レイヴン・思い出
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思い出1
キャトラ
……だ、だれなの?!
レイヴン
レイヴンと、呼ばれている。
アイリス
よろしくお願いします。
レイヴンさん。
レイヴン
ああ。
キャトラ
旅人さん?
レイヴン
……そうだ。
キャトラ
その翼で、飛んできたの?
レイヴン
……ああ。
キャトラ
どこから来たの?
レイヴン
……どこから?
……すまない、
思い出せない。
キャトラ
忘れん防なの?!
レイヴン
……本当に、
思い出せぬのだ。
アイリス
記憶を……失ってるんですか?
レイヴン
そういうことになる。
キャトラ
アイリス……
アイリス
いけない。
レイヴンさん、
ゆっくりしていってくださいね。
レイヴン
……しばらく、厄介になる。
アイリス
物静かな人なのね。
キャトラ
えーと、無口?
キャトラ
……主人公も
たいがい無口よね……
レイヴン
……俺は、なぜここに?
男の手にした弓が、
黒い炎を上げる……
――私は、幸せだよ
最後に……あなたといられて……
――待っているから、
あの空の向こうで――
レイヴン
……これは、俺の記憶か?
……なぜ、俺は?
レイヴン
そうか、ここは……
空に、近いのか――
思い出2
アイリス
レイヴンさん、おはようございます。
レイヴン
……俺に、あいさつは不要だ。
キャトラ
いつも島を見回りしてるの?
レイヴン
ああ。
キャトラ
ここに攻めてくる奴なんか、
誰もいないわよー。
レイヴン
好きでやっていることだ。
アイリス
親切な人なのね。
キャトラ
用心深いのかも。
レイヴンの弓から、
黒い炎が上がる!
レイヴン
ん……?
レイヴン
ああ、この弓は
俺の記憶を喰らう。
喰らえば、炎が出る。
アイリス
レイヴンさんは、
その弓のせいで……!
キャトラ
なんて嫌な武器なの!?
レイヴン
……そうだな。
アイリス
レイヴンさんには、記憶を失っても
やりたいことがあったんですか?
レイヴン
ああ。
アイリス
自分が何者であるか
わからないなんて、
つらい……ですよね。
レイヴン
俺はきっと、
そのせいで救われている。
アイリス
レイヴンさん……
思い出3
レイヴンは、
主人公の剣を
かわした!
レイヴン
うむ。
レイヴン
よい太刀筋だ。
キャトラ
アンタも腕が立つのね、
レイヴン。
レイヴン
体が、覚えてる。
……今のところはな。
レイヴン
射抜けなくなったら、
おそらく俺に価値はない。
アイリス
そんなことありません!
レイヴン
……俺は射抜く、
それだけだ――
レイヴン
俺が射抜けねば、
だれが奴らを討つ。
レイヴン
……俺の村を焼き払い、
兄弟を殺した奴らを――
アイリス
レイヴンさん、記憶が……!?
レイヴン
……俺は。
……そうだ。覚えているぞ。
……俺は奴らを倒すため、
この弓を……!
アイリス
レイヴンさん!
レイヴン
……初めてだ。
こんなことは。
レイヴンの弓は、黒い炎を上げる。
キャトラ
いいの、アンタ?
記憶を……
レイヴン
記憶は弓の力となる。
だから、これでいい。
思い出4
アイリス
レイヴンさん、今日も
見回りご苦労様です。
レイヴン
気にするな。
アイリス
……レイヴンさん、
どうしてその弓を
手放さないんですか?
レイヴン
射抜くためだ。
キャトラ
何を?
レイヴン
悪を。
キャトラ
……大雑把ね?
レイヴン
そうだな。
キャトラ
アンタの腕なら、
その弓にこだわらなくても
いいんじゃないの?
レイヴン
俺には、この武器が似合いだ。
キャトラ
気に入ってるんだ?
レイヴン
これには――人の怨みが
こめられているからな。
アイリス
……たしかに、負のソウルを
感じます。すごい力――
キャトラ
そんなもの持ってたら、
アンタ――
レイヴン
魔物に、なるかもな。
キャトラ
あ、アンタね!?
