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Wings of hearts 2 Story1

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開催期間:2018/00/00


目次


Story1 エルゴ村

Story2 快活少女

Story3 潜在能力

Story4 レインの思惑


主な登場人物




story1 エルゴ村




悪魔の国<サタニアス地方>――

過激な思想を持つ悪魔たちか多く住む島の一角に、

人間たちの集落があった。


「昨日到着した人間たちです。」


「ようこそ<エルゴ村>へ。

ぼくが村長のエルゴラムです。」


「この度は、本当にありがとうございます……!

「いいんだよ。困ってる人を助ける。それがぼくの使命だからね~。

ちなみに村の名前は、ぼくの名前から取ったんだ。ラムが逆さでエルゴ村。

面白いでしょ?

「は、はあ……

がっ!

「笑えよ。

「……は、ははははははは!


「村でのことは、シルヴィアちゃんがサポートしてくれるから。


「みなさんのお世話をしています、シルヴィアです。


「どひゃー! キレイな悪魔さんだー!

「えっ……

「これからよろしくね!

「よ、よろしくお願いします。


「おいガキ。誰がしゃべっていいと言った。

「あいさつぐらいいいじゃん!

「……何だと?


「あー、いいっていいって。

君。仕事を説明するから、ついてきて。

「は、はい!


「女の子たちは、シルヴィアちゃん、よろしく。

「わかりました。


 ***


「こ、これはー体……

「ルーンコンベア。見たことない?

「いえ、そうではなく、コンベアに流れているものは……

「悪魔の頭蓋骨。

「ヒッ!

「正しくは反サタニアス悪魔の頭蓋骨ね。ここの名物みやげでさ。

綺麗に洗って、磨いて、装飾するんだ。ま、売れないんだけど~。

「そ、それで、僕はなにをすれば……

「流れてくる頭蓋骨に、花を一輪さしていってね。

「あ、あのう……作業場のすぐ後ろが、マグマの溜まり場なんですけど……

「落ちないように気をつけよう!


 ***


「……以上が、毎朝の流れとなります。

「そ、それ全部、日が昇る前に?

「……はい。すべて、確実に終わらせるようにしてください。

「ウソでしょ……

「ごめんなさい。重労働なのは、充分わかっています……

でも、そうしないと……


「ねーねー、お姉さん。

あたしはなにをすればいいの?」


「あ……えっと、子どもには、村の掃除をお願いしています。

「らーじゃー!

「……やり方を教えますから、ついて来てください。



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story2 快活少女




「さっさかさっさかさっさかさ-!

こーんな感じ?

「はい、そんな感じです。

「これを毎日やるんだね?

「……ごめんなさい。子どもに、こんなきつい仕事を……

「いいのいいの! あたし、体力だけはあるから! ムキムキだから!

この掃除にいったいなんの意味かあるのかはわかんないけどね!

「…………

「あ、悪口いっちゃいけないんだっけ? ごめんごめん。

「い、いえ……その、なんというか……

「……?

「……あなた、名前は?

「あたし? リサだよ!

「リサ、ちゃん。

「ふふ。お姉さんのお名前は?

「私はシルヴィアといいます。

「名前もキレイだ!

こりゃあさしずめ、サタニアスのまどんなといったところか……

「…………

「ねえ、さっきからどうしたの? あたしの顔、なんかついてる?

「……ちょっと、めずらしいなって。

なんというか……とっても、明るいから。

ここに住んでいる人はみんな……そういう顔を、していないから。

「うーん、たしかに、雰囲気くらいよね。

「ですから、あなたの笑顔が、なんだか不思議で。

「そのうちあたしも、ずーんて暗くなっちゃうかもよ?

ここでの生活、きびしそーだからなー。

……あ、でも! お姉さんが一緒なら、そんなことないかもね!

「え……?

「それにさ。家も食べるものもあるってだけで、ホントにありがたいもん。

ぜーたくはいえないよ! だから、かんばって働かなくっちゃねー!

「…………


「おいお前ら。

さっさから何をペラペラと……

「お姉さん、またお話してね!


