【お知らせ】【アニメレター vol.10】 2019年6月10日
「消滅都市0.」をご利用いただき、まことにありがとうございます。
アニメ「消滅都市」の裏話を、シリーズディレクタ―の下田から毎話ごとにお届け!
アニメの内容と合わせてお楽しみください。
※ アニメレターには最新話のネタバレが含まれますのでご注意ください
※ アニメレターはアニメ「消滅都市」最終話まで毎週配信予定です
※ アニメレターは随時更新され、過去に配信された内容も読むことができます
過去配信されたアニメレター
第10話「決断」
シリーズディレクターの下田です。
消滅都市0.プレイヤーのみなさん、
アニメ第10話、お楽しみいただけたでしょうか。
全体のプロットを組み上げた時点で、
ソウマの運命は決まっていました。
1話を費やす必要があるというのが
本読み序盤からの、スタッフ共通の意見でした。
我々はこの回を「ソナチネ回」と呼んでいました。
「ソナチネ」とは、
北野武監督の4作目の映画の題名です。
具体的なプロットや、起こる事象ではなく
そこに流れている空気感のことを指して、
我々は、この言葉でイメージを共有しながら
話を進めてきました。
これまで描かれることのなかった日常の中、
(でもそれは終わりある日常で)
いま、生きているんだという事実を感じること。
誰も直接的な言葉はかけないけれど
(パフェ、おかわりしちゃおっか)
そういった、何気ないやりとりの積み重ねこそが
ふたりの背中を押してくれる。
朝ごはんがパンなのか、白米なのか。
カーテンの色が何色なのか。
全部の会話が、ふたりのこの会話へと
繋がっていったからこそ、
たぶんふたりは、決意できたんだと思います。
わかりやすい名セリフで
彩られた回ではありません。
だから、もしかしたら
分かりづらい部分もあるかもしれません。
もっとわかりやすく、強い言葉で
背中を押すような物語にすることも
できたと思うのですが、
でも、生きていくというのは、得てして
こういうものなのだと思っています。
こういうアニメが作れたことを
幸せだと思っています。
さて、残り2話です。
ロストへと向かうことを決意したふたり。
その物語が、どう結実していくのか。
ぜひ最後まで
お楽しみ頂ければと思います。
今後とも「消滅都市0.」をよろしくお願いいたします。