【白猫】リスト・思い出
リスト・シークレット cv.土田大 拘束されていると勘違いしている 正体不明の謎の男。 |
メインストーリー
思い出1
は、放せ!場所を変えたって無駄だぜ!
それじゃ、この子をよろしく頼んだべ。
ちょっと!さすがのキャトラさんも、この展開にはついてけないわ!
わすだって困惑してっべ。いつの間にか縛られた男が荷馬車に乗り込んでんだもの。
道に捨てるわけにもいかんし、あんたらが保護してくれ。縄は解いておいたから。んだば。
待って!なんでそうなるのよー!
あ、あの……あなたは?
リストだ……
それくらいご存知なはずだろ?
い、いえ、初対面ですし……
新人をよこしたたと?しかもこの声は若い女……そうか。そのほうが気を許すと……
だが、残念だったな!俺が信じる女はこの世でたった一人!
どんなに拘束しようが、拷問しようが、俺は絶対に秘密を喋らないぜ!
ストップ!ストーップ!話が見えないわよ!
声が下の方から……子供か?それにこの匂いは男……剣を持っているな?
合計3人……ひとりは戦力外。これなら逃げ切れる……!
じ、地震だと!?いや、どこかで爆撃が……
飛行島が発進したのよ。
くそっ!
ちょ、どこいく気!?無視しないでよー!
ダメです!そっちは――
なっ!?足場がない……!
この島は空に浮いているので……それ以上動くと落ちちゃいますよ……
島が浮いている?なんのジョークだ。大方ここは、崖の上ってとこだろ。
疑うなら目隠し外しなさいよ。手足自由でしょ?
はっ、わかってるんだぜ。この目隠しをとれば顔が吹っ飛ぶよう細工してんだろ?
知らないわよ!いったいアタシたちを誰と勘違いしてるのよ!
無関係を装えば、俺が吐くとでも?そんな手には騙されないぜ!
どうしよう、まったく話が通じないわ……!
――7200秒だ。
は?
最初に俺を拘束した場所から、荷馬車に乗ってここまで来た秒数さ。
数えてたんだよ、正確に。これでおおよその距離を割り出せる。
なによ突然……さては、さりげなく仲間に連絡して、場所を特定させてるわね!
キャトラ……その言い方じゃ、私たちが犯人みたいに……
ここからは根比べだぜ。どっちの心が折れるかのな……
思い出2
おい、お前ら。なにさっきから黙って……ああそうか、長期戦ってわけだ……
はっ、ヘマったぜ……さっさと金だけ持って高飛びすりゃよかったのによ……
……雨が降ってきやがった。思えばあのときも……
<あのとき、俺は行きつけのバーで旧友を待っていた>
「遅いなあいつ……まさか約束を忘れてんじゃ……」
「動くな。」
「……!?」
「動くと、背中に穴が空くぜ。」
「アンダーソン、なんの真似だ。」
「はっはー、冗談だよ。銃口だと思ったか?なっ、こりゃスコッチだ。飲むか?
っと、お子様には早すぎるか?」
「言ってろ。へいマスター、俺はコーヒーを。砂糖5つな。」
「かーっ、相変わらずの甘党だな。」
「任務じゃ頭を使う。糖分は摂取しとかねえと。
……お前こそ酒を控えたらどうだ。手、震えてんぞ。」
「俺の銃さばさには、これくらいのハンデが必要なんだ――コッ!」
「その舌を弾く癖、まだ治らねえのか?いい加減、耳障りだぜ。」
「ちょっとモーガン。いつまで待たせんのよ~。」
「わりい、ちょいと野暮用でな。今日のパーティーはもうお開きだ。金は払っとくから、お前らは帰れ。」
「もう……埋め合わせはディナークルーズで我慢しとくわ。」
「……はっ、モーガン?」
「いかす名だろ?ほれ、これが今の仕事のライセンスだ。もちろん偽造だが。」
「で、こりゃなんの仕事だ?」
「木箱の護衛だ。」
「のわりに、ずいぶんと羽振りがいいみてえだが。」
「そのぶん危険だからよ……と思っていたが、敵は船酔いだけってくらい楽な仕事だ。」
「怪しいな。木箱の中身は知らないのか?」
「さあな。知らねえことが条件だし。
それよりお前も引退してこっちに来いよ。無駄に命かけるより……」
「用はそれだけか?俺は帰るぜ。」
「おい、待てよリスト!せめて送らせろ。」
<酒場を出ると、激しい雨がアスファルトの上で踊っていた>
「こりゃまあ……しゃあねえ、車寄せるからお前はここにいろ。」
<そう言って、アンダーソンは雨の中に消えていった>
「ん?どうしたお前、迷子か?そんなところにいると風邪ひくぜ。」
『ハッ、ハッ、ハッ、ハッ。』
「おー、よしよし。けど、悪いな。飼い主なら他を当たれ……俺じゃお前を不幸にする。」
『くぅーん?』
――
「なっ!?あっちのほうから……」
<銃声のした方へ走ると、車のそばで血を流して倒れているアンダーソンの姿があった>
