【白猫】フローリア・思い出
宮廷庭師 フローリア・レクランセ cv.東城日沙子 草花を愛する庭師。 植物の<声>を聞くことができる。 | ||
2015/04/21 |
思い出1
わあ! アイリス見て!この花壇、綺麗な花がいっぱいよ!
本当……!でも、この花壇前からあったかしら?
そちらの花壇……差し出がましいとは思いましたが、私が手入れさせていただきました。
あら、どちらさまかしら~?
<目を閉じた儚げな少女が、貝優美な所作で礼をする>
お初にお目にかかります。私は庭師……名をフローリアと申します。
へぇ~、庭師さんだったのね。それなら、この花壇も納得かも。
フローリアさん?もしかして、目が……
はい、お察しの通りです。ですが、ご心配にはおよびません。
私には<声>が聞こえます。その声が私を導いてくださいます。
<声>、ですか?
花の唄声、草花の囁き……私には、草花の声が聞こえるのです。
すごーい!そんなことできるんだ~。
この花壇のお花たちの言うこともわかるんですか?
もちろんです。人も植物も同じ生き物です。皆が等しく感情を持っています。
……この花壇の花たちは、私に助けを求めていました。
言われてみれば、ここに花壇があることにずっと気づきませんでした……
うう、ほったらかしにしてごめんなさい~……
いいのです。草花を愛しく想う心……それが一番大切なことですから。
よろしければ私に、この島の草花たちのお世話をさせてください。
いいの~?この島、けっこう広いけど……
それが庭師である私の務めです。私は、彼らのためにできることをしたいのです。
もちろん、歓迎しますよ。ね、主人公。
ありがとうございます。皆さまのご期待に沿えるよう、庭師として尽力いたします。
思い出2
フローリアさんは、今までどちらで庭師の仕事をされていたんですか?
さる王侯貴族のもとで、庭園のお世話をさせていただきました。
王侯貴族!?も、もしかしてフローリアって実は凄腕の庭師さんだったの……?
たくさんの花たちと出会えてとても楽しかったのですが……
なにかあったんですか?
次の仕事に向かう直前で、専属の庭師になって欲しいと貴族の方に請われたのです。
……もしかして、断っちゃったの?
はい、おそれながら……
えー!どうしてー?!きっとお給料もよかったんじゃ?
本来、庭師とは人間に尽くすのではなく、草花に尽くすべき存在です。
私は、私の手を必要とする草花のもとに向かい、彼らのお世話がしたいのです。
おお……なんだかプロってかんじね……
フローリアさん、本当に草花が好きなんですね。
はい……私にとって彼らは、家族も同然ですから。
子供を育てるお母さんみたいな心境?
その……できれば、姉でありたいと思っています。
思い出3
あ、皆さま……
わ!フローリア、どうしたの!?その野菜の山は……!
実は、さくほどまで、農夫の方とお話ししていたのですが……
話しているうちに意気投合しまして、そうしたら……
この野菜の山をくれたってわけ?なんとまあ、豪快だこと……
殿方から花束を贈られることはよくあるのですが、お野菜は初めてです……
……ん?さりげなく自分モテてるアピール?
……こ、こほん。この野菜は活力に満ちています。とても丹念に育てられていますね。
フローリアさん、野菜にもお詳しいんですか?
園芸の一環として多少は……ですが、やはり本職の方にはおよびません。
ふ~ん、そういうものなのね……
とはいえ、分野は違えど、植物を愛する心は同じです。この野菜たちが何よりの証です。
確かに、美味しそうですね。このまま食べられるかも?
見て見て、このトマトとか、実が詰まってイイかんじよ!じゅるり……
よろしければお裾分けします。この野菜たちも、皆さまに食べてもらうことを望んでいます。
それならぜひ食べないとだね!
今日はみんなで、サラダパーティよ~!
思い出4
こんにちは、皆さま。
あ、フローリア!こんにち……わあ~~!すごい!
