Gamerch

Wings of hearts 2 Story2

最終更新日時 : コメント(0)
開催期間:2018/00/00


目次


Story5

Story6

Story7

Story8

最終話


主な登場人物





TOP↑

story5




「メシだ。」

「……いりません。」

「悪魔のメシなんか食いたくありません、ってか?」

「レインのメシなら、いくらだって食べるんだけど。

あっつうっ!」

「スマン、手が滑った。

……あーあ、ビショビショじゃねーか。

おわびとして、俺が拭いてやるよ。全身、ていねいにな。」

「結構です!」

「まずはどこを拭いてほしい?」

「……それ以上、近寄るな!」


「またお前か。何しに来た。」

「……天使さんの様子を、見に。」

「お前の仕事は人間の管理だ。さっさと戻れ。」

「……体が濡れています。このままでは、風邪を引いてしまいます。

私が拭きます。鍵を開けてください。」

「その必要はない。」

「彼女をお世話するよう、エルゴラム様から仰せつかりました。」

「……ウソじゃないだろうな?」

「丁重に監禁しておくよう、言われているんでしょう?

……あなたがしようとした事、エルゴラム様に報告しますか?」

「…………」


 シルヴィアは、ルカの体をていねいに拭いていく。


「……ルカさん、でしたね。」

「あ、はい。」

「そのご飯は……村の女性たちが作ったものです。」

「……!」

「ですから、どうか……」


「……開けてください。」

「……チッ。」


「…………」

「ありがとうございます。」

「……助け、たいんです。」

「えっ?」


ルカの耳元で、シルヴィアはささやいた。


「私も、あなたと同じです。村の人たちを……助けたい!」

「!!」

「でも、どうしていいか、わからなくて……」



「もういいだろう。出ろ。」

「……また来ます。ルカさん。」



「……あの子、シルヴィアと呼ばれていましたね。」

「それがどうした。」

「…………」


ルカは、床に落ちている握り飯をほおばった――



TOP↑

story6




「おっ、シルヴィアちゃん。クソ天使ちゃんの様子はどうだった?」

「……次からは、ちゃんと食べてくれると思います。」

「そうかそうか、よかった~。君に任せて正解だったね。

彼女には、まだ生きててもらわないと困るもの。


……ところで、シルヴィアちゃん。<悪魔殺し>の件、考えてくれた?」

「……やっぱり、私には、できません。」

「君はやれば出来る子だ。自分で気づいていないだけだよ。」

「私に、力なんて、ありません……」

「それがあるんだって~。大丈夫、おじさんに全部まかせておきなよ。」

「……私はただ、人の役に立ちたかっただけなんです。なのに、どうして――」

「あのね。前にもいったと思うけどさ。

ちみ、今のままじゃ、長くは生きられないよ?」

「…………」

「ちみは身体も魔力も弱い。悪魔としてはすごく貧弱だ。自分でもわかってるよね?

生きるために、ちみは強くならなくちゃいけないんだよ。」

「……それと私が村に来た理由とは、何の関係もないはずです……」

「人の役に立つことが、ちみが長生きする道なんだ。……ぼくは、助けたいんだよ。

悪魔殺しは、そのお礼とでも思ってくれていい。」

「……エルゴラム様。

村の人たちを、一体どうするつもりですか……!」

「なんのことだい~?」

「……みなさんのお世話は、ちゃんとやります。

でも、悪魔を殺すなんて仕事は、私には無理――」


「シルヴィアちゃぁぁぁぁぁん。いいのぉぉぉぉぉ?

ちみが悪魔殺しにならなかったら、人間の命はないよぉぉぉぉぉ?」

「そ、そんな……! 話が違います!」

「だいじょぶだいじょぶ。ぼくに従ってくれれば、村の人たちは殺さないから。

いまの生活のまま、ずっと飼い続けてあげるからさ~。」

「あんな、ひどい生活……死んでるも同じじゃないですか……!」

「そうだねえ。でも、それがいいんだよ。

忘れないでね。ぼくが貧しい人間を救済してることは事実なんだ。

君の願いも叶ってるわけだし。……それに、さ。

昔、島を出て行ったときのこと、忘れたわけじゃないだろうね?」

「どうして、それを……!」

「悲しい目に遭ったじゃないか。助けようとしたのに、助けられなくてさ。」


 ……シルヴィア、ぜったいに、はなさないでね!

 はなさない……! ぜったいに、はなさないから……!


「……やめて、ください。」

「でも今は違う。君は立派に人助けをしているよ。だからさあ――


これ以上、ぜいたく言うなや? 黙って俺に服従しろ。いいな? シルヴィア。」


「うぅ……ううぅ……!」



 …………

 ……



「あっ、お姉さん! おかえりなさーい!」

「……リサちゃん。」

「……どうしたの? 元気、ないね?

