【白猫】ベンケイ・思い出
ベンケイ・イワトウシ cv.乃村健次 ある日、菩堤樹の股に誕生した男。 生まれた瞬間から全てを悟っていたという。 | ||
2015/05/28 |
思い出1
「飛行島か……
島ごと空を飛ばそうなんざ、バカなこと考える奴がいたもんだ。」
なによアンタ?いきなりケチつけてさ?
兵器が欲しけりゃ飛行艇でいい。住むなら地面で十分だ。
島が空を飛ぶ必要なんて、どこにあンだよ? あぁ?
えっと……でも、私たちにとってはとても便利なので……
<持ってる者>は、それについて深く考えねぇよなぁ。
あの……すみません……
謝ることなんてないわアイリス!なんなのよアンタ!?クレーマーってやつ!?
ワシの名はベンケイ。
ワシはただ、見たまんま、思ったまんまのことを口にしてるだけだぜ。
そんなのケンカ売ってるも同然よ!オモテ出なさ~い!
ほう……
アンタなんか、主人公がやっちゃうんだから!
小僧……ワシとやるか……?
いっけいけ~!
ダメです!ベンケイさん、待ってください!主人公も!
意味のないケンカなんて、やるべきじゃありません!
キャトラ!そんなたきつけかた、ダメでしょ!?
う……ごめん。
へっ、ハナっから本気になんかしちゃいねぇ。
小僧じゃ、ワシを満足させることは出来ねぇだろうよ。
このベンケイ、この世に生れ落ち、はや7日……
どこかに、ワシを楽しませてくれる奴ァ、おらんもんかねぇ……
!?!?!?ちょっと待って!
7日って、アンタ……!
ど~ゆ~ことよっ!?
思い出2
ベンケ~イ!
あぁ? 小僧と小娘と小生意気な猫じゃねぇか。うるせぇ声出してんじゃねぇよ。
その、ガラ悪いのはともかく!アンタに質問があるわ!
んだよ?
アンタ、生まれてまだ7日って、冗談だよね? あるいはなんかのヒユなんでしょ?
事実だ。
どどど、ど~ゆ~ことよっ!?
うるせぇなぁ。
ベンケイさんの年齢は、0歳7日、っていうことでいいんですか?
そうだ。
それにしちゃ大きすぎるわ!
この姿で生まれたのだ。
ウソだ!どんなおかーさんよ!
人間の親なんざいねぇ。ある瞬間、木の股にいた自分に気づいたのさ。
ありえないわ……!
んなこたどーだっていいんだよ。
よくないと思うけど……!
ワシはすぐに気づいた。自分はこの世にただ一人。
恵まれた体に、深き知恵。ワシを超える存在なんざ、いやしねぇってことにな。
世界は広いのよ!アンタよりすごい人だってきっとたくさんいるわ!
いねぇ。
イッ……!?なんで言い切れるのよ!?
それに、百歩譲って体はいいとしても、なんで赤ちゃんのときから頭がいいのよ!?
そういうのって、色々経験したり勉強したりして備わっていくもんでしょ!?
関係ねぇな。
あるわよっ!!!
あー、うるせぇなぁ。そうなんだから仕方ねぇだろ。
わかんないわよ!
もうどっか行けや。
あ、お忙しいんですか?
あ~、それでいい。だから静かに、帰れ帰れ。
…………
なに者なのよ、こいつぅ……!
思い出3
おう、小僧。剣の稽古たぁ、涙ぐましい努力をしてやがんなぁ。
剣っつーのは、いや、全ての物事、そうだがよ。
だれでも、努力すりゃあある程度まではいける。
だが、そっから先は、生まれ持ったモンで差がついちまう……
たとえば、そのウッドソードだ。
いまのオメェみてぇに、せいぜい練習用にしか使われねぇコイツ。
67700G払って、マックスまで進化させて、最高まで強化したってよ。
もっと上のランクの剣にゃ、どうあがいたって勝てやしねぇ。
それがウッドソードの『限界』だ。そして『限界』は、ありとあらゆるものにありやがる。
その壁は、何をしたって超えられねぇ。
虚しいねぇ……
あん?ウッドソードじゃないのも持ってるって?
