【白猫】レイヴン(サマー)・思い出
黒衣の剣士 レイヴン・ザ・ダークホロウ cv.石川界人 光無き夜を飛翔する黒衣の剣士。 その一刀は、記憶と引き換えに悪を討つ。 | ||
2015/07/06 |
思い出1
……ここは、どこだ?
あら、レイヴンじゃない。
……レイヴン? それは俺の名前か?
レイヴンさん、また、記憶が……
俺を、知っているのか。
弓に……思い出を食べられちゃったのね。
弓……?
弓のことも忘れちゃったの? ほら、記憶を食べちゃう弓。
レイヴンさんは、あの弓を使って、記憶を失いながら、戦っていたんです。
何の――ために?
悪を射抜くためっていってたわ。正義の味方みたいなものね。
この俺が、正義の味方、か……
はい、私たちの知っているレイヴンさんは、そんな人でした。
己の正義を振りかざす男、といったところか。
そんな奴じゃなかったわ。アタシの知る限りはね。
……お前たちの方が、俺にくわしいようだな。
まあね。いろいろ知ってるわ。猫舌なところとか。
そう……なのか。
あと……少しだけお酒に弱かったような。
……下戸、か。
あ、みんないたのね。
カスミじゃない。水着も板についてきたわね。
あ、暑いから……って、そんなのはいいの。
前は助かったわ。レイヴンさん。
どうしたの?
<まがこと>を祓うのを手伝ってもらったの。
……覚えて、ないのよね。
……すまん。……いや、うっすらと覚えて……
ほっ。
あのときはごめんなさい。私もちょっと緊張してて。
気にするな。確かに俺は、お前たちの知る男らしい。
思い出せたんですか?
お前たちのおかげだ。
笑止。
ん――!?
黒き翼よ。汝に思い出などは不要。
誰だ。
鴉と名乗っておこう。
我は――汝と、共にありしもの。
レイヴンさん?
……大丈夫なの?
……問題ない。
思い出2
れいぶんにーに!お祭り、楽しかったね!
キャウン!
……コヨミ……タロー……
島にいるときは、記憶が戻るのね。
よかったあ。にーにが覚えていてくれて、うれしい!
私も、同じ思い出を持てて、嬉しいです。
そうか。
ところでレイヴン、その格好、どうしたのよ。
気付いたら、こうなっていた。こいつの仕業らしい。
これは……もしかしたらあんたの弓?
形が変わっていますね……? まるで剣みたいです。
こいつは意思を持つ。何か、企んでいるのだろう。
怖いわね。……そのお面も?
お面は、コリンねーねがあげたんだよ。
ふむ。
……気に入ってるの?
ああ。
だったら、いいけどね……
最近、何かあったんですか?
俺は……『神隠し』を追っていた。
神隠し?
村で普通に暮らしてた人が、突然いなくなっちゃうの。
キャウン……
いままでに十三の島で、百人以上の人が『消えた』。
俺は消えた人々の足取りを追っていたが、原因は特定できなかった。
くだらぬことをするものよ。
弱きものを気まぐれに救い、何になる。
うるさいぞ、弓、いや、剣よ。
――どうして姿を変えた?
剣も扱いには慣れていよう。汝は、武を売る傭兵ではないか。
何が狙いだ。
知れたこと。我は武具である。強さこそが武具の誇り。
より強くあるため、我は新たな姿になった。
強さを得て、なんとする。
武具の存在意義は、強さ。他に何がある。
くだらんな。俺の記憶の代償がそれか。
もはや記憶では足りぬ。
黒き翼よ、我に汝の魂を捧げよ――!
思い出3
いよう、黒いの。
出たわ、幽霊おじさん。
……海賊か。
ケハハハッ!!
いいねえッ、この島にいるときだけ記憶が戻るッてェのは、本当だったのかッ。
何の用だ。
決まってんだろ、黒いの。
なるほど、決着をつけるか。
カーッ!野暮なやつだな。これだ!''
これ、お酒じゃないの。
ラム酒ね。お菓子作りにも使うのよ。
まあ、飲めや黒いの。
<エドガルドは、グラスにラム酒を注いだ。>
フン。
ちょっと、レイヴン大丈夫なの?
問題ない。
***
…………むう。
カーッ!下戸ならはやく言えよ。
……すまん。……意地をはった。
ケハハハハハッ!!ハーッハッハッハッ!!いいねェおめェ!
……ハハハハハ。
ケハハハハハッ!!
