【白猫】フローリア(温泉)・思い出
フローリア・レクランセ CV:東城日沙子 草花の声に導かれた宮廷庭師。 着ている和服は大切な友人からの贈り物。 | ||
2015/11/10 |
メインストーリー
思い出1
こんにちは、みなさん。その節はお世話になりました。
あら、フローリアじゃないの。よく来たわねぇ~。
フローリアさん、それはアオイの島の服ですか?
はい、着物屋さんでカスミに見立ててもらったんです。
あ~、言われてみれば、カスミの服に似てるわね。
暑中見舞いのお返しだそうです。カスミは律儀な人だから……
その弓も一緒にもらったんですか?
はい、以前から弓術には興味があったので、これを機に始めてみようかと。
……もしかしてだけど、目を閉じたまま射ってるの?
その、もう習慣といいますか、これが普通になっていまして……
それに、目を閉じていたほうが的によく当たるんです。
そ、そんなこともあるんですね。
この感覚をどう伝えたら……普段より、よく<見える>んです。
……なんでだろう。普通じゃありえないのに、フローリアだと納得してしまう。
あ……そろそろ時間ですね。ご挨拶だけですみませんが、私はこれで失礼いたします。
あら、残念……庭師のお仕事か忙しいのかしら?
オーナーから用事が済んだら早く戻って来るよう言われていまして……
え、まだクルーシャの塩エステで働いてるの?
薬草や香料の知識を見込まれて、契釣を延長したんです。おかげさまで繁盛していますよ。
売れっ子庭師はどこへ行っても引っ張りダコってわけね。
そんなことはありませんよ。誰かが必要とされていたとき、たまたま私が居合わせただけです。
またまた謙遜しちゃってえ。
みなさんも、またぜひ当店にいらっしゃってくださいね。
及ばずながら、このフローリアが、みなさんに癒やしのひとときをご提供いたします。
はい、楽しみにしていますね!
それでは、営業も無事に済みましたので、私はこれで……
営業だったんかい!
ふふ、冗談ですよ♪それではみなさん、ごきげんよう。
思い出2
うわぁ、ほんとに繁盛してるのね、クルーシャの塩エステ。
すごい人だかり……これはしばらく並びそうね……
あら、あんたたち……
あ、カスミだ。ねえねえ、お友達優待ってことでお店に入れてくれない?
キャトラ、ズルはだめよ?
悪いけど、そんな余裕ないわ。こっちは本気で忙しいんだから。
あ、みなさん、ようこそいらっしゃいました。
やっほー、遊びに来たわ――
「「「巫<かんなぎ>さま!」」」
どわぁ!な、なにごと!?
ああ、巫さま。どうかお力をお貸し下さいませ……
巫さまよりいただいた軟膏で腰痛がようやっと治りました……なんとお礼を言えばよいか……
夜間任務が多いせいか、不眠症に悩まされていまして……巫さまの助言をいただきたく……
あ、あの、お客様方。お一人ずつ対応いたしますので、今しばらくお待ち下さい。
な、なんなのアレ?フローリアのファン?というかカンナギサマって?
巫<かんなぎ>っていうのは、各地を行脚して人々を助ける、特別な力を持った女性のことよ。
特別な力?
巫は、弓矢を用いて魔を祓うの。それに薬草や自然の力を借りて、病気を治したりもするのよ。
弓矢に、薬草……あ。
そういうこと。今のフローリアがまさに、その<巫さま>ってわけなのよ。
お客さんの一人が、フローリアを巫と勘違いしたみたいなの。そこから評判か広まって――
その結果が、あの人だかりってわけね。
カスミ、悪いけど、レモンバームの瓶詰めを持ってきてもらえる?
あ、うん、わかった……
フローリア、大丈夫?すっごく大変そうだけど。
はい、少し驚いています……ですが、みなさんか私を頼ってくださるのなら、それに応えたいと思います。
でも、これだけの人数を一人で……私たちも手伝いましょうか?
ご心配にはおよびません。それに……嬉しくもあるんです。
嬉しい?
