【黒ウィズ】アレス・ザ・ヴァンガード3 Story4
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story1 CARNⅣAL
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story2 LABYRINTH
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story3 LABOURS
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story4 TROJAN WAR
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story5 MISCHIEF
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story6 HERMES
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story7 エピローグ
目次
story
次のステージ、アレだから。
***
3rdステージが終わり、勝ち残ったのは6名となった。
アレイシア、エウブレナ、アフロディテⅨ、ゼウスⅠ、ネーレイス、そして君だ。
頂点を目指すヒーローも6人に絞られました。ここから先はガチモードです。というわけで今回の競技は――
トロイ戦争です☆
トロイ戦争――それは神々の様々な思惑と謀略の末に起きた、トロイ王国とギリシャ連合軍の戦争である。
この戦争の裏では、オリュンポス12神もトロイ側とギリシャ側に分かれ、争ったという。
まあ、トップヒーローが本気で戦うわけにもいかないから、身体につけた3つの風船を割り合うとかいうお遊びだけどね。
というわけで、君たちの前に6枚のカードがあるよね?それを引いて出た絵柄に合わせてふたつのチームに分かれてちょうだい。
あ、ただし、どんなカードを引いたか、ぼくたち運営以外には見せないようにしてね☆
君たちは並べられた6枚のカードを、思い思いに手に取る。
結果、チーム分けは、片方がアレイシア、ゼウスⅠ、アフロディテⅨ。
もう片方が、エウブレナ、ネーレイス、そして君となった。
引いたカードに木馬が描かれてた人、いるよね?その人、実は敵側のスパイで~す☆
トロイ戦争は、ギリシヤ側が兵を潜ませた巨大木馬を、敵の市内に騙し入れ、敵地を内部から攻めることで終結した。
トロイ戦争を題にとる以上、「木馬に当たる内通者」の存在は必然である。
とにかく、この「トロイの木馬」が、勝敗の分け目だから、木馬役の人はせいぜいバレないようにしてね☆
各自がカードを再確認し、微妙な空気が流れる。チーム戦となれば、背中を預けなくてはならない、だが、裏切り者がどこかにいるのだ。
4thステージはメインスタジアムで行われる。負けた選手たちは、サブスタジアムに移動し、モニターで観戦をしていた。
だが、負けても良いとは思っていたかもしれんな。市民は新たな希望を求めている。私が優勝したところで、なにも変わらない。
今回も、ぼくがいい感じに解説サボるために、客席から適当に人を連れてきたよ☆
どれだけ詳しいか、精査しないといけません。後でお時間いただけますか?
君たちはフィールドに降り立ち、両サイドに分かれていた。
君のチームは、エウブレナとネーレイス。相手のチームはアレイシア、ゼウスⅠ、アフロディテⅨ。不利だ。
だが、どこかにひとり「トロイの木馬」――スパイがいる。いま見えているものはあてにならない。
だから魔法使いさんはアレイシアを止めて。ネーレイス、私たちはコンビを崩さず、2対2で戦いましょう。
***
エウブレナの推測は当たっていた。
実はこのカーニバルが始まってから、アレイシアは全力を出していない。
他のゴッド・ナンバーズは神器を預けることで、能力に制限がかかっているが、アレイシアの力は己のものであり、神器は関係ない。
そのため、以前の戦いで学んだアレス神の力を自主的に制限していたのだ。
同様に、神器を使っていないため、普段と変わらない参加者がもうひとりいる。君だ。
全力の戦いを好むアレイシアが、君を相手に選ぶのは当然と言えた。
君はうなずき、カードに魔力をこめてアレイシアを迎え撃った。
***
戦争とはいっても、風船を割るだけだ。本気の闘争ではない。
――などという甘い気持ちは、ー瞬で消えた。
真っ向正面からの全カストレートバンチ。固く張った防御障壁が砕け散り、君の身体につけた風船がひとつ、弾けとぶ。
わかってはいたが、自分の身で受けると想像を遥かに超える熱いパンチだ。でも――
拳の熱さなら、こちらも負けてないよ、と君はカードを取り出し、叫ぶ。
覇劫の廃帝――クィントゥス・ジルヴァ!
