【黒ウィズ】アルティメットハロウィンガールズ Story3
story
うわ、なにこれ……。
<妙な圧迫感のある場所にやってきた。>
シャルムタウン、か……。
<レナが看板に書かれた文字を読み、大きなため息をついた。>
あばばされる前に突破しないと。>
あばばされるのかにゃ?
あばばされるかもしれないでしょ、シャルムタウンって書いてあるし。
あばばは見てて嫌な気持ちになるにゃ。
<確かに……あばばはキツいと君は思った。>
だいたいすまし顔してるけどさ、エリスって大概反則でしょ。
だってあの魔法に例外はなくて、なんでもかんでも封印対象でしょ。エリスを倒す以外に打つ手がないんだよね。
<確かにアリエッタもあっさりあの匣に捕まっていた。>
<リルムやエターナル・ロアも食らっていた。>
でもエリスは、見境なく攻撃してくる子じゃないにゃ。
今まで出てきたのが、リルムと私っぽい何かでしょ?
あれがアリエッタが思い描く私たちだとすれば、エリスが一番やばい気がするんだよね。
<完全に自業自得だけど、度々お仕置きされていた。>
どこにもいない?大丈夫?
どうしてそんなに身構えてるにゃ。
いや、さすがの私もこういう場所で魔法使いさんを守りながら戦うのはキツいから。
<守る?倒すの間違いではなく?と君はレナを警戒する。>
そういえば魔法使いさんさ、今回はいつまでいるの?
またふらっといなくならないでよ。みんな心配してたし。
<戻るタイミングというのが自分で決められたら……と君は思う。
だがそうもいかないのが、辛いところだ。>
〈トリック・オア・トリート〉に出てよ。
それ何にゃ?
年に一度いろいろなところで開催される、1対1の魔道対決のこと。
〈トリック・オア・トリート〉でやろっか。
<戦おうということらしい。突拍子もない戦闘狂のそれである。>
<レナはそもそも、どうして戦いたいの?と訊いた。>
理由?理由なんてあまりないけど。
強いて言えば、自分の魔法がどれぐらいのものか確認するため?
自分の努力が間違いじゃないと知りたいから、たまーに旅をしてたまーに魔道士と戦うの。
最強と言われてるなら、そもそも間違いじゃないってことにゃ。
たぶん魔法使いさんなら、自分の強さが確かめられると思うんだ。
さっき器用に魔法で相手を転ばせたりしてたでしょ?
あれ、どんな原理なの?ここじゃなかなか見ない魔法だけど。
魔法使いさん、実はかなりやるんじゃない?
私の弟子はかなりどころか、それはもう敵なしにゃ。無敵にゃ。
<ウィズが適当なことを言い出した。>
イーニア先生の誘いも断ったんでしょ?エリスもすごく気にしてるし。いつでもいいから戦おう。
<まあ、機会があれば……と曖昧な返答をする。
楽しいことは歓迎だが、レナは容赦してくれるタイプとは思えない。>
協会のトップから誘われるなんてすごいことなのに、断るなんて、ほかに所属したい団体があるとか?
新興の魔道士連盟とか、お金いいみたいだし。協会から移籍した人も多いし。
私たちはどこにも属さないにゃ。
お、一匹狼タイプ?いいね、ますます戦いたくなった!
逃げも隠れもしないにゃ。いつでもかかってくるがいいにゃ。
<そういう雑な煽りはやめてほしいと思いつつも、君は否定するのをやめて前を見た。
不穏な空気を感じ取ったからだ。>
――なに、あれ?
<奇妙な箱が、薄暗い道を塞いでいた。>
すごい魔力……。
不気味にゃ……。
<君はふたりの言葉を首肯して、カードを取り出した。>
<今までのアトラクションとは違い、妙にお金がかかっていないというか、かなりうらぶれた印象の場所だが……。>
<それがかえって不気味さを際立たせている。>
あァァ……。
<箱がパカっと開き、人のようなものが出てきた。>
アァァァァァ……アァァッ!!
