【白猫】シエラ(茶熊)・思い出
シエラ・スキルニルグ cv. 茶熊学園に入学した農家の少女。 自分をさらけ出せる友達ができた。 |
2020/01/01
メインストーリー
思い出1
やっほー、みんな。
シエラと保護者のフレイヤだわ。
保護者って……まあ間違いじゃないけど……
シエラさん。改めて、茶熊学園入学おめでとうございます♪
ありがとう!立派な学校に通うことができてうれしいわ。
仲のいい友達もできたし、ホント、入学できてよかった。
でも、フレイヤさんは一緒ではないんですよね?
保護者がいても仕方ないですし、人間の多い所には出来るだけ行きたくないですから。
人間嫌いは相変わらずね。でも、ついていかなくて正解だったと思うわ。
シエラは、私が恋しくて夜な夜な泣いているそうですが。
それどこ情報!?泣いてはないわよ、泣いては!
部活は、テニス部でしたよね。
そうそう、孤独のテニス部。誰もいない部活によく入ったわね。
ねー。
ねー、じゃないわよ。部員はちゃんと集まったの?
兼部でよければって人なら、何人か集まったわ。後は、友達がたまに練習に付き合ってくれるし。
友達?
ソアラとエレノアとトワ。四人だとダブルスも出来て大助かりなの。
……ソアラは、試合中によく寝ちゃうけど……
ま、エンジョイしてるみたいでよかったわ。……ところで、ずっと思ってたこといっていい?
アンタのその格好、新鮮ね。
おしゃれよね、この制服!私も気に入ってるの。
制服姿もそうだけどさ、ピチピチじゃないから。
へっ?
アンタ、大体いつもピチピチのアレ着てたから。
……そうね。大体いつも、ピチピチのアレだったわね……
ピチピチのアレとは何ですか。一角竜の魔力を繊維とし、丹念に織り込んだ高等な戦闘用の衣なのですよ。
一角竜の中でも、私にしかないであろう技術です。もっと敬いなさい。
敬ってるけどさ。この際だから告白していい?あれ着るの、けっこう恥ずかしいのよ。
そりゃもう、ピチピチだから。
機能性や機動性を重視しているからピチピチなのです。
アンタもピチピチいってんじゃない。
ゆったりした服で戦ってみなさい。あなたなどすぐにやられてしまいますよ。
……もう結構です。わかりました。次からはゆとりのある機能性の低い衣を作ればいいのでしょう。
あ、いや、そういうわけでは……
そして結局ミスを犯し、私が助けることになるのです。みっともない声を上げて謝罪するあなたの顔が目に浮かぶようですよ。
わ、わかった、私が悪かったわ!わがままいってごめんなさい!
もう知りません。私はあなたを思って懸命に織っていたのに……
ひー、ごめんごめんごめーん!機嫌直して!
<スキルニシキ>を持ってくれば、直しましょう。
今すぐ持ってくる!
扱いやすい子ですね。
アンタってそんなに腹黒かったっけ?
思い出2
背中にダーイブ!とうっ!
フレイヤの背中さん、お久しぶりー……
行儀が悪いですよ、シエラ。なんですかその寝そべり方は。
フレイヤの背中に溶けちゃうポーズ。どろどろどろ~。
今日はずっと一緒にいようね、フレイヤ。
何をしましょうか。
近くの島でサクランポ狩りができる所を見つけたの。狩りに行きましょ。
狩りましょう。来年から実が成らなくなる程に。
それはやりすぎー♪
……シエラってホント、フレイヤには甘えんぼさんよね。
キャトラたちもい緒にいこ!ねー、いいでしょ?はい、決まりー!
……アタシたちにもか。
…………
急に冷静になったわ?
私って、人付き合いがへ夕なのかな?
え……?
学校に通うようになって思ったの。ううん、気づいたというべきかな。
いくら仲良くなっても、友達に対して、どこか遠慮してるの、私。……ちゃんとしなきゃ、って思っちゃう。
線を引かないとダメだ、って。
要領を得ないわね。けど、何となくわかったわ。
親友ができた、って思ってた。けど、本当はまだ……
みんなやフレイヤと一緒にいる時とは、やっぱりまだ違うなって。
…………
みんなから見て、私はどんな風に見える?