「……リサちゃん、か……



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story3 潜在能力




「はあ、はあ、はあ……!

「頑張れ頑張れー。頑張って花さしてー。


「エルゴラム様。

「おっ。村の方はどうだい?

「新人のガキなんですがね。どうも、シルヴィアに懐いたようで……

「……ふうん。

「といっても、性格なんですかね? 全員に同じ感じではあるんですが……

「それの何が問題なの?

「生意気だと思いませんか? 口ごたえするし、やたらヘラヘラ笑ってますし。

俺らにもタメ口なんすよ? そんなの、たとえガキでも、許されませんよね?

「……ま、いいんじゃない。

「俺は嫌っすよ。指の一、二本落としてきていいっすか?

「ダメ。

……ただ、二人のことは、よく観察しておいてくれるかな。これ、命令ね~。

「……承知しました。あと、シルヴィアのことなんですけど。

なんであんなザコを側に置いてるんすか?

「君、失言だよ。次そんなこといったらクビにするから。

「す、すいません。でも……

「まあ、知らないのも無理はないよね。

君はよく頑張っているから、特別に教えてあげようかな。

ぼくはあの子を、次の<悪魔殺し>にしようと思っているんだ。

「……ウソでしょ? あれを?

「確かにねえ、あの子は一見弱く見えるけどねえ、実は違うんだな。これが。

「シルヴィアちゃんはね、とてつもない潜在能力を秘めた子なんだ。

きっとレイン以上の悪魔殺しになるって、ぼくは確信してるね。


彼女、悲しむだろうねえ。

大好きな人間に、憎まれちゃうんだもの――


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story4 レインの思惑




「…………

あれだな。」


 レインは繁みに潜み、エルゴ村の様子をうかがう。


(ここが人間の村……か)


「食事は用意できたのか?

「は、はい……もうすぐです……

「急げよ。腹が滅って死にそうなんだからよ。


(……フン。エルゴラムも、よく考えやがる

人間の感情を集めるだけなら。こっちの方がよっぽど効率的だぜ)


「うう……

「フラフラするな。さっさと行け!


(……集めるだけなら、な)


「ちょっと、待ってください……!


(……あん?)


「何だ。

「この人は、朝から熱があるんです。す、少しぐらい、休ませてあげても……!

「駄目だ。


(……あのガキ……)


「い、いいんですシルヴィアさま。大丈夫です、働けます。

「でも……!

「仕事に戻ります。お食事、すぐにお持ちしますので。


(シルヴィア……確か、エルゴラムが目をつけていた……)


「…………


(……気になるな

ヴォルカナに向かったか。……あそこに行くのは、さすがにまだ早い。

……お)



 遠くの方を、悪魔たちが歩いている。


(ありゃ……ザコだな。

……早速始めるとするか)


「おい、テメーら。

「き、貴様は……! 悪魔殺しッ!!

「今はもう違う。

「何故ここに……!

まさか、クソ天使を助けに来たのか……!?

「あいつは大人しくしてるか?


「……おい、お前ら! こいつを捕らえるぞ!

エルゴラム様に認めていただくチャンスだ!


「クク、やっぱザコだ。

「黙れ!この裏切者が!

「……サタニアスの悪魔をブチのめすのは、久しぶりだな。

「……う……

「なぜ来たかって? 決まってるじゃねーか……

テメーらクソ悪魔とケンカするためだよ!!」


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story5




「メシだ。」

「……いりません。」

「悪魔のメシなんか食いたくありません、ってか?」

「レインのメシなら、いくらだって食べるんだけど。

あっつうっ!」

「スマン、手が滑った。

……あーあ、ビショビショじゃねーか。

おわびとして、俺が拭いてやるよ。全身、ていねいにな。」

「結構です!」

「まずはどこを拭いてほしい?」

「……それ以上、近寄るな!」


「またお前か。何しに来た。」

「……天使さんの様子を、見に。」

「お前の仕事は人間の管理だ。さっさと戻れ。」

「……体が濡れています。このままでは、風邪を引いてしまいます。

私が拭きます。鍵を開けてください。」

「その必要はない。」

「彼女をお世話するよう、エルゴラム様から仰せつかりました。」

「……ウソじゃないだろうな?」

「丁重に監禁しておくよう、言われているんでしょう?