ぎゃあああああ!!
<前方にいたレナが絶叫して君の背後に隠れた。>
無理無理無理!なにあれ!なにあれ!
見ればわかりまっしゃろ。
<それを見たいのだが、視界をアリエッタが塞いでいる。>
<後ろにいるレナが君のローブを握っているせいで、身動きを取れずにいた。>
私、オカルトとかほんっと無理!魔法使いさんどうにかして!
<最強の大魔道士にも苦手なものがあったようだ。
まあ、レナの魔法も大概オカルトだけど……と思ったが君は善人なので口にはしない。>
キミ、あんなの相手にする必要ないにゃ。ここに何もないならさっさとここを出るにゃ。
<君は前に炎の防壁を張り、振り返ってここを出ることにした。>
ウァァァァァァァ……アァァッ!!
<不気味極まりない声が響き渡り……。>
ヴァァァァァーー!!アリエッダァァァ!
ひぃッ!?
<自分で作ったアトラクションに怯えていた。>
キミ!
<魔法なんて無視して這いずってきた何かは、その速度をぐんぐんと上げてくる。>
<君は慌てて走り出した。>
いやあああああああ……!!!
***
ここはどこにゃ!?
知らない知らない知らない!
<レナは相変わらず取り乱しているが、君は一呼吸置いて周囲に目を向ける。>
<出口に向かって進んでいたはずなのに、すっかり迷ってしまったようだ。>
アァァァァァ……。
<すごい速さで追ってくる相手を見ながら、君はさすがに観念して倒すことにした。>
ひぃぃ……。
<レナはすっかり参っているようなので、今回ぱかりは自分でやるしかないようだった。>
殺るのか?エリスも殺るのか?
<良心が痛むからそういうことは言わないで、と君はアリエッタの霊に伝えておく。>
賢者は智を有し、愚者は力に訴える。byアリエッタ・トワ。
<意味のわからないことを言うアリエッタを無視して、君はカードに魔力を込める。
暴力で解決するのは心が痛むものの、しかしこの場を乗り切るには魔法しかない。>
いいから吹っ飛ばして!!とりあえずなんでもいいから!!
<さっきからずっとローブの首元あたりを引っ張られているせいで、君は若干上向きになっていた。
遊んでる場合じゃないにゃ。
<遊んでいるつもりはなかったが、おかげさまで相手を見にくいことこの上ない。>
アリエッタぁぁ……余計なことして!!
すまん。すまんな。
<悪びれた風でもないアリエッタと、怯えまくるレナ……場が混沌としてきた。>
やっぱりここから出るかにゃ?
退くな!戦え、魔法使いさん!
<そんな無茶な……と思うものの、背中からの圧力がすごくて引くに引けない。>
私は魔道士学校に入った頃、似たようなアトラクションに挑戦して失敗したことがある。
あのとき私、すごく悔しくて、1日泣いてた気がする。
それをアリエッタが10歳に満たないときに攻略したって聞いて、最初はまあそういうものかって思ってたけど……。
でもこのアトラクションを見て思い出した。諦めるなんて私らしくない。最後まで辿り着きたい。後悔はしたくない。
だから魔法使いさん!
<レナにはレナの理由があって、必死にこのアトラクションを乗り越えようとしているのなら……。>
<手伝わないわけにはいかない、と君は思った。>
<おもむろにカードを構えて、髪の長い何かに向き合い、走り出した。>
いや、感化されすぎにゃ。
ふっ、チョロい。
にゃ!?
勢いで押し切れば魔法使いさんはやってくれると思った。
今さらそんな理由を言うからおかしいと思ったにゃ!
オカルトが嫌いなのは本当。
うちの弟子は非常に純粋にゃ。用法を守ってくれないと困るにゃ。
あははは!ごめんごめん!
