The Shining Shadowの4章~蛇想う祈りの杖~ Story
開催期間:10/23~11/16
あの人を探して
アイリス
……ここが、ちかごろ各地に
出現している、
呪われた遺跡、その一つです。
フローリア
呪われた遺跡……
草木の声もしません。たしかに、
禍々しい気配を感じます……
キャトラ
危ないよってなんべんも
言ったのに……フローリアって
意外と押しが強いのね。
フローリア
すいません。私、
もう一度あの人、
スイレンの人に会いたくて……
アイリス
スイレンの人……
以前出会った、蛇のような
悲しい人のことですね……
フローリア
あの方の声が……
忘れられないんです。
フローリア
とても強い憎しみと悲しみを、
どこにもぶつけられずに
苦しんでいるようだったから……
アイリス
ええ……私も思いました。
あの人は、いまでも身の内の
<闇>と戦い続けてるんです……
フローリア
……あの方は、
魔物に襲われていた私を
助けてくれました。
フローリア
それは、優しい心を
持っているからだと感じました。
フローリア
……心を失ってはいないんです……
きっと、余計に辛いはず……
キャトラ
……そうね。武器だけじゃなく、
あの蛇の人を助ける方法も
探していきたいわね!
キャトラ
それにはまず、
あの人を見つけなきゃ!
アイリス
ええ、もう一度会って、
話しかけてみましょう。
フローリアさんのためにも……!
フローリア
みなさん……
ありがとうございます……!
黒天の誘惑
キャトラ
今度は……杖ね。
アイリス、どう? 振る?
アイリス
そうね、ときどきなら……
フローリア
<シバルバーの魔神具>
でしたか……
強い怨念を感じますね……
キャトラ
でしょ? でもね、
その分、とっても強くもなって――
???
ガラシ~、ガラシ~、
とってもカラ~イ、
トウガラシはいらんかね~。
キャトラ
なにアンタ?
こんなキケンなところで行商?
ヒジョーシキね!
???
ここにはキミたちがいる。
無人ってわけでもないんだ。
構わないだろう?
トーヴェ
私はトーヴェ。トウガラシ売りだ。
お一つどうだい? 辛いよ?
キャトラ
いらないわ!
トーヴェ
な~んだ、残念。
いまならオマケで、
耳よりな情報をつけるのに。
キャトラ
オマケ? ちょうだい!
トーヴェ
じゃあ買ってよ~。
キャトラ
オマケなんならタダでしょ?
いいじゃないのさ、教えなさいよ。
アイリス
キャトラったら……
トーヴェ
狡猾な猫ちゃんだなぁ。
蛇も舌を巻きそうだ。
じゃあ、特別サービスだよ。
トーヴェ
――四枚の翼を得た蛇は、
既にわずかに空を飛べる。
キャトラ
よんまいのつばさ?
トーヴェ
ひゆ表現だよ。
四つの武器を解放したことさ。
空を飛ぶというのもたとえだよ。
トーヴェ
簡単に言うと、現時点で、
彼はヒトに戻ることが可能だ。
フローリア
え……!?
トーヴェ
でも、このまま、
<闇>と戦い続ける道も選べる。
トーヴェ
オトモダチのキミたちは、
彼にどっちをオススメする?
フローリア
スイレンの人が……
人間に戻れる……?
トーヴェ
ああ。精悍で柔和、
かつ知的で誇り高く、優しい、
元の大戦士の姿にね。
フローリア
……元の……
……姿に……
トーヴェ
…………
――思い悩むフローリアの背後で、
トーヴェが静かに
曲刀を振りかぶる!
フローリア!!
フローリア
え?
トーヴェ
聖なる花の乙女――
――その生き血、頂いたッ!!
???
グオオオォォッ!!
フローリア
この声、この香り……!
トーヴェ
――邪魔してくれたな、
<地べた這いずりのたうつ蛇>よ。
アシャクァトル
クロキタイヨウ……!
ノミコンデクレル……!
トーヴェ
やれやれ。かつて私に仕えた
戦士とはとても思えない言葉だ。
トーヴェ
――身の程を知れ。
グゥゥゥゥッ!?
トーヴェ
四枚程度で届くと思ったか。
中天に輝きし、
我は<贋作の太陽>。
トーヴェ
たとえその翼七枚揃い、
<落陽を呑む忘我の毒蛇>に
生まれ変わろうとも――
トーヴェ
――伝承通りに、
おめおめと呑まれはせんッ!!
トーヴェの凶刃が、
ギラリと黒い光を放ち、
アシャクァトルの頭上に迫る!
やめてーっ!
クェーっ!!
トーヴェ
――貴様は……
イシュプール
イラケッチラケッチイ、
イラケッチラケッチィ、
イラケッチィ、さあご一緒に。
イシュプール
『私はもう一人のあなた』、
イラケッチィ……
キャトラ
イシュプール!
ナイスタイミング!
イシュプール
わかってるよ~ん。
トーヴェ
なにをほざくか白蛇が!
貴様と我を同格だと思うなよ!
イシュプール
君が本体ならね。
でもいま、その姿なら、ね。
トーヴェ
――くっ!
アイリス
消えた……?
アシャクァトル
ニガサヌ……!
グオオオォォッ!!
イシュプール
ちっ。二人とも、
逃がさないよ~ん!
キャトラ
……みんなして、ワーっときて
ワーっと行っちゃったよ……
アイリス
……フローリアさん。さっきの話、
彼に伝えるべきでしょうか……?
キャトラ
さっきのっていうと、
もうとりあえず、人間には
戻れそうだってこと?
アイリス
私たちをだますためについた嘘、
という可能性もあるけど……
フローリア
……私は、待ちます。
フローリア
スイレンの人は、諸悪の根源を
討ちとろうとしています。
フローリア
その目的を果たさずに、
力を捨てて人間に戻ることは、
望んでいないだろうと思うから……
アイリス
……そうですね……
フローリア
私、信じています。
フローリア
彼がいつの日か闇を討ち――
フローリア
――再び光の中に、
戻ってくることを――!