【白猫】シエラ(王冠)・思い出
シエラ・スキルニルグ cv.雨宮天 |
メインストーリー
思い出1
<<キングス・クラウン>の戴冠式が終わり、しばしの時が流れたころ。>
<新たな力を手に入れたシエラが、飛行島へとやってきた。>
やっほー、みんな。
おいーっす!
あら、元気いっぱいな組み合わせね!
元気いっぱいなどではありません。
あら、そうだった?
でもちょっとだけ、嬉しそうな気がしないでもないような。
……シエラにとって、意義のあることだったとは認めましょう。
あたしの時もしんどかったけど、シエラの試練もなかなかだったな。
いったいどんな試練だったのよ。
私の試練は、自分の運命に気づかせてくれるものだった……
……
…………
さてと、ここらへんで休憩しましょ。
いいでしょう。シエラ、サクランボを所望します。
はい、どうぞ。
ねぇ、次はどこに行こうかしら?
あなたの好きなところに。あでも、目的もなく歩いてもねえ……
目的がないのなら、知りなさい。
知ることで、見えてくるものもあるでしょう。
ならちょうどいい機会じゃね?
!
どもーっす。
……あなたは?
あたしはシャルロット。あんたがシエラ?
そうだけど、どうして私の名前を……
はい、これ。
わ!
ナイスキャッチ。
なにこれ、王冠?
消えなさい人間、と言いたいところですが、これはなんですか。
強い精霊の気配を感じますが……
精霊?
なんか精霊の力で作られた王冠だとさ。
試練を課すから、越えられたら、力をくれんだって。
王冠の説明はわかるんだけど……
なんであなたがそんな王冠をくれるの?
それな。
あたしだって、今日オフだし、そりゃメンドーなんだけど……
なんつーか、その王冠があんたを選んだ。
あたしは王冠に借りを返すために、あんたにこいつを渡しに来た。
そ、わかったわ。
わっと。
ナイスキャッチ。
せっかくだけど、遼慮しとくわ。
べつに力が欲しいわけじゃないし。ごめんなさいね。
行こ、フレイヤ!
いいのですか?
たぶんね。行きましょ!
あー、やっぱしそーゆー感じ?
人のこと言えないけどさ……
おーいシエラー、これだけ覚えとけよー!
あんたが背負ってるもんは、あんただけのもんだ!
よくわかんないけど、ありがとー!
<翼をひろげるフレイヤに乗り、シエラが飛び去っていく――>
とりあえず、がんばれよー。
思い出2
んー、気持ちのいい朝ね!
さて!さっそく収穫してさましょうか!
こんな朝早くから収穫ですか?
おはよ。サクランボは気温があがると、うるみが出ちゃうからね。
うるみ?
身が柔らかくなっちゃうこと。朝のうちだと、ほら。赤くて果肉にも張りがあるでしょ?
これを食せば、あの甘酸っぱい果汁がたっぷり溢れ出すのですね。
みずみずしくて、濃い甘さのね。それがスキルニシキですから。
……ひとつください。
ダーメ。収穫がー段落してからね。
……渋る必要はありません。あえー?
サクランボが無事に育つのは、私がここを護っているからです。
その恩恵にあずかる資格は、充分にあるはず。
たしかに、泥棒の被害はなくなったけど……
つまみ食い、最近多いからねえ……
それは特権です。迷う必要などありません。
……じゃあー個だけよ?
……
…………
ふぅ、終わったー。
出荷の準備もすませたし、ちょっと休憩!
私はベッドではありません。
わかってるけど、落ち着くんだもん。
まったく、あなたは……
フレイヤ、ありがとね。
あなたがこの村にいてくれて、毎日が楽しいわ。
…………
時々、怖くなるの。
…………?
毎日ずっとおんなじ、農家の生活よ。
あなたが飽さて、急にどこかへ行ってしまうんじゃないかって……
そんなことですか。
そんなことってなによ……
竜のー生は、あなたが思うよりも遥かに長いのです。
あなたが農家を続けているほうが、怪しいものですね。
なら安心して。自慢じゃないけど、ー歩も島を出たことないのよ。
確かに、自慢ではありませんね。
もう、フレイヤ?
……より美味しいサクランボを、つくってください。
サクランボがある限り、ここを離れるつもりはありません。
……ふふ。
もっと美味しいサクランボ、つくるね。
思い出3
シエラ、いるかい。
あら、どうしたの?
じゃがいもがたくさんとれたから、おすそわけだよ。
ありがとう!こんなにたくさん……いいの?
いいんだよ。いつもたくさんくれるじゃないか。
農家同士、助け合いだ。
ふふ、ありがと!
あ、ちょっと待ってて!ウチの人参も結構余ってるから……
シエラ、いますか?