正面から魔法を受けたアレイシアが後退り、風船がひとつ割れる。
やっはおんしの魔法はHEARTがLⅣEじゃあ!燃えてきたぁ!
それはこっちのセリフだよ、と君は言い、飛び込んでくるアレイシアに向けて、カードを構えた。
それと突進する時の速度にご注目ください。コンマ敗秒、毎回速さが変わっています。これにより、相手の防御がわずかに狂うのです。
それと突進する時の速度にご注目ください。コンマ敗秒、毎回速さが変わっています。これにより、相手の防御がわずかに狂うのです。
膨大な基礎訓練の積み重ねの上に、戦うために生まれたとも言える戦闘センスが加わり、彼女の強さを支えているのですね。
ですが、彼女の戦いの魅力は、そうした理屈よりも心で感じ取るものです。私、HEARTが叫びたくてたまりません。
皆様も観ていて我慢ができなくなったのではないでしょうか?それでは、遠慮なくご唱和ください。せ~の――
アレスちゃ~~~~~~ん!
店長(あだ名)の熱弁が続く中、君とアレイシアの激しい戦いは続く――
君がアレイシアを引きつけているため、エウブレナ&ネーレイス対アフロディテⅨ&ゼウスⅠの図式が出来ていた。
ただでさえ実力では劣る。加えて厄介なのは特殊ルールの「トロイの木馬」だ。味方側に敵が混じっているかもしれない。
「木馬」役は正体がばれぬように敵陣で振る舞わねばならないし、そのうえで味方に自分が「木馬」だと伝えねばならない。
エウブレナの風船が、ひとつ割れる。
まるで思考の隙間を縫うように、アフロディテⅨの細剣が飛んできたのだ。
アレイシアちゃんの影響で、ちょっとは変わったかと思ったんだけど、ね!
飛び込んできたゼウスⅠの拳がネーレイスを吹き飛ばし、風船をひとつ割る。
アフロディテⅨはエウブレナから離れ、ネーレイスの方へと向かう。
分断されて1対1の実力勝負に持ち込まれるのは一番望ましくない。なんとか合流しなければならないが――
眼前のゼウスⅠはそれを阻むように両手を広げ、挑発的な視線を向けている。
***
以前、ナンバーズのひとりであるヘパイストスⅪとは戦っている。だがⅪの本分は技術者。戦闘タイプではない。
対して目の前にいるゼウスⅠは、格闘戦特化のヒーローだ。その戦い方は、ただただ速く、力強い。
気合を入れ直し、人造神器を握る手に力を込める。だが、すでに遅かった。
目線を切っていないはずなのに、ゼウスⅠが目の前にいた。
次の瞬間、エウブレナは吹き飛ばされ、風船がまたひとつ割れた。
ゼウスⅠが放ったのは――デコピンだった。
なんとか着地するが、足に力が入らない。回復まで、数秒はかかる。
なんとか顔だけをあげて、敵の動向をうかがう。ゼウスⅠは――なぜかそっぽを向いて、微動だにしていなかった。
言われて、エウブレナは己の肩を見る。衣装が少しずれて、肩の露出が増えていた。とはいえ、脱げる心配はないのだが。
礼を言い、衣装を直して、立ち上がる。
ゼウスⅠはチラッと見て確認してから、悠然とエウブレナに向き直った。
オレがお前を、抱っこする姿をな!!!
***
10歳のころから初代のもとで修行をはじめ、神器を継ぐために10年以上も純粋培養されていたのだ。結果――
***
照れてるんだな?いけない子だ。知らないというなら、よーく教えてやるよ。このゼウスⅠの抱っこの昧をな!
