【黒ウィズ】アルティメットハロウィンガールズ Story5
story
世の中、金。
すべてのことは、金で解決できる。
あれでしょ。金がないから、心が狭いんでしょ。
でもソフィ、金だけは無限にあるから、とっても寛容だよ。
これ何にゃ!?
困ったときも金。楽しいときも金。金があれば魔法だって買えるし。
<ソフィ……いや、ソフィなのか……?>
<君は疑心暗鬼になっていた。>
<眼の前にいるソフィらしきものを警戒しながら声をかけてみる。>
成り上がりすぎてすまん。
ソフィだけ悪意ありすぎにゃ!
ちょっとだけ遊んでみた。
<怪しげな液体や器具がそこらじゅうにある。>
<なにかの実験室だろうか。だとしたら触れるのは危険だろう。>
ソフィなー、ソフィはなー。いい子すぎるからなー。もっと悪の面を打ち出していい。
<まかり間違ってもソフィはそんな子ではない。>
ここに来たということは、金目当てでしょ?
ソフィ、金は無限にあるから、分けてあげてもいいよ。
もらっておけばいいにゃ。
世の中、お金だよ、黒猫の魔法使いさん。
<そしてどういうわけか、この子だけ知能が高すぎる。>
<ぬああああとか死ねえいとかしか言わなかったリルム風が懐かしい。>
だんだんお金ほしくなってきたでしょ。
<いや、そんなことは……と言って、君はソフィの横を通り過ぎることにした。>
通さない!
<隙あらば逃げようと思ったが、あっさり道を塞がれてしまった。>
ソフィ以上の財力を見せつけるか、ぶん殴るしかないよ、黒猫のひと。
<前者は無理だとして、後者は暴力的すぎる。>
<振り返ってみても、今回は本当に暴力的解決しかしていない。>
力とは!お金か!暴力のことを言う!
<もういいから静かにして、とアリエッタに伝え、諦めて力ードを取り出した。>
なにその力ード。ソフィはじめて見たよ。1枚いくら?
買おうとしちゃダメにゃ!ソフィはそんな子じゃないにゃ!
見たことないものってほしくなるでしょ。ソフィは基本的に何でも買えるから。
すごいにゃ……とんでもないクズにゃ……。
<もう行こう……と君は言う。>
あ、ちょっと!どこ行くの!?
story
歩くなんて非効率的だよ。リムジンほうきに乗ればいいのに。
乗せてくださいって言えば、乗せてあげてもいいのになー。
悪ソフィは、金がいちばん。経済の力が世界を回すことを知ってる。
<そういう話は別の誰かにしてもらいたい。>
<君は特に危害を加えてこないソフィを無視しながら先へ先へと進んでいく。>
ねえ、どこに向かってるの?そっちには何もないよ?
そして平気で嘘をつく。
<ソフィに何の恨みが……。>
ソフィのダーティなところを見たくて。
<ちょっとハードすぎやしないだろうか。>
あ、見つけたわ。
魔法使いさん!
<みんな君のあとを追ってきたらしい。>
あれ、ソフィちゃん。
えっ!?あれソフィなの?
<金色のソフィを見て、本物のソフィが驚く。>
ソフィ、お金だけは好き。
いやな子ね……。
お金は裏切らない。
うわ……引く……。
ソフィ、こんなこと言わないよ!?
ソフィちゃんの本音か……。
本音でも思ってないよ!
ベッドには紙幣を敷き詰めてる。
敷き詰めてない……。
<ソフィが潤んだ瞳で君を見上げる。>
これ、どうすればいいわけ?
<君はアリエッタに言われたとおり、金か暴力でしか解決できないと伝えた。>
世も末ね。
なんでもいい。さっさと片づけて進むぞ。
まあまあ、これあげますから。
ちょっ――
<エリスが受け取ったのは金の延べ棒だった。>
……え、これ本物じゃない。
名刺代わり。
とんだ大物が控えてたな……。
<みんなに1本ずつ延べ棒を配っていくソフィ。>
<君はちょっと焦げたローブのポケットにそれをしまいこんでおく。>
お金を受け取ったら、もうソフィと戦えないでしょ?
戦えるけど。
お金もらったのに?
相手と戦うことと、これは別物。
まじで?
まじで。
こんなものもらってどうするんだ。
というよりこれ、アリエッタの所有物ですよね。
はぁ……どのみち回収対象か……。
もらっちゃだめなのか……もうお小遣いないからなあ。
そんなに使っちゃったの?
ちょっとここで食べすぎた。
リルムちゃん……。
それで、ぶっ飛ばしていいの?