ただの庭師である私が、こうして多くの方々の手助けができることに、です。
これをきっかけに、私自身も変われるかもしれない……そんな期待を抱いています。
フローリアさん……
私は巫さまではありませんが、みなさんのお役に立てるのなら、喜んで巫さまになりましょう。
なるほどね……フローリアがそこまで言うなら、この場は任せましょっか。
……うん、そうね。
ありがとうございます。みなさんのご期待に添えるようがんばりますね。
(フローリア……)
思い出3
巫さま、村までご足労いたださありがとうございます。なにとぞ我らをお助けください……
ご安心ください、村長さま。巫として、最善を尽くすことをお約束いたします。
おお……巫さま……ありがとうございます……!
すっかりカンナギサマが板についたかんじねぇ。
あ、あらためて言われると、恥ずかしいですね……
フローリアgs巫なのをいいことに出張エステさせるなんて、オーナーも人使いか荒いわ。
……まー、だけどさ、今回はエステって雰囲気じゃないわよね。
はい、この村では、原因不明の流行り病のせいで、多くの方が病床に伏せているそうです。
手持ちの薬草で対処できればいいのですか……
とにかくまずは、村の人たちを診て回りましょ。
ええ、そうね。
……困ったわね。どの薬草を使っても効果がないなんて……
…………
思いつめちゃダメよ、フローリア。巫だって万能じゃないんだから。
そういうわけじゃないの。ただ、なにか違和感が……
……そう。フローリアもなのね。
どういうこと?違和感って?
息苦しい……と言いますか、心なしか肩と背中に重みを感じるような……
<そのとき、一陣の風が吹き、木々がさわめくように音を立てる。>
――っ!
あ、フローリア!どこいくのよ~!
……やっぱり、そういうことだったのね。
フ、フローリア!今のって……!
草木が私に教えてくれました。この村を脅かす災いの正体を……
災いの正体……?
これは、ただの流行り病ではありません。……<まがこと>の仕業です。
…………
思い出4
<まがこと>を祓う上で一番大切なことは、心を強く持つことよ。
心を、強く……
よくないモノはよくないモノを呼び寄せる。それはすなわち、心の暗部。
動揺や迷い、不安や憎しみは。<まがこと>に付け入る隙を与えてしまうわ。
二人でなにしてるの?
カスミから<まがこと>について教えてもらっているんです。
あの村にいた<まがこと>を祓うために、ですか?
はい、知ってしまった以上、見て見ぬふりはできません。巫として、必ず祓ってみせます。
……止めても無駄だろうしね。だったら最初から自衛の手段を教えたほうがいいと思ったのよ。
……大丈夫?無理してない?
お気遣いありがとうございます。私なら大丈夫ですよ。
本当にそう?無理にでも巫を演じようと躍起になってるんじゃないの?
……そんなことはないわ。私は村の人たちのために、自分のできることをしたいだけよ。
……ならいいけど。くれぐれも自分を過信しちゃだめ。絶対によ。
カスミ……
ふぅ、ずっとしゃべってたから、のどか渇いちゃったわ。お水もらってくるわね。
あんた、ちょっと付き合ってよ。
***
相変わらずツンツンしてるわねえ、カスミは。
そんなことないですよ。むしろいつもより私を気遣ってくれています。
<まがこと>についても丁寧に教えてくれますし、対処法も綱かく説明してくれて……
……私もまだまだ、みなさんに守られてばかりですね……
フローリアさん、そんなことは……
あっ……ごめんなさい。<まがこと>に心の迷いは禁物でしたね。
今の私は巫です。必ず村のみなさんを救ってみせます。
そのためにも……私自身が、強くならないと……!
***
あのさ、気付いてると思うけど、今のあの子、すごく無理してるわ。
でも、お役目に殉じようっていうあの子の気持ちもわかるのよ。……私もそんなかんじたったし。
だから……いざってときはあの子を助けてあげて。無茶をしないよう支えてほしいの。
……頼んだからね。
思い出5
<村のはずれにある祠に足を踏み入れるフローリアたち。>
もともとは村の守護霊を奉じていた祠のようですか、これは……
<祠の中は濃い瘴気が立ち込め、<まがこと>が潜んでいることを示唆していた。>
たぶん、疫病を呼ぶ<まがこと>に月を乗っ取られて、霊気を奪われたんだと思う。
ひどいことをするのね……
なんだか尻尾がソワソワするわ……みんな、油断しちゃだ――
っ!待って、誰かいるわ!
