【黒ウィズ】アレス・ザ・ヴァンガード3 Story3
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story1 CARNⅣAL
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story2 LABYRINTH
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story3 LABOURS
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story4 TROJAN WAR
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story5 MISCHIEF
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story6 HERMES
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story7 エピローグ
目次
story1 APO&VACCA
3rdステージ前の休憩時間、ゾエルが君たちをねぎらいにきた。
参加してよくわかったが、これはただの娯楽だ。優勝にこだわる必要あるのだろうか?君はそうゾエルに問う。
アレイシアがナンバーズになったとはいえ、ウチはまだまだ上とぶつかりがちだ。都合のいいルールは××から手が出るってもんだ。
問題なのは、ゼウスⅠだな。あの×××××、さっさと落ちてくれりゃ良かったんだが。
そこまで言われるとは、ゼウスⅠはどんなルールを追加するつもりなのだろう。君は訊いてみようとしたが――
そこでこのゼウスⅠがデザインした、最高の制服の着用を、ルールで義務付けてやろうと思ってるのさ。
英雄庁の終わりだとか言ってたのに、ただの制服だったなんて、みんなおおげさだな、と君は思った。
そこまで言われると、どんなセンスなのか気になる。君はゼウスⅠに、普段はどんな服を着ているのか、訊いてみた。
……。
……なるほど、これは英雄庁の危機だ、と君は納得した。
ふたりはアレイシアの肩を揺さぶり頬を叩き、正気に戻そうとし始めてしまった。
ゼウスⅠは天を仰ぎながらそうつぶやき、去っていった。
***
というわけで、いよいよ選手も12名にまで絞られました。なんかナンバーズなのに負けたクソ雑魚がいたので解説に連れてきてみたよ。
X。いまの発言について、後で話がある。放送が終わったら神卓の間に来るように。
しかし、12の難行が題材ってのはいいね。子供に大人気のお話だもん。
家に帰って、ヘラクレスになりきった弟と、12の難行ごっこをすると、不思議と疲れが取れたものでした。
しかし、なぜか視聴数が爆増したため、アポロンⅥを止める者はだれもいなかった――
story
3rdステージの参加者は、ー堂に会してカードを引いていた。それによって、試練の内容が決まるのだ。
君の引いたカードには、「アウゲイアスの牛小屋掃除」と書かれていた。掃除……なんか自分だけ違うな……と君は思った。
カードにはそれぞれ、行き先が示されている。そこで目的が告げられるらしい。
号砲が鳴らされ、各々の試練の場所へ向けて、ヒーローたちはスタジアムを飛び出した。
***
オリュンポリス各地に散らばる試練の場所へ、ヒーローたちは次々とたどり着いた。
アレス零様には、これより英雄ヘラクレスとおなじ方法で、鳥を飛び立たせていただきます。
カーニバルには、多数の協力者がいる。特別刑務所に収容された模範囚も、刑期の短縮を条件に協力することがある。
さあ、私がらこの腰帯を奪って見せなさい。もっとも、我がプラトゥーンは、全力で戦わせてもらうがな。
そして君もまた、目的地にたどりついていた。そこは――
よろしく頼むって、なにを?と君が問うとハルディスはいつものように笑って答えた。
……これを?と君は絶望的な気持ちになった。
***
カーニバルでは、使用する得物による有利不利をなくすため、ゴッド・ナンバーズの神器はいったん大会運営に預けられる。
そうして集められた神器は、メインスタジアムのー角にある特別展示室に並べられるのだ。
その特別展示室に、ひとりの老人の姿があった。英雄庁の最長老、ポセイドンⅡである。
最後の神器〈尽きざる蜜の神酒杯(アペイロン・ネクタル)〉が目覚め、ディオニソスXが誕生したのが、十数年前のこと。
だが入れ違いに初代ゼウスⅠがヒーローを引退。神器〈神王雷霆(ゲラノウス)〉を継ぐ者が現れるまで、しばしの空位が続いた。
その後、ティタノマキア事変により、ハデスⅣが殉死し、十年にわたる空位となる。
結果的に、ゴッド・ナンバーズにすべての数字が揃った瞬間というのは、実はー瞬たりともない。
そこへきて、先の英雄大戦、そしてアレス零の就任……。わしの時代は終わったのだと実感したよ。
story
ケリュネイアの鹿とは、矢よりも早く動くことができるという、アルテミス神の聖獣である。
王にこれの捕縛を命じられたヘラクレスは、丸ー年も追いかけ、ようやく捕まえることに成功したという。
言うなり、アキレラレウスはアクセルを全開。全速で走り出す。
アフロディテⅨは逃げていくアキレラレウスの背に、人造神器を振る。
アキレラレウスは爆走し、全速のまま道を幾度も曲がる。これでどんなヒーローも振り切ることができる。
はずが――
どれだけ引き離しても、何度曲がっても、気がつくと前方にアフロディテⅨがいた。まるで行く先がわかっているように。
それもそのはず。いまの彼女には、アキレラレウスの思考が筒抜けだった。
返愛の神、アンテロス。想いを通じ合わせるというその神の力が、先のー撃には込められていたのだ。
アフロディテⅨは、タンデムシートに飛び乗るとアキレラレウスの背に触れ、優しく問う。
ヒッポリュテとはアマゾネスの女王である。ヘラクレスはヘラ神の謀略により、腰帯を奪うだけでなく女王を殺してしまったが――
この試練では、その轍を踏むことなく、ヒッポリュテ9の腰帯のみを奪うことが最良となる。
そのために、いかにして配下のアマゾネス・プラトゥーンの攻撃をかわすかが、ヒーローの知略の見せ所だ。
なにせアマゾネス・プラトゥーンは勇猛なヒーロー部隊である。競技用の人造神器では、単身で制圧など望むべくもない。
はずであったが……。
無敵のヒーローと呼ばれた初代ゼウスⅠ、その再来とも呼ばれる彼の実力は、神器なしでも群を抜いていた。
その身勝手すぎる性情さえなければ、アポロンⅥと並び、現在最強のー角に名を連ねていただろう。
***
その果てにたどり着いたのが、罪なき人々の犠牲を前提とした、プロメトリックとの共闘……。
愚かなものだ。人は、心があるから人なのだ。それを見ようとせずに、どうして人が救えるものか。
以来、オリュンポリスを離れ、旅をしていた彼女は、ひとつの答えを得た。
その漠然とした想いを告げた時、アイスキュロスは笑ってそれを讃えてくれた。
今回、カーニバルに参加したのは、想いをあらたにした自分の力試しだ。
ヘラクレスは天を支えるアトラスに林檎を取ってきてもらった。その間、代わりに天を支えていたという。
ヘラクレスの軌跡をたどるなら、目指すべきは天に近い場所、すなわち、このパークでもっとも高い場所にたどりつく――
観覧車だ!
