にして残す、音楽のあり方のひとつなのね。
ひょっとして、挑戦してみるの?
うーん……あれはあれで素敵だと思うけど、あたしには無理かな~
だからあたしは、あたしにできる歌を歌い続けていこうと思うの。
あ、でも、エッセンスをちょっと取り込むくらいはアリかも……?
<命の芽吹き 雪を割り おのがさだめを 望み立つ>
<いかなる色にも 染まりうる 果て無き光を 見出せば>
<輝く未来は ろけんろー>!!
幻想の森の吟遊詩人 アマーリエ・グラス
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