「あ、足を撃たれた……」
「そのスコッチ借りるぞ。消毒しねえと。」
「くそっ、染みやがる……少しずつかけろ……」
「禁酒して正解だったろ。それで、誰に撃たれた?」
「わからねえ。いきなりフードをかぶった男が……」
「あいつか……!」
<俺はすぐさま銃を発砲し、フードの男を狭い路地へと追いやった>
「もう逃げられないぜ。」
「リスト……」
「その顔の傷……なんでお前が……!」
「後ろに気をつけろ。」
「なっ――」
…………
……
「う……頭が……ここは……?」
<意識が戻ると、そこは暗闇だった。
すぐに自分が目隠しをされていて、体を拘束されているのがわかった>
「さて、どうしますポス?さっそく、あいつの情報を聞き出して……」
「まあ、持て。ホットドッグ食べてんだから、赤いのは……」
「誰だお前ら!ペガサスの者か!」
「はーはははっ、そっちから質問とはな。
ペガサス?知らねえよ。俺は仲間をぶっ殺した奴を始末したいだけだ。
だからよお。あいつに逃げられた以上、お前には居場所を吐いてもらわねえと……」
「はっ、それは無理だぜ。あいつは俺たちの希望だ。」
「ああん?」
「コッ!コッ!」
「この音……」
「おい、あとは任せだぞ。どんな手を使ってでも情報をしぼり出せ。」
「な、なんだてめえら!」
<ガラスの割れる音がした瞬間、俺の体を誰かが放り投げ、かなりの高さから藁の上に落下した感触があった>
「ぐはっ……なんだ、動いてやがる……この音は、馬車か?」
『モォ~~~!』
「この感触は子牛……?
まだ希望は捨てるな……必ず俺は生き抜いてみせる……」
思い出3
空気が変わった……山小屋にでも連れ込んだか?
飛行島の酒場だってば。いいかげん目隠しとりなさいよ。
どうぞ、椅子です。ずっと立ちっぱなしだったので疲れてるかと……
椅子に座らせて拷問する気だな?そうはいくか!くそっ、やめろ!
え?私はなにも……
<リストが暴れたことにより、全身に取り付けられた拘束具が椅子に絡みついた>
くっ……動けない。これからなにを始める気だ……
なにもしないわよ!アンタ自ら動いて、椅子に縛られたんじゃない!
ん?この金属音は……ペンチか?
はっ、やるならやれよ。爪を10枚はがされてもポップな鼻歌を奏でてやるぜ。
なんの話でしょうか……私はただテーブルに食事を置いただけで……
この匂いはミートパイ?なぜ俺の好物を知っている!
そ、そうだったんですね。
好物で釣って情報を聞き出す気か……そんな子供だまし、俺には通用しないぜ!
わ、私はただ、リストさんがお腹をすかせてるかと……
いらぬ世話だ。俺はビスケット1枚で、3日は過ごせる。
だからなによ!いいからミートパイを食べなさい!
――今だ!
<リストはテーブル上のフォークをくわえると、椅子を回転させ、主人公の首元に狙いを定めた!>
ちっ、外したか。
こらアンタ!なんてことするのよ!
俺を甘く見すぎたな。この状態でも、お前らに致命傷を与えることは可能だ。
一応、忠告はしたぜ。それでも俺に近づくなら……
やったるわよ!ついでに目隠しとってやるんだから!
女子供でも容赦はしないぜ!
<キャトラはリストの胸に飛び込んだ>
こ、この毛ざわりは……猫か?
そうよ!これでわかったでしょ!アタシたちはなにも……
はっ、動物が話してるように見せかければ心を開くとでも思ったのか?
残念だったな……俺は犬派だ。
…………
ふふ、さすがのアタシも心が折れたわ……
キャトラ、しっかり……
どんな拷問でも耐えてみせるぜ!
思い出4
今度は外に連れ出してどうする気だ?
どうもしないわよ!というか、なんで未だに椅子に縛られたままなのよ!
はっ、まるで俺自身で縛ったような物言いだな。
もうやだ……
おじゃましまーす。
あ、あの、どなたですか?
私はパン屋のジェニファーよ。
面白そうな場所があると思って寄ってみたんだけど……
もしかして押し売り?でも、美味しそうだから許すわ。
よかったらどうぞ。お代は結構よ。
あら?この人はどうして椅子に縛られてるの?
こっちが聞きたいわよ。
ジェニファーか……
しっ、静かに。今から言うことをよく聞いて。
<リストに近づいたジェニファーは、こっそりと拘束具を緩めていく>
ライアンの狙撃準備か整ったわ。ただ、あくまで威嚇射撃。
パンの中にハリソン特製の小型爆弾が仕込んである。折を見て、これを投げて。
相手がひるんだら、あなたは左へ転がり、ここから飛び降りるの。
飛び降りるって……
大丈夫。私たちを信じて。
ちょっと、さっきからなにをボソボソと……
あ、いえ。では私はこれで……
トニー、準備は?