え……私……?い、一体どういうことなの……?
どうもこうもないわ。私は、あなたよ、フローリア。
(ダメよ!そいつの言葉に耳を賃しちゃ――
っ!声が……出ない……身体も……!金、縛り……!?)
(うぅ~~!な、なんなのよ、これぇ!)
(フロー、リア……さん!)
ああ、フローリア。あなたはなんて残酷な人なの。
私が……残酷?
慈愛の心を持ち、草花を愛する可憐なあなたを、人は懸命に守ろうとする。
まるで、春の嵐にさらされた一輪の花をかばうように……
……なにが言いたいのですか。
……そうして、みんな傷つくのよ。他ならぬ、あなたのために。
――っ!!!
ああ、なんてひどい人なの。あなたの中にある<弱さ>が、甘い毒となって皆を狂わせるのよ。
あなたのお仲間も、そこにいるカスミも、それに、スイレンの――
やめてっ!!それ以上……聞きたくない……!
ほら、やっぱりあなたは弱い。……でも、それでいいのよ、フローリア。
あなたは守られるだけでいい。他者を助ける必要なんてない。
あなたは脆くて儚い花。あなたのために流された血が、あなたを美しく咲かせるのよ。
違うの……!私は……私は……!
(フローリア……お願い……!心を、強く持って……!)
v
――!(っ!あんた……!)
(主人公!フローリアさんを……!)
<主人公は、硬直する身体に渾身の力を込め、フローリアのもとに歩み寄る――!>
思い出6 (友情覚醒)
!この光は、あのときの……!
可哀想な人……あなたも『私』をかばうのですね。せめて苦しまずお逝きなさい。
っ!させません!……絶対に!
<フローリアは弓を構え、<矢をつがえず>に弦を引く。>
(?フローリア、なにを……)
人々を苦しめる災いの芽は……私が、刈り取ります……!
祓いたまえ……清めたまえ……!
<祝詞を唱え、フローリアは、限界まで引いた弓弦を解き放つ!>
!身体が動くわ!声も……!
た、助かった~……なにが起きたのかサッパリだけど……
今のは<弦打>。魔を祓う儀礼の一つよ。教えたとおりにできてよかったわ。
……村へ戻りましょう。みなさんの様子が気になります。
***
おつかれ、フローリア。はい、これ。
……とてもいい香りの茶葉ね。これが前にカスミが言ってたマッチャ・ティーかしら。
これの話をしたとき、飲みたかってたでしょ。久しぶりに点ててみたわ。
ありがとう、カスミ。嬉しいわ。
村の人たち、元気になってよかったわね。
すごかったわよねえ。カンナギサマ、カンナギサマってみんなはしゃいじゃってさ。
ふふ、そうですね。
えっと……あのさ、フローリア、あの<まがこと>の言ってたことなんだけど――
……私はね、カスミ。ずっと自分の中にある<弱さ>を消し去りたいと思っていたわ。
弱いだけの私を誰かが守って、そして傷ついてしまう。あのスイレンの人のように……
それがとても辛くて……悲しくてたまらなかったの。
……それで自分が強くなるために巫のお役目を引き受けたのね。
でもさ、<まがこと>は祓えたんたし、ちゃんと強くなったんじゃない?
ですが、あれは私一人の力では……
最初から強い人間なんていないわ。大切なのは、強くなりたいって思う意志よ。
……私は、強くなりたい。強くなって、私を守ってくれたみんなの力になりたいの……!
フローリアならできるわよ。巫の素質は十分だし、あとは精進あるのみね。
私もみんなも、フローリアのこと頼りにしてるわ。
カスミ……ありがとう……
……ほら、せっかく点てた抹茶が冷めちゃうわよ。
ええ、いただくわね。ズズズ……
ふう、美味しい……あ、違ったわ。えっと、確かこういうときは……
ケッコーナ、オテマエデ。……だったわよね。
ぷっ、なにそれ、変なの。
え、え?私、間違えちゃったかしら?
違うわよ、フローリア。そこは。『不昧い!もう一杯!』よ。
不味くて悪かったわね!
……本当に、ありがとう。
邪を祓う花の巫 フローリア・レクランセ
その他