暁 凶香
通常 | 最終地獄電車 |
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Illustrator:MACCO
名前 | 暁 凶香(あかつき きょうか) |
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年齢 | 16歳 |
職業 | ヤクザの汚れ仕事担当・始末屋 |
特技 | 声で他人を意のままに操ることができる |
- 2017年8月24日追加
- STAR ep.Iマップ9完走で入手。<終了済>
- 入手方法:2020/10/1~11/11開催の「「バトルメタヴァース大運動会」ガチャ」<終了済>
- 入手方法:2021/8/5~9/1開催の「「失った仲間へ。それは、償いか。決意か。」ガチャ」<終了済>
- 専用スキル「JIGOKU STATION -HELL or HEAVEN-」を装備することで「暁 凶香/最終地獄電車」へと名前とグラフィックが変化する。
- 「プライベートバケーション」は装備できない。
- 対応楽曲は「JIGOKU STATION CENTRAL GATE」。
悪魔の声を持つと言われる少女。
暁 凶香【 通常 / ひと時の休息を 】
ヤクザ『閻魔組』によって奴隷のように働かされる生活を送る。
STORYが殺伐としているが、世界観はリレイションレーベルである。
スキル
RANK | スキル |
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1 | エヴォリューションジャッジ |
5 | |
10 | |
15 | JIGOKU STATION -HELL or HEAVEN- |
include:共通スキル
- エヴォリューションジャッジ [HARD]
- キャラのRANKで効果が変わるスキル。
強制終了条件は、RANK10以下で「MISS判定100回」、RANK11以上で「MISS判定10回」。 - キャラクターがRANK11以上になっていれば、ゲージ7本用スキルとして使える。オーバージャッジ+2以上を持っているのであればそちらで事足りるが、AMAZON稼働時点ではオーバージャッジを所持しているキャラクターが全員筐体で入手できないため、代替としての選択肢に入る。
- ゲージ5本用としては強制終了条件があるので割に合わない、と言えば確かにそうなのだが、そもそもMISSが3ケタになる無茶な譜面であれば鉄壁ガード・スターなどでダメージ軽減を重視した方が良い。
RANK11未満の時 ゲージ上昇UP (140%) MISSで [-1]/カウント[0]で強制終了 RANK11以上の時 ゲージ上昇UP (215%) MISSで [-10]/カウント[0]で強制終了 |
GRADE | 効果 | |
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RANK11未満の時 | RANK11以上の時 | |
共通 | カウント[0]で強制終了(※初期カウント100) | |
MISSで [-1] | MISSで [-10] | |
初期値 | ゲージ上昇UP (140%) | ゲージ上昇UP (215%) |
+1 | 〃(145%) | 〃(220%) |
+2 | 〃(150%) | 〃(225%) |
理論値1:90000(5本+10000/22k)[RANK10以下] 理論値2:135000(7本+9000/26k)[RANK11以上] |
- JIGOKU STATION -HELL or HEAVEN- [NORMAL] ※専用スキル
- 上昇率だけを見るとぶっ飛んだ数値が見えるが、このスキルが本領を発揮するには高い精度を求められる。
譜面や精度の差によって最終的なゲージ量が大幅に変わり、ゲージ2本目へ到達する前にMISSを2回(HOLD/SLIDEは0.5回扱い)以上した場合は1本にすら届かない。 - 暁 凶香/ひと時の休息をが装備可能かどうかは要調査(恐らく不可)。
GRADE | 効果 |
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初期値 | ゲージ1本未満の時 ゲージ上昇DOWN (21%) ゲージ1本以上の時 ゲージ上昇UP (6666%) |
理論値:202457-β(9本+22457-β/30k) |
ランクテーブル
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
スキル | Ep.1 | Ep.2 | Ep.3 | スキル | |
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
