【黒ウィズ】アルティメットハロウィンガールズ Story1
story1
<アリエッタが私財を使って築いたアトラクションは、それはもうとてつもないことになっていた。>
<遊園地というものは、どうやら相当広いものらしい。>
それで?要するにアリエッタのものを見つければいいの?
そういうことにゃ。
いいね!面白そうじゃん!
アリエッタの財宝かー、あの子あれで結構貯め込んでそうだしね。
<……君は我が目を疑った。>
レナは、悲しくないのかにゃ?
悲しんでもいられないでしょ。アリエッタが遺したものを保護するのも私たちの役目なんだし。
泣くなんて、あとでできるし。あの子のことを思うなら、ちゃんとやることやらないと。
<君は目をこすって、大きく息を吐いた。>
どうかしたのかにゃ?
<アリエッタが……と君は口にした。>
<君の視界を返るようにうろつくアリエッタ。>
<だが、ウィズやレナは、そんなアリエッタを気にした素振りがない。>
どうしたの?魔法使いさん。
きっとまだ受け止めきれてないにゃ。私の弟子は、ちょっとナイーブにゃ。
そっか。繊細なんだね、魔法使いさん。
<いや、でも……と君は指差すが、レナに肩を叩かれ、次の言葉が出てこなかった。>
しょうがないな、魔法使いさんは。
優しくしてあげてほしいにゃ。
左に宝が埋まってるよ。
<めちゃめちゃ話しかけられた。>
さて、と。どこから行こっか。先生とかは?どっち行ったの?
わからないにゃ。手分けして探す、とだけ残していなくなったにゃ。
リルムとかさ、絶対探さないと思うんだよね。
右に大きな落とし穴があるよ。
<君はこの状況をどうにかレナに伝えようとした。>
魔法使いさん、辛いのはわかるよ。でも、これもアリエッタのためだから。ね?
<だがどうしても、言葉という壁が立ちはだかる。
うっすらとしたアリエッタがいると言って、通じるとは到底思えなかった。>
とりあえず1回穴に落ちてみて?二度とこの大地に戻れないぐらい深いよ。
広すぎるし、しらみつぶしに探すしかないか。
じゃあ、右から行ってみよっか。
<それは絶対にやめよう、と君は言う。>
……左がいいの?なに?験担ぎ的な?
<君は曖昧に微笑んだ。>
ちっ。
<アリエッタの舌打ちは聞こえないふりをした。>
私はどっちでもいいけど。どうせ全部吹き飛ばすし。
<それにしてもこのアリエッタ、いったいどうして自分にしか見えないのか、君は不思議に思った。>
<いや、もしかすると精神的に参っていて、見えないものが――吹き飛ばす!?>
<君は驚いてレナを見た。>
アリエッタが作った場所でしょ?そっちのほうが絶対安全だって。
そう言ってレナは歩き出した。
この先に死よりも恐ろしいものが待ち受けるとも知らずに……。
<死んでるのはアリエッタでしょ、と君は言った。>
<思わず突っ込んでしまったが、しょうがなく君はレナについていくことにした。>
story2
直撃ィッ!
<レナが、魔物を吹き飛ばした。>
<エターナル・ロアらしきオブジェももはや見る影もないほどだ。>
めちゃくちゃにゃ。
<君は頷く。>
<このレナという子、実のところかなりやばいのではないだろうか?>
<君はそんな疑問を抱く。>
<はちゃめちゃな魔法少女たちの中では、比較的無茶をしないタイプだと思っていたが……。>
かなり無茶苦茶にゃ。
とりあえず吹き飛ばせばいいと思ってるタイプ。
<アリエッタと一緒だね、と君は言う。>
失敬な!
燃やしてもいいものがたくさんあっていい。テンション上がっちゃうね。
爆発して怒られないなら、ここに住みたいぐらい。
狂気の沙汰にゃ。
やつはパワー系。
<アリエッタと一緒だね、と君は言う。>
失敬な!
破壊衝動しかないんだよね、最近。
<耳を疑うような言葉が聞こえてきたが、ひとまず無視することにした。>
<確かに破壊力だけなら、ほかの魔法少女たちよりも頭一つ抜けている。>
<いつぞやイーニア先生がレナは攻撃特化の大魔道士と言っていた。>
あの子たちの影に隠れて、めちゃくちゃやばいのがまだいたにゃ。
<常識的なところがあると信じていたのに……。>
<君はそんなことを思いながら、アリエッタを見た。>
ふふ。しかしレナといえど、越えられない壁があるのだ。
<なんか言っていた。>
<これは怨霊的なものに取り憑かれるとかいうアレだろうか?>
<君は少し不安になっていた。>
さて、と。このあたり何もなさそうだけど、どうする?
あるよ~、宝あるよ~。
<この際、取り憑くのはいいけど耳元で囁くのはやめてほしい。>
<君はそれを伝えようとしたが、またレナに変な人だと思われるのも嫌なので、やめておくことにした。>
ほれ、行け、ほれ。
<もうほんと嫌だ……そんな気持ちのまま、君はレナにこの先に宝があることを告げる。>
どうしてわかるの?そういうタイプ?
<そういうタイプです、と言って頷く。>
そっち系かー。ははは。
<変な笑いとともにレナに肩を叩かれる。>
まあ、魔法使いさんが言うなら、進んでみよっか。
魔法使いさんってほら、あれでしょ?運が悪いほうでしょ?
悪いもの呼び寄せそうじゃない?アリエッタの霊とか取り憑きそうな顔してるし。
<君は朗らかに笑っておいた。もう取り憑かれていた。>
そうすれば楽しいこと起きそうじゃない?
キミ、言い返すにゃ。
<君は何も言わず頷いた。もはや諦めの境地である。>
……と、何か来た。
<レナが指差したほうから、何かがものすごい勢いで突っ込んできた。>
ぬあああああ。
あれ、何にゃ?
クオリティひっく。
<リルム……らしき何かだった。>
<リルムらしき何かは、君たちの前で止まり、特に何かを言うこともなく見上げている。>
…………。
<そして殴られた。脛を中心に杖っぽいもので殴られた。>
なに悶えてるの?
<殴られた……と言ってみるものの、レナは訝しげだ。>
アトラクションのキャストでしょ?アリエッタの魔力で出来てるのかな。どのみち殴るなんてこと……。
あ、あっちに大きな釜みたいなの見える。
<レナはリルム風の何かから目を逸らした。>
…………。
<その隙に殴られた。脛を中心に杖っぽいもので殴られた。>
ふひ。
<痛みのあまり、とっさにカードを取り出した。>
キミ、何してるにゃ。
黒猫のひと殴られてるんですけどー!
<この際殴ってくるのはいいけど、見るからに人の弱点をつくのはやめてほしい。>
ぬあああああ。
<カードを取り出したことに反応したのか、リルム風の何かが杖を振りかぶった。
リルム風……とはいえ、リルムとエターナル・ロアの危険性を知っている君は、思わず身構えた。>
え、なに。なんて殴られそうになってるの?
死ねえい。
いや、リルムはそんなこと言わないでしょ。
***