ええ。ほどほどにね。
よっし、ホントこのアトラクション最高ね!ね、魔法使いさん?
<そうだね……と疲労困懲ながら返答する。>
じゃあ、魔法使いさんはそっちから攻めて。私は足止めしておくから。
<まだ戦わされるんだね、と言いながら、君は渋々構えることにした。>
<こんなところで足止めされていては、コトだ。>
さあ、行くよ!!
おーい……我はここだぞー……。
はぁ……我、このまま黒く染められるのかな。
どうしようかなー……突き刺さったままだと無力なんだよなー、我。
無力というほどでもないな。うむ。我は魔杖エターナル・ロア!神秘なる叡智と偉大なる力を授ける者!
……なんだけどなぁ。完全に孤立したなぁ。
ヴォルフラムの魔道石か……この黒くてどろりとした影が……。
我もかつて聞いたことがある。全てを死に至らしめる魔法だと。……我もここまでかもしれない。
いや、だが、影ってドロッとしているか……?
…………。
海苔の佃煮だ、これ。
向こうのほうに魔法レシピを埋めてるよ。
<向こうのほうに魔法レシピがある気がすると君はみんなに伝える。>
レシピって……あなた料理じゃないんだから……。
<アリエッタの言葉をそのまま伝えたら、妙に呆れられてしまった。>
そんなものがあったとして、魔道石を食い止めるのに役立つのかしら。
レシピかー、皿うどんの作り方聞いておけばよかったかなー。
解呪でもいいんだが、適性のあるメンツではないからな。
この防壁をどうにかしてもらえれば、私が封印してしまいますが……。
あー、やっぱり気持ちいいなあ。このアトラクション相手に無限に遊べる。
爆発バカめ。今度私自ら仕置してやる。
残念。先生とも戦いたいけど、先約があるんだ。
<おかまいなく、と告げて君は歩き出す。>
杖のひと大丈夫かなー。
ロアちゃんならたぶん大丈夫だよ。
それもそっか。
リルムは杖の扱いが雑すぎるにゃ。きっとエターナル・ロアも泣いてるにゃ。
杖が泣くわけないじゃん。
……いや、まあ、そうだけどにゃ。
魔法のレシピってこの箱のこと?
<リルムが地面に置かれていた箱を持ち上げた。>
開けてみてくれ。
はーい。
<箱から出てきたのは、紙束だった。
それを受け取ったエリスが、訝しげに目を細めながら字を追う。>
……ああ、もう……字が汚い。
メリイのやつがいれば、魔法の解読をしてくれるのだが。
<ミツボシはそんなことができるのか、と君は少し意外に思う。>
<穏やかな性格だったし、ただイーニアやエリスのサポートをしているものだとばかり。>
当代一の魔法知識を持つ魔道士だ。過去から現在に至るまでほとんどすべての魔法を知っている。
残念ながら今はレプスという魔道士と、遠征していてな。今日は来られなかった。
ええっと……湿気た海苔を千切って……小さめの鍋に入れる……ふむ……。
醤油にみりんにだしを加えて弱火で……数分煮て水分が飛ぶまで加熱……なるほど……。
何を言っているんだ、エリス。私たちはあれを抑える魔法を……。
取り出したあとに、再度味付けと、美味しくなぁれ美味しくなぁれと魔法の言葉を――
海苔の佃煮の作り方じゃないなによこれ!!
<エリスが紙束を君の顔面に叩きつけた。>
ぶふーっ!!
<とてつもなく屈辱的なダメージである。>
ああ、少しでも期待した私が馬鹿だったわ。もうここから出て、アトラクション全部封印してしまいたい……。
それは最後の手段だ。
ヴォルフラムの魔道石が見つかった以上、そのほかのものもあるかもしれないからな。
封印で全てを押さえ込むよりも、別に回収しておかなければ……。
<神妙な顔をするイーニアを見ながら、まだ行っていない場所はどこか、とレナに訊く。>
地図ではトワカントリーになってるかな。
アリエッタの名前があるだけでヤバさしか感じない。
黒猫のひと強いし、最悪盾になってくれそうだし大丈夫。
<それは本当に最悪だ。>
ヴォルフラムの魔法書まで見つかったら、4つの魔道士団体を呼ばなければな……。
あまり考えたくないですね……。
とりあえずソフィ、上からトワカントリーを見てもらえる?
わかりました。
<ソフィがホウキにまたがり空を飛ぶ。>
<それを見て、君たちもトワカントリーヘと向かうことにした。>