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【白猫】ダークラグナロク Story3

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最終更新者:にゃん


2019/07/14





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ハハハ!!この程度かタイカンの将よ!

ハァハァ、チッ――埓が明かねえ……

口数も少なくなってきたな。俺に勝てぬと悟ったか。

……半刻です。あなたの相手はここまで。前線に向かいます。ジャッキー、行きますよ。

……なに?

こいつはどうする。

ケンセイ様と事前に申し合わせを。敵を落としきれないのなら、連合軍最高の武力を持つ者と、交代する手はずです。

……どうやら到着されたよう。

ハハハ!おもしろい!!受けて立とう!!

後はよろしくお願いします。ヴァイス様。

うぉ、おおおおお!!

任せろ。すぐに追いつく。

後継者か!!なるほど!!たぎるわ!!

……ふぅ。

ハハハ!こうでなくてはな!

遅い。

ぐあ……!!

時間をかけるつもりはない。悪いが、武人としての決闘は望むなよ。



…………

ケンセイ、どうしたの?

妙だな。敵の勢いが落ちている。

すっごい数を倒したわよ。だからじゃないの?

……違う。この道がつながっているように感じない。

私も同意見です。さっきまで感じていた邪悪な気配が、この先から消えました。

覇王よ!!はぁ……はぁ……伝令です!!

話せ。

セレナ様が……!東にある村と戦場をつなぐ渓谷で……敵主力に……囲まれております……!

予備隊はごく少数……このままでは……すぐに救援を……

ケンセイ様!!只今戻りました!

どうされましたか?

ジャッキー。タイカン最速の騎馬を今すぐに集めろ。

……おう!

リーラン。タイカン軍の指揮を任せる。

待ってください。いったい何が……?

セレナさんがこの先の渓谷で、敵に囲まれているみたいです。

セレナが?いったいなぜ……

まさかケンセイ様、騎馬のみで救援に?

そうだ。じゃなきゃ間に合わねえ。

猛虎最速の馬だけ集めた!数は少ねえが、出れるぞ、ケンセイ!

わかった、行くぞ。

お待ち下さい!あまりにも危険です――!

リーラン。俺の背中を任せられるのは、お前だけだ、リーラン。

タイカンをまとめろ。軍を編成し、後から来い。

…………

信じろ。

……承知しました!必ず向かいます!決して無理はしないでください!

行くぞジャッキー!セレナを助けに向かう!

おう!


……武運を、ケンセイ様。


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やぁあああ!!

うふふふ!!

お背中が丸見えですよ。お嬢さん。

きゃあああああ……!

く……そ……!

ハハハハ、ゾクゾクします!

ふふふ、後継者なのに、震えてる、震えてるよ。

とりあえず、最後に残す言葉はありますか?それとも怖くて怖くて、何も考えられませんか?

……あんたたちなんか怖くない……!

ふふふ、口だけ、口だけだよ、こいつ……!

なんで震えんのよ……どうして……!

ふざけんな……何なのよあたしは……こんなんじゃ……!


くじけるなよ。

敗北は他人が決めるものじゃない。お前自身が、決めるものだ。


あたしが……決める……?

おさらばです。闇の供物となりなさい。

あ……

!!!

間に合ったな。

ケンセイ……!

……ったく。世話がかかるな、お前は。

猛虎騎兵!!ぶちかませ!

ヒャーハー!!!

シンラ様……下がって、下がってください。

下がる?下がるですって?御冗談を……闇、万歳!この戦争、勝ちましたよ……

<&%SO■*×!…………>



ぐあああああ!!!

これが後継者の力……馬鹿な……俺の剣が……

これで終わりだ。強かったぞ、お前は。

……いい気に、なるな!

この戦争は、お前たちの負けだ……個の力でどうにかなると……思うな……!


ハァハァハァ……!

前座にもなりませんでしたね。

どう、かな……!

将軍の計算どおりだ!当たったぞ!!

せっかく楽しめそうなのですが……残念ながらここまでです。



何だ、今の光は……

…………

そんな……!

覇王ケンセイ。あなたなら来ると思いました。ですので転移魔術にて、すべての戦力をここに――

転移魔術はソウルの消費も膨大。連発はできませぬが、見合う成果となりましょう。

間に合ったから勝てるとか、そんなご都合主義は通りませんよ。オホホホホホ!!

全軍、固まれ!!決して離れるな!!