というわけで、マスクド・アテナは観覧車に乗った。
***
普通に間違っていた。
思えば、遊園地に来るのは初めてだ。まさかこれほど楽しいとはな。
……もしかしたら、中になにかあったのに、見過ごしていたのかもしれんな。
もうー度、乗ってみてもいいのではないか?いや、決して楽しかったから、また乗りたいわけではなく。
だが、この観覧車がー周するのにかかる時間はおよそ15分。もしなにもなければ、制限時間がほとんどなくなってしまう。
マスクド・アテナは悩んだ。かってないほどの懊悩だった。だが、聡明なる彼女は決断した。
訣別の意をこめて、観覧車乗り場を見やる。
そこにいたのは、ゴンドラに乗って彼女を手招きするアイスキュロスだった。
ネルヴァは駆け出し、アイスキュロスの待つゴンドラに乗り込み、告げる。
――その後、ふたりは観覧車を3周し、勢いに乗ってメリーゴーランドも2周した。
もちろん、試練は時間切れになった。
ー方で、試練をクリアしていくヒーローたちもいた。
湿地に入ることのできなかったヘラクレスは、ヘパイストス神の作った青銅の鳴子を鳴らして、この鳥を飛び立たせ、退治したと言います。
このー帯には、その怪鳥を模した機械が、100体潜んでいます。機械にはセンサーが、とりつけてあり――
ー定以上の音量に反応して飛び立ちます。なんらかの方法で、この鳥をすべて飛ばすことができれば、クリアとなります。
間ー髪、マイクが切られる。ゆえに、オリュンポリスは救われた。
大地が震え、環境保全区が揺れる。ステュムパリデスの機械鳥がー斉に飛び立ち、空中で爆発四散した。
そして念の為に耳栓をしていた大会の進行役も、気絶して倒れた。
ケルベロスとは冥府の番犬である。ゆえに、ハデスヒーローにとって、ケルベロスの使役は基礎にして奥義である。
ハデスⅣが殉死してより、もっとも巧みにケルベロスを扱うのは、副隊長のハデスA001だというのが定評である。
つい先程までは、だ。
新人研修時代、アレイシアと行った100戦にも及ぶ模擬戦が役に立った。
アレイシアは力こそ弱かったが、当時から突撃のタイミングは絶妙だった。おかげでハデスヒーローの基礎戦術の弱点に気づけた。
まだ信じられぬというように呆然とするエウブレナに、ハデスA001は耳を寄せて囁く。
ネメアの獅子の毛皮は、英雄ヘラクレスの攻撃すらも弾いたため、ヘラクレスは獅子をその剛力で絞め殺したという。
ヘラクレスは倒した獅子の毛皮をかぶり、無敵の鎧とした。
ヘラクレスの神話還りが高い防御力を誇るのは、このネメアの獅子の力を発現できるためである。
だがそれも、神話還りの力次第だ。より強力な神の力を浴びれば――
そして君も――
当然だよ、と君は胸を張る。増加し続けるカードをいつも整理している君にとっては、造作もないことだった。
大切なのは、使うもの、不要なもの、そして使わないけど大切な思い出の品を明確に区別することだ。
使わないものは当然処分し、思い出の品は邪魔にならない場所にしまう。こうすることで表には必要なものだけが――
story
結局、試合の解説はなにひとつしなかったが、アポロンⅥは大歓声に包まれて退場していった。
じゃ、そんなところで、おいらもこれで。
特別展示室では、ひとつの神器が光を放っていた。
〈見えざる神の二叉槍(バイデント・アイドネウス)〉――ハデスⅣの神器である。
3rdステージが終わったみたいだ。サボるのも限界かな。じゃあね、おじいちゃん。
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story1 CARNⅣAL
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アレス・ザ・ヴァンガード3 Story3 LABOURS
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アレス・ザ・ヴァンガード3 Story7 エピローグ