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【白猫】シャナオウ・思い出

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん

シャナオウ・H・K・M cv.福山潤
アンドロイドの若き将。
人間となんら遜色のない心で戦の意義を問う。
2015/06/26


思い出1



さても!世に聞く飛行島、これにまいり着きたり!

またヘンなのが来たわね……!アンタはだれっ!?

おお!?しゃべる猫とは、よもやフォルトなりか!?

なに言ってんの!?アタシはキャトラよ!アンタの名前を聞いてるの!


我が名はシャナオウ!MINAMOTOが子弟の一人!

お待ちなさい。

いかがした?

アンタロボよね?

アンドロイド、って呼ぶんじゃないかしら?

いかにも!我が腕、我が足は、人の子の技術のリザルトなり!

遠からんものは音に聞け!ガッシャンガッシャンガッシャン!

近くば寄ってサイトせよ!我が名はシャナオウ!アンドロイドである!

うるさい!

これは失礼ストレージ。

はぁ!?


俺は兄の元に行く途中なのだ。

諸国を巡り、見聞を広め、力になってくれる人物を探しながらな。

ふむ。事情はわかってきたけど、いろいろ聞きたいことがあるわ。

申し訳ない。詳しい話ならば、次なる機会につかまつろう。

つかまつろう???

では、これにてログアウト!


むぅ……!グイグイ空気をかきまわすカンジ、しゃくにさわるわ……!


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思い出2



見参ログイン!

うるさい!

キャトラ、いきなりそれはひどいんじゃないかな……?

そんなことないわ。だってコイツ、変態の眷属だとアタシは見たもの。


あな!遺憾の意をディスプレイ!

もがー!なんなのよ、アンタのそのしゃべり方は!

マトモな会話が成り立たないでしょーが!テンション落としなさーい!

承知アセント!

だからそれをやめなさい!

わかった。


ハァ、ハァ……!最初からそれでいいのよ……!

無駄に疲れさせてしまったな。

そーよ!

シャナオウさんは、どうしてあのような言葉づかいを?

立場上な。

立場上?

俺は将の器だ。

ショウノウツワ?どゆこと?

現在、ある島において、アンドロイドが二派にわかれ、戦争をしている。

……アンドロイド同士の…………戦争……

そして俺は、一方の総大将の弟であるらしいのだ。

らしい?

アンドロイドだからな。後続機ではあるのだろうが、そう呼ぶのも変な話だろう?

そうねぇ。ヘンな話よねぇ。

俺の体には、<八龍のルーン>が秘められている。

はちりゅうのるーん……なんだかすごそうね……

その存在に気づいたのは我が師、テングロボなのだ。

ふ~ん。てか、テングロボて!テングのロボか!

八龍のルーン>は俺が大将の弟である証拠らしくてな。

それもあり、兄は俺の力をアテにしているのだろう。

ああ、そう……それなら、こんなところで油売っていいの?

俺一人戦陣に加わったとて、それが何になろう。

だから俺は、旅をしながら従者になりそうな奴を探しているんだ。

ロボ限定で?

いや、人間でもかまわない。理解があればな。

理解?

戦争に連れ出すんだ。何もわからず、殺し合いはだれだって嫌だろう?

そりゃそーね……

俺も今回の戦の意義を疑ってはいるが……

それを見極めるためにも、兄の元へゆかねばならぬ。

なるほどねぇ。で、いまのところいたの?従者になった人?

いや……!あいつは……!

まだエンプティだッ!

……いないってことね?


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思い出3



……やめろ……!……来るな……!

ベンケイ

パパ~、ってか?

やめろ!なにがパパだ!

ワシは今日生まれたばかりだ。赤ん坊だろうがよ。ばぶ~!

そんなことがあるか!

あんだよ世の中。ば~ぶ~!

来るなーーー!!!

ぐぁ!


……はぁ、はぁ……

……おー痛ぇ……!やってくれるじゃねぇか……!

ワシに傷を負わせたのは、おめぇが初めてだぜ……

生後一日目だからだけどよ……!

気にいったぜ……!

よ、寄るな……!寄るなぁーーーーー!!!!


シャナオウ!

はっ!?

ロボのくせして居眠り!?ひじょーしきだと思うんだけど!

あ、あぁ……そうだな……

寝汗とか!そういうのもヘンなんだからね!

あぁ、すまない……

?元気ないわね。怖い夢でも見たの?

(もう、ここまできたら夢を見ることは受け入れるのね)

……なにも見ていない!

話すなら聞くわよ?

いや、なにもない、なんでもないんだ!御免シャットダウン!

ヘンなの……


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思い出4




いざメガロポリス!

うるさい。元気になっちゃったみたいね。

なっちゃったとは、これイニシャライズ!

うるさい。テンション落として。

わかった。


なんか、一軍の将として、みんなを鼓舞するためにアゲアゲなんでしょーけど。

別にここにはアンタの部下はいないんだから。フツーのままでいいのよ。

まあその通りだ。でもな、そういう仮面を被っているうちに、本当にそういう性格になることも……

ギニャー!やめてくんない!ロボなのに、そういう人間っぽいあるある言うの!