Ep.4 | Ep.5 | Ep.6 | Ep.7 | スキル | |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | |
Ep.8 | Ep.9 | Ep.10 | Ep.11 | スキル | |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | |
- | - | - | - | - | |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | |
- | - | - | - | スキル | |
~50 | |||||
スキル | |||||
~100 | |||||
スキル |
STORY
アタシの名前は『暁 凶香(あかつき きょうか)』。
子供の頃から持っていた忌々しい力のせいで、ヤクザの『閻魔組』の始末屋として働かされている。
アタシの声は人を操る力があるらしい。そしてその力は歌にすることでより強力になる。まるで呪いのようだ。
……『働かされている』といっても、組の奴らは、アタシを人間とは思っていない。便利な飼い犬とでも思ってるんだろう。
そう……アタシは犬だ。この首には目に見えない枷がはめられ、鎖で雁字搦めになっている。
本当なら今すぐに鎖を引きちぎり、自由になりたい。でも、それはアタシには許されていない……。
今日もアタシは立場も名前も知らない男の始末に向かった。
「……動くな」
アタシの一言で、男の身体は金縛りにあったかのようにその身体の動きを封じられる、付き添いの組員が即座に男の脳天へ鉛玉を撃ち込み仕事を済ませる。
言霊は心と身体を縛り付け、相手の自由を奪う。
アタシのそんな力を利用して、多くの見知らぬ人間が組に消されてく……それももういい、それぐらいアタシは殺しに慣れてしまっていた。
「……いつまでこんなことをすればいいんだろう」
いつになったらアタシは、こんなクソッタレな地獄から解放されるんだろうか?
幼い頃、母さんと2人きりで暮らしていた。
母さんはまるで何かに怯えているようで、アタシたちは引っ越しを繰り返す生活を送っていた。
そのためアタシには友達はいなかった。傍に居たのは母さんだけだ。
でもそれで構わなかった。
母さんは優しくて、持てる愛情の全てを注いでアタシを育ててくれた。
2人きりの生活は貧しくても満たされていた。
それに……寂しいと思わなかったのは、もう1つ理由がある。
物心ついたときから、アタシは自分の中に、自分以外の『誰か』の存在を感じていた。
そしてその『誰か』は、人を意のままに操る不思議な力を使うように唆すのだ。
それを聞いた母さんは『人前で力を使ってはいけません』とアタシに厳しく叱ったのだ。だから、そいつの言葉に耳を傾けることはなかった……。
いつまでも母さんと静かに暮らしたかった。
そういう訳で母さんに注意されなくても、そもそも自然と目立つ行動はしないように心掛けていたのだ。
「母さん! 見て、電車! どこに行くのかな?」
「きっと遠くね。ずっとずっと遠くの街よ」
「ふぅん……いつか母さんと一緒に遠くの街に行ってみたいなぁ」
……母さんと手を繋いで一緒に電車を眺める。それが唯一の幸せだった。ささやかかもしれないが、穏やかで幸せな日々が続いてくれればそれでよかった。
……だがそんな願いはある日あっという間に奪われた。
母さんの夫を名乗るヤクザの組長が、アタシと母さんを捕まえに来たからだ。
アタシは父親を名乗る、ヤクザ『閻魔組』の組長に攫われ、自分の出生を知った。自分には腹違いの兄弟がいること、母さんの家系には時折不思議な力を持つ人間が現れること、そしてその力を激化する抗争に利用して『閻魔組』が極道の頂点に立つつもりだということ……。
この時、なぜ母さんが引っ越しを繰り返していたのかようやく理解できた。全てはこの男の魔の手から逃れ、アタシを守るためだったのだ。
自分の力をヤクザなんかに……。こんなクソ野郎のために使うつもりは当然なかった。
だが『言うことを聞かなければ母さんを殺す』と脅され、仕方がなく閻魔組に入った。
……それからが地獄の日々の始まりだった。
組長の奴隷となり、敵の命を奪い、自分の命を狙われる生活はまるで修羅道だ。
屋敷に帰ったところで、気が休まるどころか精神的苦痛と肉体的苦痛が増えるだけ。組長の息子たち……アタシの腹違いの兄貴たちは、父親に勝るとも劣らないクソ野郎ばかりで、アタシを嬲るのを趣味としていたのだ。
唯一、次兄だけはアタシを優しく労わり『兄と呼んでほしい』なんて言ってくれたが……少しの思いやりは却って己の辛さを再認識させるだけだ。
だからアタシが安らげるのは、仕事が終わった後、僅かな時間だけ許された、母さんとの電話だけだった。
「ごめんね、凶香……私のせいで」
母さんは電話口でいつも泣きながら詫びた。アタシはそんな母さんの方こそ不憫でならなかった。
(いつか、絶対に母さんと一緒にここから逃げ出してやる!)
