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【黒ウィズ】空戦のドルキマスⅡ Story4

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story まさかの朝食会



「お食事をお持ちしました!」

エルナが、君たちの前のテーブルに朝食を並べていく。

君とウィズ――そして、ローヴィとディートリヒの分を。

「…………。」

君たちは、ディートリヒから朝食の席に招かれていた。

なぜか。

まさか、朝食をいっしょに食べるためだけに、なんてことはないだろうけど………

(もしかして、ルヴァルのことかにゃ……)

ドラゴンの件では、ルヴァルの存在は伏せた。

だが、勘のいいディートリヒのこと、助っ人がいたことを察しているかもしれない。

重い気分で、君はテーブルに置かれたサラダにフォークを突き刺し、野菜を口に運んだ。

補給が済んだばかりのためか瑞々しい野菜だった。しかし、とても味を楽しめる気分ではない………

ディートリヒの方を見やると、ナイフとフォークを優雅に駆使し、ソーセージを一口大に切り分けていた。


「ドルキマス王は都を離れ、要塞に立てこもったという。」

案の定、彼が口にしたのは物騒な話題だった。

「鉄機要塞……かつて王が建造を命じた、きわめて堅固な要塞です。対空防備にも優れています。

もっとも、この戦力で挑めば、落とせないことはないはずですが――」

「まだ敵が隠し玉を持っていないとは限らない。兵力の差を竜で埋めようとするような手合いだ。

正直に言って、あれは予想外だった。こういうことがある、というのは、戦争の醍醐味だな。」

「そんな醍醐味はいらないにゃ……。」

「貴君らの存在も、その“醍醐味”のひとつだ。

場合によっては、魔法の力、借りることになるかもしれん。」

魔法は嫌いなんじゃなかったの、と、君は尋ねた。

「好かんな。だが、使えるとわかっているものを使わない理由もない。」

言って、ソーセージを食べ始めるディートリヒヘ、エルナが、あきれたように口を出す。

「もう、閣下ったら。素直に、“昨日は助けてくれてありがとう”っておっしゃったらいいのに。」

「にゃにゃ!?」

君とウィズは思わず顔を見合わせた。

もし、それがこの朝食会の理由だとしたら……いやいや、彼に限ってそんなわけが……。

ディートリヒはソーセージを呑み込み、ナプキンで口元を拭いてから答える。

「昨夜の活躍については無論、感謝している。おかげで、戦力を減らさずに対処できた。」

いつもどおりの口調に、君の背筋が冷える。

つまり、戦力を減らす前提でなら、なんとかする手はあった――というわけだ。

「兵を使い捨てにする戦争は気に入らない――そんな目だな。魔法使い。」

当然だよ、と君は答える。

「私とて、無駄な犠牲を出したいわけではない。

“資源”は有効に使わなければな。」

「そこは嘘でも“兵の命は大切だ”って言いましょうよ、閣下。」

「大切な資源だ。」

「閣下ってば……。副官も何とかおっしゃってくださいよー。」

「いえ、あの、私は……。」


ウィズが、君の肩の上でそっとささやいてくる。

(なんというか、貴重な子だにゃあ……)

