【白猫】ブルーミングブレイズ Story0
ブルーミングブレイズ Story0
後日談
story おのぼりガールズ♪
<建ち並ぶ高層建築物。行き交う人々。日ごと進化する文明――
最新のネットワーク技術により、急速な発展を遂げた異色の島――>
――それが、バンズ島!!ひっさびさにやってきましたよー!
つ~い~た~!わぁ……高い建物いっぱ~い!
人がたくさんで、目が回るのです……
あ、見て見てノア~!おいしそーなドーナッツ屋さん!
さっそくいってみるのです♪
……みんな、もう少し静かに……おのぼりさんみたいで、恥ずかしいから……
は~い♪
テンションマックスには、まだまだ早いですよみなさん!宿泊先のお部屋も、とーっても素敵な所ですから♪
楽しみ~♪ルカは前にも一回、この島にきたことあるんだもんね!
はい♪そのとき知り合った友人から、ひさびさにご招待を受けまして!
たしかシズさん……だったわよね?
です!急な日程でしたので、思ったよりも人数が集まりませんでしたが……
今日は珍しい組み合わせなのです。
たまにはい~じゃん!同じ学校の生徒なんだしさ♪
それにしても……バンズ島って、本当に発展してるのね……
<自動車>も<バイク>もたっくさん走ってるね。ガレアがいたら、喜ぶんだろうな~!
ふふ、残念ながら、今回のコンセプトは『女の子だけでお泊まり会』ですからね!
ネモも今回はお留守番なのです。
…………
……カスミさんの友だち、急にこれなくなっちやって残念だったね……
ううん。仕方がないもの。
「ごめんなさい、カスミ……どうしても外せないお仕事が入ってしまって……」
「あ……そう、なの……」
「カスミはちゃんと、楽しんできて?帰ってきたら、お話をたくさん聞かせてほしいから」
カ~ス~ミ~……っさん!!
きゃっ……!?な、なに!?
せっかくの機会です。元気!出して!いきましょう♪
……大丈夫よ。でも、ありがとう。
いえいえ♪ではシズさんがくるまで、ここで少し待ちましょうか。
<街頭に設置された巨大な<ルーンモニター>では、音楽番組が放映されている――>
でっかい画面だ~……すっごいね、バンズ島~!
大迫力なのです。アルゴノート号にも、ぜひ搭載したいのです。
「さあではここで、快進撃を続ける大人気ロックバンド――<ミルキーモンキー>の新曲を初・公・開だ!」
「「「♪」」」
「なんと今回、作曲を担当したのは言わずと知れた天才作曲家――ポギー氏!!」
「僕の書いた曲と、彼らの演奏が――人々の生きる力にならんことを。そんな願いを、こめました。」
おぉおー!?なんだか……やる気がムワッとわいてくるアツいメロディですね!
ガレアがこないだ聴いてた音楽に似てるかも!ろっく、っていうんだっけ?
思わずリズムに乗ってしまうのです。ゆら~り♪
ゆらーり♪
騒々しすぎて、個人的にはあまり趣昧じゃないかな。まあ、新鮮ではあるけど……
なんかあたしもバンド、やってみたくなっちゃったかも!ザックやリアムみたくギター持ってぎゅいんぎゅい~んって!
ならノアは……アレを叩いてみたいのです。
おや、ドラムですか?意外な選択ですね!
ドーナッドーナッツみたいで、おいしそうなのです。
<>
びっくりしたぁ……すごい風だったね~……
あっ……
<女性が胸に抱いていた紙の束が残らず突風にさらわれ、そこかしこへと散らばっていく――>
やや!?いけません、急いで集めないと!
ああ、いえ……もういいのよ、あれは――
え?でも……
……ただの、ゴミだから。
……
……集めよう、みんな!!
おっしゃー!一枚残らず拾ったらーーい!!
ノアたちもいくのです。カスミさんは向こうをお願いするのです!
あなたたち?わざわざ、どうして……?
いいから。ここで待っていて。
手分けして集めましょう。
ノアにお任せなのです!
まてまて~!
一枚たりとも逃がさーーん!
story2 急展開ガールズ♪
う、うぅぅ……ここまで逃げれば、もう追いかけてこないよな……?
いや……やっぱ気のせいだよな……車と同じスピードで走ってくる女の子なんているわけ……
追いついたぁぁあああ!!!