さて、巻き込まれないように下がっておくにゃ。
黒猫さんも大概だと思うけどね。
これが信頼にゃ。戦況を見守るにゃ。
***
アァァァァァ……アリエッダァァァ……。
ガチで怖い。
<ガチで怖いものを作らないで、と君は言う。>
<魔法を撃ち込んで動きを止めながら、じりじりと距離を詰めていく。>
25街区をグミに変えたわねェェェ……!!
それは、ほんと申し訳ないと思ってる。
<それは……街をグミにして怒らない人はいないだろう。
アリエッダァァァァァァ……!!
黒猫のひと!!はやく倒して!
<倒さないと進めないし、この際仕方がない。>
<ごめんエリス……と言って、精一杯の魔法を放った。>
<エリスは跡形もなく消え去った。残されたのは、不格好な箱だけ。>
よくやった!
さすがにゃ。
爆炎の称号は魔法使いさんにあげよう。
<君は笑みを浮かべて、全然いらないと言った。>
私がもらっておくにゃ。
<とりあえずエリスっぽいものを吹き飛ばしてはみたが……。>
<そこまで手強い相手ではなかったものの、このアトラクションは気が抜けないから、やけに疲労がたまってしまう。>
エリスもやられたか……だが第2、第3のエリスがいる……。
<君は我が目を疑った。>
<箱が開き、エリス風の何かが再び現れたのだ。>
わはは!エリスは不死身だ!
ええええ!?
我が家のエリスは死ぬたびに強くなる!
レストラン併設のショップでエリスボックス売ってるよ。
<帰り際に買っておくよ、とだけ言って、君は再度カードを手に取った。>
エリスは敵の攻撃を学習して蘇る!
<倒さないと追いかけられるし、倒せば強くなる……かなり面倒な相手である。>
さあ、いけ、爆炎の黒猫さん!
ちょっと待つにゃ。レナがやるにゃ。
はは。むりむり。
<役に立ってくれそうにないふたりが、何やら言い合いを始めてしまった。>
<弱った、そう思った瞬間。>
ふははは!出たくば攻略法を考えるのだ!
はぁ……これもアリエッタが作ったのね。
え?
だいたいシャルムタウンって何よ。私、ここまで落ちぶれてないわよ。
学習能力が高すぎるな?
知らないよ……とアリエッタに返して、まだ動かない相手に魔法を放つ。
――ッ!!
にゃ!?
<撃ち込んだ魔法が消えた。>
<君は驚いて、アリエッタを見た。さっきは使っていない魔法だったはず……。
学習能力が高すぎるな?
<高すぎるというか、もはや別物……。>
いきなり相手に喧嘩を売るなんて、あまりいただけないわね。
それにしても禍々しい箱ね。
さあ、全部食べちゃいなさい。
<あれは、エリスが厘に入れている贅――>
<それを見た瞬間、君はあばばとなって、なんだか急速にやる気も気力もなくなった。>
あら。あなただったのね。
<奥から現れたのは、本物……の、エリスだった。>
ごめんなさい、攻撃してきたからつい。
<アリエッタが作った箱も同様に、丸呑みにされ、2度とエリス風の何かが出てくることはなかった。>
少し本気を出してしまったわ。2、3日は気怠いでしょうけど、我慢してね。
エリス、先生も。
うむ。
あなたたちがいるのは知らなかったわ。なんだか嫌な空気が漂っていたから、入ってきてみたのよ。
嫌な空気って何にゃ?
……わからない。
エリスの嗅覚は確かだからな。きっと何かがあると踏んできたのだ。
……まだどういうわけか、禍々しさが消えてないのよね。
<そうは言われても、ヤバいのはエリスの匣が丸呑みにしたし――>
<そこで君はハッと気づく。>
エリスがエリスに食われてしもた……。
<禍々しいかはわからないが、完全に……いや、もう引くぐらいヤバいのがすぐ目の前にあった。>
……もしかして、あなた、何かよからぬものを持ってない?
