シルバの修行録 Story
ジルバ・カヌス CV:天海由梨奈 黒魔術士の家系に生まれた少年。 しかし本人は白魔術士を目指す。 |
2018/06/26 |
思い出1
……すごい……この島、本当に空を飛んでる……
アラ、見慣れない顔ね。どなたかしら?
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あ、すみません。突然お邪魔してしまって。僕はジルバといいます。魔法学園の魔術士です。
はじめまして、アイリスです。こっちはキャトラと主人公。
偶然この島が目に入ったんです。それで、好奇心を抑えきれず……
構わないわよ。ゆっくりしておいさなさい。
ありがとうございます。いいところですね、ここは……
普段魔法の研究ばっかしてるから、お外が気持ちいいのかしら?
そうですね。正確には、魔法ではなく魔術ですが。
それってどう違うんだっけ?
魔術とは、ルーンに頼らず、自然や己のソウルを利用して効果を得る技術です。
発現する効果は魔法と似たようなものですが、原理が違いますね。
そうだったそうだった。黒とか白とかあるヤツよね?
はい、そうです。黒魔術や白魔術といったものが、代表的な魔術です。
じゃあ他にも色々あるのかしら?どうでしょう?
日々研究されていますから、そのうち赤魔術というものが出てきても不思議はありませんね。
それでジルバは、白魔術士ってわけね。
……残念ですが、今のところ、僕に白魔術士を名乗る資格は……
そうなの?そんなに白いのに?
その理屈だと、キャトラさんも白魔術士になりません?
なったっていいわよべつに。とくに使えないけども。
キャトラ……
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……そっか……そんな自由な考え方も……
?じゃあシルバは、そんな見た目なのに黒魔術士なのかしら?
それも、『元』、ですね。今となっては……
どういうこと?
足を洗ったんです、黒魔術から。だけれど、白魔術も全くと言っていいほど使えない……
そんな半端者なんです、今の僕は……
シルバさん……?
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思い出2
おいで、アディ。ごはんの時間だよ……
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アラ、そのカラスは?
あ、みなさん。この子はアディ。僕の使い魔です。ほら、ごあいさつは?
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ふふ、よろしくね、アディちゃん♪
使い魔って?
元々、小さい頃からアディとは一緒だったんですが、黒魔術をしていたときに正式に契約しまして。
そっか、足を洗ったってことは、やってたってことだもんね、黒魔術。
ええ。僕の家は、代々黒魔術士の家系で。
サラブレッドってやつかしら?
……はい。脈々と受け継がれてきた僕の家の血統は、黒魔術の素養に特化しました。
黒魔術に関しては、クラスメートの誰よりも、僕が飛び抜けていました。
それなのに、やめちゃったんですか……?
どうして?
…………
……言いづらい理由?だったらいいわよ、無理してしゃべらなくても。
……いいえ。過去から目をそむけたって、意味はありません。聞いていただけますか?
もちろん、いいわよ。
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半年前、僕は訓練の途中で、黒魔術の制御を誤ってしまいました。
そして、暴発した術は、僕の親友を飲み込んだんです。
そのお友達は……!?
一命はとりとめました。……ですが、黒魔術の本質は対象の侵食と破壊です。
彼の体の奥まで食い込んだ魔力は、完全に消え去ることなく、彼を蝕み続けています……
そんな……
腕の立つ白魔術士とかに治療を頼めないの?魔法学園なんだから、先生とかもいるでしょ?
……暴発し、複雑化した黒魔術は未知の魔術です。
それに、僕自身の黒魔術の威力も重なり、解式は困難を極めます。
いまの技術で、彼にかかった術を完全に解くのは不可能だと……
…………
……とはいえ、ある程度回復はしています。今では、日常生活は可能なくらいに。
ほっ……
だからって許されることじゃない。もちろん、僕は彼に謝りました。ですが、彼は言うんです……!
『さすがジルバだ。今回は失敗しちゃったけど、俺のことなら気にするな。
やっぱりお前の術は別格だな。それでこそ俺の親友だ!いずれ偉大な黒魔術士になってくれよ!』って……!
……いいお友達じゃないですか。
ええ、そうです!こんな僕にはもったいない、いいヤツなんです!
そんなかけがえのない親友を、僕は、僕のせいで……!
……シルバ、あんまり自分を責めちゃダメよ……?
責めますよ……!あいつが責めてくれない分も……!
ううん、それはちが……
――だから僕は、捨てたんです。それまで心血を注いできた、黒魔術を……
……アンタが黒魔術士をやめたってこと、その子は知ってるの?
まだ言っていません。彼にもう一度会えるのは、白魔術士として一人前になってから。
そう思っています。
……そうかな……
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思い出3
ジルバが黒魔術士をやめた経緯はわかったわ。
はい。
ということは、今のアンタは白魔術士を志してるってことでいいのよね?
破壊するだけの黒魔術では何も生み出しませんから。
<再生>を生むわ。
(キャトラが哲学を……!)
