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サーマヤヴォラの時代

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バックストーリーの1つ「サーマヤヴォラの時代」についてまとめたページです

サーマヤヴォラの時代


かれらは時を食す者。彼らは過去と未来を食らい、あらゆる存在を単一の存在に帰属させるもの。


彼らはサーマヤヴォラ。かれらが君臨する限り、時は停止し続ける。


サーマヤヴォラの時代には境界も視界もなかった。かれらは、かれら以前に存在したものすべてを呑み込み、神々の干渉がなければ、以後に存在するものもすべて呑み込んでいただろう。


サーマヤヴォラの時代を象徴した永遠なる停滞の中では、星々すらも動きを止め、時を貪るものたちによって、夜空の道を塞がれた。


しかし2つの星が、サーマヤヴォラに食われずに逃れた。紅星ウル=ダヴィナと黄星クリンだ。


漆黒の空の中、この2つの聖なる存在は、サーマヤヴォラを永遠に消し去るための秘密を発見した。それがルーンだった。そしてこのルーンが、最初の神々を生んだのだった。


サーマヤヴォラが貪欲に過去と未来を食らい続ける中、ルーンがサーマヤヴォラの暴食に対抗する障壁を作っていった。


ルーンは過去の物語を語り、未来の出来事を知らせた。ルーンによってウル=ダヴィナとクリンは過去と未来を取り戻し、かくて戦争は始まった。


星々はルーンの力を得たが、まだ形は持たなかった。


よってウル=ダヴィナとクリンはルーンを使って形を得た。出産の神ウル=ダヴィナと、紡ぐ神、クリンとして。


かれらの結合を介し、ハールデとガーダルは誕生した。神々から神々が生まれたのだ。この創造により、宇宙に噛みつき掌握したサーマヤヴォラの口は、確実に緩められることとなった。


集まった星々は至高の美しさを持つフェイルムとなり、クリンとの結合を介して双子の神が誕生した。影と光をつかさどるイルスクラとクレクシアである。


ガーダルとハールデは森の土を紡ぎ、そこから女神ハールミナが現れた。森の守護者である彼女は、森の土に散らばっていた不穏なルーンを覆い隠した。


イルスクラの影からサズレダックが出現した。そしてその森から、いわゆる森の民が現れることとなった。


神々はその数を増やし、サーマヤヴォラは撤退し、宇宙の果てへと追われていった。


しかしあるサーマヤヴォラは神々の形を取り、神々の中に入り込むすべを学んだ。そのサーマヤヴォラは踊る美の神フェイルムの形を取った。収穫の神ガーダルが、フェイルムに恋い焦がれていることを知っていたからだ。


この欺きによる結合が、半分神で半分サーマヤヴォラのアマラを誕生させた。サーマヤヴォラのほとんどは死に絶えたが、時の捕食者の血はこうして神々の中に残されたのだ。


アマラは影と闇の神イルスクラと結合し、憤怒の神アリクスが誕生した。サーマヤヴォラの血をその体内に受け継ぎつつ。


神々の数が増えるにつれ、クリンはそのまとまりのなさに怒りを募らせるようになった。


クリンはイルスクラの影より生まれたサズレダックを殺し、アマラに呪いをかけた。これによりアマラはサーマヤヴォラの血を持つ子を産めなくなった。


しかし神々の数はさらに増え続け、ルーンは各地に散らばっていった。


ハールミナとクリンの呪われし子ヴォア・ユイルは、木の枝に呪われたルーンを浸透させ、ナウデアとアインダルの子ラークは、夜空にルーンを放ち、稲妻を生み出した。


神々の言葉は不死や過去、現在、未来を表すようになり、時の捕食者は凋落し、宇宙の隅へと追いやられていった。


サーマヤヴォラの時代は終わったが、その血筋は悲劇的な遺産を残した。


アマラは再びイルスクラの子を身ごもり、クリンはその結合を呪った。そうして生まれた子が二度産まれしサズレダックまたは血合の子サズレダックである。アマラは己にかけられた呪いにより、出産時に消滅するはずだった。


しかし体内に捕食者の血が色濃く流れるゆえに彼女は消滅せず、代わりにその苦しみの瞬間を、繰り返し繰り返し、永遠に味わい続けることとなった。



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