【お知らせ】【アニメレター vol.9】 2019年6月3日
「消滅都市0.」をご利用いただき、まことにありがとうございます。
アニメ「消滅都市」の裏話を、シリーズディレクタ―の下田から毎話ごとにお届け!
アニメの内容と合わせてお楽しみください。
※ アニメレターには最新話のネタバレが含まれますのでご注意ください
※ アニメレターはアニメ「消滅都市」最終話まで毎週配信予定です
※ アニメレターは随時更新され、過去に配信された内容も読むことができます
過去配信されたアニメレター
第9話「運命」
シリーズディレクターの下田です。
消滅都市0.プレイヤーのみなさん、
アニメ第9話、お楽しみいただけたでしょうか。
アニメ制作を通じて、この第9話に行きついたとき
この「消滅都市」という物語は
家族の物語なんだと、強く感じました。
リョウコと、その父親の物語、
ヨシアキとツバサの兄弟や、
怪盗団という、もうひとつの家族、
養護学園という家庭に似た場所や、
カイバラという、タクヤの父に変わる人物、
その父親と母親の物語。
ひとつの家族であったという事実。
家族とは何か、家族とどう向き合っていくのか、
そういったテーマ性を内包していた作品であることに
このアニメ制作を通じて、気づかされました。
この第9話の本読みでは、
監督が強いこだわりを持っていたことを思い出します。
脚本の議論を進めていく過程で
リアルタイムに、既に浮かんでいるレイアウトを
ホワイトボードに描きながら、
単純な役割分担という形ではない
不思議な進み方で、話が組み上がっていきました。
ふたつをつなぐ重要なミッシングリンクである
ダイチというキャラクターを肉付けし
ミフユという母親を明確な形で
提示することが決まったとき、
このアニメの終着点がはじめて見えました。
このふたりに関しては、アニメから作られた、
原作キャラクターだと思っています。
こういった話し合いが進む中で、
原作とは変わってしまう形にはなったのですが
声優さんの変更につきましても
我々の方から、申し出させていただきました。
津田健次郎さんには、
その声が持つ独特の人間らしさで
ダイチというキャラクターを、
尺の短い中で、十二分に表現していただきました。
花澤香菜さんには、ドラマCDで一度
「母親としてのユキ」を演じていただいたとき
個人的に大きな可能性を感じたこともあり
アニメ版でミフユ役としても
出演をおねがいすることになりました。
この話に関しては、書きたいことが
たくさんあるのですが、
(グリーンピースの話が生まれた理由や
未だにスタッフ間で意見が割れ、議論が続いている
ひとつのセリフの話など)
長くなるので、それはまた別の機会に。
それぞれの作家性が入り交じる形で
アニメではじめて描かれた、このふたりの関係性を
楽しんでいただけたなら、とてもうれしいです。
そして、すべてのはじまりが描かれたあと
物語が残り3話で、どう展開していくかにも
ぜひ、期待していただけたらと思います。
「記憶は、生きつづける。」
「Where I End and You Begin」
ソウマを失った直後の、
ユキの失意からはじまる残り3話、
ぜひ見届けてください。
今後とも「消滅都市0.」をよろしくお願いいたします。