【白猫】The Shining Shadow 7章 ~黒き彼我見の双刃~ Story
遂に揃いし7つの魔神具……蛇は大空を舞うのか――!?
story
――気が遠くなるほどの昔。空には四つの太陽があったという。
太陽はそれそれ役割を持ち、補い合いながら輝いていた。
――しかし――
一匹の蛇が生まれた。
それは<四対の翼持つ大蛇>……太陽たちは蛇を恐れ、姿を隠してしまった。
地上に長い夜が訪れた。
その<闇>の中、他の太陽を出し抜き、中天に昇りたるは、黒き<贋作の太陽>……
<四対の翼持つ大蛇>の虚を突き、追い落とすと、そのまま天頂に居座った。
そして要求した。
『再び光をもたらした我を、心臓をもって崇めよ』
人々はそれを拒めなかった。
しかし、太陽は知らない。
人々は夜を――厭わなかった。
蛇舞う夜空こそ、安楽と幸福の象徴だったのだ――!
……という、ね。
おとぎばなしね!?
きゃ、キャトラ……
うんうん。キャトラくんはわかってるね。そう、これは昔々の話さ。
だけれど今にもつながっている、ね……
……蛇のような姿の、あの、悲しい人のことですね……
そう。<シバルバーの魔神具>は、闇と瘴気に侵されし武器。彼を縛りつけるクサビだ。
だがその穢れを祓い、かの大戦士の、七枚の光の翼とすれば――
…………?
彼は、成る。<贋作の太陽>を滅ぼすという、<落陽を呑む忘我の毒蛇>に……!
……う~ん……?
じゃ、行こうか。ここで手に入る武器が、最後だよ~ん。
……むぅ~……
キャトラ? どうしたの?
なんか、ひっかかるのよね……
<落陽を呑む忘我の毒蛇>になるための、七枚の翼……
でも、神話の始まりにいたのは、よんついの――
はやくおいでよ~ん。
あ、は~い!イシュプールさん!
あれ???ん??????
もー!なに考えてたのか忘れちゃったじゃないの!
もう!こうなったらさっさと武器取りにいきましょ!
う、うん、そうだね……
story
これが最後の<シバルバーの魔神具>……
第一の魔神具。心臓を握り潰すウェイマク。
第二の魔神具。黒煙を穿ちしアトラトル。
第三の魔神具。頭頂突き立てしマカナ。
第四の魔神具。白蛇の現し身ククルカン。
第五の魔神具。弾かれし牙ホルカンカ。
第六の庭神具。嘆きの斧ポストリ。
そして――最後の魔神具。同一であり異なる我インラケチ。
それってイシュプールさんがよく唱えていた……!
空と大地の子蛇の大戦士よ。
その究極なまでに純粋なサガ、敗れれば<闇>にすら忠誠を誓うという……
……アシャクァトルよ。いるのだろう?さあ君の翼を受け取るかいい。
A…………
あなたのお名前なんですね……アシャクァトルさん……
七枚の光の翼で舞い上がり……!
そして呑み込むのだ!あの忌まわしき<贋作の太陽>を!
<落陽を呑む忘我の毒蛇>よ!!!
A…………
……どうしたんだ?神をも超える人の子大戦士アシャクァトルよ。
A……蛇ヨ……
……太陽ハ…………生マレ変ワル……
マダ……空ハ遠イ……!
……なんだって……?
――我は太陽――――中天に座す黒き太陽――
クローさん……!
彼は……!なんてことだ依り代を変えたのか……!?
まずい黒き太陽の化身はいずれ――!!
杞憂だな蛇よ。
なに?
この世はすぐに染まる。<闇>の大地を我が照らしてやろう――
――我が花嫁とともにな。
…………
フローリアさん!?
聖なる花の乙女!?……貴様ァ……!!
Aグゥガァァアアア!!!
クェーッ!!
忘れたか? 我は煙。我は――
Aグゥ!?
かはっ……!
――鏡……!
だ、大丈夫ですか!
さて――祝言だ。聖なる花の乙女よ。
…………
久しいあの<里>でふさわしい式を挙げねばな。
待てっ……
這いつくばっていろ、蛇ども。
この依り代ならば……いかに<落陽を呑む忘我の毒蛇>であろうとも!
ハハハハハハ……!
クソ、<贋作の太陽>め……!あれほどとは……!
その上さらに力を欲するか……!
A……太陽ゥ……!
――ガァアアアア!!!
あっ、アシャクァトルさん!
残された時間は少ない……!<里>へ向かわねば……!
…………
?
アタシたちも行きましょう。
……キャトラ?
神話の通りなら――
――まだ手はあるわ!
キャトラ……!?
<闇>と手を組みし悪しき神、<贋作の太陽>よ……!貴様の好きにはさせん……!
束の間中天に座しているがいい!蛇の牙が、貴様を台座ごと噛み砕くであろう!!!
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