【プロフィール】名探偵の手帳
プロフィール
名探偵トモコによって
使い込まれた手帳
表紙は合皮製
エピソード
名探偵トモコによって使い込まれた手帳
(全て例の丸文字によって書かれている)
トモコにとっての要所だっただろうか?
☆のついたメモを順に拾い読む
-☆ 某月某日--
無事解決
いつもながら
依頼者のホッとした表情を見るのは
望外の慶びである
帰宅後さすが名探偵と自賛す
-☆ 某月某日--
いらぬというのにグループより
後輩の男を押し付けられる
苦虫をすり潰して
汁気がなくなるまで煮詰めたような…
面白そうな男である
-☆ 某月某日--
宗教家を名乗る男の案件あり
あやしい
宗教家である自体あやしいが
それより、彼の語るそれは
私のあれに似ている
-☆ 某月某日--
Visionと名付けたそれの説明は難しい
特に夢想や想像のたぐいとの違いを
他者に伝わる言葉にするのは相当に
以後、文字にするのは控える
それまでは思考実験
-☆ 某月某日--
やはり私の役目であろう
気に入っていた環境だが
動けぬなら仕方なし
何故私が?とは私でも思う
-☆ 某月某日--
気まぐれを装い探偵グループを退職
タクヤは苦虫をすり潰して
継ぎ足し継ぎ足し500年経った
老舗のタレのような顔をして
見送りに来ていた
相変わらず面白い男だ
-☆ 某月某日--
ユキと呼ばれる少女と会話す
あれは、あまりに可哀想だ
-☆ 某月某日--
濃いめのVision久方に降りる
絶望と呼ぶにふさわしい映像
おそらくあの男もそうなのであろう
-☆ 某月某日--
たまに何故、わたしであったろう? と思う
まあ、運命みたいなものだよ
なにしろあの世界一有名な
薬物中毒の名探偵と
誕生日を同じくしているのだから
-☆ 某月某日--
無人島より帰参
無残と言える惨状
わたしに止めることができただろうか?
-☆ 某月某日--
Visionいつになく濃い
それが避けられないとするなら
不幸を最小にしたい
それが名探偵である私の役目であろう
-☆ 某月某日--
ハッキリしたことがある
それは無人島から始まった--
少なくともこの世界では
それは恐ろしいことに
『ロスト』が避けられぬことを
示唆している
-☆ 某月某日--
彼らに託すのは酷であろうか?
しかし、それ以外方法がない
『観測者』について思うなど
以後の文字は判別できない
(トモコ独自の暗号だろうか?)