【白猫】ベアトリス・思い出
正義の薔薇剣士 ベアトリス・オルデンベルク cv.藤村歩 正義の薔薇のもとに悪を裁く少女剣士。 今日も<悪>を求めて各地を駆け回る。 | ||
2016/06/22 |
思い出1
薔薇の香りは正義の兆し!
へ?
弱きを助け、強さをくじく! 常勝の剣は、民のために!
あっ……見て! アジトの上よ!
悪しきを正す薔薇剣士、<レディ・ローゼン>! 華麗に参上!
とう!!
初めまして、飛行島のみなさん。
…………
驚くのも無理ないわね。だけど安心して。
私は怪しい者じゃないわ。
……えーっと……とりあえず用件を聞かせて。
私を、貴方たちの仲間に加えてほしいの。
私たちの、仲間に……?
貴方たち、<闇>と呼ばれる勢力と日夜戦い続けているそうね。
まあ……アタシたちの敵なのは確かね。
私も貴方たちと同じよ。悪を討つことが私の使命。
さあ、私と一緒に戦って、悪を根絶やしにしましょう!
う~ん……今のところはダメね。
ええ! ど、どうしてよ!?
まずさ、レディなんとかってなに。偽名でしょソレ。
ちゃんと本名を名乗りなさいな。
え……今、教えないとダメ?
そういうのって最後の最後に明かすものだと思うんだけど……
イヤならここで話はおしまい。
お引き取りくださいってことで。
ううう……ベアトリスよ。これでいいかしら?
ベアトリスさん。さっき話していたことですけど……
おねがい! 貴方たち、これからも悪と戦い続けるんでしょ?
私にも協力させて!
キャトラ、せっかく協力を申し出てくれてるんだし、
むげにするのはよくないわ。
はあ~……まあ、確かにね。
わかったわ、ベアトリス。一緒にいきましょ。
あ……ありがとう!
この正義の薔薇に誓って、貴方たちの力になってみせるわ!
思い出2
せやぁぁーーーー!!
ふう……依頼にあった魔物はこれで全部みたいね。
ふ~ん……いちおう剣の腕は本物なのね。
……キャトラちゃん、まだ私のこと疑ってたの?
ん~……そういうわけじゃないけどさ。
レディ・ローゼンの本職は剣士よ。剣なら手足のように扱えるわ。
ソレよ!
えっ?
最初に会ったときから思ってたけどそのレディ・ローゼンってなに?
! よくぞ聞いて――ゴ、ゴホン!
……この世界には、人々の平穏を脅かす巨大な悪がひそんでいるわ。
レディ・ローゼンは、そんな悪と戦うために存在する、いわば正義の味方なの。
正義の味方……?
巨大な悪ぅ~?一体どんな奴らなのよ?
えっと、それは……今探してるところよ。
なんですと?
か、彼らは校狛だから、そう簡単にしっぽを出さないのよ!
ほんとなのぉ~?
と、とにかく!
私はレディ・ローゼンとして使命を果たすまでよ!
……まあ、いいわ。
とりあえず街に戻って、依頼の報酬を受け取りましょ。
***
さーて、報酬も受け取ったし、飛行島に帰りましょっか。
……あ、ちょっといいかしら? 寄りたい場所があるのだけど。
ん、別にいいけど。
ありがとう。すぐに済むわ。
***
持たせたわね。それじゃあ帰りましょう。
なにしにいってたの?
さっきもらった私の報酬をこの街の孤児院に寄付してきたの。
ほら、よくあるでしょ? 悪い権力者からお金を奪還して恵まれない人たちに配るアレよ。
それってなんか違くない? まあ、気持ちはわからないでもないけどサ。
レディ・ローゼンは正義の味方だから、人々のためにできることはなんでもやるわ。
ベアトリスさん……
へぇ……言うことは言うのね、アンタ。
お金の流れをたどれば、そういう悪にたどり着くこともあるかもしれないけど――
私って剣くらいしか能がないから、そういうの苦手なのよね……
……そうなんたろうなーとは思ってたわ。
思い出3
<主人公たちは、買い出しのために、とある街を訪れていた。>
――! みんな、気をつけて。
? 急にどうしたの?