その日を夢見ることだけが、壊れそうな自分の心を守っていた。
『母さんと逃げだす』……そう願わない日はなかったが、ようやく叶う時が訪れた。
ある日のこと仕事を終えたアタシの元に次兄が慌てでやってきた。
「凶香! 大変だ! 弟が……!」
次兄の話では、三男が海外を旅行中にくたばったらしい。しかも乗っていた豪華客船ごと沈んで、遺体もまだ引き上げられていないという。
このことが原因で、閻魔組は上から下まで大騒ぎになっているようだ。
「凶香、逃げるなら今しかない。今なら父さんも若頭も皆混乱しているから」
「……でも兄さんはどうするの? アタシを逃がしたってことがバレたらまずいんじゃない?」
「僕は上手くごまかすさ……君のお母さんは既に待っている。全ての手筈は整えておいたから、さ、早く行くんだ!」
思えばこの次兄だけは、最初からアタシを人間扱いしてくれていた。アタシは、今までの感謝を込めて一言だけ礼を言った。
「……ありがとう。兄さん」
「じゃあね。凶香……元気で!」
アタシが次兄から教えられた合流ポイントに着くと、そこには母さんの姿が見えた。
「凶香! 良かった……無事で」
「母さん……さあ、行こう!一緒にどこまでも逃げよう!」
アタシは母さんの手を取って、走り出した。
アタシと母さんは次兄が手配したという列車に乗るため、駅に向かうことになった。だが……。
「……居たぞ! 凶香とその母親だ! 捕まえろ!」
「もう閻魔組の追手がやってきたっていうの!?……母さん、ここで待っていて!」
アタシはこっちに拳銃を向けてきた男に向かって死を招く歌をお見舞いする。
立ち止まった男は手に持った拳銃を味方に向ける!
「お前ッ! いったい何をッ!?」
同士討ちが始まり、辺りは銃声を聞いた人々の悲鳴に包まれる。
「さ、母さん。今の内に!」
「凶香……貴女はいつもこんな恐ろしいことを?……ごめんなさい。私のせいなのね」
「母さん……いいの。さ、行きましょう!」
その後も、追手は次から次へとやってくる。最初の内は殲滅できたのだが、如何せん数が多い!
アタシの喉も限界に達しようとしていた。
やがて……アタシと母さんは、橋の上で追手の挟み撃ちに遭ってしまった。
(そんな! これを越えれば駅は目の前なのに!)
アタシが死闘を決意した時、母さんが微笑みながら言った。
「……もういいの。ありがとう凶香。どうかあなたは幸せになって……さようなら」
……自分の存在がアタシの足を引っ張っていると判断した母さんは、橋の上から身を投げた。
「か、母さんッ! と、『止まって!』」
力を使い母さんを止めようとするも遅く、身体は闇夜を落ちていく。
「いやあああぁあーーッ!!」
丁度橋の下の線路には、特急列車がやってきていて、母さんの身体はバラバラのパズルのように散らばってしまった。
アタシは目の前が真っ暗になった……。
独りになったアタシは、あっさりと追手の黒服共に捕まった。
「クソッ! このアマッ! 飼い犬の分際で、舐めた真似しやがってッ!」
黒服たちはアタシを代わる代わる、執拗に暴行した。
服が破れ、身体中から血が流れるが、そんなことは、母さんが死んだ痛みと比べれば些細なことだった。
「……テメーはもう、用済みだ。最期に魚のエサにでもなって、役に立てよ」
暴行に飽きた黒服たちはアタシを縄でグルグル巻きにして、海に運び投げ捨てた。
冷たく暗い海の中に、アタシの身体は深く沈んでいく。
(……このままアタシは死ぬんだな)
何もかも諦めていたその時……。
『……我が呪われし……血族の娘よ。力が欲しいか?復讐を……悔しくはないか……?』
アタシの内側から懐かしい声がする。それは幼い頃から無視し続けてきた声だった。
……その声に一気に怒りが呼び戻される!
