【白猫】テレーゼ・思い出
遍歴のピアニスト テレーゼ・マイスナー cv.木村珠莉 演奏旅行を続けるピアニスト。 秘められた激情は人の心を震わせる。 | ||
2015/09/15 |
フォースター☆プロジェクト15th Story
思い出1
<少女が、不思議な楽器を弾いている。
楽器は、88の鍵盤を備えていた。>
♪
ありがとう。ここって、カフェはある?
どこ?
***
<主人公は少女を宿屋に案内した。
カフェではないがコーヒーは飲める。>
あれ? 主人公この子は?
私はテレーゼ。
ピアニストよ。演奏旅行をしているの。
よろしく、テレーゼさん。
コーヒーをもらえるかしら?
あら、コーヒー党なのね。
この島じゃ珍しかった?
みなさん、紅茶の方が好きかもですね。
あら、そうなの。
ミルクは入れますか?
お砂糖もお願いします。
……ところで、そこのアップライトピアノは……?
はい。アストラ島からもってきたんですよ。
ちょっと弾いていいかしら。
どうぞどうぞ。
……えっ!? こ、このピアノ、こんな音でたっけ??
一つ一つの音色が、すごく色彩豊か……
……あ、あれ……? 指が、指が……止まって見える!?
動きが早すぎて、止まってるみたいに見えるんだわ!
……どうしてだろう。激しいのに、すごく……切ない曲……
<キャトラ、アイリス、主人公……宿屋にいた全員が、拍手をしている。>
すごいわ!!
よくわからないけど、とにかくすごい!
いいピアノね。大事にした方がいいわ。
<主人公は、テレーゼにコーヒーを運んだ。>
ありがとう。……いい香りね。
思い出2
ねえ、テレーゼ、アンタのそれって、なんて楽器なの?
これはルーンクラヴィア。携帯用に開発されたピアノよ。
普通のピアノ、大きくて重いけど、これなら持ち運びできるでしょ。
ルーンで浮かんでいるのね。納得したわ。
テレーゼさんのルーンクラヴィア、すごいルーンの力を感じます。
これに仕込まれている<調べのルーン>は、音楽をやってる人間が使うと、より強い力を出せるんですって。
強い力って……どんな?
文字通り、音を操ることができるのよ。
おかげで身を守る役にも立ってるわ。
音を操れるってことは、わかった。おっきな音で驚かすとか。
そういうのもできるけど……ちょっとそこの雲を見ていて。
雲が吹き飛ばされたわ!?
まさか……音で雲を!?
音にそんな力があるの……?
あるのよ。私に限らずだけど、音楽家を名乗る人間ならルーンを使ってこれくらいできちゃうものよ?
だから私たち、たまに本職の魔道士と間違えられたりもするんだけどね。
アタシから見ても、魔法に見えるもんね。
こっちは、ピアノを弾いてるだけなのにね。
<テレーゼはルーンクラヴィアの鍵盤を弾き鳴らす。>
…………
……!!
ありがとう、みんな。
……すごい曲ね……なんか……言葉にできない……
嵐の中を歩いているみたいな感じっていうか……
ねえ、これなんて曲なの?
タクティモニスのエチュード四番。……まだ、未完成だけどね。
思い出3
主人公たちはテレーゼと討伐に出かけた。
仕事は無事に終わり、一同は飛行島に帰還する。
えーっと、助かったわ、テレーゼ。
……私も一応冒険家だからね。手が足りないなら、いつでも声をかけて。
私からも、ありがとうございます。
いいのよ。私も演奏旅行を始めたころは、よく冒険家の先輩に助けられたしね。
どんな人に?
清楚な風鈴売りの女の子。みんなには助けられたわね。
なんだか楽しそうな人たちですね!
見事にバラバラだわね。
みなさんと、どんな話をされるんですか?
結論の出ない話かな。
ガールズトークの実態。
みんないい人たちよ。かなり個性派だけどね。
プロフィールの段階からそうね。
演奏旅行って、楽しいですか?
楽しいわよ。演奏のインスピレーションも得られるしね。
でも旅って大変なんじゃない?
私は、慣れてるから平気かな?
あら、そうなの?
