【白猫】ルウシェ(温泉)・思い出
ルウシェ・エルレンシア CV:東山奈央 世界を知るために旅を続ける<贖罪の聖女>。 初めての温泉街に興味津々。 |
白猫温泉物語2
思い出1
アオイの島での騒動から、少しだけ後――
飛行島はいまだ、アオイの島に停泊していた。
はぁ……全身ぽかぽかです……
温泉にゆっくり浸かったおかげですね♪
温熱効果だ。温泉には、泉質によって様々な健康メリットがある。
温かくて、気持ちよくて、体にも良いなんて……素晴らしいですね。
それに温泉街も、賑やかで楽しかったです。
温泉街というのは、新しい施設が次から次へと増えていくものだったんですね。初めて知りました。
極めて特殊な事例だ。参考にするんじゃない。
今回はアオイの島に遊びに来ることができて本当によかったです。
オシャレも気合い入ってるものね!
上品で、すごく似合ってますね。私も着てみたいです♪
実はこのお洋服、騎士様が買ってくれたんですよ。
……おい、ルウシェ。
お店で見かけて心奪われたのですが、とても高価な品だったんです。
それで騎士様が、お金を出してくれて……
遠出をするのに、普段着というのも華がないだろう。
優しいんですね、アシュレイさん!
でも……一番嬉しかったのは、お友達がたくさんできたことです。
『じょしかい』というのは、あんなにも心躍るものなんですね!
よかったわねぇ。
はい、素敵な思い出ができました!
あら、思い出にするのはまだ早いんじゃない?
せっかくですからこれから、温泉街に行きませんか?
砂風呂っていう、変わったお風呂があるんですよ♪
とても興味深いです!ぜひ行きましょう!
思い出2
砂風呂、気持ちよかったですね。
あんなお風呂もあるんですね♪男湯のほうはいかがでしたか?
俺は入っていない。全身砂に埋もれるなど、無防備極まりないからな。
……せっかくなんですから、騎士様もゆっくり楽しみませんか……?
俺のことは気にしなくていい。滞在中、しっかり堪能しておけ。
ねーねー、温泉まんじゅー食べたいわ!売店いきましょ!
もう。キャトラったら……
倒れたですって!?
はい、女将。今朝から調子が悪そうでしたが、ついさっき、バタンと……
無理をしていたのでしょう。今日一日は休ませてやらないと……
……どうしましょう。全体的に人手不足だけど、仲居が足りないのはまずいです――
旅館のひとかしら。なんか困ってるみたいね。
……私、お話を聞いてきます!
あの、なにかあったのでしょうか?
は、いえ……お客さまにお話するようなことでは……
困っていることがあるのなら、話してみてくれませんか?
お気持ちは嬉しいのですが、当館の問題にお客さまを巻き込むわけにはいきませんから。
…………
そう言わず、いちおー話してみたら?
はい。なにか力になれるかもしれません。
ですが……
ここのお風呂、とても気持ちよくて……幸せな気持ちになりました。
ですからお礼に、今度は私かこの旅館のためになにかしたいんです。
旅館ではたらく人たちも、それにお客さんたちも、みんなが幸せになれるように。
……さきほど、仲居がー人倒れてしまったんです。
ナカイさんという方の身に、なにかあったのですね?
人名ではない。仲居とは、旅館等ではたらく女性従業員のことだ。
折りの悪いことに、今夜は団体客様がご宿泊予定なんです……
現状の人員では、満足ゆくおもてなしができません。お客さまが日々の疲れを癒やす場として、そのようなことはあまりに……
私では、『ナカイさん』の代わりになれませんか……?
ありがたいのですが、仲居の仕事を一朝一タで覚えるのは難しいかと――
……この島の人たちに恩返しがしたいんです。
ルウシエ。気持ちだけでは、どうにもならないこともある。
それでも、自分にできることをやりたいんです。
お願いします。がんばりますから……!
(……未経験の人を雇うなんて、あまりにも無謀だけれど……
――彼女のまっすぐな瞳……これこそおもてなしには不可欠な、まごころの光……)
…………
臨時とはいえ、厳しく指導させていただくことになるかと存じます。
それでもどうか、お力を貸していただけますか?
……はい!ぜひ!
騎士様、お願いします。
私はイイと思うわ。いろいろやってみるって大事よ?
……わかった。これも経験だろう。
騎士様……!
ただし、くれぐれも無理はするな。お前は他人のためとなると、自分をかえりみなさすぎる。
ありがとうございます……みなさんのために、全力でがんばります!
いや、だからな……
思い出3
<旅館の仲居をつとめるべく、ルウシエの特訓が始まった!