視線を感じるわ。誰かが私たちを狙っている。
え……!
……アンタの場合、むしろ狙ってほしいんじゃ……
きゃっ!
アイリス!ちょっとアンタ、危ないじゃな――
いってぇぇぇぇーーー! 腕が、腕がぁぁぁーーー!!
え? え?
兄さん! しっかりして!
……おい、お前ら! なんてことしてくれたんだ!
アンタこそなによ! ちょっとぶつかっただけでしょ!
兄さんはな、昔から身体か弱くて、骨が折れやすい体質なんだ!
くっ、すまない、弟よ。オレか不甲斐ないばかりに……!
ははーん、さてはアンタたち、<当たり屋>ね。
なんとも典型的だこと。
なんだと! 俺たちのどこが――
――キャトラちゃん。彼らは当たり屋じゃないわ。
へ?
なに?
貴方たち……<組織>の人間ね?
は? 組織……? なんの話だ?
残念だけど、その程度の演技じゃこのレディ・ローゼンの目をあざむくことはできないわ。
え、まさか知ってるの?
に、兄さん……この女、さっきから何を言ってるんだ?
おい待て……レディ・ローゼンだと……?
ま、まずい! 弟よ、早く逃げ――
逃さないわ!
ぐわぁぁ!
さあ、言いなさい。<組織>のアジトはどこ?
な、なんだよそりゃ! 意味がわかんね――ぐわぁ!
私は悪には容赦しないわ。本当に腕を折ってもいいのよ?
ひいいいっ……!
貴方は帰って<上>に伝えなさい。
部下を解放してほしくば、大人しく投降しなさいと。
上ってなんだよ!? 一体なんの話をしてるんだ!
弟よ、オレに構うな! 早く、逃げろ……!
に、兄さぁーーん!
おい! 一体なんの騒ぎだ!
いいところに来たわね。手を貸してちょうだい。彼らは――
その手を離せ! 大人しくしろ!
……あら?
お前たちも来い!
ええっ!?
ぎにゃーーー!
思い出4
べ~ア~ト~リ~ス~!
う……ごめんなさい。
キャトラ、もういいじゃない。
兵士さんたちの誤解も解けて、無事に帰ってこれたんだし……
だからってねぇ。悪を探して因縁つけるとかやりすぎでしょ!
あの当たり屋のあんちゃん、アンタを見て震えてたじゃない!
どんだけ噂になってるのよ?
……しかたのないことだわ。
<組織>の連中をあぶりだすには、ああするしか――
その<組織>とやらは。アンタの頭の中にあると思うわ!
まったく……なんだってそんなに悪と戦うことにこだわるわけ?
それが……私かずっと憧れてる人の生き様だからよ。
憧れの人?
……実は私、小さい頃に誘拐されたことがあるの。
誘拐って……なんでまた?
私の家は貴族の家系で。しかもそこそこ裕福だったから。
あー、身代金目的ってやつね。
……でも、私は助かった。<あの方>のおかげでね。
<あの方>……それがベアトリスさんの憧れの人?
そうよ。さっそうと現れて、誘拐犯たちを華麗に倒したの。
とても強くて素敵な方だったわ。
剣の達人で、紳士然としていて悪を決して許さない……
正真正銘の『正義の味方』なの。
ふ~ん、いったい何者なわけ?
――<怪傑ローゼン>。世間ではそう呼ばれているわ。
ローゼン……? それってもしかして……
ええ、私のレディ・ローゼンはローゼンの名から頂いてるの。
あの方のようになりたいって思いを込めてね。
なるほど……そういうことだったんですね。
それからもローゼンは、誘拐事件の裏にいた組織を暴いたり強大な悪と戦い続けたわ。
……でも私は、街のならず者を制裁するくらいが関の山……
あの方のような巨悪と華麗に戦う姿とはほど遠いのよ……
それで悪を探して、あちこち駆けまわってたのね……
できることなら、悪の組織の一つや二つは潰したいところだけど――
はぁ……世の中、ままならないものね。
…………
思い出5
……ふぅ、これで依頼は完了ね。
お疲れさまです、ベアトリスさん。
アンタって仕事だけはしっかりやるわよねえ。
人々のために戦うことが正義の味方の使命だもの。
それだけ聞けばほんと立派なんだけどねえ……
……!