<君は一も二もなく頷く。>
<よからぬものに取り憑かれて視界は塞がれるしそこそこ邪魔されるし……必死にそれをエリスに伝えた。>
霊なんているわけないじゃない。……あれ?もしかしてバカにしてる?
<ダメだ……取り付く島もない。>
霊はいるって!
いや、いないし。
でも匣が反応して――
<君はクーポン券と石を取り出した。>
<大したものじゃないけど、と言って、エリスに手渡す。>
ヴォルフラムの魔道石!?
ちょっとあなた……どうしてこれを……!?
<何やら黒い宝石を見て、エリスとイーニアが慌てだした。>
……そのままその石を下に置いて。余計なことはしないで。
キミ、何をやらかしたにゃ……?
<君はわけもわからず、言われるがまま、魔道石と呼ばれた宝石を下へと――>
グレェェート!
ザッパァァァーッ!!
<とてつもない衝撃を受けて、魔道石を下へと叩きつけてしまった。>
緊急退避!
story
<一方その頃、リルムとソフィは、アトラクション内のレストランにいた。>
<何をしているかというと、普通にご飯を食べていた。>
あー……美味しい……。
美味しいねえ。
<皿うどんを食っていた。>
<これも東の国から取り寄せたよくわからない麺だとか、そういう感じのあれをあれした食べ物である。>
皿うどん。意外にやる。
<ソフィのリムジンほうきには、大きな赤いリボンが巻きつけられていた。>
<生前、アリエッタが好んで身につけていたものだった。>
ソフィたち、どうしてまたご飯食べてるの?
そこにご飯があるから?
そっかー……そうだよね。
そうそう。それそれ。
そろそろ本格的に探さないと、また怒られるぞ。
でもリボン見つけたし。
アリエッタちゃんのリボン……。
<赤く大きなリボンが見えたら、地下に逃げ込むようにというのは、世界共通のアリエッタ対策であった。>
<デカいリボンの化物に襲われたから助けてくれ、と魔道士協会に魔物が逃げ込んできたこともあった。>
魔物どもからしてみれば、脅威は去ったわけだ。
そう、だね……。
<ソフィは少し寂しそうにつぶやく。>
さて、と。
<おもむろにリルムが立ち上がる。>
リルムちゃん、どこ行くの?
あの世かな!
あの世かな!ではない。ちょっとそこまで、の気分で行けるものか。
だいたいあの世に行ってどうするのだ、小娘。あのとき我と小娘は追い返されたのだぞ。
杖のひとはここにいて。帰ってくるときあれだし。
よもやあの怪獣娘を連れて帰ろうなどと、考えているのではないだろうな?
そのとおり。杖のひと鋭い。
アホ以外ならわかるわ、その程度。
<リルムにしてみれば、行ったことがあろうとなかろうと、だいたいの場所が勝手知ったるなんとやらである。>
<幸い1度死んだことがあるためか、リルムはワンチャンあるような気がしていた。>
ダメだよ、リルムちゃん。帰ってこられなかったらどうするの?
なんとかするー。
行き当たりばったりな……。
アリエッタを連れて帰ってくればいいんでしょ?そんなのよゆーよゆー。
杖の人、よろしくー。
頭がおかしい。
リルムちゃんまでいなくなるなんて、ソフィ嫌だよ……。
だいじょうぶ!絶対帰ってくるし!
<根拠はなかったが、エターナル・ロアは小娘なら帰ってくるだろうなあと思っていた。>
<ちょっとそこまでのテンションで行って帰ってくるだろうなぁと思っていた。>
わかった。小娘とはなんだかんだの付き合いだ。帰りは我に任せておけ。
ロアちゃん……!
