【白猫】ヨシュア・思い出
魔竜合成少年 ヨシュア・ラーナー cv.田村睦心 合成実験により、その身に魔竜を宿した少年。 激しい感情を持つ一方、素はお調子者な面も。 |
Brave The LionⅡ
思い出1
みなさん、お久しぶりです!
あら、ヨシュアじゃない!よく来たわねぇ~。
こんにちは、ヨシュア君。今日は一人なのかな?
はい。実は、ダグラスさんに、ここに来るよう勧められまして。
ダグラスに? なんでまた?
えっと、その……今後のことを自分なりに考えようと思ったんです。
そうしたらダグラスさんが、『飛行島は自分と向き合うのにちょうどいい場所だ}って。
……ダグラス、ここを修行場かなにかと勘違いしてないかしら。
ふふ、歓迎するわ。一緒に冒険にいきましょう。
はい!戦いなら僕にまかせてください!
ほほう、えらく積極的ねぇ。
そのための力ですから!なんでも言ってください!
よし、それじゃあまずは……お風呂掃除ね!
……え?お風呂掃除ですか?
人が増えたせいか、すぐに汚れがついちゃうのよねぇ。
か、構いませんけど、なにも僕がやらなくても……
なに言ってんの!自分と向き合うんでしょ!?つまりこれは精神修行なのよ!
前に来た歴戦の女戦士も、お風呂の汚れと格闘することで自分を磨いてたんだから!
そ、そうだったんですか!むむむ……そういうことなら、全力でがんばります!
その意気やよし!では、いってらっしゃい!
はい、いってきます!うおおおお―――!!
いやぁ、素直な子っていいわねぇ。
キャトラったら……
思い出2
ミレイユ!こんなところでなにしてるんだ?
あ、お兄ちゃん、やっと見つけた。
あら、妹さんもご登場ね。
ミレイユちゃんは、ヨシュア君に会いに来たのかな?
はい。カティアさまから様子を見て来いと言われまして。兄がご迷惑をおかけしています。
ちょ、やめてくれよ。もう子供じゃないんだからさ。
そんな台詞が出るうちはまだ子供だと思うよ、お兄ちゃん。
うっ!
ところでお兄ちゃん、ちゃんとご飯食べてる?
当たり前だろ。
お野菜も?
……まあ、そこそこには。
育ち盛りだからってお肉ばかりじゃ将来ブヨブヨになっちゃうよ。
わ、わかってるって!
あ、お兄ちゃん、服にシワが。直してあげるね。
い、いいよ! 服なんて着れればいいんだって。
ダメだよ。身だしなみはちゃんとしろってカティアさまに言われてるでしよ?
それに……すんすん……ちょっと汗臭いよ?
あ、そういえば昨日、お風呂入ってなかったや……
はぁ~……今すぐ入ってきて。あたしも付き添ってあげるから。
あ、あとでいいって!ていうか僕―人で大丈夫だから!
でもお兄ちゃん、一人で髪洗えないでしょ?
いつの話だよ!?
……もしかしてさ、ほんとはミレイユが姉なんじゃないの?
ミ、ミレイユは妹ですよ!僕のほうが先に生まれたんですから間違いありません!
これからはミレイユをお姉ちゃんとお呼びなさい。
僕が兄ですってば!信じてくださいよぉ~~!!
お兄ちゃんは、こう見えてすごく頼りがいがあるんですよ。
え~、そうなの~?
怖い夢をみたときは手をつないでくれますし、お菓子もよく買ってくれます。
この前は、あたしの苦手な鶏肉を全部食べてくれました。お兄ちゃんはとても優しいんです。
ミレイユ、お前……そこまで僕のこと……
だから落ち込まないで。お兄ちゃん。
ありがとう、ミレイユ……僕、兄としてがんぱるよ!
うん、その意気だよ、お兄ちゃん。
おう! お兄ちゃんにまかせておけ!
ふふ、兄妹っていいわね。
いや~、やっぱり姉弟でしょ……
思い出3
あ……テトラさん!
ん? あ~! ヨシュアくん!君もここにいたんだね。
はい!僕も、テトラさんがいるってキャトラさんから聞いて……
なんでもテトラに話があるそうよ。
うんうん、なにかな?
あの……お願いします!僕にドラゴンの戦い方を教えてください!
うん、いいよ!
はやっ!
別に秘密ってわけじゃないしね。それじゃ早速やってみよっか!
はい!よろしくお願いします!
まずは基本の<尻尾払い>。これでまず敵を牽制するんだよ。
こんなふうに――ねっ!!
