うなぎ蒲焼
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キュイの資料
うなぎの蒲焼はオーソドックスな日本料理である。うなぎをさばいて骨を取り除いてから、醤油をメインとした甘辛のタレを塗りつけて直火で焼く。日本の作家・三田村鳶魚にとると、うなぎの蒲焼は江戸幕府の成立直後に民間で流行ったという。当時、江戸城建設に駆り出された人々に十分な食べ物を供給するため、沼にいたうなぎを捕まえてぶつ切りにし、竹串に刺してタレを塗って焼いた。うなぎを開かずに丸焼きにして、しかも色のついたタレを塗って焼いていたため、見た目が蒲(ガマ)の穂に似ていることから、このような焼き方を“蒲焼”と呼ぶようになったと言われている。
うなぎは脂が多く、エネルギーを素早く摂取できるため、滋養強壮によい食べ物とされてきた。一方で、 貧しい者が食べる粗野な食べ物とも思われてきた。いまではその偏見もすっかり消えている。様々なうなぎ料理が食卓を豊かにし、うなぎ専門の料理店まである。特筆すべきは、うなぎの蒲焼はおいしくて簡単に作れるが、シェフによって魚の処理法、焼き方に違いがあり、さらには独自に秘伝のタレがある。そのため、うなぎの蒲焼の味は多彩でかつ、神秘的でもあり、我々の心を捉えて離さない食べ物なのである。
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