【白猫】イサミ(茶熊)・思い出
剣道場の主 イサミ・エンジュ ひとり、剣道場に入り浸っている新入生。 その視線は鋭く、教師のような貫禄を持つ。 |
茶熊学園2018 Story
思い出1
とつげき部活訪問のコーナー!!
どんなコーナーなの?
キャトラのとびだしクエスチョンのコーナーを覚えているかしら?
キャトラ……! いないよ……!だれも覚えていないと思うよ……
アラそう? まあそれはいいのよ。
さて、そんなこんなで、茶熊学園剣道場にやってきました。
さて、こちらにはいったいだれがいるのでしょう?
キェエエエエ!!
なに!?この奇声は!?道場の中から聞こえてくる……
ヒョーーーーウ!!
ま、まるで、威嚇をする怪鳥……いえ……求愛なの……!?
コォーテコテコテコテコテー!
……こてこて……?
よくわかんないけど、中に入ればわかるはずよ……
いくわよ!主人公!
ケエエエエーイ!!
ぎにゃー! ごめんなさぁーい!
……これは、みなさま。道場に何か用でございますか?
イサミさん……?さっきの声は、イサミさんのものだったんですか……
ええ。
どうしてあんな叫び声を……?
稽古をしておりましたので。
剣には気迫も重要です。まして剣道では、打ち込みと気合、二つが伴わねば一本となりません。
なればこそ、掛け声にも相手を制するような、圧が必要なのです。
なるほど……。
びっくりしちゃったわよ……アタシはてっきり、アポなし取材を怒られたのかと思っちゃった……
そのようなことで
怒りなどしません。
見学、でしたかな。お気の済むまでご覧ください。
よかった。いつものイサミさんだね。
そうね……
では、もう少しでー区切りつきますので。
……メェーンメンメンェーン!
剣道って……ちんみょうなスポーツなのねぇ……
思い出2
…………
…………
…………
……それまで。
ふへぇ~……なんかつかれたぁ……
これが『黙想』なんですね。
ええ。精神を研ぎ澄まし、己と向き合う稽古のーつ、といったところでしょうか。
こうして心を鍛えることで、私も、以前よりもこの身に宿る呪いを克服できるようになっております。
イサミさんとシズクさんの、時間が経つと理性が薄れる呪いのことですね……
ええ……術者は滅しましたが、呪いが完全に消えることはありませんでした。
ゆえに、以前にも増して、心の鍛錬に重点を置いているのです。
なるほどねぇ……にしても、目をつぶってると、時間がゆっくりになるみたい……
不慣れな方には、いささか長く感じられたかもしれませんな。
――♪
余裕と申されますか……!
ふふ、主人公はこういうの得意だものね♪
これは、恐れ入りました。
とかいって、イサミもすごいじゃないの。ピクリともしないでさ。
慣れているのですよ。私は毎日行っておりますから。
授業は?
は?
アタシたちは先輩だけどさ、それにしたって、アンタの姿校舎であんま見かけないのよね。
ちゃんと授業出てる?勉強をおろそかにしてないでしょうね?
課題等は問題なく消化しております。
ふ~ん……?
……ただ……校舎の方におりますと……
……教師に間違えられることがままあったため……
自然、剣道場で過ごすことが多くなってしまいました。
そ、そう……
……やはり私は、生徒には見えぬのでしょうか?
そ、そんなこと……あるわけないわけあるわけない……
……かもとかなんとか……
…………
ごっ、ごめんね!とりつくろったようなウソはかえって傷つけると思って……
よいのです……自分でも、わかっておりますから……
思い出3
さてと!今日も今日とて道場通いよ!
もう、キャトラったら……イサミさんの邪魔になっちゃダメだからね?
わかってますとも!たのもおーーーう!
うおおおおおーっ!
チェイヤァーーー!
<ゲオルクとイサミの二人が、竹刀で打ちあっている!>
<二人とも、物凄い気迫だ!>
せい!
アー!
とう!
テェー!
なんか……二人とも真剣すぎて、見てるこっちにもビリビリくるもんかあるわね……
あんな全力で打ってて、いいのが入ったらケガしちゃうんじゃない?
そうかもね……でも……なんだか二人とも……なんていうか、いきいきしてて楽しそう……!
はっ!
ソゥ!
てぃ!
エァ!
ウォォォォォォー!!!
<両者が同時に踏み込み、激しく衝突した竹刀が、派手な音をたてて砕け散った!>
…………
…………
…………
いい鍛錬になった。
またいつでも来い。
ああ。
……ふふふっ……男の人って、いくつになってもこういうのが好きなんだから♪
あ、アイリス!?
思い出4
<――剣道場ではイサミがー人、今日も汗を流している。>
フッ!セィッ!ハァッ!
