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アンディルの物語

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バックストーリーの1つ「アンディルの物語」についてまとめています

アンディルの物語


カタバールは右手で鎌をつかんだ。それは父であり、黄星から生まれしクリンから与えられたものだった。


その武器の刃はどんな人間にも扱えないほど大きなものだった。


しかし墓所の守護者であるカタバールは神であり、その力は人間をはるかに凌駕していた。


かれは千の石の墓を持ち上げ、地中の世界へと運んだ。かれはそれを千年間続けていた。


百人の屈強な人間の力を合わせても、その墓一つすら持ち上げることができなかったが、カタバールはそれを毎日千個運び続けた。


その日、かれは北のアンディルの死体が入った墓を運んだ。アンディルは腕を組んだ状態で横たわっており、両手に手斧をにぎっていた。


アンディルの人生は短かったが、その意志は強かった。彼はいかなる墓にも入らないと誓いを立てていた。


北のアンディルは死んでいたが、それでもカタバールに呼びかけた。なぜ死者が行くべき場所に自分を連れていくのかと。


カタバールは答えた。「お前の運は尽きたのだ、北のアンディルよ。あらゆる死者と同じように、もう休むのだ。」


カタバールは死と生を超越する鍵となるルーンを知っており、それを知る人間は存在しなかった。


しかしアンディルは両手に持った鋼の斧をぶつけて音を立て、吠えた。「俺ほど勇敢に戦った男に休めだと?もっと戦わせろ!」


カタバールは答えた。「私と戦っても勝つことはできん。お前は人間で、私は神だ。私は森の土ハールミナと黄星クリンの子」


するとアンディルはカタバールの番犬であるルニを見た。ルニは骸骨のように痩せていた。「ならお前の番犬と戦わせろ」と、アンディルは吠えた。


カタバールは慈悲の心を見せ、最後の戦いがしたいという、この愚かな人間の願いをかなえてやることにした。


「よいだろう」とカタバールは言い、アンディルの頭に触れた。すると戦士の体に命が戻り、彼は再び戦えるようになった。


アンディルは跳ね起き、石の墓から飛び出し、痩せ細った番犬めがけて、かつてないほどの勢いで突進した。


アンディルは自分より強い人間にあったことがなかった。しかし神の番犬と戦うのは、彼にとっても初めてだった!


そしてカタバールの番犬ルニは素早かった。ルニはアンディルの右腕をもぎ取った。するとアンディルは喜びに吠えた!


アンディルは左手に持った斧をルニに向かって振った。しかしルニの動きはそれより速く、ルニはアンディルの左腕をもぎ取った。


アンディルは狂ったように笑い始めた!彼の血は地下世界の墓を染め、カタバールを染め、ルニを染めた。


カタバールは墓がアンディルの血で染まり、外の騒ぎで眠りを阻害された者たちが動き出す音を聞いた。


アンディルは番犬に格闘を挑んだ。彼は痩せ細った番犬に飛びかかり、足でその首を挟んだ。そしてかつてないほどの力で絞めつけた。


番犬はその痩せた顎でアンディルの右足に噛みつき、もぎ取った。アンディルは自分が優勢であると思い、再び歓喜に吠えた。


アンディルは番犬の尻尾に噛みつくと、力いっぱい引っ張ってそれを引きちぎった!


尻尾はまるで骨でできた鞭のようだった。アンディルはそれを口にくわえ、熟練の獣使いのように操った。


アンディルは口を閉じながら笑い声をあげ、番犬の足に骨の鞭を叩きつけた。


「見事だ、人間」とカタバールが言った。「お前はいかなる人間よりも獰猛に戦い、私の忠実な番犬を上回った。」


カタバールは流血し、四肢を失った人間の前にしゃがみこんでいった。「最後の戦いがしたいというお前の望みは叶えた。そしてお前はよく戦った。もう平穏に休むがいい。」


しかしアンディルは狂ったように笑うだけだった。傷口から血を流し、片足で跳ねるように動く彼は、ただ笑っていた。


カタバールは苛立ってきた。「お前にはほかのどんな人間にも与えぬ特権を与えてやったのだぞ。それ以上調子に乗らぬことだ。」


しかしアンディルは口に骨の鞭をしっかりくわえたまま、笑い続けた。


カタバールの我慢も限界を迎えた。「いいだろう、終わりなき戦いがお前の望みなら、それをお前の呪いとしてやる。」


神は人間に情けをかけたが、人間は傲慢にもそれに感謝せず、愚かな要求をしたからだ。


かくして北のアンディルは墓所のカタバールによって呪いをかけられ、終わりのない戦いに永遠に従事することとなった。


アンディルは獣の中の獣となる。頭からつま先まで毛皮をまとい、終わることなく戦い続ける。


アンディルは2本の足で歩き、粗野な武器をふるい、粗野な鎧をまとう。まるでアルターストーン王国の外に生きる者たちのように。


アンディルはより強くなるが、より愚鈍になり、理由もなく戦いにいざなわれるようになる。


アンディルは仲間も敵も同じように戦う。低地の森の民は彼を「牙を折る者」と呼ぶようになる。


そしてカタバールは二度と人間の要求を受け付けないことを誓った。死者はただ休むのみであるとして。


しかしアンディルは「ファークラッド」そして「ファングブレイカー」となった。そして真冬の壁は永遠に苦い戦場であり続ける。



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