【白猫】討滅士ガルガ Story1
登場人物
story1
<平和な島が、何者かに襲われた――
事態を重く見た連邦は、軍を派遣する。
主人公は、冒険者の一員として、軍へと同行した。>
……いよいよね。
<連邦合同軍と、冒険者たちは、被害のあった島の近海にたってきた。>
島は大丈夫かしら。
おいーっす!
お久しぶりです、皆さん!
あっ、ショウに、ケイじゃないの。
お二人も今回の任務に参加したんですね。
そうなんですよ。瘴気と聞いたんで、嫌な予感がしまして。
私達も手を貸すべきと判断した次第です。
よろしくね、二人とも。
はい!!
に、しても……合同軍の人たち、まだ飛行艇でつっこむつもりなの?
抗議してやりましょ!
…………
……
冒険家どもは、まだうるさくいっているのか。
はい、救命ボートを発見した地点より先に進めば、奇襲を受ける可能性があると。
魔物風情に、何を弱気な……
ですが、敵は飛行能力を有してます。一考に値するかと。
相手が魔物であるならば、なおさら冒険家の領分です。
だったら偵察任務でも与えてやれ。
よろしいのですか。
連邦合同軍は、民間の協力を受け入れる用意がある。そういう体面もある。
はっ。
お節介面の無能どもめ。まっとうに生きてないから、冒険家になどなるのだ。
…………
……
姉貴!大丈夫なのか!
大丈夫だ!こんなもの、馬と同じだ!
ボートだぞ!
<ルーンモーターボードは、冒険家たちを乗せ、波を蹴立てて進む……>
どうにか偵察の件を認めさせたわね。
聞き入れてくれて、良かったね……
姿を見せたら、一気にいく。
わかりました。武運を。
島が見えてきたわ!
なっ……!?あれは……!
何、あれ……!
あれが……被害にあった島!?地図にあんなものは……!
……ああ……そんな……
フェイ。
大丈夫、まだ私は正気――
story2
よーし、どうどう……いい子だ!
……ふう……こんなに陸が恋しかったことはないぜ……
姉の腕を信頼しろ!
ありがとうございます、ケイさん♪
礼など不要だ!
三時の方向、何かいる。
魔物だわ!
あれ?何か様子が……
同士討ちをしているようですね。
こっちに気づいた!
……迎撃するか?
ちょっと待って、主人公、瘴気はどう!?
<主人公は、瘴気計を取り出した。瘴気の濃度を測るものである。>
ぎにゃー!だいぶキテるわね!みんな、ルーンを用意して!
わかった!頼むぜ……!
こちらの備えは万全だ!
私の力でも、瘴気を抑え込めるから、安心して。
ガルガ、フェイ、あんたたちは大丈夫?
大丈夫です♪
問題ない。
あれ……?フェイさんは何かルーンを持っているみたいだけど……
ガルガさん、ルーンを持ってない……!
――――!!
来た!!
はああぁ!!
>障害を排除する。
story3 結晶
これで終わりか。
すげえ……
なんという武だ……!どうやって鍛えれば、これほどまでに……!
二人もお見事でしたよ♪
そうですか?いやー、照れるな~!
浮かれるな弟よ!
こんなに強い瘴気に……ルーン無しで耐えるなんて!
――何か。
やるわねアンタ……!
お体は、大丈夫なんですか……?
俺は鍛えている。
でしたら、いいんですけど。
何か、気になりますでしょうか。
こんなに瘴気が濃いのに、ガルガさんはルーンを使われてないようですが……
彼の体質なのです。
でも……
主人公。このあたりを調べるべきだ。
気はすすまねえけど、しょうがねえ……
…………
……
うわぁ……ひどいところね……
あの結晶みたいなものは、なんなのかしら……
この島に元からあったものではないのだな?
それは確かだぜ。それによ……どう見ても……
瘴気が出てるの、あの結晶からみたいだわね……!
……瘴気を出す、結晶……
まさか……あれは……!
アイリス?
……この先に街があるはずだな。
地図によれば、そっすね。
街に……生き残っている人がいるかもしれないね。
確かめてみないと……いいえ、確かめさせて。主人公。
story4 爪痕
……ひどい。
手当たり次第か……
どうして、どうしてこんな……
ああ……こんな……
なんだよ……どうして……ここまでできるんだよ……
……ううぅ!
たった一匹の魔物に……
……どこかに、生きてる人は……!
アイリス……
でも、この瘴気じゃ……ルーンで守られてる俺たちでもやばいっすよ。
こんな……ことって……!
探しましょう、アイリスさん。
ケイさん……!