やなことでもあった?」


(……この子も……いずれは……)


「誰かにいじめられたとか?」

「いえ……その。」

「ゆるせんなー! じつにゆるせん!

あたしがとっちめてあげようか? だいじょぶ! あたし、ムッキムキだから!

ほらみて! あたしの二の腕! うわー! ほっそーい!」

「…………」


「…………お姉さんも、おなじだよね。」

「え?」

「この村の人たちと。……笑ったとこ、見たことない。」

「……ごめんなさい。」

「私はね、そういうときこそ、笑うようにしてるんだ。

そんなときこそ、下をむいちゃダメなの。

前をみて、はいにっこり! 過ぎたことを考えないように、って。」

「……あなたは、強いのね。」


TOP↑

story7




「強い、かあ。たしかにあたしはムキムキだけど。

でもそれはきっと、両親を見てきたからかなー。」

「……両親、ですか?」

「あたしんち、もとからすっごく貧乏でさ。

家はボロだし、食べものだってお腹いっぱい食べられなかった。

でもね、毎日、楽しかった。お父さんとお母さん、ずーっと笑顔でいてくれたから。

お母さんが病気で死んじゃっても、お父さんは、あたしのために、笑ってくれた。

あたしが寂しくないようにって、冗談とかいっぱい言って、いっぱい笑わせてくれた。」

「…………」

「だからね。あたしもいつの間にか、お父さんをマネするようになったの。

そうすれば、お父さんみたいに強くなれると思ったから。」

「……そう、だったんですか……

……あの、サタニアスには、なぜ?」

「ある日とつぜん、住んでた家を追い出されちゃったんだ。」

「どうして……?」

「お父さん、悪い人にだまされちゃったの。

それと関係があるのかはわからないけど、仕事もクビになって。

他にもいろいろ重なってさ。お金もぜんぜんなくなって、食べるものにも困るようになった。

ここに来ないかって誘われたのは、そのときだったんだ。」

「……大変だったんですね……」

「まー、しょうかないよ。犬も歩けば棒にあたるっていうしね!

……ちがうか!」

「…………」

「笑いどころだったんだけど……」

「あ……ごめんなさい。」

「ていうかむしろ、泣きそうになってるよ。」

「だって、悲しくなったから……」

「……お姉さんはホントに優しいね。あたしにだけじゃなくて、さ。

村の人たちみんなを大事にしようって気持ち、会ったときから伝わってきてたよ。」

「……みなさんの生活を、少しでもとうにかしたくて。

でも……いまの私には……なにも……」

「その気持ちだけでじゅーぶんだよ!」

「私は……無力です。」

「…………」

「ごめんなさい……リサちゃん……」

「それやめよう!!」

「えっ!?」

「そうやってすぐ謝るの、やめよう!!

だって、お姉さんはなにも悪くはないもん! 悪くないのに謝るのはヘンだよ!

いい? つぎにわけもなく謝ったら、わきばらコチョコチョしちゃうからね。」

「……すみません。」

「ほらまた!」

「……あ。」

「あはははは!」

「……ふふ。」

「おっ! やった、笑ったーっ!」

「ええ。笑ってしまいました。」

「それでいいんだよ! どんどん笑っていこう!

シルヴィアが笑えば、あたしもうれしいんだから!」

「え……?」

「どうしたの?」

「……いえ、なんでも。

そういえば、リサちゃん。お父さんは一緒じゃないんですか?」

「ん? お父さんはねえ…………ちゃんと、ここにいるよ?」

「そうなんですか?」

「……あたしより、ちょっと遅れて到着したんだ。

シルヴィアがいない時だったから、わかんなかったと思うけど。」

「よかった……お父さんと一緒なら、寂しくないですね。」

「うん! 全然さびしくないよ!」

「よければ今度、ご挨侈させてください。」

「うーん、会えるかなあ? お父さん、朝から晩まで火山にいるし……」

「あ……そう、ですよね……」

「じゃ、そろそろ仕事に戻るね。お仕置きされちゃうもん!

がんばって働いてくるよー!」

「いってらっしゃい!」



「……あんなに小さい子が、あんなに頑張ってるんだ。

私も、頑張らなきゃ。

……なんだか、元気が出てきた!」


「…………」








TOP↑

最終話



TOP↑

その他



相関図







~ 白猫プロジェクト ~
登場人物画像ストーリーテニスの話

~ 黒猫のウィズ ~
登場人物イラストストーリー

コメント (Wings of hearts 2 Story2に対して)

注目記事
ページトップへ