【白猫】コヨミ(名星会)・思い出
コヨミ・ホーリィ CV:諸星すみれ 健気で純粋な狼の半獣少女。 弟のタローと、未来へ走りだす。 |
思い出1
にーに、ねーね。
キャンキャン!
<元気にしっぽをふってる……!>
にーに、げんき?コヨミはげんきだよ!
キャンキャン!
とっても元気ね、コヨミちゃん。
アラアラアラコヨミにタローじゃないの。
キャウーン。
<タローがキャトラにじゃれてる……>
ふぎゃふぎゃふぎゃ。
いらっしゃい、コヨミちゃん。
アイリスねーね!
よしよし……
コヨミたちはたしか、冒険家ギルドのお手伝いをしてるんだったわね。
そうだよ? コヨミたちは、冒険家ギルドの人たちにすっごくお世話になったの。
ガウガウ!
だから、恩返しがしたくて。
えらいわ、コヨミちゃん。
えへへ……あのね、にーに。
コヨミ、大きくなったら、冒険家ギルドの救助隊でお仕事したいの。
危険な目にあった冒険家さんを救助隊さんたちね。
救助の依頼も、救助隊さんたちがやるんだよ。
むずかしいお仕事じゃない?
だからね、ちょっとずつ、おべんきょうをしてるの。
ガウゥ!! キャンキャン!
コヨミ……タロー……
キャトラねーね、コヨミにはむりかな?
むりじゃないわ。でも今日はお肉たべなさい。ステーキよステーキ!
キャウンキャウン!!
うわーい、お肉だー!!
思い出2
『キャウンキャウン!』
タローが、本をくわえてきた。
『キャンキャン~。キャウ~ン。』
これは……!
『キャン?』
以前に読んだ本だ……
偉大な冒険家、ハガードの旅行記である。
『ガウゥ~♪』
主人公は、懐かしいページを開く。
…………
『キャウンキャウン! キャウン!』
生涯、四つの冒険をしたハガード……
現在では彼の冒険の多くは、誇張されていたり事実とは違っていたと指摘されている。
だが彼は、最後まで冒険を愛した。それだけは事実である。
『キャウン……?』
最後の冒険に挑んだハガードは、帰らぬ人となった。
『キャウンキャウンキャウン! ガウ~!』
そうかもしれない……今もどこかを……冒険しているのかも。
にーに、タローにご本を読んでくれたの?
キャンキャン♪ ガウー、ガウー。
タロー、冒険家さんになりたいの?
キャウン、キャウン、ガウゥ!
タロー……ねーねは、タローを応援してる!
ガウゥ!!
大きくなろうね、タロー!
思い出3
やあワタシはお金持ちだよ。なんでも買っちゃうよ~。
今日はこの島を買っちゃうぞ~。買い叩いちゃうぞ~。
くんくん……あっ! コリンねーねだ!
キャウンキャウンキャウーン!!
<タローが飛び跳ねた!>
真実に気づいた二人には、おかしをあげちゃうぞ。
わーい!!
キャインキャイン!
<タローが、コリンの足元で元気にじゃれた>
なかよしなんですね。
コヨミとタローは、妹と弟、みたいなもんさ。
ねーね、だーいすき!
そうだそうだ。今日は二人に試練を与えにきたんだった。
試練!? どんな試練なの!?
ワタシはあまだれくんだ。
タロー、あまだれくんだよ!
キャウンキャウン!
びちゃびちゃするぞ~。
いたずらっこだね。
アッチ向いてホイで勝負だ!
まけないよ!
ワオーン!
アクーアに変身した意味は!?
キャウン?
アッチ向いて……ふぉッ!? ふぉおおお!? 太陽の光が!!
あまだれくん!
太陽が! 太陽が~! 太陽の光を浴びると~!
キャウン?
はいスーパーあまだれくんに変身!
なんで?
アッチ向いて右。
あっ。
キャウンッ!?