私、小さなころから演奏旅行してたから。父さんに連れられて。
今のテレーゼの演奏は、ちっちゃいころからの研鑽の結果ってわけね。
まあね。
ものすごい指の速さ! 激しい曲ね。
すごく情熱的……でも、綺麗……
テレーゼは演奏を終えた。一同、静まり返っている。
すごい激しい曲ね。これはなんて曲なの?
即興曲1番、私が作った曲よ。
いい曲じゃない!
ありがとう。さっきは小鳥が入っちゃったから、ちょっと聞きづらかったでしょ?
え。小鳥?
私の演奏の中に、ね……
思い出4
アイリスは、酒場のピアノを弾いている。
……こうですか?
……いい感じ。指が追いついてきた。
いつぞないハイソな雰囲気。
すごくよくなってるから。この調子ね。
ありがとうございます!
ところでテレーゼ。前にいってた
『演奏に小鳥が入る』ってどういうこと?
気持ちが入りすぎてる……みたいなニュアンスね。
それってダメなの?
ダメじゃないわ。でも音楽って、それだけじゃダメなのよ。
気持ちを入れるって、難しいんですね……
視野が狭くなるからね。それじゃ、伝わるものも伝わらなくなる。
音楽って、心を伝え合うものだからね。
伝えるだけじゃないのね。
受け取らないと。音楽家っていうのは、聞く人があってのものだから。
これは、テレーゼさんの弾いていたエチュード四番ですね……あれ?
(……曲調が、前と全然違う?)
なんか……同じ曲と思えないわ。
……すごいわね。こんな難しそうな曲を弾きこなしちゃうなんて。
弾きこなすなんて……私は、まだこの曲をものにできてない。
こんなにすごいのに……
一音一音を綺麗に響かせるのがとっても難しいの。この曲は。
すっごく……綺麗でしたけど。
ありがとう。でもまだ足りないの。彼の見ている世界に届くには。
思い出5
テレーゼは、ルーンクラヴィアを演奏している。
(もっと……もっと繊細に、もっと豊かに……)
この曲は怪物。難曲中の難曲というだけじゃない。
……この曲は、演奏家の人生を暴き出してしまう。)
……
…………!!
(人生そのものが、音に現れる。音楽に対する思いが
……この曲を……この怪物を作り出したとき、彼はどんな思いだったのだろう……)
テレーゼは演奏を終えた。
最近、すごく熱心に練習しているのね。
コンクールが近いからね。
(だから熱がこもってたのかな?
……うーん、案外この子ホントは情熱的なのかも)
いい結果が出るといいですね。
ちょっと、お話してもいい?
次のコンクール。エチュード四番で勝負しようと思うの。
もっと得意な曲じゃいけないわけ?
この曲で勝負したいの。彼にね。
どこの誰様?
エチュード四番の作曲家。コンクールの審査員なの。
あらまあ。
あるところで彼は語った。『僕には音楽しかない』って。
音楽しか……
凄い台詞よね。生半可な才能じゃ、鼻で笑われる台詞でしょうね。
でも、彼の実績と音楽にかける情熱を知る人だったら、納得せざるを得ない。
私もね……音楽をやめようと思ったくらいよ。
アンタが……ね。
私は彼に追いつきたい。演奏旅行をしているのも、武者修行のため。
でも、今のままの私じゃ……
思い出6 (友情覚醒)
ルーンが、光を奏でている……
……この光……見たことがある感じ。
テレーゼが作曲した曲ね!
あの時みたいに情熱的だけど、今の曲はそれだけじゃない……
なんだろう……内側からキラキラしてる感じ!
……不思議ね。今はじめて弾いた気分。
エチュード四番……
……前に聞いたときより、
音がひとつになってるみたい!
すごい……こんなに壮大な曲だったのね。
……この曲を初めて見た時の印象で弾いてみたの。
もう一度この曲に出会うように。
長い回り道をしてたみたいね。
初めてこの曲の楽譜を見た時、わくわくした。見たこともない楽譜だったから。
その時の印象で弾いたってこと?
そうね。……彼は命を削って
曲を書いているかもしれない。
でも彼だって、音楽の美しさに心を奪われているはず。そう思った。
そうだった? 主人公?
……ありがとう。あなたのおかげね。
テレーゼさん、コーヒー淹れましたよ。一息入れてくださいね。
ミルクとお砂糖もね?
若きヴィルトゥオーサ テレーゼ・マイスナー
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