……まず。アンタは、かなり社交的なほうよ。それは自信を持っていいわ。
けど確かに、一定の距離感を保ってるきらいはあるわね。
…………
無意識に警戒するんでしょうね。そういう場合、仲良くなっても、ふつうの友だちで無意識に警戒するんでしょうね。そういう場合、仲良くなっても、ふつうの友だちで終わることが多いわ。
一生付き合っていくほどの存在にはならないわね。
……どうすればいいのかな?
自分で踏み出すしかないと思う。アドバイスはできるけど、最後は結局、アンタの心の問題になってくるんだから。
そう、よね……わかった。私なりに、頑張ってみる。
思い出3
――昼休み――
エレノアさんのおべんトゥーはいつもウマそっすなー。
ソアラさんのおべんトゥーも素敵ですよ。
オスクロルさん謹製なんですな、これが。
では、今日もおかずの交換をいたしますか?
いいですね!
<もくもくと弁当を食べながら、シエラは考えていた。>
(さっそくチャンスがきたわね。ランチタイムのゆるい空気……もってこいたわ)
シエラさんには、サトイモの煮っ転がしを差し上げましょう。
(そう、フレイヤと話す時と同じよ。なんか……こう……
えっと、なんかこう……アレよ。いやいやアレってなんなのよ!言葉が出てこないわ。
待って、落ち着いて。思い出すの。簡単なことじゃない)
……シエラさん?
(そうよ、こう、普通の会話をね…………普通ってなんだっけ?
えっと、えっと……!……ああ、みんなが見てる!ええっと、例えばこの前は……!)
背中にダイブ!サクランボを狩りにトゥッ!
……はい?
……はれ?私いま、なんていった?
背中にダイブ!サクランボを狩りにトゥッ!トゥトゥトゥトゥトゥーッ!
(やらかした!恥ずかしい!顔が熱い!恥ずかしい!みんなが見てる!恥ずかしい!)
シエラさん、どうしたんですか?……シエラさん?
(な……なんか言わなきゃ!なんか言わなきゃ~!)
トワ。エレノアの煮っ転がしありがとう。とってもおいしいワ!
<てんてこ舞いになるシエラ。その様子を――
みんながこっそり見ていた。>
ぶきっちょねえ、あの子。ものすごいパニックになってるわよ。
……あの子が心の壁を作ってしまうのは、幼い頃から私が側にいたからです。
フレイヤさん?
私と両親にしか甘えられなかった。そのような環境で、あの子は育ったのです。
仲間への甘え方がわからないのも、無理はありません。
思い出4
<その日の放課後、テニスコートにて――>
……というわけで、第一歩は全然うまくいかなかった。
うん、よーくわかるわ。
意識すればするほど、わけがわかんなくなっちゃうのよ。はあ……難しいわ。
どうすればいいんだろ。……っていうか私、絶対変な人って思われたわよね。
みんなポカンとしてたし。……ああ、思い出したら、また恥ずかしくなってきた。
ウジウジ考えてたって仕方ないわ。気分転換に試合でもなさいよ。
……そうね。主人公、相手してもらえる?
…………
……
ダウンザライン!
やった!うまくカウンターが決まった~♪
(……あ)
やあっ!
!
いえーい!
……ねえ、シエラ。テニスプレーヤーの中には、点を取った時に威勢よく声をあげるひともいるのよ。
……たとえば?
ポーーーーーーーーーゥッ!
そうやって自分を鼓舞して、メンタルをコントロールしてるの。試してみなさい。
ポーーーーーーーーーゥッ!
いまじゃないわよ!
ポーーーーーーーーーゥッ!……あは、あはははは!これ、楽しい!
もっかい、ポーーーーーーーーー……!
……ぅ。
思い出5
……シエラっさん。
あー……ええと、これは。なんというか、その……
ちがーう!
!
そこは取り繕う所じゃないでしょ!ポゥポゥ叫んでるのが、アンタの等身大の姿なんだから!