……あなたがしようとした事、エルゴラム様に報告しますか?」

「…………」


 シルヴィアは、ルカの体をていねいに拭いていく。


「……ルカさん、でしたね。」

「あ、はい。」

「そのご飯は……村の女性たちが作ったものです。」

「……!」

「ですから、どうか……」


「……開けてください。」

「……チッ。」


「…………」

「ありがとうございます。」

「……助け、たいんです。」

「えっ?」


ルカの耳元で、シルヴィアはささやいた。


「私も、あなたと同じです。村の人たちを……助けたい!」

「!!」

「でも、どうしていいか、わからなくて……」



「もういいだろう。出ろ。」

「……また来ます。ルカさん。」



「……あの子、シルヴィアと呼ばれていましたね。」

「それがどうした。」

「…………」


ルカは、床に落ちている握り飯をほおばった――



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story6




「おっ、シルヴィアちゃん。クソ天使ちゃんの様子はどうだった?」

「……次からは、ちゃんと食べてくれると思います。」

「そうかそうか、よかった~。君に任せて正解だったね。

彼女には、まだ生きててもらわないと困るもの。


……ところで、シルヴィアちゃん。<悪魔殺し>の件、考えてくれた?」

「……やっぱり、私には、できません。」

「君はやれば出来る子だ。自分で気づいていないだけだよ。」

「私に、力なんて、ありません……」

「それがあるんだって~。大丈夫、おじさんに全部まかせておきなよ。」

「……私はただ、人の役に立ちたかっただけなんです。なのに、どうして――」

「あのね。前にもいったと思うけどさ。

ちみ、今のままじゃ、長くは生きられないよ?」

「…………」

「ちみは身体も魔力も弱い。悪魔としてはすごく貧弱だ。自分でもわかってるよね?

生きるために、ちみは強くならなくちゃいけないんだよ。」

「……それと私が村に来た理由とは、何の関係もないはずです……」

「人の役に立つことが、ちみが長生きする道なんだ。……ぼくは、助けたいんだよ。

悪魔殺しは、そのお礼とでも思ってくれていい。」

「……エルゴラム様。

村の人たちを、一体どうするつもりですか……!」

「なんのことだい~?」

「……みなさんのお世話は、ちゃんとやります。

でも、悪魔を殺すなんて仕事は、私には無理――」


「シルヴィアちゃぁぁぁぁぁん。いいのぉぉぉぉぉ?

ちみが悪魔殺しにならなかったら、人間の命はないよぉぉぉぉぉ?」

「そ、そんな……! 話が違います!」

「だいじょぶだいじょぶ。ぼくに従ってくれれば、村の人たちは殺さないから。

いまの生活のまま、ずっと飼い続けてあげるからさ~。」

「あんな、ひどい生活……死んでるも同じじゃないですか……!」

「そうだねえ。でも、それがいいんだよ。

忘れないでね。ぼくが貧しい人間を救済してることは事実なんだ。

君の願いも叶ってるわけだし。……それに、さ。

昔、島を出て行ったときのこと、忘れたわけじゃないだろうね?」

「どうして、それを……!」

「悲しい目に遭ったじゃないか。助けようとしたのに、助けられなくてさ。」


 ……シルヴィア、ぜったいに、はなさないでね!

 はなさない……! ぜったいに、はなさないから……!


「……やめて、ください。」

「でも今は違う。君は立派に人助けをしているよ。だからさあ――


これ以上、ぜいたく言うなや? 黙って俺に服従しろ。いいな? シルヴィア。」


「うぅ……ううぅ……!」



 …………

 ……



「あっ、お姉さん! おかえりなさーい!」

「……リサちゃん。」

「……どうしたの? 元気、ないね?

やなことでもあった?」


(……この子も……いずれは……)


「誰かにいじめられたとか?」

「いえ……その。」

「ゆるせんなー! じつにゆるせん!