”下で待機中。なあ、やっぱパンの中にシーバー仕込むのは無理あったな。よく聞こえねえよ。”
そこをなんとかするのが、通信係の仕事でしょ?
……ねえ、リスト。そのパン食べないの?
なっ!?
よ、よせ、近寄るな、この中には……
食べる気ないならちょうだいよ。
ライアン!作戦変更よ!今すぐこの猫を――
ジェニファー、逃げろ!ここは刺し違えてでも……
リスト……
え?二人は知り合いだったの?
パンくらいでそこまで怒らないでよね!いいから、ちょうだい、ちょうだい!
<キャトラとリストが揉みくちゃになり、パンが遠くへ飛んでいった>
ふ、伏せて!
へ?
くそっ……
これでよかったのよ……あなたはここで死ぬべき人じゃない。
ジェニファー……俺のことは、あきらめろ……
必ず助けに来るから、待ってて。
<ジェニファーはリストの耳元でそう囁くと、飛行島を去っていった>
ジェニファーさん、泣いてたわね……
なにがなんだか……
思い出5
…………
<ピチャ……ピチャ……>
…………
<静寂な密室の中、リストの眉間に水滴が落ちる音だけが響いている>
あれから、何時問経ったんだ……
いや、まだ数分も経っていないのか……?
<ピチャチャ、ピチャ……>
不規則に落ちやがって……時間の感覚が狂うぜ……
<ピチャ、ピチャピチャ……>
くっ……
<ピチャ……ピチャ……>
意識しないようにすればするほど、水滴の音が……
<ピチャ、ピチャ……>
もう……やめてくれ……
<ピチャ…………ピチャ……>
やめろおおおお!!!
リスト!?そこにいたのね!
うわああああっ!!!
落ち着いてください!
ひと思いに殺せ!殺してくれ!
なんでそうなるのよ!早くお風呂場から出なさい!
なにが風呂だ!おちょくるのも大概にしろおおっ!
アンタが自分から入ったのよ!
主人公、リストさんを外に!
はあ……はあ……もう限界だ……こんなの続けられたら秘密を……
なにもしませんから、安心してください。
このまま秘密を漏らすくらいなら死んでやる!
はったりじゃねえぞ……歯に仕込んだ毒で……
ぎにゃー!やめなさーい!
ぐわっ!?
<キャトラの体当たりを受けたリストは、窓を突き破り、外に転げ出た>
ぐはっ……子供のくせに、なんてパワーだ……
このままじゃ、らちがあかないわ!
主人公!
思い出6 (友情覚醒)
さあ、死んでやるぜ……!
目隠ししてるからルーンの光に気づいてないわ!
うおおおっ!
<リストは歯を食いしばった>
ダメーーーっ!!!
リスト!
そ、その声はジェニファーか?
ほっ……助かったわ。
なぜ戻ってきた!もうこれ以上、お前を危険にさらすわけには……
違うの!この人たちは無関係なの!
なっ……!?
トニーから情報が入ってね。あなたを拘束した密売組揚は、警察に一斉検挙されたわ。
な、なぜだ……そう都合よく警察が動けるわけ……
特殊捜査官ラルフ。彼がどうやら裏で、身内と通じてたらしいの。
アンダーソンか。奴の指示で密売組織に潜り込んでいたとしたら合点がいく……
はっ、やられたぜ。俺はオトリに使われたってわけだ。
えっと……話が見えないけど、とりあえず一件落着ってやつかしら?
そうなるな……お前たちを疑って悪かった。
いいんです。すんだことは。
ささ、仕切り直しよ。まずは目隠しをとって……
それはできない。俺の顔を知れば、お前たちにも危害か及ぶからな。
は?
俺の素性を明かすこともできない。
……いいか。これまで聞いたことは忘れろ。ま、大半は嘘だが……
そうだったんですか!?
なんか長い悪夢を見せられた気分だわ……
”おい、お前ら聞こえるか!早くそこから逃げろ!ラルフに居場所を特定された!”
わかった、シーバーを切るぞ。おそらくこの会話も聞かれてる。
ったく、あの捜査官。敵か味方がはっきりしゃがれ。
ええっと……
あいつを巻いたらすぐに戻って来る。お前たちには迷惑はかけない。
は、はあ……
…………
リスト、どうしたの?早く……
……ひとつだけ言わせてくれ。
ミートパイ……あれだけは正真正銘、俺の好物だ。
ここだけの秘密だぜ。
その他
リスト・シークレット cv.土田大 拘束されていると勘違いしている 正体不明の謎の男。 | |
アンダーソン | |
ジェニファー | |
トニー 無線の男 | |
ラルフ 特殊捜査官 |