さあ、死のカウントダウンを、始めましょう。


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前線を維持しろ!ゴウケツ、編成はまだですか!g敵の数が多く、思うように進まず!むしろ敵は増えており、こちらの兵を動かせません!

リーランさん、ここは私たちが!

アンタは指揮に専念して!

……ありがとうございます!

クエー!!

!ビルド将軍、なぜここに!?

連邦から伝令が来たのだ!すまん!我が敵の動きを見誤った!

ここは任せるがいい!貴様たちは全軍、覇王の加勢に行け!

敵の数は膨大です!帝国軍だけでは――

行け!ケンセイだけではない!セレナという小娘も、決して死なせてはならん!

癩ではあるがこの戦争の旗印は彼奴らだ!倒れることはすなわち連合軍の敗北を意味する!

ですが……!

案ずるな!!g連邦軍……!

遅くなってすまない。行くのだリーラン殿。ここは我らが支える。

ビルド将軍の言う通り、決して死なせてはならん。戦争にただ勝てばいいのではない。

私たちは、私たちが口にしたことを守らなければならないのだ。

……感謝します!待っててください、ケンセイ様!


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はぁ……はぁ……

くっ……!

はぁ、はぁ、はぁ……

やはり勢いや士気で勝てる数ではありませんなあ。オホホホ……!

おっしゃる通りでございます。シンラ様。

嬲り殺そう。そうしよ、そうしよう。

はぁはぁ……戦争だ……策に嵌まった者が……悪いのだ。

虫けら共。供物となりなさい。

また……!

チッ……!

……絶気焦壊砲。とりあえず10連発。

ぐああああ!!

きゃあああ!!!

ぐぁッ……!

…………!

あなたはわたくしを倒すとゴーマに誓ったようですが、果たせそうになく……

闇に屈するというその最後、想像すると……楽しくて仕方がありませーん。

…………

勝手に、決めるな!

あんたみたいなクソ野郎に誰が負けるか。まだ、終わってないわ!

……何言ってるんですか、羽虫が。

ハァッ!!

……ごめん、ケンセイ。あたしにもっと力があれば……!

力じゃねえ。言っただろうが、そんなもんじゃねえ。

で、でも!!……力も引き出せないで、で、でも!!……力も引き出せないで、敵の罠にかかって、それは、あたしが弱いからで……!

期待に応えられるかわからない――

何も出来ず死ぬことが怖い。いいんだよ、それで。俺だって怖いさ。

……え?

でもな、周りを見てみろ。期待されてんだ。託されてるんだ。お前ならできるだろってな。

…………

忘れるな、セレナ。

でけえこと言ったら怖くて当たり前なんだよ。だがそれでも自分で決めた道を突き進む。道がねえなら切り開く。

恐怖も不安も振り払いたいなら、前に進むしかねえんだ。

なーにをぐちゃぐちゃ話しているのか……

ぐちゃぐちゃなんざ話してねえよ。勝利への道筋を確認してただけだ。

……くくく。なぁジャッキー、これほどの死地はいつ以来だ?

ライゴウを建国して最初の戦だ。あの時は終わりだと思ったぜ。

記録を抜いたな。今回はそれ以上だぞ。

血湧き肉躍る……上等だ!!ハイパーみらくるトラさん陣形!!

セレナ!

誰に笑われようと、無理だと決めつけられようと、俺の限界は俺が決める。

お前の限界は、ここか?

……違う。あたしは、こんな所で限界なんて嫌だ……

なら死に物狂いでくらいつけ。遅れるなよ。

……うん!

!!!

闇に挑みし戦士たちよ!!都合のいいことに敵の主力がすべて集まった!

こいつらをまとめて討ち取れば、俺たちの勝利だ!!

シンラ、ゴーマの言葉を覚えているか?

さあ、顔も覚えておりません。

人の思い、願いの力を、舐めるな。そいつをお前に教えてやる!!


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はぁあああ!!

うらぁあああ!

押し通るッ!!

はぁ……はぁ!!舐めるなぁあああ!!

……がは……

手負いで俺をとれると思ったか?舐めるな。

ベズモド……!

あんたの相手は、あたしだ……!

ぐああ……!

将軍……!くそ……!

力任せの雑兵が……!欝陶しい……!

ハァツ!!

きゃああ!!

死んで、死んでよ!後継者!

チッ!!

<>

ぐあ……!

