【白猫】リリー(トラベラー)・思い出
とらぶるトラベラー Story
ダウンジング探偵 リリー・コーネル CV:花守ゆみり <コーネル探偵社>を営む探偵少女。 最近は遺跡調査も始めたらしい。 |
思い出1
こんにちは、みなさん!
リリーさん、こんにちは。
またまた来ちゃいましたよ! 探偵のリリー・コーネルが! 大好きなこの島に!
……島の名前、おぼえてるでしょうね?
もちろんです! 尾行島です!
おしい!
相変わらずね、リリーは。
いいえキャトラさん。変わっていないようで、変わっています。
あら、そうなの?
リンスを高めのものに変えました。
そういうことじゃないわよ。
アイリスさん、どうです? いい香り、しません?
……はい、とても!
えへへ。
なんだかなあ……
探偵のお仕事はどうですか?
そういや、アイドルになって探偵社の宣伝とかしてたけど、効果はあったの?
ネコ探しに見せかけたイヌ探しの依頼はふえましたね。
なによそれ。
私もよくわからないんです。依頼人に聞いてみたことがあるんですけどね?
『ネコ探しを頼むとイヌを連れてくると聞いていた。だから、ネコ探しとして依頼しておけば間違いないと思った』
いったい、どういうことなんです?
こっちが聞きたいわよ……
ともあれ、順調そうでよかったです。
最近は、大きな功績も上げましたしね!
大きなこーせき?
覚えてないんですか?
……?
古代遺跡の謎を解いたじゃないですか!
……ああ、アレね……
『連続文化遺産色々あってすごかった事件』……!
連続て。
私の推理がなければ、きっと解決しなかったでしょう。
あの事件のあと……私、気づいてしまったんです。
遺跡を調べ、いにしえの謎を解く。……そうです。<謎>です。
――つまり! 遺跡調査とは、ほんらい探偵の仕事なのではないでしょうか!
ほんらいは探検家の仕事よ?
<遺跡探偵リリー>。そんなかんじも、アリかもしれません!
……まあ、依頼はくるだろうけど。あくまで探検家としてのリリーに、ってことになるわよ?
そうなんですか?
ええ、恐らくは……
…………
<遺跡探偵リリー>、これからもがんばります!
聞かなかったことにしたわね。
思い出2
今日は、尾行島を探検したいと思います!
ふっふっふ。トラップとか、ひとつ残らず見つける自信があります。
トラップなんてないけども……
尾行島のすべてを、この私が解明してみせましょう。
…………
いいわ。そこまで自信があるなら、やってみなさい。
キャトラ?
……ソフトクリームのトラップが、あったりなんかしてね……
キャトラさん……そんなわかりやすいトラップに引っかかるわけないじゃないですかあ~。
***
むむ……! あんなところにソフトクリームがあります。
とっても、美味しそうです……!
『飛行島のソフトクリーム、ほっぺた落ちるソフトクリーム』
そんな書き置きまであります。
…………
いただきます。
うぎゃーーーーーー!!
<リリーは捕獲されてしまった!>
たすけてくださ~~~~~い!
引っかかってんじゃないわよ!
キャトラさん! なんですかこの網は!?
初歩的なトラップよ! これならアンタも見抜けると思って用意したんだけどね!
え、これトラップなんですか?
そこから!?
***
まだです! 私にはまだ、<ダウジング>があります!
このペンデュラムで、地中に埋まっているお宝を見つけ出してみせましょう!
お宝ねえ……
<リリーは四つんばいになると、地面に向けてペンデュラムを垂らした>
見てください。さっそく、揺れはじめました。
これは……湖のほうですね……
自分で揺らしてんじゃないの?
そうしないと動かないじゃないですか。
揺らしてた!
規則正しく揺れていますね……
右……左……右……左……
……リリーさん?
Zzz……
ダメだこりゃ。
思い出3
みなさん、聞いてください!
遺跡調査の依頼がきたんです!
あら、さっそくですね!
これが依頼書です。
どれどれ……
……これ、けっこう難易度たかくない?
すごく危険みたいですよ。大丈夫ですか……?
ご心配にはおよびません。これでも私、運はいいので。
運まかせかい。
そして今回、ある人を連れていこうと思っています。
ある人?
イァッ!イァッ!イァッ!イァッ!イァッ!イァッ!
あそこで変な筋トレをしているクロードさんです。
いつのまに!?
ふぅ。大腿四頭筋も、随分と色気づいてきたじゃないか。
こんにちは。
……む。お前ら、久しぶりだな。
きましたね、クロードさん。
いきなり筋肉島に呼び出すとはな。何の用だ?
このコンビって、島の名前をいえないコンビなの?
遺跡調査に同行してほしいんです!
何故だ。俺は筋トレと論文と犯人探しで忙しい。
犯人さがし?
デカ島が指名手配中の爆弾魔を追ってるんだ。ほら見ろ、これが手配書だ。
ふむふむ、特徴は左足を引きずって……って、そうじゃなくてですね!
私がいかに探偵として成長したかを、あなたに見てもらいたいんですよ!
……ふむ。
とっても危険です。ですが、心配しないでください。私、運はいいんです。
とっても危険ですが、きっとやり遂げてみせます。この、危険な遺跡調査を。
ホントは怖いんだろ。
こわくなんてありません!
地面から飛び出る槍のトラップとか、マッチョな魔獣とかを想像すると、目がうるんでくるだけです!
それを人は『怖い』というのだよ。
ほら、背中のカルム君もいってますよ!
リリーなら、きっと大丈夫さ!
ありがとう、カルム君!