す、すごい風圧だ!……でも、テトラさん、僕、尻尾は生えてなくて……
あれ、そうなの?てっきり尻尾くらいあるのかと思ってた。
す、すみません……
それじゃあ<ドラゴンブレス>!ドラゴンといえばこれだよね。いっくよー!スゥゥ……
す、すごい熱量だ!でも、これなら僕にもできるかも……!
はい、それじゃあやってみよう!
了解です!やるぞー!吹くぞー!スォォォォォ……!!
ひゅ~~~……あ、あれ?
まるで吹けてない口笛ね。
うーん、これもだめかぁ。困ったね。
ま、待ってください!なにかコツとかないんですか?
コツねえ……うーん……………………あ。
あるんですね!
コツってわけじゃないけど、あたしもちっちゃい頃は火が吹けなかったんだよね。
それで、たしか……父さんとすごくどうでもいいことで喧嘩して、めちゃくちゃ頭にきてさ。
父さんのバカー!って言おうとしたら、初めて口から炎が出たんだ。
今思えば、あれがあたしの初ドラゴンブレスだったかなー。
なるほど……!
竜の力っていうのは、闘争本能から生まれるものだって父さんも言ってたから――
ようは戦いの中に身を置けば、自然と会得できるものなんじゃないかな?
戦いの中に……身を置く……
試しに、あたしたちと戦ってみる?
そうですね……なにごとも経験ですし、お願いできますか、テトラさん!
オッケー!ペンタ~!出番だよ~!
へ?
話は聞いてたよ、テトラ。そこにいるエインの半身と戦えばいいんだろ?
そうそう。ヨシュアくん、すっごくやる気みたいだから、あたしたちも本気でいくよ!
へえ、それは楽しみだ。ならボクも、獲物を狩るつもりでいかせてもらうよ。
ちょ、ちょっと待って下さい!二人がかり……いや、一人と一匹?とにかくそれはさすがにキツ――
いくよ、ヨシュアくん!とおおおりゃあああ―――!!
ううう……えーい!!こうなったら根性みせます!うおおおおおー!!
まだまだだね!もっとボクを楽しませろよ!エインの半身!!
ひえええええ!!!
これが本場のドラゴンブレスだー!
あっつ!!燃える燃える~~!!
ヨシュア、大丈夫かしら……
思い出4
はい、お兄ちゃん。治ったよ。
いててて……ありがとう。助かったよ……
ヨシュア、無茶しすぎよ。
う、面目ないです……
なんでまたドラゴンの戦い方なんて教わろうと思ったの?
……知りたかったんだよ。ドラゴンの気持ちってやつをさ。
あの島で僕が感じた激しい憎悪……ミレイユも知ってるだろ?
……うん。
最近、思うんだ。あの激しい感情は、もしかしたらエインのものかもしれないって。
エインって、ヨシュアの中にいる魔竜のことだっけ。
僕は、このわき上がる感情が誰のものか知りたいんだ。
僕なのか、エインなのか、それとも全く別の……
まだ不安なんだね、お兄ちゃん。
前よりはだいぶマシになったよ。今はただ、折り合いをつけるために考える時間が欲しいだけさ。
……ねえ、お兄ちゃん、こうは考えられない?
ん、なにが?
お兄ちゃんが誰かを憎む気持ちも、お兄ちゃんが誰かを好きだと思う気持ちも――
全部『お兄ちゃんが』って言葉がつくんだよ。
? まぁ、そうなるね……あ。
そうだよ。すべての感情は、そもそもお兄ちゃんがいないと成り立たないんだよ。
それで初めて憎しみも悲しみも、愛も、目に見える形で現れるんだから。
だから、そのわき上がる感情は、やっぱり全部お兄ちゃんのものなんじゃないかな。
ミレイユ、お前……
ミレイユちゃん……なんというか、大人だね……
カティアさまに鍛えられましたから。
ヨシュアにはもったいないくらいデキた妹よねえ。
あはは……自分でもそう思いますよ。
ありがとな、ミレイユ。なんだか胸がスッとしたよ。
お兄ちゃん……
よく意味はわからなかったけど、ミレイユの気持ちは伝わったよ!