あたしがとっちめてあげようか? だいじょぶ! あたし、ムッキムキだから!

ほらみて! あたしの二の腕! うわー! ほっそーい!」

「…………」


「…………お姉さんも、おなじだよね。」

「え?」

「この村の人たちと。……笑ったとこ、見たことない。」

「……ごめんなさい。」

「私はね、そういうときこそ、笑うようにしてるんだ。

そんなときこそ、下をむいちゃダメなの。

前をみて、はいにっこり! 過ぎたことを考えないように、って。」

「……あなたは、強いのね。」


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story7




「強い、かあ。たしかにあたしはムキムキだけど。

でもそれはきっと、両親を見てきたからかなー。」

「……両親、ですか?」

「あたしんち、もとからすっごく貧乏でさ。

家はボロだし、食べものだってお腹いっぱい食べられなかった。

でもね、毎日、楽しかった。お父さんとお母さん、ずーっと笑顔でいてくれたから。

お母さんが病気で死んじゃっても、お父さんは、あたしのために、笑ってくれた。

あたしが寂しくないようにって、冗談とかいっぱい言って、いっぱい笑わせてくれた。」

「…………」

「だからね。あたしもいつの間にか、お父さんをマネするようになったの。

そうすれば、お父さんみたいに強くなれると思ったから。」

「……そう、だったんですか……

……あの、サタニアスには、なぜ?」

「ある日とつぜん、住んでた家を追い出されちゃったんだ。」

「どうして……?」

「お父さん、悪い人にだまされちゃったの。

それと関係があるのかはわからないけど、仕事もクビになって。

他にもいろいろ重なってさ。お金もぜんぜんなくなって、食べるものにも困るようになった。

ここに来ないかって誘われたのは、そのときだったんだ。」

「……大変だったんですね……」

「まー、しょうかないよ。犬も歩けば棒にあたるっていうしね!

……ちがうか!」

「…………」

「笑いどころだったんだけど……」

「あ……ごめんなさい。」

「ていうかむしろ、泣きそうになってるよ。」

「だって、悲しくなったから……」

「……お姉さんはホントに優しいね。あたしにだけじゃなくて、さ。

村の人たちみんなを大事にしようって気持ち、会ったときから伝わってきてたよ。」

「……みなさんの生活を、少しでもとうにかしたくて。

でも……いまの私には……なにも……」

「その気持ちだけでじゅーぶんだよ!」

「私は……無力です。」

「…………」

「ごめんなさい……リサちゃん……」

「それやめよう!!」

「えっ!?」

「そうやってすぐ謝るの、やめよう!!

だって、お姉さんはなにも悪くはないもん! 悪くないのに謝るのはヘンだよ!

いい? つぎにわけもなく謝ったら、わきばらコチョコチョしちゃうからね。」

「……すみません。」

「ほらまた!」

「……あ。」

「あはははは!」

「……ふふ。」

「おっ! やった、笑ったーっ!」

「ええ。笑ってしまいました。」

「それでいいんだよ! どんどん笑っていこう!

シルヴィアが笑えば、あたしもうれしいんだから!」

「え……?」

「どうしたの?」

「……いえ、なんでも。

そういえば、リサちゃん。お父さんは一緒じゃないんですか?」

「ん? お父さんはねえ…………ちゃんと、ここにいるよ?」

「そうなんですか?」

「……あたしより、ちょっと遅れて到着したんだ。

シルヴィアがいない時だったから、わかんなかったと思うけど。」

「よかった……お父さんと一緒なら、寂しくないですね。」

「うん! 全然さびしくないよ!」

「よければ今度、ご挨侈させてください。」

「うーん、会えるかなあ? お父さん、朝から晩まで火山にいるし……」

「あ……そう、ですよね……」

「じゃ、そろそろ仕事に戻るね。お仕置きされちゃうもん!

がんばって働いてくるよー!」

「いってらっしゃい!」



「……あんなに小さい子が、あんなに頑張ってるんだ。

私も、頑張らなきゃ。

……なんだか、元気が出てきた!」


「…………」










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