ほう……ベノムレイピアか。どこで拾ってきた?まぁそれはいいが……
こいつには<毒>の追加効果があるが……オマケみてぇなもんだ。
毒が回るのを待ってるよりも、ガンガン斬ったほうが早ぇ。
191770G払っても、タカが知れてるってもんだぜ。
ほう、ブレードシャークか。
たしかに、水属性もあり、最初は頼りになるかもしれんが、それも所詮は……
おお、その輝きは、いまは無きカリバーンではないか!小僧、持っていたのか?
……模造品、か。
気持ちはわかる。そう肩を落とすな。
……その特徴的な剣先、ティル・ナ・ノーグか。これは通称……
…………
ベンケイの剣講釈は、その後もしばらく続いた……
思い出4
おう、小僧。また会ったな。
アラ? 主人公、いつの間にかベンケイと仲良くなってたの?
小僧は余計なことしゃべんねぇからな。誰かと違ってよ。
だれかってだれよ!それが余計なことよ!
ま……この島での昼寝は悪かねぇ。その点は評価できる。
あ、そこだけはアタシも共感できるわね。
大部分のヤツぁ、なんとなく生きてるだろうが。
またそんなこといって!
っつっても、ワシもそろそろ己の使命を果たすべきかもしれねぇな。
アンタの……使命?それってなんなの?
さあな。
わかんないんじゃん……
そのうち自然とわかってくるんだろーよ。
ベンケイさん……落ち着いてますね。
もう0歳と10日だからな。
若すぎるわよ! 赤ちゃんか!
思い出5
され、暴れに行くとするか。
とつぜんなに言い出すのよ!?
ちょっとうずうずしてきたんでな。発散させてくらぁ。
そんなのおやめなさいよ!
ベンケイさん……なにか理由が、あるんですよね……?
ねぇ。
えぇ!?
ごちゃごちゃ考えすぎなんだよ。
寝たいときに寝て、喰いたいときに喰い――
暴れてぇときには暴れる。それが人間だぜ。
そんなことないわ……
どんな言い方しようが、結局そんなもんだぜ。
じゃあな。
主人公!
ほう、小僧……ワシの前に立つとはいい度胸じゃねぇか。
主人公!はやく、ルーンの光を!
なるほど、奇跡をもたらすルーンの光……
それでワシを止める気か。やってみろ!
思い出6
<ルーンの光が、ベンケイを……>
喝―ッ!
<{なんと!ベンケイの頭がルーンの光を弾き飛ばした!>
な、なにやってんの……!アホなの、アンタ……!
じゃ、あばよ。
もう、勝手にしたらいいわ……どこへなりともいって暴れなさい、ある程度手加減してさ。
しねぇぞ手加減なんざ。
そこはさー!
ベンケイさん、どこへいくかだけでも聞いていいですか?
ふむ。
そうだな。どこぞの橋の上にでも陣取り……
通りかかる者を襲おう。
コラー! やめなさ~い!
で、そいつが武器を持ってたら、ぶんどってやるとするか。
全体的にわかりませんけど……どうしてですか?
理由なんか特にねぇ。
なら……やめたら……?
いいや、やるぜ。やりてぇからな。
ウン……もう、好きにしたらいいワ……
もしかすると、ベンケイさんは、無用な争いをなくすために武器を奪いにいくのですか?
そんなワケないと思う。
わかんねぇぜ?
ハイハイ……
小僧。
ワシと共に来るか?もしかすると、ワザモノが手に入るかもしれねぇぞ?
ダメー! 主人公を悪の道に誘わないでー!
小僧、オメデは不自由だなぁ……
諸行は無常……縛られて生きるも、欲望のまま生きるも、所詮は泡沫の夢……
小僧。ワシみてぇに生きたかったら、いつでも来いや。
ではな。
……久々に見た!あんなワガママなおっさん!
主人公!絶対に、あんな風になっちゃダメだからね!
覚醒絵・覚醒画像
悟りの極北
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