(欲しい……奴らをこの手で引き裂く力が!)
『魂と引き換えに……、我を……降ろすがよい……我が腕(かいな)を取れば……辿り着く先は地獄……』
謎の声をアタシは鼻で笑ってやった。
(地獄……? そんなのはアタシにとっては日常茶飯事よ! ……さあ、力を寄越せッ!)
『新たなる……血肉よ……』
悪魔がこの身体に降りた瞬間だった。
引き換えに失うものなど何もない……こうしてアタシは蘇った。
「アタシは地獄の鬼だ。瘴気を纏い死の歌を口ずさむ唱鬼。奴らを一人残らず奈落へと誘ってやるッ!」
暗い海の底から蘇ったアタシは、そのままの足で閻魔組に向かった。すると羽虫共がやかましくアタシの周りを飛び回る。だが所詮、虫は虫だ。
悪魔をその身に降ろしたアタシの言霊は以前よりも力を増していた。憎しみを込めた呪詛を向ければ、操るわけでもなくその命を刈り取れる。
アタシの一声で虫けらは同士討ちを始め、自らその命に終止符を打った。
すると……。
「きょ、凶香!? この騒ぎはテメーの仕業か!」
「……こんばんは、若頭。早速だけど死んで頂戴」
若頭は今宵アタシが喰らう腐った肉の1人だった。
「ま、待ってくれ! 今までお前にしてきたことは謝る! 親父に命令されて仕方がなくやっていたんだ!金輪際手は出さねえ……どうか命だけは助けてくれ!」
若頭は醜く命乞いを始めた……そう、コイツはいつも組長の威光に隠れないと何もできない無能だった。好色で、矜持もない、ドブ川に落ちた鼻紙にも劣る男。
「……さっさと失せろ。このド畜生が」
「あ、ありがとうよ……へへへ」
若頭は腰を抜かしたような情けない姿で出口へ向かう。
アタシの背後にある出口へ命からがら辿り着くと、次の瞬間銃口をこちらに向けた。
「甘いな、凶香! オレと弟で決定的に違うところがあってなぁ。オレはよく約束を破る……やはりお前は死ね!」
若頭の声と共に、陰に隠れていた黒服たちが一斉に飛び出してきた。
「残念だったなぁーッ!優しさなんて出すからァッ!!」
その様子を見て、アタシは笑いが止まらなかった。
「良かった。反吐が出るほどの屑で……動いてんじゃねェッー!! このドグサレがァーッ!」
黒服たちの鼓膜が破れるぐらいの叫びが、奴らの動きを封じる。
アタシは手にしていたマイクで脳天をかち割っていく。そしてその様子を身動きすることもできず、眺めていた若頭は恐怖のあまりガタガタとひざを揺らし、涙を流し始めた。
「自分だけ生き残ろうと……してんじゃねーよッ!」
若頭の股間を蹴り上げ、血に染まったマイクで鉄槌を下す。
「ふうん……屑も、身体の中身は赤いのね」
……まずはこれで1人目を地獄へご案内だ。
若頭を葬ったアタシは、屋敷の中を彷徨った。最低でもあと1人、この手で肉と骨をすりつぶしてやらなければいけない男がいる。
「凶香!? ……良かった。無事だったんだね!……だが君のお母さんは」
「……兄さん、さっさとここから出ていって」
結局儚い夢だったが、次兄には母さんと逃げる準備を整えてもらった恩がある。
「兄さん、組長はどこ?」
「ここを逃げ、山奥の隠れ家に向かっているはずだ」
どこへ隠れようと、鎖から解き放たれた地獄の鬼の鼻は誤魔化せない。アタシは後を追うことにした。
「じゃあね。兄さん。もう会うことはないでしょう」
「君は僕には何もしないんだね。僕はここで苦しむ君を救わなかったというのに。凶香は優しい。そして気高い娘だ。君の心は最後まで穢れなかった……。そういうところが――愚かで最高に可愛いよ!」
次兄は急に私に口づけをして、何か薬を飲ませた。すると私は声を自由に出せなくなってしまった。
「可愛い凶香。僕は君が大好きだ。君が殺しに苦悩する表情、兄さんたちに嬲られ耐えている声……愛する君が苦痛に歪む姿は僕にとって最高の御馳走だよ!」