ざんね~ん。
がう~! ねーね、もういっかい!
キャウン!
思い出4
今日はね、ギルドの救助隊の人に、お話を聞きにいくの!
キャウン、キャウーン!
救助の講習会があるの。私達も受講するのよ。
お仕事のこと、聞けるといいわね!
うん!
***
それでは、折れた足の固定を行いますね。
<主人公は、けが人役だ……>
こうやって雑誌や新聞紙で折れた足を包んで……
包帯で縛るんだよ!
キャウン!
包帯が無い時は、ネクタイやスカーフでね。
コヨミがやるね!
バウー!
ぐるぐるぐるぐる。ぐるぐるぐるぐる。
最低三か所、しっかりと固定してくださいね。
これでいいですか?
もうちょっと隙間をつめたほうがいいかもしれんね。
わかりました! にーに、もう一回、ぐるぐるするからね!
ガウガゥ!
次は腕の固定を行います。
ディエゴの腕を、雑誌でつつんで……
ぐるぐるするの!
親指を上にするのよ。
ぐるぐる、ぐるぐる。たのしい!
ガーゼをつめるといいね。隙間が埋まるからね。
できたら、三角巾で折れた腕を吊るすんですね?
そうだね。お手本見せるから。
はい!
***
そうか……お嬢ちゃんは、救助隊になりたいのか。
そうなんです!
えらいねえお嬢ちゃん。人を助けたいって思うのは、とても立派なことだ。
ただね……
なんですか?
お嬢ちゃんには、話しておかなくちゃならないことがある。
思い出5
……がうー。
ガウガウ、キャウーン……
あれから元気ないわね……
ねーね、にーに……
ガウガウ。ガウゥ……
どうしたの、コヨミちゃん?
コヨミ……救助隊のお仕事、できないかも。
救助隊の人に、お話を聞いたのね。
キャウン……
救助のお仕事には、覚悟がいるんだって。
どんな覚悟?
悲しいことを、受け止める覚悟、だって……
ガウー……
救助のお仕事はね、困った人を助けられるとは、限らないんだって。
……そうね……
誰も助けられないこともあるし、手遅れになることもある。
残された人が泣いてるのに、どうすることも、できないかも、しれないって。
キャウン……キャウン……
いつかはそんな悲しいことと、向き合わないといけないって。
コヨミちゃん……
コヨミは……怖くなったの。
キャウンキャウン……
ねーねは、よわむしだね……
キャウン……
<アイリスは……コヨミを優しく抱きしめた。>
思い出6 (友情覚醒)
にーに、ありがとう。コヨミ、もう泣かないよ。
にーに、なあに?
ちがうよ、……コヨミが、弱虫だから……
にーにも、怖いの……?
キャウン……?
にーには、怖くても平気なの?
どんなに悲しいことになっても……何もしなければ、誰も助けられないわ。
誰も……
だからやってみるの。後悔する前に。
コヨミにも……できるかな?
きっとできるわ。コヨミちゃん。
コヨミ……困ってる人を、助けてあげたい!
悲しくて泣いている人を、なぐさめてあげたい!
キャウーン!! キャウンキャウン!!
ありがとうタロー。ねーねはがんばるから!
きゃうーん。きゃうんきゃん。
あれあれ? タロー?
バウゥ?
コリンねーね!
キャンキャン!
ほ~ら笑え笑え~。
ねーね、くすぐったい!
コヨミはコドモだろ~。コドモは辛いとか悲しいとか、下手に背負わんでもいーの。
コヨミはもう大きいもん!
キャウ~ン!
よしよし。そーいうとこが、ちゃーんとコドモだよー。
コリンったら! どんなときでもまぜっかえしにくるのね!
えへへ……
キャウーン、キャウーン。
にーに、ねーね。コヨミはもう……悲しいことには、負けないから。
ワオーン!
いつかきっと、誰かを助けてみせるからね!
明日に向かう狼の魂
その他