襖を開けるときはまず脆座です!室内にお客様がいるのなら、下座、和、浅礼ののち、お声を――
こうでしょうか……!
礼の角度は30度です!さあ、もう一度!
***
お茶をお出しするとき、茶碗を持つ手はお客さまから遠いほうの手です!
すみません!もう一度お願いします!
***
敷布団にシワが寄っています!最初からやり直しです!
はいっ!!
***
ありがとうございました!またお越しください!
ここの砂風呂は、温泉成分が浸透した温かい砂で、全身を包み込むんですよ。
発汗作用が強いので、冷え性などに効くんだそうです。あと美肌効果やダイエットにも……
もう何回も聞いたってば!
ようこそいらっしゃいませ!あ……トワさん!セツナさん!
ルウシェさん?
なんでお出迎えしてるの!?
<ルウシェはトワたちに経緯を説明した。>
なるほど……それで仲居さんかあ。
作法もかなり難しいですし……大変ではありませんか?
はい。上手にできなくて、女将さんたちにもご迷惑をかけてしまって……
――でも、楽しいんです!たくさんの人と触れ合えて、知らなかったことをたくさん知ることができて……
ですから、がんばれます!
…………
ルウシエさん。私にもなにか手伝わせてもらえませんか?
えっ!?ですが……
友達ががんばっているんです。見過ごせませんよ。
それに基本的な礼儀作法でしたら私も身に付けていますから。お役に立てるかもしれません。
あたしもやるー!
作法とかはあんまりだけど、困ったお客がいたらこう、巫女パンチ!ってさ!
駄目です。
冗談だよ。でも裏方とかなら、手伝えるかもしれないしさー。
トワさん、セツナさん……
一段落したらあらためて、一緒に温泉を楽しみましょう?
……ありがとうございます!!女将さんにお話してきますね!
ところで、お手伝いしてるのはルウシェ一人だけ?
アイリスさんは厨房のお手伝いで、キャトラさんも一緒だと思います。
主人公さんと騎士様は、今ごろ――
***
はぁッ!
他愛ない……!さっさと片付けるぞ。主人公!
君たち、イイ割りっぷりだね!
<薪割りを手伝っていた――>
思い出4
お待ちしておりました!ようこそいらっしゃいませ!
お部屋までご案内します!お荷物をお預かりいたしますね♪
***
お客さま、なにかお困りごとでしょうか?
あ、露天風呂ってどっちでしたっけ?
ご案内いたします。こちらですよ!
***
みなさま、強肴をお持ちいたしました!
仲居さーん!お酒のおかわり、お願いできるかい?
こっちも頼む!
は、はい、少々お待ちを!……急がないと!
大丈夫ですよ、ルウシエさん。私もいますから。
焦らず丁寧に、がんばりましょう。
……はい、トワさん!ありがとうございます……!
ちょっと心配だったけど、どうにかやってるわね。
うん、二人ともすごいね。
あら、セツナ。どこいたの?
お洗濯終わったから、様子見にきちゃった。
<宴もたけなわ――宿泊客たちはルーンカラオケで盛り上がっていた。>
仲居さんも一曲どうだい?
え……ですが……それは良いのですか……女将さん?
あなたさえ構わなければ、私からもお願いいたします。
仲居の務めからは少し外れますが、お客さまにご満足いただけるよう尽くすのがおもてなしですから。
わかりました……!
拙い歌と踊りですが……披露させていただきます!
「「「イエーイ!」」」
ステージ始まっちゃった!
――あれはやりすぎた。
あ、アシュレイだ。
いつの間にかこんな事態になっているとはな。
さすがにあれは仲居の業務を逸脱している。止めて――
ストップ。トワも女将さんもついてるしだいじょぶでしょ。
もう少し、見守ってあげてもらえませんか?
だがしかし……
あたしからもお願い。友達ががんばってるとこ、ちゃんと見届けたいよ。
……わかった。これも経験だ。黙って見守ろう。
ただし宿泊客のー人でもルウシエに触れたら斬り捨てる。いいな?
斬っちゃだめ。
思い出5
みなさん、本当に助かりました。なんとお礼を言えば良いか……
不慣れな身で、いろいろとご迷惑もかけてしまいました……
いいえ。仲居にもっとも大切なものは技術でなく、おもてなしの心です。
おもてなしの心……
ここは日々の責務に疲れ、一時の癒やしを求めてやってきたお客さまをもてなす場所。
そしておもてなしとは、お客さまにご満足いただくため、礼を尊び、気を配り、なにより真心を込めて接すること。
多少不慣れであろうと、ひたむきなあなたの姿は素晴らしいものでした。
……あ、ありがとうございます!