これって……!
<フローリアの周囲に、色とりどりの花々が咲いている……!>
こんなにたくさん……!全部フローリアさんがお世話しているんですか?
大したことはしていません。花たちが開花を望んでいたので、私はそのお手伝いをしただけです。
またまた~、宮廷庭師さんが謙遜しちゃって~。
……あら?この花、見たことないものだわ……
それは島の外から来た種ですね。
へぇ~、そうなの~?
ここは不思議な土地です。様々な人々が訪れ、行き交うように……
花たちの種子もまた風に乗ってこの島にたどり着くのです。
人も植物も同じ生き物……前にフローリアさんが言っていた通りですね。
ふふ、覚えていただいて恐縮です。
見て見て、アイリス!この花、色がとってもキレイよ~!
この色……なんだか見てて癒されるかんじね。
……色、ですか……
フローリア、どうかしたの?
い、いえ、なんでもありません……
……花たちはその花弁を開くのに、私は自らを閉ざし続ける……
ああ……私は、どうすればよいのでしょう……
思い出5
皆さま……申し訳ありません。
きゅ、急にどうしたの?なにかあったの?
実は……私は、皆さまに嘘をついていました。
え、嘘……ですか?
はい、実は、私の目は……すでに見えるようになっているはずなのです。
えぇー!ホントに!?って、はずなのですってどゆこと?
……私は以前、さる名医の方の施術を受け、この目を直していただいたのです。
……ですが、私はその時になって、この目を開くことを拒んだのです。
そんな……せっかく治ったのにどうしてですか?
……私は思うのです。
私が草花の<声>を聞けるのは、目が見えないゆえに得た特別な感覚なのではないかと……
うーん、言われてみれば、確かにそうかもしれないけど……
であれば、私がこの目を開けば、今度はその感覚を失ってしまうのではないでしょうか……
か、考えすぎよ~!きっと大丈夫だって!
ですが、もしも……と考えると、私は身がすくむような悲しみに襲われるのです。
友であり、家族である彼らの<声>が聞こえなくなるなど私には耐えられません!
ならばいっそ、私はこのまま……色なき世界に留まります!
フローリアさん……
……取り乱してしまい、申し訳ありません……
花たちは開花していくのに、私は自らを閉ざし続ける……これでは庭師失格ですね……
思い出6 (友情覚醒)
これは……!、もしや、これが、光……なのですか……?
初めての感覚です……これが色のある世界……なんて美しい……
……ねえ、フローリア。一度だけ勇気、出してみない?
きっとお花さんたちも、フローリアさんに自分を見てもらいたいと願っているはずです。
……皆さま……
……わかりました。私も彼らの姿を……彼らの色が見たいです……!
<フローリアは、閉ざされた双眸を、ゆっくりと見開いた……>
ああ……これが、見える、という感覚なのですね……
……どう?花たちの<声>、聞こえる?
……!、みんな見て!花が……!
<なんと、フローリアたちを取り囲む花が、一斉に輝きだす……!>
――おめでとう、フローリア。
フローリア!わたしもみてーー!
あなたのおかげでわたしは咲くことができたーー
――これからもずっといっしょだよ……
はい……はい!聞こえます!彼らの<声>が、今も聞こえます!
フローリアさん……よかったです!
本当に、よかったです……!ぐすっ……
うう……久々に感動したわ……なんてイイハナシなの……!
主人公さん……あなたの光が、私に勇気をくださいました。
つぼみのままだった私の目を開花していただき、本当にありがとうございます……
ぐすっ……ところで、フローリアはこれからどうするの?
……この島には、私の世話を必要とする草花が、まだまだたくさんいます。
私は、この島の庭師とした、引き続き彼らのお世話をしたいと思います。
彼らの声に答え、その成長をこの目で見届けるために……
草花に祝福されし乙女
その他
カスミ(サマー版)・思い出