? どうかしましたか?
しっ! 静かにして……
こんな森の中に子連れの男……?
……気になるわ。こっそりつけてみましょう。
<森を抜けた先の海岸では、一隻の貨物船が停泊していた。
子供を船に誘導する商人風の男。周囲を警戒する兵士たち。
その異様な光景は、あるひとつの可能性を示していた。>
……なにをしているのかしら。それにあの子供たちは……
あれってまさか……人身売買の船なんじゃ……!?
……ベアトリス?
い……今まさに私の目の前で悪事が行われている……!
おおお落ち着くのよ、ベアトリス。
私もローゼンのように毅然と立ち向かうのよ……!
ベアトリス、はやまっちゃだめよ! もっと近づいてから――
わわわわかったわ! 逃がさないよう突撃あるのみね!!
いや、違――!
……あ。
薔薇の香りは正義の兆し!
! 誰だ!?
弱きを助け、強きをくじく! 常勝の剣は、民のために!
悪しきを正す薔薇剣士、<レディ・ローゼン>! 華麗に参上!
これはこれは……可愛らしいお嬢さんだ。
わたくしどもに何かご用ですかな?
とぼけないで!
このレディ・ローゼンにはすべてお見通し――あいたっ!
まったくもー! いきなり敵に突っ込むフツー!?
で、でも……!
人身売買なんて悪事の中の悪事よ!
見過ごすことはできないわ!
……ん?お嬢さん、今『ローゼン』と名乗りましたか?
もしやとは思いますが……あの怪傑ローゼンの関係者で?
え、ええ、そうよ! 私は、あの方の志を継ぐ剣士よ!
ちょ、ベアトリス! そんなハッタリで――
……それは好都合。
わたくしどもは、あの義賊かぶれに何度も煮え湯を飲まされました。
ここであなたを捕らえて、奴をおぴき出す餌としましょう。
かかってきなさい! 私は決して悪には屈しないわ!
ご安心ください。嫌でも屈することになります。
手足をもいでしまえばね。ククク……
――ッ。
(これが……本物の悪……! ローゼンは、いつもこんな連中の相手を――
だ、大丈夫よ! 落ちついていつもどおり戦えば……)
……あ、あれ?
ベアトリス!?どうしたのよ!
あ、足が……動かな、い……!
思い出6 (友情覚醒)
<主人公は、ふるえるベアトリスの手をしっかりと握りしめた。>
え……!?
! ふるえが、止まった……
……え? あなたも一緒に戦うですって?
! ……そうよね。最初に会った時そう言ったものね。
一緒に、悪を倒そうって――!
……やれる!
はあぁぁーーーー!!
む……!
観念なさい! 貴方たちの企みもここまでよ!
ぬぅぅ! 小娘がぁぁ……!
……もう大丈夫。心配かけてごめんなさい。
戦いましょう。私たちの、正義のために……!
<レディ・ローゼンの活躍によって闇商人たちは捕まり、
子供たちも無事に解放された。>
はぁ~~~……。
どうしたのよ、『レディ・ローゼン』。
お手柄だったのにため息なんかついちゃって。
……私、土壇場で急に怖くなってまったく動けなかった……
あれが……本物の<悪>なのね。
ねぇ……彼らの目を見た?
目、ですか?
真っ暗で、濁ってて……
絶対にわかり合えないって思ったわ。
あんな恐ろしい連中とローゼンは戦い続けているのね。
まあ……元気だしなさいよ。ちゃんとやっつけることはできたんだしさ。
うん……でも大丈夫。
むしろ、これはこれでいい経験になったと思うわ。
ようやくローゼンに近づくための第一歩を踏み出せた気がするから。
……あら?
<ふとベアトリスが目をやるとそこには――>
薔薇の花……?どうしてこんなところに……
<木陰にひっそりと置かれた一輪の薔薇を、ベアトリスはそっと拾い上げる。>
……この薔薇の香り、昔どこかで……
! ……まさか……!
その名はレディ・ローゼン
その他