…………そう、よかった。
……どんまい、ミレイユ。
思い出5
「……! ここは……夢?僕は一体……
っ! そこにいるのは誰だ!」
『それは君が一番よく知っているはずだ。我が<腕>を宿す人間よ。
「な、なんだって……!?まさか、君は……エイン、なのか?」
『どうだ、私の腕の使い心地は。労せずして手に入れた竜の力、さぞ気分のいいことだろうな。』
「そんな! 僕はそんなつもりじゃ!」
『我ら誇り高き竜族は、己が認めた者にしか力を貸さない。
だが君はそうではない。異端の君は、存在するだけで竜族の誇りを汚しているのだ。』
「……僕にどうしろっていうんだ。」
『<幽心の術>。』
「え?」
『詳しくは、竜族の者に聞け。己が力を示すのだ。私を屈服させてみろ。』
「力を……示す……僕は……」
***
ふーん、なんとも意味深な夢ね。
<幽心の術>ね。それならあたしも知ってるよ。
本当ですか!?それで、その術って……
その前に……なぜ竜が長命な種族なのかは知ってるか?
えっと……わかりません。
竜っていうのは、長きにわたる<眠り>によって生命力を蓄えることかできるのさ。
でも眠っている間は無防備になっちゃうから、そこで意識だけを外に出すんだ。
意識を身体から離脱させて、眠っている自分を見張る。――それが<幽心の術>だよ。
そういうことだったんですね。でも、力を示せっていうのは……
たぶんヨシュアくんに術をかけて自分の意識を外に出せってことかもしれない。
それで君と決着をつけようってことじゃないかな。
うーん……エインってそんな武闘派だったっけ?
どうする、ヨシュアくん?
……きっとこれは、僕自身への決着にもなるんだと思います。
だから……やります!その術を、僕にかけてください!
ヨシュア君……
……うん、わかったよ。ペンタ、おねがい。
よし、目を閉じろ。力を抜いて心を空にするんだ。
は、はい!
<ペンタが竜の言葉で呪文を眩く。>
……う! ううう……ああ……!
<するとヨシュアの身体からモヤのようなものが吹き出した!>
うう……これが……魔竜、エイン……!
「…………
くっ! すごい威圧感だ……でも、僕だって……!
うおおお―――!
<ヨシュアは剣を構え、エインに向かって突貫した!>
思い出6 (友情覚醒)
……っ! そうだ……僕は……!
<エインが振り上げた必殺の爪。それをヨシュアは――>
ちょ、ヨシュア!なんで剣を下ろしちゃうの!!
ヨシュアくん!!
…………
「……!!
ん!?エインの動きが止まったぞ!
…………
「……なぜ、剣を収めた、人間。なぜ、力を示そうとしない!
僕は、ずっと君と話がしたかったんだ。
「私と言葉を交わすことに、今さらなんの意味がある。
エイン、君は人間が憎いのか?
「……魂と肉体を冒涜され、憎しみを抱かぬはずがない。
だろう、ね。どう詫びたところで、君の気がおさまるなんて思ってないよ。
でも、あえて言うよ。君の中の憎悪……それを僕に預けてくれないかな。
「なんだと?
今となっては、僕と君は文字通り一心同体だ。君は僕であり、僕は君なんだ。
憎悪だけじゃない。君の持つ意思のすべてを僕は受け入れたいんだ。
「……なぜそのようなことを。贖罪のつもりか?
そういう難しいことじゃないよ。ただ僕は、これからも君と一緒に生きたいんだ。
エインという竜がいたことを忘れたくない。ただそれだけだよ。
「…………
だ、だめかな?
「……人間――いや、ヨシュア。まずはこれまでの非礼を許して欲しい。
え! 急にどうしたの……?
「私は君の覚悟を知るために、挑発して試すような真似をしてしまった。
だがおかげで、君の本心を聞くことができたのは幸いだった。
エイン……じゃあ君は最初から……
「ヨシュア、君に私の全てを託そう。これから君が抱く想いの全ては、君のものであり、私のものだ。
……ありがとう、エイン。君の想い、たしかに受け取ったよ。
「我が同族たちよ。亡き私に代わり、協力してくれたこと、感謝する。
……うん、力になれてよかったよ。
エイン。アナタに安らかな眠りが訪れることを祈るよ。
……ふええええ~……!き、緊張したぁ~~~!!
もう~、せっかくカッコよく啖呵きったのに、台無しね!
そ、そんなこと言われても……
ありがとね、ヨシュアくん。君のおかげで、エインは救われたんだと思うよ。
いえ、そんな……僕は正直な気持ちを言っただけですよ。
その腕、大切に使えよ?
うん、もちろんだよ。
僕は、この腕と……エインと一緒に生きていくって決めたからね――!
猛り狂う魔竜の剛刀 ヨシュア・ラーナー
その他
カティア(ダグラス2版)・思い出
テトラ(ダグラス2版)・思い出