身を守るルーンをもって、隠れている人が……いるかもしれません。
そうだな……そうだよな……そう思いたいよな……
では、私達は向こうを見てまいります。
俺たちは向こうを見てきます。さあ、行こうぜ姉貴。
……行きましょう。主人公……
誰かが……誰かが、私達を……!
…………
……
奴の仕業だ。
この光景が、見果てぬ夢の代償ということですね。
結果の一つだ。余計な意味をつけるものではない。
<巨大な破壊の跡には、無残に潰れた人の残骸があった。>
……叩き潰したんですね。
逃げるものを背中から襲ったようだ。
なんて……!
人の味を覚えた獣だ。
――
……生物がいる!?この瘴気の中で……?まさか!
匂いが違う。あれではない。だが、普通の獣でもない。
まさか……変わりつつあるの?
それも確かめる必要がある。
>想像を超えた事態だ。
>同感ですね。
story5 亡骸
ガルガ!フェイ!そっちは大丈夫!?
はい、こちらは大丈夫です!
よかった……!
無事っすか!
うむ、見たところ無事だな!
アイリスさん、こっちは生存者なしです。
無残な亡骸だけだ。瓦疎の下にはもっと……
そうですか……
みなさん。聞いてください。ここにはもう、生き残った人はいません。
そう、ね……
だったら、せめて埋めて……あげないと……
ですが、アイリスさん……
一帯の調査が先だ。
そうだわね……本隊に報告しなきゃ。
あまり離れては、ボートに危険が及ぶかもしれん。
……
俺たちで?いいっすよ。
仕方ないな。後衛の守りは任せろ。
お願いします。私達と先輩たちで、あたりを捜索ですね。
異論はない。
story6 号砲
<ガルガとフェイは主人公の少し前を歩いていた。>
群れの気配が一つ、二つ。こちらには気づいていない。
それは幸いですね。
一気にといったが、気が変わった。状況の把握が必要だろう。
瘴気結晶が、ソウルの充満している環境でも発生するなんて……
<フェイは、己が手にした禍々しい得物を握りしめた>
私のやるべきことは、あと一つだけだと思ったのに……
俺たちが倒れても、何か終わるわけでもない。
また魔獣ですか――戦いは封命士の役目ではないんですけどね。
距離300。フェイ。奴を釣る。
釣るって……派手に戦ってあれの目を惹きつけると!?
――お前は彼らと脱出しろ。
さっき、気が変わったっていったじゃないですか!
ここで奴が動くか否か。まずそれを確認する。早く行け!
ああもうわかりました!でも、勝手に死んだら承知しませんからね!
――我は討滅の器なり!
***
何だ!?
瘴気計が振り切れたか!現れたようだな!
瘴気が!みんな!
<アイリスは、己のルーンで、瘴気への守りを高めた……!>
前兆もないのにいきなり!
ガルガさんとフェイさんが……!
えっ、どうしたの?
魔物じゃない……?じゃあ、誰が?
みなさん、浜辺に退却しましょう。
ガルガはどうしたの?
心配ありません。むしろみなさんが心配です!
魔物まできたわ!
……戦いましょう!主人公!
命が命を否定している……
この瘴気は、何なの……!?
青い空の下では
異常なことなのですね……
何か……知ってるのか?
知っていた……
つもりだったんですが……
story7 咆哮
うおおおお!!
ここより先は死地と知れい!
次の相手はお前か!
!?
あ、あなたでしたか。
戻ったんスね。こっちはなんとかなったのに。
一時撤退ですか。あの瘴気相手には、しょうがないですね。
<――>
何が来やがったんだ……
化物よ!あれを語る言葉はそれしかあるまい!
そうですね。どっちか化物か、わかったものじゃない……
ガルガさんは?
<――>
何……何が起こってるの!?
…………
……
俺を食らうつもりならば、死力を尽くすことだ。
はあああああ!!
ガルガ……なの……
……この数の魔物を、たった一人で……!
それだけではない。この暴虐はどうだ……
――新手。
ガルガさん……
待ってください、ショウさん。今彼に近づいてはいけません。
……むっ…………お前たちか……
――
ひっ……何なの、これは……
生きてる……これ、生きているぜ……!
そうだ。近づくな。
<ガルガは、変わり果てた島の峰を見つめた……>
こちらで観測した結果では、目標に動きは見られません。
いや……
――
な、何これ……!!
みんな伏せて!!
瘴気が、衝撃波になって……!?
あの山から放たれたの……?
ありえん……!!ありえなすぎる……!