確かに。ディートリヒやローヴィに対して、にこうも自然体でい続けられる人間など、いったいどれほどいるだろうか。 


「ところで、閣下。その、王都のことですが………」

狂った調子を戻そうとするように、ローヴィが発言した。

「全軍を要塞に差し向けてよろしいのですか? ドルキマス王のいなくなった今、王都の占領は容易かと思われますが……。」

「いつでもできることなど、後回しでよい。今は王を討つことに全力を傾けるべきだ。」

ディートリヒの言葉に、君は違和感を覚える。

彼のこういった強硬な姿勢は、対〈イグノビリウム〉戦役で目の当たりにした。


否、だ。ローヴィ。たとえそうなったとしても、進軍だ。

ここに来るまでに費やした時間、戦力、それを考えれば、退くことなどありえない。


対〈イグノビリウム〉であれば理解もできた。あれは、それほどの意思、徹底的な強硬さがなければ勝てない敵だった。

だが、ドルキマス王は小物であるという。

だからこそ、ディートリヒがここまでドルキマス王の打倒にこだわることが、君には不思議だった。


「王を討ったら、やっと国が変わるんですね。」

夢見るような瞳で、エルナが言う。

「国民もみんな、期待してますよ。閣下が新たなドルキマスを築かれるのを。」

「私はあくまで軍人だ。そう鮮やかには国は変わるまい。」

ディートリヒの返答は、あくまでも淡々としたものだった。

「少しはマシになるかもしれないがね。」



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story 天使降臨?



「どう思う。」

「うーん、これだけじゃあねえ~。」

クラリア艦のブリッジで、クラリアとレベッカが、小さな写真とにらめっこをしている。

鉄機要塞攻略戦の要諦打ち合わせのためクラリア艦を訪れたフェリクスは、眉をひそめてヴィラムに視線を送った。


「ヴィラム。こりゃなんの集まりだ?」

「少将殿がドラゴンとの戦闘中に天使を見たんだと。」

「見ただけではない。すぐに写真を撮らせた。」

クラリアは、どうだ、とばかりにテーブルに置いてある写真を見せる。

そこに映っているのは――

「ピンボケだけど、確かに、翼の生えた人影……ぽいかも?」

天使と言われればそう見えなくもないかも、というくらいの影だった。

「噂の“魔法使い”ってのじゃないのか? 戦艦を跳び移ったって聞いたぜ。」

「魔法使いは別に映っている。ほれ、このローブ姿がそれだ。

きっと、天の使いが協力してくれたに違いない。天もベルク元帥の勝利を望んでいるのだ!」

拳を握って力説するクラリアに、フェリクスは笑いながら冗談を投げる。

「むしろ元帥閣下が御自ら羽生やして竜を止めたとかじゃねえの?」

「…………。

捨てがたい。」

「おいヴィラム。この子、本格的に心配だぞ。お脳が。」

「元帥殿にはそれだけカリスマがあるってことだよ。」

「さすがに元帥閣下じゃあないだろうけど――でも、本当に天の使いと言うセンはあるかもしれないわよ。」

そう告げるレベッカに、その場の全員が、ぱちくりと目を瞬かせた。

「あら、何かしら。その意外そうな視線。」

「意外なんスよ。そういう話、真っ先に否定するタイプかと思った。」

「未知のものを簡単に否定するのは主義じゃないの。

それに、古代の遺跡を調査するとね、どの文化圏でも、共通の“御使い”の姿が描かれているのよ。」

「御使い……?」c

「翼を生やし、輝ける聖剣を携えた御使いね。男性だったり、女性だったりするけど、その2点は常に共通しているわ。

時期的には、人類が魔法を失い技術進化の停滞を招いた暗黒時代の直前にあたるの。つまり――

この“御使い”こそが、この世界の人間から魔法を奪った張本人! なんじゃないかと思っているワケ!」

クラリアたちは、顔を見合わせ。

答えた。

「「「へー。」」」

「あっコラあんたら何よその興味なさげフェイス!」

“御使い”とか言われてもなァ……。

“魔法使い”よか信憑性ねぇスよ。

ベルク元帥じゃないならどうでもいい。

「何よその文化に対する情熱のなさ! こないだ伝説のドラゴンに襲われてピーピー言ってたくせにい!」

憤慨するレベッカから顔を背けて、フェリクスは、やれやれとぼやいた。

「もし本当にいるんだったら、ドラゴンなんざより、この荒れた世の中をどうにかするのが、御使いサマの仕事なんじゃねえのかね。」



***




「…………。」

兵士たちに与えられる食事を前に、ルヴァルは複雑な表情でつぶやいた。

「今日の食事は……手羽先……か………」








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