これは失礼オーヴァードライヴ!

そのテンションもやめてって言ったよね!?

なんなの!?反抗期!?ちょっとはアタシの思い通り動いてくれないかしら!

(キャトラ……!それはそれで無茶苦茶な要求よ……!)


そうもいかない。常に柔軟に。戦で重要なのは発想だからな。

俺は変幻自在に軍を運用できる自信がある。それが俺の取り柄のはずさ。

はずじゃないのさ。

まだ武勲を上げていないからな。

そんなことより、さっさとおにーさんとこいけば?

あの兄が、簡単に俺と会うかよ。

へ?

風聞を頼りに、兄の人間性を想像するに……

おいロボ。人間性って。

兄は苛烈だ。俺に才無しと見れば、容赦なく切り捨てるだろう。

えぇ!?考えすぎじゃない!?

いや、それほど、いま、兄の周囲は乱れていると聞く。

油断をすれば寝首をかかれるという。味方陣営のアンドロイド同士でもな。

なんか……本当にロボなの?

改良されたアンドロイドの心は、もはや人も同じ。

なれば歩むだろう。同じように、血塗られた争いの歴史を……

…………

……人間だって、そんなばっかじゃないよ?

だが現に、この世から戦がなくなりはしない。必ずどこかで、戦争を続けている。

かもしんないけど……

俺は諦めているわけではない。

そんな中から、生まれるのだからな。乱を鎮めようという者が。

アンタってば……

そのときこそ、アンドロイドはさらに一歩進めるのかもしれない。

いや、進めなくとも。争いさえ減らすことが出来れば。

アンドロイドは、進歩を急ぎすぎたのだ。

しばし立ち止まるのも、人間性をゆたかに育むには必要なことだろう。

シャナオウ……

(……は、ホントにもう、まるまんま人間だよね、考え方とか……)


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思い出5



……くっ……

どうしたのシャナオウ?すごく苦々しい顔して?

俺の中には……夜叉の血が流れているっ……!

血って!流れてないんじゃないの!?

我を忘れたときの俺は、まるで殺戮機械だ……

……もう、わかったわ。もう言わない。それでどうしたの?なにかひどいことしちゃったの?

このあいだ俺は、TAIRAのアンドロイド部隊と遭遇した。

たいら?

シャナオウさんたちと敵対する組織のことでしょうね。

連中が建物に入っていく姿を見て、俺の中で何かが弾けた。

恨みや憎しみ……そういったものが噴出したんだ。

なんかうらんでたの?

いいや、そんなつもりはなかった。連中の残忍な所業を伝え聞いてはいたがな。

俺にとっても意外だった。戦の本能だったのかもしれない。敵とした者に、容赦するなという。

思考出来たのは最初だけだった。俺は――

――その集落ごと、敵部隊を滅ぼしたのだ!


…………

…………

理ではわかっている!血も涙もないTAIRAのー派、見逃せば、より多くの悲劇が生まれただろう!

だがしかし……!あそこまで徹底的な破壊が必要だっただろうか……?

シャナオウ……

理で心を麻庫せしめ、冷酷な殲滅を行う……!

これでは俺は、ただの戦闘マシーンではないか!?

俺は、こんなことをするために生きているというのか!?

心は……なんのためにあるんだ……?


……シャナオウさん……


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思い出6 (友情覚醒)



この光は……!?

……そうか……

この悩み、この苦しみこそ、将が背負うべきものなのだろうな……

俺がやっているのは戦だ。何の犠牲もなく済むものではない。

その犠牲を少なくするために……ときに、心を鬼にして、敵を倒さねばならぬ……


……そういう考え方で開き直るのは…

わかっている。開き直るわけではない。

己の選んだ修羅の道……それに悩み続け、その責め苦を受け続ける……

それが俺の役割だ。

破壊や殲滅は、最小限の方がいい。もちろん俺だってそう思う。

だが……誰かが、汚れ役をやらねばならぬというのなら……

それは俺なのだろう……


シャナオウさん……

……戦争、終わらせなさい。

キャトラ?

武力でってのは、アタシは絶対賛成しないけど。

キレーゴトだけで終わるかって言えば、それもムシがいいのはわかってるし。

だから、終わらせなさい。アンタが思う、一番早いと思う方法で。

……そうだな。

いずれが正義でいずれが悪か。事の詮議は、アンドロイドの世が平定したのち行えば良い。

目標は遠大だ。些末な出来事、それも真摯に受け止め、心を鈍感にしてはならぬが……

成すべきことを成さねばならぬ!

なれば一刻も早く、諸国の猛者たちを陣営に引き込まねば。

うん……知らないところの戦争だし、あんまりテキトー言えないけど……

アンタはまんま人間だから。その心を失わずに、正しいと信じたことをおやりなさい。

かしこまりつかまつったで候!受諾アセプタンス!

我が名はシャナオウ!MINAMOTOが棟梁、マザーヨリトモの弟である!

世の乱を平らげ、いざ!アナスタシアヘ、ログインせん!




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画像説明
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画像詳細
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