リリーは世界一の名探偵だもの!
えヘヘ。
微妙な腹話術はさておき、しょうがないから行ってやるか。
ありがとうクロードさん! ボクとリリーを守ってね!
思い出4
<一行は、依頼のあった遺跡に到着した。>
ムムム……危険なニオイがプンプンだわ……!
みなさん、慎重に行きましょう!
はい……!
リリー、早速だが気をつけろ。その先の地面に感圧式のトラップが仕掛けられている。
感圧式ですね! わかりました解除します!
<リリーは慎重に慎重を重ね――
トラップを起動した>
ドヤァ……
…………
ハァ。
<巨大な岩が転がってくる……!>
あぎゃーーーーーーー!
おバカーーー! 逃げるわよっ!
やれやれ。
ク、クロードさん!? 早くこっちへ!
ペクトレイリスメジャーマッスル!
<クロードの胸筋が巨岩を破壊した>
アンタ、ムチャクチャね。
よくやったマッスル細胞たちよ。今夜はプロテインで祝杯だ。
助かりました! ハイ、マッチョッチョーイ!
何だそのハイタッチ。
…………
……
だいぶ奥まで来ましたね。
ムムム……次は……左……ですね……
アンタ、いつまでダウジングしてるつもり?
というか、自分で揺らしてないか?
そうしないと動かないんです!
…………
どーする? クロード。
ま、好きにさせてやるさ。
ところでクロードさん。さっきから気になってたんですけど、この遺跡、ところどころ火薬のニオイがしません?
それは俺も気になっていた。この遺跡には――
「……誰か、いるのか……?」
……いま、声がしませんでした?
「お~い!!」
思い出5
<一行が声のする方へ向かうと、一人の男が足をおさえてうずくまっていた>
!!
ああ……助かった!
大丈夫ですかっ!?
ひどい怪我……!
……ついさっき、魔獣に襲われてしまって……
…………!
ねえ、はやく助けなきゃ!
……外までお連れしましょう。クロードさん、お願いします。
ああ。お前たちは魔獣を警戒してくれ。
すまない……
…………
……
……これでよし、と大丈夫ですか?
ああ、だいぶ楽になった。本当に、助かったよ。はは、探検家も楽じゃないなあ。
…………
いちおう、病院に行きなさいね。送ってあげるから。
その前に……聞きたいことがあります。
――あなた、探検家の方ではありませんよね?
……は?
…………
た、探検家だよ。この逮跡を調査しに来たんだ。
その左足の傷、もっと前に負ったものではありませんか?
右足に、はねて付着したと思しき血の跡がありますね。
――<乾いた血の跡>です。 『ついさっき』ケガしたのに、それはおかしいと思いませんか?
そのケガ……縦に細い、いくつかの裂傷。本当はふさがっていたんじゃないですか?
…………!
エッ! そうだったの!?
負ったばかりの傷にしては、状態が妙です。恐らく、一度は処置をしものの、下手に動いたせいで、傷口が開いてしまったんだと思います。
それからもう一つ。その傷が、鋭い爪によるものであることは明らかです。
この遺跡の中に、鋭い爪を持つ魔獣はいないんですよ。
!!
念入りに調査していましたから、間違いありません。もっとも、あなたを見つけた場所より奥に潜んでいる可能性もありますが――
その場所より先に、足跡はついていませんでした。
俺が、ウソをついていると? 仮にそうだとして、何だってんだ?
火薬のニオイが、気になっていました。
火薬……?
時々漂ってきた、火薬のニオイ……最初は遺跡のトラップか何かだと思っていましたが、違いました。
ああ。全てのトラップを解除してきたからな。間違いない。
ニオイが遺跡由来ではないのなら、残る原因は――あなたです。
くんくん……――かすかに、火薬のニオイがするわ!
そのリュックの中身、もらうぞ。
やめろっ!!
……リリーさん。この人は、いったい……!?
この人の、正体は――
思い出6 (友情覚醒)
この人の、正体は――
ごくり……
遺跡に遊びにやってきた花火師さんです。
ちがぁぁぁぁう!!
え? ちがうんですか?
何故だ!? 何故そうなるんだリリー! もの凄くイイ感じだったのになあ!
なにをそんなに興奮してるんです。
……足の傷は、知らないうちにクマさんに襲われたのでしょう。
そういうことって、ありますよね。私もよく、気づかないうちにタンコブをこしらえてたりします。
…………
…………
……
………………………………ええ、ハイ。
…………
ま、まさか、前に話してた指名手配犯だったなんて……
保護下にある未調査の古代遺跡を跡形もなく爆破することに快感を覚える変態だ。
……で、けっきょく、そのケガはどうして?
クマに襲われた。
では、行きましょうか。
……くそ。なんなんだよ、お前!
私は、リリー・コーネル。――探偵です!
……リリー。
はい、なんでしょう!
成長したな。
肝心な所はダメだったが……よく、気づくようになった。
クロードさん……
……私、ちゃんと近づいてるでしょうか。お父さんのような、名探偵に。
少しずつだが、間違いなく、な。
……えへへ。うれしいです。
ほめられちゃいましたね、リリーさん。
はい。普通にほめられたので、なんだか照れくさいです。
では、さっさと仕事を終わらせて帰るとするか。
遺跡調査、まだ途中だもんね。
帰りには、この名探偵の卵にソフトクリームでもおごってやるとしよう。
わあ、ホントですか!? やった~~~!
さあ行くぞ、リリー!
はい! みなさん、私についてきてください!
この、<遺跡探偵リリー>に!
遺跡探偵 リリー・コーネル
その他