月並みだけどね。
…………
……たとえそうだとしても。今の僕の望みは、白魔術士として力をつけることです。
ふーん。だから真っ白なかっこうなの?
魔術には思い込みの力も作用しますから。
詭弁よ。
わかってますよ。
ちょっと、キャトラ……
いくら白い服を着たって、毎日牛脂を飲んだってね。心が変わらなきゃ何の意味もないわ。
(牛脂……!?牛乳じゃなくて……!?)
いいえ、心が変わったとてそう簡単にはいかないわ。黒魔術士の血筋なんでしょ?
そんなものくらい覆してみせますよ。
ならやってごらんなさい。今朝がた、カサブタをはがしてきたの。アンタに癒やせるかしら?
馬鹿にしないでください。そんな小さな傷くらい、さすがに僕にだって。
<七の天光 四の霊耀 ーの破暁。我が身のほむらを矩火となし。もって汝に燈し置かん>!
…………
かゆいわ。
そ、それは、それこそ、白魔術で傷が癒えようとしている証で……
いいえ、おしりがよ。
カサブタの方はウンともスンともね。いいえ、スンとはしたかしら?
ともかく治る気配はないわ。
っ……!なら、この薬草を使って……
薬草はナシ。
なっ!?薬草の併用も、立派な白魔術なんです!
ごまかすんじゃないわよ。アタシはアンタの適性を見てるの。
ほら、白魔術は?もう一度やってごらんなさいよ。
ぐぐぐ……!
<七の天光 四の霊耀 一の破暁。我が身のほむらを矩火となし。もって汝に燈し置かん>!
ねむいわ。
そ、それが、いままさに治ろうとしている副作用で……!
いいえ、猫だからよ。
くうううっ……!
そう。
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猫だからねむいのよ。
くっそおおおおおおー!!!
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思い出4
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…………
k…………
……カァー、カァー……
……うん?どうしたんだい、アディ?
通訳してあげましょうか?
結構です。わかりますよ、アディの気持ちくらい。
使い魔ならそうでしょうね。でも、受け取り方次第で、伝わるものも伝わらないわ。
ひととひとの会話と同じようにね。
(キャトラがまた哲学を……!?)
わかったようなことを言わないでください。僕とアディは一心同体です。
そうかしら?なら、アディはなんて言ってるの?
『ぼーっとしてないで、魔術の稽古に励んだら?』って。
『なに』魔術かしら?
…………
……白魔術ですよ。決まっているでしょう。
決まっているのはアンタの中ででしょう?
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なに言いたいんですか!!!
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アタシが言いたいんじゃないわ。アディが言いたいのよ。
ヘンなこと言わないでください!アディは誰よりも僕のことをわかってくれます!
アンタの親友もアンタをわかってるんじゃない?
……っ……!
わかってないのはアンタだけなんじゃないの。
……もう一度言います。なにが言いたいんですか?
もう一度言うわ。アディが言いたいのよ。
……アディ……?
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k…………
……カァー!カァー!
……どうしてっ……!
どうしてそんなことを言うんだ!アディだけはわかってくれてると思ってたのに!
kカァー!
もういい!
kカァ!カァー!
まったく、イコジな子ね……
キャトラ?
あ、通訳するわね。ええと……
……ジルバさんに、黒魔術を諦めて欲しくないんだね、アディちゃんは。
そう。みーんなわかってるのに、ジルバたけがわかってないんだから。
k……カァー……
いいのよ、アンタが代わりに謝らなくって。
白魔術士を目指すのもさ、本当に、本気の本気で、イチからやり直したいんなら止めたりもしないけど……
……そうだね。ジルバさんがけがをさせたお友達も、そんなことは望んでないと思うわ。
黒魔術自体が悪いわけじゃない。白魔術だって人を殺せる。
えっ!?
要は使い方次第ってことよ。お薬の飲みすぎだって、体に害を与えることはあるわ。
そ、そうだね……
あの子は言いわけしてるだけよ。怖くなったってこと、自信がなくなったってことを。
kカァー……
ジルバが心配、か……
気づいてほしいね。アディちゃんの、お友達の気持ちに……
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思い出5
ギルドの依頼で、討伐に来たはいいけれど……
ホントにアイリス抜きで大丈夫なのかしら?アンタに任せてホントに平気?
心配いりません。回復は任せてください。
だってアンタの白魔術って……
いざとなれば薬草もあります。今日はナシじゃないでしょう?
まあ、ね……
(しょうがないわねえ。いざとなったらアタシがツバつけてあげるから)
…………
……
――ふう、討伐おしまいっと!主人公、ついてきて。
?
いいじゃない、イロイロあるの。ちょっと外すわよ、ジルバ。
わかりました。
…………
kカァー……
いいんだよ、アディ。あのひとたちは腕も立つし、わさわざ僕か戦う必要は――
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しまった!こんなときに……!黒魔術……!いや……!……時間さえ稼げば……!
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kカァー!