イサミったら、毎日毎日、よく飽きないわねえ……
そういうキャトラも、毎日見に来てるじゃない?
ってことはアイリスも主人公もなのよ?アイリスも飽きてないじゃない?
ふふっ、そうね。それはきっと……
フッ!ハッ!ヤァッ!
イサミさんが、とても真剣に鍛錬をしているからじゃないかな。
ただの鍛錬よ?
うん、でもね、とても集中して、自分のことを限界まで追い詰めているから……
見てるだけで、なんだかこう、応援したくなっちゃうから…………かな?
アッララ~?
セァーッ!!……ふぅ……
おつか――
使え。
<シズクはイサミに清潔な布を差し出した。>
すまん。
<イサミはそれを受け取ると、着物をはだけ、上体をぬぐい始めた。>
わっわっ!?
…………
精がでるな。
今日が特別というわけではない。
わかっている。これを持ってきた。
なんだ?
レモンのハチミツ漬けだ。
エネルギーを捕え。
助かる。
汗は拭いたか?寄越せ。私が洗っておこう。
悪いな。
構わん。ついでだ。
ああ。
たゆまぬ鍛錬をするお前を、頼りにしている。
好きでやっていることだ。守りたいものを守るためにな。
……そうか。
…………
ではな。
…………
…………
……ああ、今の言葉づかいですか?
主従とはいえ、私たちは幼少期より共に過ごしておりましたから。
自然、年長である私の方が兄のような立場になってしまうのですよ。
それもあるんだけど……!そういうことじゃなくて……
……はあ?
……もう! なんでもないわ!
はぁ……?
思い出5
また来やがったな!坊ちゃん嬢ちゃん、猫の大将!だ~っひゃひゃひゃ!
あ~っ! イサミが、懐かしの『ゴキゲンモード』になっちゃってる~!
呪いはほとんど解けてたはずじゃ……!?
ほとんどってこたぁ、全部じゃね~ってこったろ?ンなこた猫でもわかるぜ~!
もちろんよ、アタシはわかっていたわけだけど……
毎日の鍛錬で、克服したと思って油断してたわ……!
主人公!あの瓶を!
――。
ええ~っ!?あれがなかったら、どうやってイサミを元に戻せばいいのよぉ~!?
やっかましい大将だなぁ!?ほっときゃそのうち戻るだろっつーの!だっひゃひゃひゃひゃ!
何言ってんのよ呪いでしょーが!早く元に戻さないと――
<一匹の竜が、天空が舞い降りてくる!>
あれは――
あぁ~ん?
…………
――!
…………
……
……面目ない……
イサミさん、そこまで謝らなくても……
このイサミ、一生の不覚……
いや……!一生の不覚を、またもや繰り返してしまいました……!
なんとお詫びすればよいか……この上は……!
ま、待ってください!そこまで思い詰めないで!呪いなんですから!仕方ないじゃないですか!
いいえ、全ては私自身の未熟さゆえ……!
鍛錬しているという事実に慢心し、緊張を失したからです!
こんなことでは……!鬼を討つ使命も、主への忠義もありませぬ……
一度や二度の失敗くらい、そこまでのことでもないと思うんだけど……
もう決して、と誓ってからの失敗なのです!許されることではありません!
うぅ~ん……
思い出6 (友情覚醒)
この光は……?
…………
情けなど――不要です!
主人公。もうー発。
うっ……!?
ちょっと落ち着きなさいな。失敗なんて誰だってするわ。
『もうしない!』って言っててもするわ。そんなもんなのよ。それが人生よ。
(キャトラが……!達観モードだわ……!)
だから、前を向きなさい。前を向く速度。ここを早めなさい。
…………
わかったかしら?
……わかりました。たしかに、後悔している時間こそ、最も無為……
嘆いていても呪いは解けません。なれば、鍛錬あるのみ!
そうそう!
思えば、剣術の修行は確実に成果がありました。
焦ることなく。己を鍛え続けたいと思います。
その意気ですよ、イサミさん!
みなさまには、恥ずかしい姿をお見せしました。
だから、それはもーいーってば。
ですが、ここで終わるつもりは毛頭ありません。修行に修行を重ね、いつの日か。
身の内の呪いを払拭してご覧にいれます!
はい、信じています。
そしたらその次は、家族のことも考えなきゃね。
我が一族は、シズクしか残っておりませんが……
じゃあそういうことなんじゃない?
どういうことでしょうか……?
はぁ……マ、いいわ。いまは、呪いを克服することだけ考えなさいな。
みなさまの信頼に応えるべく、このイサミ、必ずや剣の道を極めてみせます!
魂もつ一振りの刃
その他