挨拶といったところか……
…………
……
<冒険家有志による偵察隊は、本隊に戻り状況を報告した。>
目標は視認できませんでしたが、島の山岳地帯に療気の発生源を確認しました。
了解した。上に報告する。……一人足りないようだが。
こちらの冒険家が一人、観測のために残っています。
そうか。欠員が出なくて幸いだったな。
…………
……
冒険家が戻りました。瘴気の発生源を確認とのこと。
その報告を信用するのかね。
検証材料にはなるかと。
連中、上陸はできたのだろう。冒険家程度でもどうにかなるということだ。
先遣隊を送り、橋頭堡を築きます。
そうしろ。
…………
……
<連邦合同軍、後衛の部隊200余名が上陸。
魔物の掃討にあたり、橋頭堡を築いた。>
まずギルドの飛行艇を先導させるとか、姑息でかわいいじゃない?
ねえ、ミントちゃん。
それにしても、なんて瘴気……
ふふふふ……おそましい病んだソウル。ああ……
残らず蹂躙してあげる。
>お腹がすきましたね。
>俺は腹いっぱいだ。
story
前線基地はここか。施設の設営は終わってるな。
……野営の準備を始めてるな、合同軍さん方。
戻ったか。
動きはありませんでしたか?
奴は動いてない。少々待つのに飽きた。
アタシらはどうする?
まず生存者の捜索ですか。
少しでも可能性があれば……それに賭けてみたいんです。
休むのも大事な仕事よ。
みなさん、ガルガのことを黙っていてくれて、ありがとうございます。
喋っても意味ありませんしね。
連邦の研究機関が来てんじゃ、なおのことよ。ガルガは格好の実験材料だわ。
俺の戦い方は、珍しいのか。
瘴気を武器になんてね……瘴気を食っちまう人なら知ってるんですけど……
すごいですね、そんな人がいらっしゃるなら、ぜひお会いしたいです!
で、アンタたち何者なの?
気になっちゃいます?
お二人に事情があるのはわかってるつもりです。
それでも協力してくれんなら、別にアタシらとしちゃそれ以上望まないわ。
ただ利用するつもりなら、俺らに協力しないでもいいはずッスよね?
冒険家同士、よくある関係性だな。
ワケありさんは慣れてるわ。ねえ主人公。
♪
ありがとうございます。みなさんのお心の広さに、感服しました!
――
飛行艇の音……?
ギルドの飛行艇だわ!
まずギルドの飛行艇からお先にってか。
瘴気の発生源は動いてない。大丈夫なはずだが。
もしかしたら、あれにはハーブ先生が?
はい、乗ってると思います。
……あの医者か。
ちょうどよかった!先生のご意見をうかがいたかったんです!
おい、何を勝手に休んでんだ。
えっ?は、はい。
手が空いてるなら、前線基地の警備を手伝え。
何その言い方、感じ悪いわね。
業務に貢献しろ。
すみません。私達が先輩たちにいろいろうかがってたんです。
あ、そう……だったのか。
後で私に……いろいろ教えていただけませんか?勝手がわからなくて。
ま、まあ……俺も忙しいが、時間をとれなくも……
ありがとうございます。さあ、先輩たち、お仕事にうかがいましょう。
(こやつ……手玉にとりおった!)
警備をしながら、生き残った人を探すのね。
だったら、俺の鼻も貸そう。人の匂いはわからんが、瘴気の濃度はわかる。
アンタ……
行くぞ。
>早速だが敵だ。
>ガルガの鼻は確かです。
story9 過去
なんとか追い払えましたね。
……そうね。でも、生き残った人は見つからなかった……
――使命感を感じるのはいい。だが必要以上の消耗は避けろ。
はい……
主人公。一つ聞きたい。
お前は、生存者がいると思っていたのか?
可能性があるなら、か。
それも、お前たちなりの意地の張り方ではあるか。
状況報告をかねて、ハーブのとこに行きましょうか。
賛成です!
…………
……
<一行は野営地に戻った。>
ハーブ、いる~?
お疲れ様ッス!
お疲れ様です!
みんな、揃ってどうしたの?
先生に、おりいってお話が。
瘴気の専門と聞いた。情報を伝えたい。
どんな情報かしら。あなた達二人の素性とか?
それも含めてだ。
じゃあ、アタシらはずしたほうがいい?
いえ、ここはみなさんも、よろしければ♪ねえ、ガルガ。
かまわない。
だったら聞かせて!
願ってもない話だけど……どうして話す気になったの?
島の状況を見たか。
見たわ……島のあちこちに生えているあれは何なの?
俺たちはあれを、瘴気結晶と呼んでいる。
そのまんまの名前ですよね。
私達の故郷には普通に存在するものなんですが……
あ、アンタら……?いったいどんなとこから来たっていうの!?
赤い海だ。海そのものが赤く、致死量の瘴気に覆われている。