かつてない危機感を抱いたエウブレナは、全力でゼウスⅠを迎え撃つ。
story
アフロディテⅨは、戦闘しながらおこなっていた観察の結果を出す。
全員の性格は把握している。嘘をついていたらわかる自信があった。
そもそも3対3でひとり裏切ったら、有利すぎっしょ。ペナルティもないし。
ー方で、ネーレイスは必死に思考していた。
いえ、手を抜いているのがわかれば、「木馬」だと見抜かれてしまう……。巧妙に周囲を瑞している人間がいるはず……。
アレイシア……が嘘をつけるはずないですわ。エウブレナ……はわたくしを騙さないはず。魔法使いさん……は嘘をつけない顔ですわ。
ならゼウスⅠ様かアフロディテⅨ様が「木馬」で実際はわたくしたちの味方ということ?どちらが嘘をついていそうかで言えば……。
宝帯を模した人造神器が伸びてくるのを、ネーレイスは辛うじて防ぐ。
踏み込んで、刺突が3度、あわてて水流を呼び出し、飛んでくる。それを防ぐ。
呼び出した水流に身を任せ、アフロディテⅨから距離をとる。同時に、別の水流を呼び出し、波として放つ。
アフロディテⅨは宝帯を振ってレイピアを強化。襲ってくる波を切り裂いた。
だがアフロディテⅨは間合いを詰めようとせず、レイピアの切っ先を軽く揺らす。
***
ポセイドンヒーローの強みは、水流操作と海魔の力を組み合わせた、その戦法の自在さにある。
英雄大戦後、未熟さを思い知ったネーレイスは、これまで蔑ろにしていた技の修練に励んだ。だが――
すべてレイピアと宝帯に捌かれ、アフロディテⅨを揺るがせることすらできなかった。
ちゃけ、舐めてんでしょ。素材がいいだけで微笑み続けてくれるほど、美の女神アフロディテは甘くないわけ。
体型維持、お肌のケア、メイクの研究。やらなきゃいけない自分磨きは無限。おまけに中身が腐ったら顔にも出るし。
サボった瞬間、もうおしまい。そういう毎日を乗り越えたその瞬間にだけ、美は宿り、Ⅸの数字を継ぐ資格が得られる。
あーしはさ、ヒーローになると決めた時から、その覚悟を持って生きてた。
ネーレイス。アンタ、素材は最高だよ。けど、ヒーローとしての軸はなに?
父親みたいになりたい?幼馴染のエウブレナに負けたくない?ま、そんなとこでしょ?
薄っぺらいんだよ、アンタは。我は張ってても自分がない。
そんなアンタが、アレイシアと肩を並べて戦えると、ホントに思ってんの?ちゃけ、ふざけてるっしょ。
それはネーレイスの本質を突く言葉だ。ヴァンガードに所属してから、ずっと思っていた。
恵まれた環境で生まれ、育ち、甘やかされたままのお嬢様。それがわたくし……。)
踏み込み、レイピアが伸びてくる。切っ先はネーレイスの風船を的確に狙っている。ネーレイスはそれを避けることもなく――
自らも踏み込み、槍と化した水流を放った。
ネーレイスの風船が割れる。同時にアフロディテⅨの風船も割れる。
それがどうしたというんですの?暗い人生を送ってなければ、ヒーローになれないとでも?ちゃんちゃらおかしいですわ!
守りたいという想いがあり!守るだけの強さがあれば!それはもうヒーロー!
わたくしはわたくしのまま!アレイシアやエウブレナに並んてみせますわ!
その決意の叫びは、同じフィールドで戦う君たちにも届いた。
そうだね、と君はうなずき、次のカードに魔力を込める。
拳に秘めた情熱――リアラ・ローム!
サーベラス・クロウ!
戦いは白熱し、スタジアムは歓声に包まれた。
そのころ、特別展示室でも異変が起きていた。神器〈トライデント〉が光を放ったのだ。
ヘルメスXが向かったのは、特別展示室だった。
そこには輝く神器〈トライデント〉を前に、目を細めるポセイドンがいた。
ふふ……正式な引き継ぎが済んだら、あやつと茶でも飲むとするかな。
それで、Ⅹよ。なにをしに来たのだ?放送中ではなかったのか?
枯れかけのお花を摘みに来ました☆
そして、異変は起きた。
そこにいるのか、悪戯の神――ヘルメスよ!
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story1 CARNⅣAL
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story2 LABYRINTH
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story3 LABOURS
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story4 TROJAN WAR
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story5 MISCHIEF
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story6 HERMES
アレス・ザ・ヴァンガード3 Story7 エピローグ