<ためらうシルバをかばうように、アディが魔物にとびかかった!>
アディ!無茶だ!
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<禍ツ鎖よ、賛を貪れ>!
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kカァ!?
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!!
――!?そんな、まさかー!
ジルバ!?いま、魔物の鳴き声が!?
たいへんなんです!アディが……!
どうしたのよ!?
そんな、こんなことが……!僕の、僕の黒魔術が、また暴走して……!
あのときみたいにっ……!
k…………
あぁあああああっ!!!アディ、アディっ!!!
落ち着きなさい!まだ息はあるわ!
僕が、僕が、自分の力を制御できなかったせいでっ……!
今言うな!
!!
制御失敗したのね!?わかったわ、次は制御しなさい!
何か手はないの!?主人公、早くアイリスを――
……次は制御を……!制御……!そうだ……!
一つだけ方法かあります!
……ジルバ?
僕の黒魔術で……アディの体に侵食していく、僕の黒魔術『だけ』を破壊します!
……自信は?
ありませんよ、さっきの魔術の制御よりも、よっほど難しいっ……!
だけど、一刻を争う……!いまここでアディを救えるのは、僕しかいないんです!
なんでも、制御するしかないじゃないですか!?
……わかったわ。落ち着きなさい。深呼吸。
……す~~~っ……!……ふ~~~っ……!
心を研ぎ澄ませなさい。威力に怯えるんじゃないわ。
アンタの血に流れる、黒魔術の力はその程度?いいえ、違うわ。
そこはアンタのフィールドよ。黒魔術をねじふせなさい……!
ねじふせる……!
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思い出6 (友情覚醒)
<黒衣の六 破蝕の四 黄昏の一。我が身のほむらを矩火となし――>
(……駄目だ!この構成じゃアディまで……!
どうすれば、アディの体の魔力だけを……!)
――!!そうか――!
<黒衣の六 破蝕の四 黄昏の一。我が身のほむらを矩火となし。異なる螺旋を取り払わん>
(――どうだ!?)
やったわ!アディ……!……って、ジルバ?ジルバ!?
(……あれ……?)
kカァー!?
……………………
…………
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ただいま戻りました、みなさん。
kカァー♪
ふふ、おかえりなさい、ジルバさん、アディちゃん♪
ずいぶん遅かったじゃないの?
ええ、僕自身は、一日で回復したんですが……
会わなければならない人が、いたもので。
……で?うまくいったの?
……はい……それが……
大成功です!彼の体を蝕んでいた魔力を、完全に取り除くことが出来たんです!
……本当に……!よかったですね……!
はい……!みなさんのおかげです……!ありがとうございました!
kカァー♪
なに言ってんの。アタシたちはちょっと背中を押しただけ。成長したのはアンタ自身よ。
……本当は、頭の隅では気づいていたのかもしれません。
あいつを蝕んでいた魔力を取り除くには、術者の自分がもうー度干渉するのが一番効果的なんだってこと。
だけど僕は……また制御を誤るのが怖くて、見て見ぬフリをしてしまいました。
果ては、自分に全く通性のない、白魔術に望みを託したフリまでして……
そうね。カサブタ一つ治せない、まったくの才能ナシだったのにね。
はは……忘れてください、というのは、ムシがいいですね……
じゃあジルバは、黒魔術に戻ってきたのね。
ええ。親友にも期待されてますしね。<偉大な黒魔術士>を。
私たちも期待してますね♪
ですが、正確には、ただの黒魔術士とは別な魔術士になろうと思います。
?ただの黒魔術士とは別な魔術士って?
今回、無効化できた二つの黒魔術は、どちらも僕がかけたものです。
別の魔術士がかけた黒魔術では、こうはいきません。まだまだ研究が必要です。
ふむふむ?
ですので、僕は、黒魔術を解く魔術士――
――<黒魔術の白魔術士>を、目指そうと思っています!
ヘンなのー。
そう言わないでください。魔術はまだまだ発展途上ですから。
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いいじゃないですか。一人くらいそんなのがいたって。
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kカァー♪
心優しき黒 ジルバ・カヌス
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その他
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画像 | 説明 |
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人物紹介
画像 | 詳細 | 年齢 |
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 | ミモリ・ベアフィックス cv.高橋美佳子魔法学園の異端児。ずぼらで適当で変態だが、成績は学年トップ。 | 15 |
 | ハルカ・グレイヘヴン cv.大空直美魔法学園で白魔術を学ぶ少女。成績は万年二番手だが、くじけず努力を続ける。 | 15 |
 | フィリップ・アイレンベルク魔法学園の教師。紋章魔法を専門に教えているが、軟弱で生徒に強く出られない。 | 26 |
 | イザベラ・オルタ cv.嶋村侑魔法学園で教鞭をとる女教師。不勉強な生徒は厳しくおしおきする。 | 27 |
 | プリムラ・プラント cv.小倉唯魔法学園に入学したばかりの少女。春の精霊に守られている。 | 8 |