(それは違うと思うけど……)
そこは『ソアラもポーゥッ!』とかいうトコでしょうが!
ポゥポゥポポポーーーーゥッ!シエラっさん、ポーーーーーゥッ!
ぽ……うぅ……
もう!せっかくアシストしたのに!
……シエラさん、なにか悩みがあるんですか?
お昼休みの時から様子が変だったので、気になって……
や、やっぱり、変だって思われてた……
シエラっさんって意外とハッチャケ女子っすな。
ち、違うの!い、いや違わないの!……でもやっぱり違う!
ど、どっちなんですか?
なんでそこで素直になれないのよ!
……シエラ。
フレイヤ…………保護者は来ないんじゃなかったの?
今日は特別です。……あなたの様子を、ずっと見ていました。
シエラ。あなたがそうなってしまったのは、私にも責任があります。
……私が、側にいたからです。
そんなこと……
「ね、ねえみんな、今日は、わたしのおうちにあそびにきてよ。」
「えー……おまえんち、竜がいるからなー。あれ、なんとかならないの?」
「こわくてあそびにいけないよ。」
「ご、ごめんね。で、でも、わたし、みんなとサクランボを――」
「きっとオレたち、食べられちゃうぜー!ガブーッ!」
「いやー!こわーい!」
「…………」
「シエラって、いっつも竜と一緒だよな。」
「そっちのほうがあたし達と遊ぶより楽しいんでしょ。」
「だから友達少ねぇんだよな。あいつ。
……あっ!よ、よぉ、シエラ。」
「みんな、これ、おすそ分け!採れたてだから、早めに食べてね!」
「……聞いてた?」
「え?なにを?……さーて、戻ってもうひと仕事しなくっちゃ!みんな、また明日ね!」
私があなたに、心の壁を作らせていたのです。先祖が偉大な戦士だったと知ってからは、尚更だったでしょう。
スキルニルグの名に恥じない、強い人間にならねばならないと。
そんな……こと……
そろそろ、普通になってもいいのですよ。
私の存在ごと、あなたを認めてくれる人間がいるのなら……
あなたは、普通の娘になっていい。いえ……なってほしいと、私は思っています。
わ、私は……
思い出6
……うぅ……
さあ、勇気を出しなさい。
み、みんな……わ、私……あの、話が、あるの。聞いてほしい……
……はい。
わ、私の名前は、シエラ・スキルニルグです……あ、知ってるか……
実は、食べることが大好きです……たくさん、食べちゃう……
い、いままで言えなかったけど、みんなと、買い食いするのが、憧れだったりします……
しまくってやりましょや。
実は、お風呂で泳ぐのが好きです……いくら怒られても、やめられません……
……では、今度一緒に泳ぎましょう!
実は、勉強がニガテなの……頭、すっごい悪いの……っ!ずっと、言えなくて……
だ、だから……教えてくれると、うれしいです……
はい、よろこんで。
じ、実は、ダメなところ、もっとたくさんあるの……私、ホントは、ダメダメなの……
で、でも……そんな私でよければ……これからも、仲良くしてほしいです。
…………
……
……ですから、術式は以下のようになります。
なるほど。完璧に理解したわ。
では、次の練習問題を解いてみましょうか。
ごめんなさいウソつきました。
ウソはよくありませんなー。まああたしもわかんねっすけど。
あー、難しい!なんかもう、ひとっ風呂浴びたくなってきたわね。
今度の休みを追試で潰してもいいのですか?温泉旅行が台なしですよ?
ト、トワ、ちょっと怖いわよ?
シエラさん、これが終わったらドーナッツタイムですよ!
……がんばる!
楽しそうにしちゃってまあ。
……学校に行って、正解でしたね。そうは思いませんか。
……ええ、そうですね。
アンタってさ、ホントに丸くなったわよね。アタシ、ちょっと感動しちゃったわよ。
私は、ただ……我が子の幸せを、願っているだけです。
……解けた!どう……?
……正解です!
ポーーーーーーーーーゥッ!
テニスじゃないんですから!
あはははは!
覚醒絵・覚醒画像
シエラ・スキルニルグ
その他