【白猫】ダージ(ギャラクティカ)・思い出
蟷螂の忍 ダージ・ザ・レベルリーパー cv.武内駿輔 いつも怒っている傭兵忍者。弔いの歌は、赤き昏黄に響く。 |
思い出1
フン、いつ見てもムカつくな。この島はよ……
誰かと思えば、ぐうたら忍者のダー公だわ!
ご挨拶だなニャン公。もっと歓迎しろやコラ。
お久しぶりですね、ダージさん。
お久しぶりだコノ野郎。
口悪いわね相変わらず。
どうでもいいだろうが小動物。ニャン公は黙ってやがれ。
黙ってたらアタシの存在意義ないじゃないのさ!
お前の存在意義なんざ知るか!
もがー!!
赤ぼーず。お前の島は平和だな。皮肉じゃあないぜ。平和ってのは悪くない。
平和のすばらしさを学んだのね!
俺には、合わねえがなぁ……
どんなに満たされてても、両手の獲物がうずいてたまらねえのさ――
カマキリってのはよ――そういう生き物なのよ。
そんなにケンカがしたいの?
ムカつくやつを……消してやりたいだけさ……
もっとけんせつてきなことをしたほうがいいわ。アタシのようにね。
(キャトラ……それはあまりにも無理があるわ!)
そんな生き方ができたら、傭兵なんかやってられねえぜ。
それになぁ。どういうわけか、この世の中にはムカつく奴が多くってなあ。
しばらくは、退屈しないですむだろうよ。そう……俺がくたばるまでな。
思い出2
……フン。
<タージが釣りをしている。>
ダーさんダーさん!釣れるの?
見ての通りボウズだ。
釣れないなら、場所を変えたらいいと思うの!
いーんだよ。ここで。
……あっ、ここからだと、周りがよく見渡せるの!
奇襲や狙撃にもすぐに反応できる。周囲の状況を利用するのが、忍者ってもんだ。
サワガニがいるの!
ガキかお前は。……そういや、ガキだったか。
***
ダーさんダーさん!なにをしてるの?
得物の手入れだ見りゃわかんだろ。
そうなの?
おい、勝手に触るな畜生。取り扱い注意だこのやろう。
危ない物なの!
ったりめーだろ。こちとら忍者だぞ。
このおだんごも武器なの?
あー、食っていいぞ。
ダーさんのおやつなの!
食っていいっつってんだろ!
***
はー、めんどくせーなあ……
<ダージが書類を書いている。>
甲が乙やら乙が丙やら。なんだってんだまったく。ムカつくぜ。
ダーさん、何してるの?
冒険家ギルドに提出する書類を書いてんだよ。
字がいっぱいなの!
まったく……依頼仕事はこういうことムカつくよな。
ダーさん、ここには依頼領と必要経費を書くの!
ああ?……なんだよここにも書けってのか!
ダーさん、もしかしてこういうの苦手なの……?
あーもうやめだやめだ!畜生!!
ムカつくぜ!
思い出3
お早いお戻りですねえ皆様。首尾はいかがですか?
どうもこうもない……マクルーインファミリーが、壊滅した……!
それはそれは好都合ですな。我々が狙っていたカジノの所有者ではないですか。
カジノごと、全部灰になっちまったんだ!
おお、それは悲しいことです。ところで、どうして皆様そんなに怯えてらっしゃるので?
〈弔いの歌〉だ……!この件にはヤツが関わってる!
あの死神に関わっては、命がいくつあっても足りん!
ではこの件からは降りると、そういうわけですな?
一億ゴールドも、命に代えられないからな……
ならばお急ぎください。次の便にの飛行艇には間に合うでしょう。
……クソッ、行くぞ!
急いだほうがいいぜ……死神は気まぐれだからな。
***
<ダージは変装を解いた。>
(フン……ああいう連中に紛れるのは、気が楽でいい
冒険家どもは……どうも苦手だ……ムカつくぜ
あいつらは金にもならん人助けやらが大好きだからな。わからん連中だぜ全く
その点、己の欲望に忠実な連中は、わかりやすくて助かるってもんだ)
ダーさんダーさん、おヒゲさんからご連絡なの!
どうした畜生。
もう一件お仕事なの!
ハァ?冗談だろ。魚どもの息がかかった連中はあらかた消したぞ。
まだまだ氷山の一角なの!だそうなの~。
……〈海の底〉とやり合うのは、なんともホネだなぁ畜生。
ダーさん、嬉しそうなの!
無謀な戦ってのは――嫌いじゃねえからなぁ!
思い出4
〈海の底〉の連中、世界中の後ろ暗い連中に、金をバラまいているってことか……
安全な海の底から、世の中を牛耳ってるってわけかい畜生。ムカつくぜ。
アラアラ、また何かにムカついているわけね。ダー公。
……どこの誰なんだろうな。このドロ船みたいな世の中を作ったアホはよ。
ダージさん、お仕事帰りなんですね……
なんでわかる?
アンタ、危ない仕事の帰りは、いっつもそんな顔だもん。
どんな顔だ、畜生。
疲れた顔っていうか――なんか、本当に怒ってる感じの顔だわね。
いつもは本当に怒ってないみたいじゃねえか。
いつものムカつきも本当なんだろうだけどさ……なんか上手くいえないわね。
まー、覚えがないわけでもねえ。多分……疲れてる時の俺は、素の俺に近いのさ。
素のアンタ……ね。
おー、なんだ半人前。あぁん?……わかった。
フン。まったく面倒なこった。
***
おい、リンプイ。この俺に何の用だってんだ。全くムカつくぜ。
……リンプイ……――!
??? |
---|
はい、どーも。
カブト……!