レイヴン
心配ない。
その前に死ぬ。
キャトラ
何か、事情があるのかも
しれないけど……
アイリス
レイヴンさん、まるで
自分を責めてるみたい……
レイヴン
……また、思い出したか
……ナンナ。
……俺の、愛した人……
ナンナ
――ふふふ、あなたは
とっても無口なのね……
ナンナ
――でも、あなたが無口なのは、
きっと優しいからだよ――
弓が、黒い炎を上げる――
レイヴン
……喰らえ、弓よ。
レイヴン
――この島のせいか。
レイヴン
……俺は、何のために悪を――
レイヴン
まあ、いいか。
思い出5
アイリス
……レイヴンさん、
おはようございます。
レイヴン
……ああ。
キャトラ
相変わらず見張り?
レイヴン
見張り?
キャトラ
だって、この島を見張ってるって。
レイヴン
俺は、そういったのか。
アイリス
レイヴンさん……?
キャトラ
あ、アンタ、
私たちのこと、覚えてる??
レイヴン
…………
すまんな。
アイリス
そんな、レイヴンさん……!!
レイヴン
俺は……
お前たちを知っていたのか。
キャトラ
全部……忘れちゃったの?
レイヴン
この弓は、俺の記憶を喰らう。
キャトラ
いや、あの……
レイヴン
……知っている、か。
アイリス
レイヴンさん……!
レイヴン
俺は……行く。
この島のルーンは、俺の記憶を
呼び起こすらしい。
レイヴン
だが、記憶を食わせすぎると……
どうなるかわからん。
キャトラ
行っちゃうの?
レイヴン
俺は忘れた。
お前たちも、忘れろ。
思い出6
レイヴン
この光――!
黒い射手は思い出す。
ぬくもりに満ちた日々と……
その終わりを。
ナンナ
――私は、幸せだったよ――
レイヴン
思い出した。俺は……
射抜いた。
レイヴン
――恋人を。
レイヴン
俺は昔、ある島にいた。
レイヴン
その島は、ルーンを独占する
王族の圧政に苦しんでいた。
レイヴン
俺は王族を倒すため、
島に封じられていたこの弓を
手にした。
レイヴン
……記憶を喰らう弓。
その力で、俺は王族を滅ぼした。
レイヴン
だが、俺の恋人は……
王族を守る、騎士だった。
アイリス
そのときレイヴンさんは、
記憶を――!
レイヴン
おそらく、な……。
レイヴン
――思い出したのは、
彼女の亡骸を見た時だ。
レイヴン
俺は、その記憶も弓に食わせた。
レイヴン
己の罪を――
キャトラ
アンタ……
レイヴン
ありがとう。
主人公よ。
俺は思い出した。
レイヴン
俺が、何を射抜くべきか。
弓が、黒い炎を上げる――
アイリス
レイヴンさん!
せっかく思い出せたのに……!
キャトラ
こんなの、つらすぎるわ……
レイヴン
俺は、悪を射抜く。
これからも。
弓は――記憶を
食い尽くす。
キャトラ
レイヴン……また、私たちの
ことも?
レイヴン
……キャトラ、
アイリス、
主人公……?
アイリス
レイヴンさん、
私たちのことを……!
レイヴン
食いきれなかったようだ。
この島と、彼女の思い出を……
アイリス
よかった……!
本当に、よかった……!!
レイヴン
……思い出か。
それを背負って生きるのも……
悪くはない、か。
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冒険者さん
52015年07月30日 13:02 ID:ouknuny8ナンナとか言う人を幽霊にしてフォースターに出そうそうしよう
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冒険者さん
42015年07月24日 10:28 ID:i8824aktナンナすみません
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冒険者さん
32015年06月04日 02:05 ID:j7vsdmguくぅ〜〜!レイヴンめっちゃ格好いい♡最高だわ
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冒険者さん
22015年04月18日 07:42 ID:fpe78q0l全キャラ中屈指のかっこいい思い出話だと思うわ こいつ主人公の話見てみたいわ
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冒険者さん
12015年02月14日 19:47 ID:jrtpt91kかっけー