どこを見ているのです……!

……!!

ぐふ……!!!

何をしているのです!<&%$○■*×!…………>

ぐああああ!!

ガダベルさん!

はい!覇王を殺す、殺すよ!

<&%SO■*×!…………>

当たってないよ……ふふ、バカ、バー力……!

当たってなくていいのよ……あんたがどう動くか、わかっていれば……!

よく、やった……!

!!!

……ぐっ!!

まだだぁああ!!

この……!

オレを、忘れるな……!

こんな、ヤツらに……

……なんですと。

<シンラの前に広がる光景は、彼が描いたものとは真逆のもの……>

ビバ絶望、闇に飲まれるはずでしょう!あなたがたは……!なぜ!?どうして!?

我が駒を、打ち倒してるのですかぁあああ!!

これがお前が馬鹿にしたもの……見向きもしなかったもの……その力だ……

バカな……ありえない……!人形ども、わたくしを守れ!

あり得るんだよ……!人の意思は死んでも消えることはない……!

前に進む限り光がある!!刻んだ道が、託された夢が、俺の背中を支えている!

だからお前は、俺には勝てん!

くそがあああ!!!ケンセイィイイイ!!!

……最後だ!!ここで散れ、シンラ……!


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もう少しです……!もう少し……!

リーラン、飛ばしすぎよ!

急ぐ気持ちはわかりますが、みなさんが疲弊すれば、ケンセイさんとセレナさんを助けられません。

そうですね……

大丈夫よ。ケンセイの力はアンタが一番よくわかってるじゃない。

信じてあげましょ。

……はい!

連邦情報部隊より伝令です!覇王ケンセイとセレナ様の状況をご報告します!

!ケンセイ様は?ご無事ですか!?

それが……!

覇王ケンセイ率いる騎兵部隊、敵主力、魔獣三柱を撃破!現在、敵部隊を壊滅に追い込み、敵総大将と見なされる――

闇の軍師、シンラを追撃しております!

なっ……!

ケンセイ様が……!?

覇王……!さすが我らの……!

ほんとにあの人は……いつも想像の遥か上を……

タイカン兵よ!我らの王を追うぞ!

リーラン!!

ネロ様!

話は聞いている!私たちもともに向かう!

オレもいるぞ。

……ヴァイス様。

聞いてくれ。戦っているヤツがいきなり消えたんだ。

危うく戦場で迷子になるところだった。

よくひとりでここまで来れたわね。

知り合いのタイカン兵がいてな。案内してくれた。

こっちでみんなが戦ってると聞いたから、そいつと一緒に敵を倒しながら走ってきたんだ。

どういう状況よ!むちゃくちゃね!

むしゃくしゃはしている。暴れたりないとも思っている。

喜ベヴァイスよ。もう一暴れできるぞ。

そうですね!ともに参りましょう!

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来るな、来るな、来るな……!獣どもが、畜生どもが!!

闇よ!慈悲深き闇よ!愚か者共に鉄槌を!!裁きの闇を!!

はぁああああ!!

そんなバカな……闇が!わたくしが!お前などに……この、わたくしが……!

まだ、わからねえのか?

わかりません!

人は愚かで救いようのないもの!家畜であり獣!裏切り、嘘をつく獣!わたくしはただすべての愚物に、闇の救済を与えようとしているのです!

なぜそれがわからない!覇王ケンセイ!

人は駒じゃねえんだよ。なぜそれがわからない。

わかるか……!わかってたまるかぁあああ!!

闇がシンラにまとわりついていく……

…………

ひ、ひぃいいいい!!!闇よ、なぜ、わたくしを、飲み込もうと……!

やめろ、やめろぉおおお!!



……終わったの?

……ああ。

k!!!

やった、やったぞ……!

…………

何見てんだ。

なんでもない。

言いたいことがあるなら、言っておけ。今なら答えてやる。

あたしもいつか、あんたみたいに……なれるかな?

なれるか、じゃねえ。越えろ、俺を。

お前の足で歩き、お前の目で見ろ。そして、切り開いていけ。

俺に道を示した男はそうした。

お前なら俺を越えられる。見せてみろ、先の景色を。

…………

とはいっても、まだまだ先の話だろうがな。

なによ、それ。

……ふん。

<――>

なに、この光……

<△*×■*×&○!>

ッ!!!