熱に浮かされた口調で語る次兄の後ろにいくつもの大型モニターが現れる。そこにはアタシが今まで受けてきた屈辱の記録が映し出されていた。
「テ、テ……メ……エ……!」
「フフフ。どれもとてもセクシーな顔だろう?でも、やっぱり最高なのは、君の母親が死んだ時のこの表情だ……なんていうか……その……僕は思わず、気を失いそうなほど興奮したよ……フフッ」
アタシは目の前の男の邪悪さに全身が沸騰した!
アタシの声を封じた次兄は、安心しきった表情でアタシに近付いてくる。
「可愛い僕の凶香……ああ、かわいそうに。こんなボロボロになってしまって。今、新しいドレスを用意させよう。そしてこれからは一緒に暮らそう。君にして欲しいこと、たくさん考えてあるんだよ。フフフ、愛してるよ、凶香……僕が飽きるまではね」
次兄はアタシの顔に指を這わせ。再び唇を近付けてきた……が、それが運の尽きよ!
(声が出せないなら、直接身体に響かせてやる!)
アタシは次兄に思い切りヘッドバットを食らわせ、顔面の骨に直接、呪いの振動を響かせる!
次兄は鼻の骨を砕かれた痛みから絶叫を上げる。
「ぐああああーーっ!? い、痛いぃぃぃーーッ!」
今まで自分で傷を負ったことのない、その男はすっかり戦意を失っていた。
アタシはジェスチャーで、喉を回復させる解毒剤を出すように指示する。
「これで許してくれ。僕は君を愛しているんだよ?」
解毒剤によって声が戻ったアタシは、近くにあった暖炉で真っ赤に熱せられていた火かき棒を取る。
「……苦痛に歪む顔が好きって言ってたわね。だったら、テメー自身がご機嫌な顔を曝せよッ!」
「ひぎぃぃぃーーッ!?」
アタシはあえて呪いの言霊で一気にカタをつけずに、火かき棒で外道の身体を滅多打ちにする。
次兄は悶え苦しんでいたがやがて動かなくなった。
「フン……確かにアンタの豚そっくりの悲鳴、悪くはなかったわ。アタシはアンタのことが大嫌いだけど」
焼けた肉の匂いが漂う部屋でアタシは唾を吐きだした。
(残りはメインディッシュだけね……)
次兄は『組長は山奥の隠れ家に逃げだした』と言っていた。なら、きっとあのルートを通るはずだ。
アタシは組の中で、まだ息のある黒服に命令して車を出させた。
そして最短距離をぶっ飛ばし、高速道路でようやく組長の乗った黒塗りの高級車に追いついた。
アタシは黒服へ言霊を使い命令する。自分の車を組長の乗った高級車に思い切り体当たりさせるのだ。
時速100キロを超す速度で走る2台の車が勢いよく衝突する。
組長の車は激しくスピンし、高速道路の壁に正面から突っ込み、ようやく動きを止めた。エンジンから漏れ出したガソリンが発火し、深夜の高速道路で地獄の業火が天を舐め尽くさんと燃え上がる。
後部座席から這い出てきた組長は、朦朧とした意識の中で炎を見上げる。
「ううう……一体、これはどういうことだ!?」
生き意地が汚い野郎だ……だが、そうでなくては意味がない。アタシはゆっくりと組長に近付いていった。
「次は阿鼻地獄。この電車は地獄行きになりまぁす」
組長は血と炎に彩られたアタシの姿に怯む。
「テ、テメエ! 凶香! テメエは今までの恩を忘れ、俺に逆らうのか!? 父親であるこの俺に!」
「親? ……馬鹿なこと言うんじゃない。アタシの親は母さん1人よ! そしてその母さんももういない。 地獄から戻ってきたアタシは鬼の子になったんだ!」
アタシは今までの恨みを込めた一撃を奴へお見舞いする。
「べぶらッ!!」
「あんたの顔も見飽きたわ……ッ!地獄に落ちろッ!」
言霊を受けた組長は命乞いをしながらも後退りする。
自分の身体を自分で操れないその男は、命を守る壁である欄干を越え高架下へ真っ逆さまに落ちていった!