いたァァアアアアアア!!!
すみません、あなたの車に探し物が引っかかっていたもので!しっつれいしましたー!!!
こんな高いところまで飛ばされていたのです……
<風に乗って運ばれた紙は、ビルの屋上のルーンアンテナに引っかかっている……>
もう~……少しで~……届く~……のです~……
あ。
えヘヘ、ギリせーふ!だいじょぶ、ノア?
助かったのですマール。ナイスキャッチ、なのです♪
ギャアッ!ギャアッ!
ギャ!?
<地面に突き立った矢に驚いたカラスたちは、散り散りに飛び去っていった。>
ごめんね。それは餌じゃないの。
これでよし、と。さあ、残りも――
……?これって……楽譜?
ただいま~!たぶんだけど、ぜんぶ拾えたと思う!
大変だったでしょう……どうして、ここまでしてくれたの?
だって風に飛ばされちゃったとき、すごく悲しそうな顔してたでしょ?
きっと大事なものだと、すぐにわかったのです。
……でも、私は赤の他人よ?あなたたちの名前すら知らない。それなのに……
そんなこと、関係ありませんよ。
どこの誰であろうと、悲しい顔をしているよりも笑っていた方がいいに決まっています!
私はみんなに付き合っただけ。でも、役に立てたならよかったわ。
はい、どうぞ。今度は風に飛ばされないよう、気をつけて。
…………
?
ぶしつけだけれど……あなたたちにお願いがあるの。
お願い?
あなたたち四人に――<ガールズバンド>を組んでほしいの。
――はい?
ガールズバンドって……楽器弾いて歌うたう、あのバンドのこと?
どうして急に、そんなことを?
実は私ね……記憶を、失っているの。
えええ!?記憶を!?一大事ではないですか!!いったいなぜ……!?
それがね、そうなった原因を憶えていないの……
だからこそあなたたちに、バンドを組んでほしいのよ。
ごめんなさい。なにが『だから』なのか、まるでわからないわ。
え~と……記憶そーしつ?なのはわかったけど、それとバンドとどんな関係があるの?
確か、半年前くらいかしら。突然、記憶を失った私の手元に残されていたのは、この楽譜と楽器だけだった……
だから、唯一の手がかりであるこの曲を演奏してもらえれば、それが呼び水となって、私の記憶は戻るかもしれない……
!!
……あの、ごめんなさい。唐突すぎて、いろいろ疑問が……
――ねえねえ!さっき流れてたバンドの人たちみたいに、あたしたちもカッコよく楽器弾けるようになるかな!?
ええ、きっとね。
……あたし、バンドやってみたい!ね、みんなで一緒にやろうよ~!
ノアもチャレンジしたいのです!音楽界をゆらりと侵略するのです♪
え、いや、待って、ふたりとも……
わたし、音楽の心得なんてまっつつったくありません。
そうね、私もよ。だから――
ですが!!困っている方を放ってはおけません!ガールズバンド……組んだらーーーーい!!
……ありがとう。四人とも、とてもいい返事ね。
私まだ返事してない!
明日の正午、この住所までいらっしゃい。歓迎するわ。
いや、だから待って!こんないきなり――
私の名前?――メリシャよ。今はそう、名乗っているわ。
いや名前とかじゃなくて!どうして私たちが――!
行ってしまったのです。
な、な、なんなのよ……!?
ルカさーん!!すみません、遅くなってしまって!
あ、お久しぶりですシズさん!それに<あなた>もご一緒だったんですね!
知り合いのエンジニアが、冒険者ギルドの関係で久しぶりにバンス島に戻ってきてまして――
そのお手伝いと付き合いで、赤い猫にゃんもしばそのお手伝いと付き合いで、赤い猫にゃんもしばらくバンズ島に滞在するそうです♪
そ~なんだ!ぐうぜんだね~♪
時間があいたら、一緒に遊びにいくのです♪
あ、みなさんも初めまして!さっそくお部屋にご案内――
……
……なにかあったんですか?
Blooming Blaze!
~咲いてロッキンガールズ~
カスミ 三渾紗千香
ノア 水瀬いのり
マール 種崎敦美
ルカ 茜屋日海夏
メリシャ 幸田直子
ミーサ 種崎敦美
ボギー 鶴岡聡