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……

…………



ぐ……

爆風で気絶した、のか……

将軍!ご無事でしたか。

いったい、何があったのだ……

わかりません。突然、巨大な光が……

ビルド将軍、無事か。

パラケス。貴様は……

ラジエーターが破損した。戦闘能力は低下したな……

いったい何が起こったのだ?

わからん。敵の攻撃であることはわかるが、規模が大きすぎる。

この威力の攻撃魔術も、兵器も、聞いたことがない。前例のないものだ……

将軍!帝国連邦、両軍の被害規模、算出できました。

……話せ。

両軍共に約七割の兵が消息不明……先の攻撃に巻き込まれたものと思われます……

馬鹿な……

無茶苦茶だ!!そんなの、ありえねえだろ!!

事実だ!だが敵勢力も一緒に巻き込まれ、被害は甚大……

違う!!

闇は集まり続ける!つまり戦力差は……

絶望的だ。



今のは……

一体何が起こったの……?

……まずいな。

何が起きているかわかるの?

わからんが、わからないということが、まずい。

…………

……こういうときは大勢死ぬ。

連邦帝国の元に偵察兵を送る。まずは状況を知りたい!よいか、リーラン!

…………

リーラン!!

は、はい!

しっかりしろ!貴様が動揺するな!

すみません……!

ネロ、お前もだ。ん!

声が荒いぞ。何かが起こった。だがオレたちはまだ対処する力を持っている。

冷静になれ。オレたちがすべきことは変わらん。

早くケンセイとセレナの元に、たどり着くことだ。ん

そうだな。すまん。

……はい。

行くぞ!!みんな!


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……うう。

セレナ、動けるか?

……ケンセイ、今のは……

アレから放たれた攻撃だってのは、確かだ。

……!!

……なによ、あれ。

……みんなは!?みんなどこ!?

……ほとんどやられちまった。くそ……!

……そんな。

待ってよケンセイ!その怪我……!

すぐにここを離れよう!放っておいたら、あんたも……!

…………

どうしたのよ、早く!

背は向けられねえ。見てるぞ、アレは、俺たちを。

おやおや、気づいておりましたか。覇王ケンセイ。

この老骨、永き時を生きて……忘れていた本来の己の姿……闇にあてられて思い出しました。

この声は……

わたくしは、闇のために全てを捧げし魔術士。我が名はモルデウス。

…………

闇はわたくしを見捨てなかった!闇、万歳!オホホホホホ!!

あ……あ……!

お前、お前は……!

どうした、セレナ。

ぁああああああ!!!

お前だったのか!!お前!!お前がぁあああ!!!

よくも……!よくもアマリアを!!!!

セレナ……!どうした!!よせ!!やめろ!!


止める必要はありません。闇への恭順の仕方、わたくしが教えてさしあげよう。


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姿が見えました!

……間に合ったか!!だが何者だ、ヤツは……!

……ッ!あいつは……!

ケンセイ様たちを、何としてでも救うぞ!



はぁああああ!!お前だけは……!お前だけは……!!

<■*×&○!?>

きゃああああ!!!

激情に任せ、愚かな……だから足りないのですよ。あなたは……

……だ……まれ!!

死になさい。

……セレナ!!





愚かな、覇王ケンセイ。こんなクソガキを庇うとは……わたくし、興醒め……

……お前には、死んでも、わからんだろうな……

ケンセイ!!そんな……!嘘!!いや……!

セレナ。憎しみじゃ、ねえだろ。

お前は、そんなことの、ために……戦ってた、のか……?

ハァアアアッ……!!

ゴフッ……!

ケンセイ!!ごめん!あたしの……!あたしのせいで……!

考えろ……セレナ……お前が、ここにいる理由を……

いつまでも、立ち止まってるんじゃ、ねえぞ……

<覇王の体から力が抜け落ちる――

最後に視界に捉えたのは、全速力で向かってリーランの姿――>

後は、頼む……

ケンセイ……!そんな……!!

うわぁあああああああ!!!

オホホホホ!覇王ケンセイ、討ち取ったり!!

ケンセイ様ァアアア!!

いやぁああああ!!!

……嘘だろ!!

我らの王が……!!

ケンセイ……!

おやおや、今度はリーラン様がお相手ですかぁ?

……貴様ァ、よくも!!

リーラン様!!いけません!お下がりを!

黙れ!!!

タイカン兵!!決してヤツを逃がすな!!



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