今夜は客間も温泉も、ご自由にご利用くださいね。では、おやすみなさい。
お疲れさまでした、ルウシエさん。
私の力は微々たるものです。みなさんが……それに、トワさんとセツナさんが助けてくれましたから。
いつか一緒に、クジョウの島で温泉を楽しむ約束もしたんですよ♪
もうすっかり仲良しですね♪
私、ここで働けて本当によかったです。
おもてなしの精神とは、かくも尊いものなんですね。
ともあれ、みんなお疲れさま!アタシもヘトヘトよう。
そういえばキャトラさんは、どんなお仕事を?
げきむに追われる従業員のみんなを癒やしてたわ!おしりを振ってね!
ふふ、キャトラもがんばったね。
さっそくお風呂に行きましょ。トワたちも誘ってみない?
そうだね。……そういえば、アシュレイさんは?いつのまにか姿が……
さっき、一足先に客間へ向かいました。
仮眠をとって、あとは不測の事態に備えて朝まで起きているそうです。
慣れない土地だからってケーカイしすぎよ!ふんとにもー……
……そうですね。
せめてアオイの島に留まっていられる間は、ゆっくり羽を伸ばしてほしい……
おもてなしの心を学んで……今まで以上に、そう思っています。
ルウシェさん……
どんな言葉をかければ、騎士様に心から安らいでもらえるのでしょうか……
思い出6 (友情覚醒)
今回学んだことを、まっすぐに伝えればいい……?
……ありがとうございます!いってきます!
***
夜分遅く失礼いたします、騎士様。
……ルウシェか。どうした?
<丁寧な所作で襖を開け、ルウシエは小さく一礼した。>
様になっているじゃないか。
ありがとうございます。
ところで当旅館の温泉はもう、お楽しみになられましたか?
いや、入っていないが……
……どうした。仲居の仕事はもう終わりだろう?
明日になるまでは仲居さんですよ。今の時間帯でしたら、温泉がほとんど貸し切りなんです。
ここは砂風呂だけではなく、露天風呂も素晴らしいですから。ぜひご堪能ください。
いや、いい。慣れない土地で無防備になるのは落ち着かん。
ご安心ください。私がちゃんと外で見張りますから♪
気を遣わなくていい。お前ももう、部屋に戻って――
……騎士様が、私のことを大事に考えてくれるのは、とても嬉しいです。
だからこそ、自分を大事にしない騎士様の姿を見るのは、とても辛いです……
たまにはゆっくりと心身を癒やし、心安らいでほしいと願うことは、私のわがままでしょうか?
……しかしな。
騎士様……
…………わかった。だが、見張りはいらん。逆に落ち着かない。
はい!どうぞ、ごゆっくり!
***
(いい湯だった……露天風呂など久々だったな)
<入浴を終えたアシュレイが部屋に戻ると、布団が敷き直されていた。>
(……まったく、自分も疲れているだろうに)
失礼いたします、騎士様。
!まだ起きていたのか。
さあ、横になってください。入浴後に効くマッサージを、トワさんに教えていただいたんですよ♪
んしょ、んしょ……気持ちいいですか?
……ああ。他人に体を預けたのは……本当に、久々だ。
だが、お前はもっと食べろ。体が軽すぎる。
そういう意地の悪いことを言う人には……こうです!
ぐぉっ!?
痛いぶん、疲れがとれるツボらしいですよ。
本当だろうな……?
ふふ、どうなのでしょうね。
……騎士様。今回は私のお願いを聞いてくれて、ありがとうございました。
礼を言われることじゃない。
いいえ。おかげで大切なことを、学びました。
優しさとは、真心なのだと。
…………
どうか、そのまま楽に……今夜は安心してお休みください。
たとえ何があっても、私が騎士様を守りますから。
お前が俺を守る、か……
……正直なところ、お前が旅館を手伝うと言い出した時、俺は不安を覚えた。
他人に優しすぎるお前が、多くの他人に囲まれて働くことに。
……はい。
だがお前は、仕事を通して自分の優しさに芯を通したらしい。
……よくがんばったな、ルウシエ。
――はいっ。
私、この島でのことを忘れません。
ですから、騎士様も――
(……すぅ……)
……眠ってしまわれたんですか?ふふ……子どものような寝顔……
おやすみなさい。これからも、この広い世界を私と共に歩んでくださいね。
清浄無垢なる真心 ルウシェ・エルレンシア
その他
白猫温泉物語2 | ||||
---|---|---|---|---|
シエラ | ルウシェ | ルミエ | トワ |