あら、フレイヤ。いま向かいのおじちゃんからじゃがいもを……
ひ……
じろじろと――、目障りです。
ま、また来るよ。じゃ、じゃあね!
あ、待って――
もう、フレイヤ?もっと優しくしてあげてもいいんじゃない。
……人間は信用できません。
人間はすぐに嘘をつく。己の欲のために、同胞すら裏切る哀れな種族です。
すべての人間が、そんなじゃないわ。
ー角竜の角には、ひとつの国と同等以上の価値があります。
その価値を知れば、善意を繕った人間であっても……
この話は、するべきではなかったかもしれませんね。
待って、フレイヤ!――フレイヤ!
<シエラの声は届かず、フレイヤは飛び立つ――>
……フレイヤ。
<茫々たる世界で――暴虐が、目覚める――>
思い出4
フレイヤ!いたら返事をして!
ここにもいない。いったいどこに……
きゃっ……!なに!?いまの――!
西の空が、真っ赤に……
シエラ、無事ですか?
よかった!いなくなっちゃったんじゃないかと……
話は後です。この島を出ます。私の背に。
出るって……どうしたの、フレイヤ?W忌々しいバルテリオスの末裔よ、余が消し炭にしてくれる。
な、なに、こいつ……
邪神竜ファブ二ール。
F浮かぬ顔だな、ー角竜よ。わざわざ出向いてやったのだぞ――
なぜ生きているのです?
F封印が解けた。それだけのこと。
封印?どういうこと……?
F余と言葉を交わす気か?わきまえろ、下等種が!
――ひ……
シエラ!
ぐあああ!!
フレイヤ!!どうして――
――逃げ、なさい……
Fくくく、そうか。愚かな血はそのままか。
なにが――、なにがおかしいの!
F……なに?
っ――――
Fふん。その恐怖に免じて、傾聴することを許す。
そのー角竜の先祖は人間と手を組み、余を封印した。
頂点に立つべき竜の地位を捨て、愚かにも人間と手を結んだのだ。
――なに?それがどうしたのよ!
復活、したんでしょ?邪魔なんて誰もしないわ!
F当然だ。世の邪魔をできる者など存在しない。
ー角竜を除けばな……
ゆえに殺す――
いいでしょう。好きにしなさい。
何言ってるの!?そんなのダメ……ダメよ!
代わりにファブニール、この命と引き換えに――、この人間を、見逃しなさい。
思い出5
Fククク、ハハハハハ!!!
愚かな!余を笑い殺すつもりか!
人間の命を引き換えに死ぬ?
正気か、ー角竜よ。
少なくとも、あなたよりは。
ダメよ!フレイヤ!そんなの絶対にダメ!
F口を挟むな下等種。
いいだろう。滑稽な余興としては上出来だ。
やめて!お願い!フレイヤを殺さないで!
Fならば死ぬか?お前が。
!
いいのです。シエラ。これはバルテリオスに因縁を持つ者の宿命。
あなたは、ただの農家の娘。関係などないのですから。
Fそうだ。地べたを這いつくばって生きるがいい。
頭を垂れて消え失せろ。
シエラ。逃げなさい。
いや!やめて!そんなの、嫌よ!
逃げてください。
F消えろ。
……そんな、そんなの……
私、は……――!
<足元に、サクランボが転がっていた――>
…………
どうしてフレイヤは、私を助けてくれるの?関係ないんでしょ。
…………
私のために死ぬ必要なんてないわ!
ここで逃げることが、正しいの?
ここで逃げて、私は後悔しないの?
――ちがうでしょ。
そんなワケない。フレイヤを見殺しにして、後悔しない――
わけないじゃない!!
思い出6 (友情覚醒)
……これは?
それが、あなたの答えなのですか?
ええ。私は逃げない。
あなたとの絆から。
どんな風に出会ったって……
それが私たちの、運命だから!
私は自分の運命から、逃げない!
……ここは。
いったい、私は……
試練を乗り越えたんじゃね?
もしかして、王冠を受け取った瞬間から……
幻の世界を見ていたのでしょう。――得るものは、ありましたか?
……ええ。あったわ。
じゃ、よかったよかった。
――確かに、私が背負ってるものは、私だけのものね。
…………
……
という感じだったわ。
素敵ですね。
シエラさんとフレイヤさんの、絆の強さ。
……うん、ありがとう。
なんかムリヤリ渡して、悪かったな。
いいえ、ありがとう。……大切なことを学んだわ。
私、もっと考えてみたい。
私がフレイヤと出会った意味。
そしてこの力をもらった意味を――
学びなさい。すべて、糧となるでしょう。
……うん。
じゃあ、これからもシエラは冒険三昧ね!
ふふ。そうなるかもね。
またみんなのお世話になるけど、よろしくね。
運命の絆 シエラ・スキルニルグ
その他
KINGS CROWN2