「きょ、凶香……ッ! うおおおおぉぉぉーーッ!?」
夜の湿気った闇の中へ吸い込まれる組長の身体はやがて高速道路下の線路へと辿り着く。地面に体を砕かれ、絶望の淵にある組長は、たまたまやってきた快速電車に轢かれ、一瞬にして身体が弾け飛んだ。
「フン……汚ぇ花火だわ。目が腐りそう」
組長と若頭、その他幹部に後継者となり得る息子たち……その全てを失った閻魔組は、解散の危機に陥った。
だが、すんでのところで盛り返す。アタシが新組長を襲名したからだ。
アタシは血縁上は一応、組長の娘。十分後継者の資格はある。
何より、今までアタシが行ってきた閻魔組への『貢献』が高く評価されたのだった。
中には、組長を始め、母さんの仇をこの手で潰したアタシが、まだこの修羅の世界に居座り続ける選択をしたことを不思議に思う者もいるだろう。
確かにアタシは母さんの仇は討ち取った。だがアタシの復讐の炎は、未だ轟々と燃え続けている。
(アタシと母さんがこんなクソッタレな運命に追い込まれたのは、ヤクザのせいだ。表の世界を侵食する寄生虫。この世の蛆虫みたいな奴らがいるから、アタシと母さんはッ!!)
ヤクザが抗争を続ける限り、かつてのアタシや母さんみたいな弱者がいたぶられ続ける。そして輪廻のように悲劇は繰り返されるのだ。
ならば……誰かがそんなクソ共を裁き、奈落に落としてやらねばならない。
そして、その亡者共を抑えるには、自身も地獄の業火で焼かれ続ける必要があるのは当然だ。
アタシは今日も大勢の黒服たちにかしずかれ、闘いに赴き、裏の世界を裁き、ヤクザを裁き続ける。
――いつか、この魂が地獄に堕ちるその日まで。
チュウニズム大戦
レーベル | 難易度 | スコア | |
---|---|---|---|
スキル名/効果/備考 | |||
●リレイ | EXPERT | 0 / 310 / 620 | |
テクニカルアクセル(EXP、MASチェイン) | |||
自分と次のプレイヤーは、出すカードがEXP、 MASでCOMBOした時、CHAINとなる。 |
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チュウニズムな名無し
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チュウニズムな名無し
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チュウニズムな名無し
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チュウニズムな名無し
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チュウニズムな名無し
652019年08月06日 20:12 ID:tbbegtha新グラ来るのめっちゃ嬉しい
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チュウニズムな名無し
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チュウニズムな名無し
632019年02月14日 15:35 ID:ophphdmcエピソード8の次兄のセリフ、これは間違いなく吉良吉影のパロディですね…
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チュウニズムな名無し
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チュウニズムな名無し
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チュウニズムな名無し
602018年06月03日 14:36 ID:ia7jr807かっけー