リンプイのことを、ずいぶん信頼してんだなあ。ダージよ。
この俺が、あんな半人前を信頼するもんかよ。
だろうなぁ。妹分からの連絡でも、罠という可能性を排除しない。いや、できないのがお前だ。
まったく怖い奴だぜ……あやうく俺の首もバッサリやられてたわ。
ぬかしやがれ、化物が……!
(……相変わらずコイツは、得体が知れねえ……!ムカつくぜ!)
……法王さまからの依頼で忙しいとこ、悪いんだがよ……そろそろ仕事してもらうぜ。
……時は来たってかい。〈頭領〉――!
クリュウの首……獲ってきてくれるよなあ、ダージ……!
思い出5
<俺は、カブトと賭けをした。
何のことはない賭けだ。俺がフルーツ忍者の頭領の首を取ってきたら、俺の勝ち。
でなけりゃカブトの勝ち。勝った方は、負けた方の言うことを聞く。>
***
<心臓を一突き。簡単な仕事だった。>
賭けは俺の勝ちだ。カブト――なっ!?
君、すごい腕だねえ。痛みを感じなかったよ。
――化物が!
じゃあね。また会おう。
――消えた!?
<ルーンや魔術の類じゃなかった。
奴が使ったのはただの体術。なのに見切れなかった。>
……どういうこった……――こいつは!
<いつの間にか……俺のふところには、栗の実が入っていた――>
***
<賭けに負けた俺は、カブトの下につくことになった。ムカつくが、負けは負けだ。>
クリュウの首か……いいねえ。こいつはマジで〈無謀〉だ。
何しろあの野郎……死なねえんだからな――!
死なないやつを……どうやって弔ってやるか……こいつは難問だぜ。
嬉しそうね、ダージ……
ニャン公か畜生。ムカつくぜ……ククク。
何か、嬉しいことでもあったんですか?
ああ……ムカつくほどに、嬉しいことがな……!
結局嬉しくてもムカつくのね。
嬉しいからムカつくのよ。
私はダージさんのこと、信じています。
やぶからぼうになんだ。
アンタ、いいものじゃないけど、むしろわるいものだけど……
そりゃ、ワルだろうな。
でも、悲しいことを選ぶような、そんな人じゃないから……
確かになぁ。俺は――楽しいことが好きだからなぁ。
カマキリって虫は、自分の弱さがわかってねえ――
わかってねえから、明らかに自分より強い奴に立ち向かう。世間じゃそう思われてる。
だが違うのさ……カマキリは、てめえが弱いことなんか、知ったこっちゃねえ。
自分より強い相手に――喜んで向かっていくのさ。バカだろう?
今のアンタも……カマキリと同じってわけ?
だったらなんだニャン公。
アンタが……無事じゃすまないかもしれないじゃないのさ!
それがいいんだろうが。それがさ……
別に、あの世に行くのが怖くないわけじゃあねえ。
命乞いをするかもしれんし、死ぬのが怖くて泣きわめいたりするのかもなあ……
だが、それも含めて――楽しみなんだよ。俺はなあ!
思い出6 (友情覚醒)
ハァ?なんだこのムカつく光は。覚えがあるぞ……
ア~!!ムカつく!!なんなんだ畜生!!
赤ぼーず。俺が無謀に挑むのは、俺の勝手だろうがよ!ムカつくぜ!
――。
――ハァ!?誰のためにだと!?そんなものは関係ねえ!
俺はなぁ。正々堂々――寝首をかくのよ。忍者らしくなあ。
最高に汚い手を使ってよぉ……最低で最高の墓場で。あの死なずの男を弔う!
なんてヤツ……!
ってもなぁ……フン。まあ、本気になるのも、めんどいなあ。
ズコー!!
どうして俺が仕事ごときで本気を出さなきゃいけねえんだ。ムカつくぜ畜生。
どんだけろくでなしなのよ!仕事には本気でいいわ!
フン、いつも通りだ。いつも通り手を抜いて、ラクして終わらせてやる。
アンタいつも手を抜いてたの!?
あったりめーだろ畜生。俺が本気でやったら……一瞬だからな。
一瞬……!
そーしたらよう。時間が余るだろうが。どうやって時間潰すんだコラ。
なんなのよその理由!
だから仕事なんかなぁ、適当に手を抜いてやんのがいちばんいいんだよ。
***
黄泉の海域はナラクの島――
そこに〈弔いの山〉と呼ばれる峰がある。
この峰から吹きつける風は、すすり泣きのような音を伴って吹き荒れる。
その風は、ナラクの島の民に〈弔いの歌〉と呼ばれていた。
ほう……この風の音……ククク、ちょっと似てるか。
〈弔いの歌〉によ……
<その少年は――荒く息をつきながら、己に刃を向けてきた、小さな虫を思い出した。
ああ、己もまた――この虫のように生きられたら。
そう考えると――心の中から、ついぞ知らぬ感情があふれてきた。>
あの時、俺はどうして……本気を出したんだ?
そうだ……こんな夕焼けだった。俺の兄貴分が……あいつを殺した。
俺の妹だと?バカなやつだ。まったく……
俺なんかの背中をヒョコヒョコついてきやがってよ……
だからか?少しばかり……本気になっちまったのはよ。
――別に兄弟同士殺し合うなんざ。たいしたことでもねえのになぁ。
<〈弔いの山〉の長は……若き死神の誕生に、狂喜する。
古より続く〈連邦〉の秩序を影より守るというのが、彼らの表向きの存在意義。
だが長の個人的な目的は、完全なる〈弔歌の歌い手〉の完成であった。>
さぁてよ――お前が忘れてるなら、思い出させてやるぜ――
人がいずれ、くたばるって事をな!
黄昏の弔歌 ダージ・ザ・レベルリーパー
その他
ホワイトビターアラカルト story4