ハハハハハ!
***
気付け用のブランデーで寝ちゃうなんて。
――ったら、お酒に弱いのね。
……ナンナ……
さあ、行きましょう。みんなのところへ。
……駄目だ……行かないでくれ……!
大丈夫でしたか?
うなされていましたけど……
俺が?
ケッ、なんッかいやーなことでも、思い出したのかァッ!?
いいや。
どんな思い出も、俺にはかけがえのないものだ。
二度とない。
……二度と。
思い出4
我を受け容れろ。黒き翼よ。
我と共に進め。その魂を、我に捧げるのだ。
黙れ、人食いの武具よ。
二度とない。
何……!?
二度とない。
何がいいたい、武具よ!
二度とない。
俺が、救いを得ることは無いといいたいのか!
そんなものは求めていない!
二度とない。
それとも……許されることなど無いといいたいのか。
二度とない。
俺には分かっている……
俺には罪をあがなうことさえ、許されない。
二度とない。
黙れ!!
レイヴン!
……お前たち、か。
記憶を……!
違う。力は使ってない。
じゃあ……
こいつは、俺の体を乗っ取ろうとしている。
こいつは、危険な武具だ。魂をも喰らう。
俺は……魔性の存在に成り果てようとしているのかもしれない。
安心しろ。その前に、俺は――
二度とない。
なるほど、わかったぞ……
二度とない。
俺が人間として死ねることは、もう二度と……
二度とない。
思い出5
ふむ。
<レイヴンは主人公の剣を受けた。>
いつぞやも、こうして剣をまじえたか。
強くなったな、主人公。
……いや、お前は元から強かった。
……レイヴンさん。
お前たちさえよければ、神隠しの一件、調べてくれないか。
わかったわ。アンタは無理しないで。
……もし、俺がやったのなら。
そのときは――
***
おい。
……我に、全てをゆだねるつもりになったか。
神隠しは、お前の仕業か。
だったらどうする。
お前を、この世から消し去る。
そうなれば、汝も消える。
構うものか。答えろ、化け物。
我が化け物なれば、汝は何か。
俺は……!
教えてやろう。汝は化け物ですらない、できそこないだ。
心まで、お前に売った覚えはない!
黒き翼よ。汝は愚かだ。
何――!
今の汝に、汝の理想は貫けない。
心を捨てよ、黒き翼。さすれば汝は、理想を手にするであろう。
全てを捨て去り、ただ悪を狩る存在となれ。それが汝の望みだろう。
今一度聞く。お前は人を喰らったのか!
人を喰らって得た力で、お前はこの姿に――!!
答えろ!!
……我が望むのは、汝の魂のみ。
思い出6 (友情覚醒)
……ルーンの、光か。
レイヴン。アタシたちは、アンタのことを信じてるから。
……私はいやです。レイヴンさんが、報われないままなんて。
俺には、そんな資格などない。
報いなど不要だ。
……む。
<レイヴンは、ある光景を思い出した。>
これは、神隠しにあった村……?
「」
この連中は……!?
キャー!助けてー!
<海に、黒い船影が見えた。船影は沖へ向かっている。
その船影が、一瞬陽炎につつまれた。すると船影は、こつぜんと姿を消す。>
<隠れ身のルーン>……!
思い出したか。
ああ。
お前は怒りに任せて、力を使った。
そして記憶を失い、奴らを取り逃がした。
そうらしいな。
記憶などではなく、最初から魂を捧げていれば、
このような無様はさらさなかっただろう。
かもしれぬな。
なぜ『心』などにこだわる。
汝が望みは、悪を狩ることであろう。悪とは、心の弱さだ。
心なきものは、迷いはしない。
正義を為したいのなら、心を捨てるのだ。
ハハハハハハ!
何がおかしい。
――心なき者が、弱きものを虐げる。
それこそが悪だ。この俺が、狩るべきものだ。
あくまで人として、悪を狩るというのか。
さすがは黒き翼。なおと狂おしき選択か。
いいだろう。その報われぬ定め、貫くがよい。
レイヴンさん、大丈夫ですか?
アタシたちが……わかる?
主人公、キャトラ、アイリス。
ケハアッ!ようやく思い出したのかよッ!
……海賊か。
じゃあ、行くかよ。
ああ。
神隠しの件ね。
そうだ。仕留める。
二度とない……
我と汝が……別たれることは!
闇夜飛翔
サマー!サマー!!サマー!!! Story