【黒ウィズ】アルティメットハロウィンガールズ Story4
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<――魔道石を下へと叩きつけてしまった。>
<その言葉につられて、君はウィズを抱えて走り出した。>
<魔道石を叩きつけたその瞬間、どろりと黒い影がシャルムタウンに広がり、やがて覆い尽くしてしまった。>
<ストラマーラグーンと書かれたアトラクションに逃げ込んではみたが、その影はゆっくりとこちらに伸びているようにも見える。>
やってくれたな、黒猫の魔法使い。
<自分のせいだろうか、と少し前を顧みる。>
<確かに魔道石を叩きつけたのは君自身だ。でもグレートザッパーられたせいでもある。>
<グレートザッパーのひとに擁護された。>
一種の魔法災害、マジックハザードだ。あれを止めるには、エリスの封印魔法を使いたいところだが……。
<大きな弧を描き、放られるエターナル・ロア。>
<遠投もお手の物だね、と君はリルムに言う。>
<エターナル・ロアが突き刺さった一帯、影が消え去っていた。>
何より咄嵯の判断力がいい。あの影を消すにはどのように力を使えばいいか、よくわかっている。
で、あれをどうやって取りに行くんだ?
<何か解決策はないの?と君はアリエッタに尋ねる。>
<すごいあった。>
<完全に解決してない。>
<何かよからぬものだったら最悪だが、放置してあの影が広がることを考えると、行くという選択肢以外ないようだ。
君はアリエッタの提案を皆に伝えることにした。>
<君はここをチャンスと踏み、アリエッタに教えてもらってると伝える。>
<師匠は味方ではなかった。>
<遠くにいるエターナル・ロアが、すすり泣いているように見えた。>
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ソルルスト・ラクトリティシア・ゾーンでは、ウォルヴィアラがメメスリスムルナしてきますがみんなのストラマーをあわせて頑張りましょう。
なるほど。全然わからん。
<リルムとイーニアが立てかけられた看板を見て、同様の感想を抱いていた。>
インフラがまだ整備されてないから、もう少し頑張らないと……。
<ソフィが国を作ったことには驚いた。>
<そっちは本当にやったらしい。
人は見かけによらないものだ、と君は思った。>
<イーニアが頭をおさえて、大きなため息をついた。>
<こつ、とくるぶしあたりに小さな衝撃が走った。>
<君は隣を見た。>
<エリスと目が合う。>
<蹴った?と訊いてみる。>
<それもそうか、とリルムを見て、それでさっきの話だけど、と切り出した。>
そうしたら、そこにいたのは小さいおじさんで、でもその時点ではアリエッタの可能性も捨てきれなかったから――
<こつ、とくるぶしあたりに小さな衝撃が走った。>
<君は隣を見た。>
<エリスと目が合う。>
<蹴ったよね?と訊いてみる。>
それか?エリス、それなのか?
<しかし確かに特に意味もなく、蹴ってくるような子ではない。いや、意味があっても蹴ってこないが……。>
<君は不思議に思い、下を見た。>
<何かが足にへばりついていた。>
<君は驚愕のあまり、変な声を上げた。>
<足に!足に!と君は足元を指差す。>
<リルムが君の足元のイーニア風の何かを引き剥がした。>
<小さなイーニアは今までの面々と違い話しかけてくることはなかった。
ただいつもの気怠げな表情で、君を見上げているだけ……。>
私はそこそこ身長もあるし、こんな馬鹿な顔じゃない。
<だいぶ雑な方法だ。>
<イーニア風の小さな何かは、君に近づき手を伸ばしてきた。>
<太もものあたりをギュッと掴まれ――痛い!すごく痛い!?>
<信じられないほどの握力で肉を押しつぶされ、君は悶絶した。>
<助けて!と周囲の人に向かって叫ぶ。>
<あああぁぁぁ……ともはや叫ぶこともままならない激痛に君は悶えた。とにかく悶えた。>
<死んじゃう。太ももらへんが死んじゃう。>
まあ、私のはちょっとだけ荒いけど。ははは!
<指先に煙を煉らせながら、レナが高らかに笑う。>
<もうなんでもいいから助けて……と君は泣きながら言う。>
***
<ローブが燃える。>
<慌てて振り払った。>
<ようやく痛みがなくなったと思いきや、今度は魔法少女たちが攻め込んでくる。>
<レナが炎を巻き起こしたせいで、周囲が見づらくて仕方がない。>
<ひとつ、ふたつ、と攻撃を魔法で捌く。>
常に視界にふたりを収めて動いている。多人数との戦いに慣れているな。
<喋らないだけで、視界の半分ぐらいを塞いでいるのがいるから、ふたりではなく3人。>
<邪魔なんだけど、と言ってみるが、アリエッタは特に反応する素振りを見せない。>
<ここはこれ以上相手にせず、さっさと逃げるのがよさそうだ。>
あなた、何か悪いものが取り憑いて――
<君はエリスの言葉を待たずにとにかく逃げることにした。>
魔道士協会が保有している開発途中の都市がね、一切合切消えたのよ。意味わかる?
人がいなかったことが不幸中の幸いかしら。魔法研究都市がなくなるなんてね。
<エリスはレナを杖で小突いた。>
<ソフィが思い出したように声を上げる。>
さっき皿うどんを食べてて、底にアタリって書いてたからもう1皿食べられるんだ!
あの世に行ってきたんだけど、骨の人に久しぶりに会って……。
<リルムは死んだ。>
<でも生き返った。>
<小さなおじさんに会い、骨の犬を連れたふたりの女性にも会い、変な喋り方をする男の人にも会い……。>
<小旅行気分で行って追い返されたのだが、そこで得たのは確かなものだった。>
アリエッタは来てないってさ。