じゃあ、ちょっと行ってくるー。
<こうして、リルムは死んだ。>
<2度目の死だった。>
story
<エリスたちが、シャルムタウンヘと辿り着く少し前。>
<ふたりはロアコースターというアトラクションにいた。>
ヴォルフラムという魔道士は、ビジェックやアルガムナドとは違い、警戒心が強く表に出ようとしない男だった。
魔道士たちの統制も、今よりとれていない時代でな。
ヴォルフラムは、本人の能力もさることながら、人を扇動することに長けていた。
あの魔道士は魔法研究にも余念のない男だった。今は禁術とされる魔法を数多く編み出し、仲間たちへ広く普及させた。
ですが先生は、ビジェックやアルガムナド同様にその魔道士も倒したんですよね?
そう言えればよかったが……。
<イーニアは目を伏せた。>
残念だが、やつの最期を知る者はいない。
私たちはやつを追い詰めていったが、まんまと逃げられてしまった。
そこから何年と警戒していたが、その後、ヴォルフラムが姿を見せることはなかった。
<そしてヴォルフラムが編み出した魔法は、いつしか禁術とされ、人々の目に触れられることもなくなった。>
<だがヴォルフラムも、ヴォルフラムの魔法書も、当時の魔道士は見つけられなかった。>
……ソフィが建国したこの土地は、最後にヴォルフラムが確認された場所と言われています。
だからこのあたり一帯は、人々が立ち入ることのない不毛の地と呼ばれていました。
<ソフィの有り余る金と商才と、名門ロロット家、そして魔道士協会のバックアップを得て建国に至った。>
<当初、一介の魔道士風情がとの声もあったが、不毛の地を立て直そうとするソフィに対し、世間の後押しが大きく作用した。>
魔道士協会がソフィの建国に力添えしたことは、表沙汰にはなっていませんが、だいぶ無理をしてしまいました。
お前は堅実な魔道士だと思っていたが、なかなか大胆な策に出たなと思ったよ。
お恥ずかしい限りです。
<ここを押さえておけば、何かあったときにすぐ対応できる。>
<魔道士協会にはそういう思惑があった。>
さて、そろそろ次に行こうか。
このあたりには何もありませんでしたね。
空の箱が置いてあったということは、恐らく誰かが通ったあとだろう。
しかし、魔力で稼働するアトラクションか。
そういう娯楽施設は少なくありませんが、死後も魔力は残るものなのでしょうか?
ふむ……。
<魔力はその人間が持つ、一種の生命力のようなものだ。>
<ひとりひとりその総量は決まっていて、死ねばもちろんその人とともに消えていく。>
死後も残る魔法、魔力も、あるにはあると思いますが……。
これほどの規模のものを動かし続けることができるというのは……。
規格外だが、そもそもあの子自体が規格外だったのだから……。
アリエッタがあるといえばあるし、正しいといえば正しい。そういうことだ。
惜しい才能だった。天才たちはいつも、私より先に進み、そして先に逝ってしまう。
うっ……アリエッタ……。
……またか。
<しまった、とイーニアは思った。
できればメンタルが安定しているうちに先へ先へと行きたいところだったが、余計なことを口走ってしまった。
エリスは非常に優秀な魔道士だ。
若輩ながら魔道士協会を仕切り、何より魔道士たちへの抑止力となる封印の魔法を扱うことができる。
レナはかって、エリスの魔法を反則だなんだと騒いでいた。>
良くも悪くも廃れた魔法だからな……。
<世界広しといえども、封印は既にシャルム家に伝わるのみ。>
<何よりエリスが飼いならしている魔物は、アリエッタや、かの魔杖ですら対策を講じることができないものだ。>
<でも今日はダメだった。ポンコツだった。>
うぐ……ずず……うぅ……
<アリエッタの保護者をやっていた者が今日はすっかり保護される側になっている。>
まあ、いいか……どうせ黒猫の魔法使いとレナがなんとかやってくれるだろう……。
おいエリス。とりあえずシャルムタウンとかいうところに行こう。
泣いていてもいいが、とりあえず歩いてくれ。
……は、はいぃ……。