リコ・思い出
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思い出1
アイリス
あら? アジトの玄関に
なにか置いてあるわ。
キャトラ
あの赤い箱……
どっかで見たことあるような?
リコ
リコ・グリコ・
リコ・リコ・グリコー!
キャトラ
リコ!
空から現れたリコは、両手―杯に
<ポッキー>の箱を抱えている!
リコ
こんにちは!
引っ越しの挨拶代わりの
<ポッキー>だよ!
リコ
みんな、よろしく!
<ポッキー>食べて
ハッピーになってね!
キャトラ
いったい、どうしたの?
リコ
この世界で、もっともっと
<ポッキー>を広めたいと思って。
リコ
いろんな場所を冒険したいしね!
キャトラ
なるほどね。リコとー緒なら
にぎやかになりそうね。
アイリス
よろしくお願いします。
<ポッキー>もありがとう。
リコ
どういたしまして。
さあ、さっそく食べて!
アイリス
とってもおいしいです。
リコ
よかったあ!
リコ
みんなの笑顔を見られることが、
私にとって
ー番うれしいことなんだもん。
キャトラ
<ポッキー>があれば、
アタシはいつでも笑顔よ!
キャトラ
キャトラちゃんは特別な猫だから
<ポッキー>が
シェアできてうれしいよ。
アイリス
みんなで食べると
おいしいですもんね。
リコ
うん!
リコ
よーし! いっぱい冒険して、
みんなと
<ポッキー>を食べるんだ!
思い出2
リコ
私には夢があるの!
キャトラ
リコの夢?
リコ
私、いつか、りっぱな
お菓子の魔法使いになるんだ!
リコ
私たちの世界、
<グリコランド>では、
学校で魔法使いを育ててるの。
アイリス
リコさんも、
<グリコランド魔法学園>の
生徒なんですよね。
リコ
うん。いろんな世界に行くのは、
私たち見習い魔法使いの
実地研修なんだよ。
リコ
ねえ、みんな、
<ポッキー>食べてみて。
キャトラ
おいしーい!
主人公たちの
まわりに、優しい輝きの光の球が
ふわふわと浮かんでいく。
アイリス
これって……?
リコ
お菓子を食べて幸せなときに
発生するエネルギー、
<スィート>だよ。
リコ
この<スィート>を集めるのが
私たちの仕事なの。
リコ
<スィート>は、<グリコランド>を
成り立たせる魔法の力。
とっても大事なんだよ。
リコ
もし、<スィート>がなくなったら
<グリコランド>も
なくなっちゃうの。
アイリス
そんなことになったら
大変ですね……
リコ
うん、<スィート>がなければ、
お菓子も作れなくなっちゃうし……
キャトラ
え、それって、まさか、
世界から<ポッキー>が
なくなるってこと……?
リコ
うん……
最悪の場合はそうなるんだ。
キャトラ
そんなの絶対、イヤー!
リコ
大丈夫、
そんなことにはさせないからね!
リコ
お菓子を愛するみんなの
笑顔のために、私、がんばるよ。
キャトラ
アタシたちも
ぜひ協力させてもらうわ!
リコ
ありがとう!
私も、がんばって
みんなにお菓子を配るからね!
思い出3
リコ
リコ・グリコ・
リコ・リコ・グリコー!
リコは、
魔法で<ポッキー>を出した!
リコ
さ、おやつにしよ!
キャトラ
ねえ、リコ。
前から気になってたんだけど。
リコ
なあに?
キャトラ
<ポッキー>には、どうして、
チョコのついてない
部分があるの?
リコ
よく気づいたね!
さすがキャトラちゃん!
リコ
これはね、<ポッキー>の
<持つところ>なんだよ。
キャトラ
<持つところ>?
リコ
チョコレートって、
手でさわると、とけちゃうでしょ?
リコ
だから、あえて、
プレッツェルの部分を
少し残してあるんだよ。
キャトラ
へえ、うまくできてるのね。
アイリス
みんなが食べやすいように、
<持つところ>を
作ってくれたんですね。
リコ
えへへ。私も<ポッキー>の
この形が大好きなんだ。
リコ
だから、魔法のステッキも、
<ポッキー>型なんだよ。
キャトラ
ということは……
リコ
どうしたの? じーっと、
魔法のステッキ見つめたりして。
キャトラ
もしかして、この魔法のステッキも
食べられるの?
リコ
えっ? こ、これはダメだよ!
キャトラ
そういわずに、
ちょっとだけ食べさせてよ!
リコ
きゃっ、ダメだったらー!
キャトラ
あ、待ってよ!
ひとくちでいいの、ひとくち!
リコ
ダメダメ! これは大事な
魔法のステッキなんだからー!
アイリス
あらあら。
思い出4
リコ
あー、おいしかった!
おなかいっぱい!
アイリス
おかえりなさい。
今日はどこに行っていたんですか?
リコ
ふふ。世界をおいしくするには、
まず、おいしいものを
たくさん食べることかなって。
リコ
この世界って、ほんとに
いろんな食べ物があるんだね。
リコ
たこ焼き、肉まん、
ポップコーン、洋ナシ、
大きなお肉に、炊さたてごはん……
キャトラ
いいなー。アタシもー緒に
食べに行きたかった!
リコ
うん、今度はー緒に行こうね!
キャトラ
約束よ!
リコ
じゃあ、デザートに、
<ポッキー>食べようっと。
リコ
リコ・グリコ・
リコ・リコ・グリコ-!
リコは、
魔法で<ポッキー>を出した!
アイリス
えっ、
もうおなかいっぱいなんじゃ?
リコ
なに言ってるの。
甘いものは別腹でしょ?
リコ
それに<ポッキー>は特別だもん!
キャトラ
たしかに!
アタシも力二カマは別腹よ!
リコ
気が合うね、キャトラちゃん。
<ポッキー>食べる?
キャトラ
うん!……あー、おいしー!
リコ
アイリスちゃんたちは?
アイリス
実は、さっき、私たちも
食事をすませたんだけど、
ちょっとならいいわよね?
キャトラ
そうそう。デザートはいくらでも
食べられちゃうんだから!
アイリス
じゃあ、いただきます。
リコ
そうこなくっちゃ!
リコ
う―ん、おいしーい!
キャトラ
しあわせー!
思い出5
リコ
…………
リコ
あ、主人公くん。
こんばんは。
キャトラ
リコ、まだ起きてたの?
リコ
えへへ。ちょっと眠れなくって。
キャトラ
大丈夫?
リコ
うん。ちょっとだけ、
<グリコランド>のことを
思い出してたんだ。
キャトラ
そっか。弟のグリくんとも、
いつも一緒だったもんね。
リコ
ふふ、ホームシックかも。
なんだか恥ずかしいな。
キャトラ
そんなことないわよ。
リコ
ありがとう。……実は、昔も、
似たようなことがあったんだ。
リコ
<グリコランド魔法学園>に
入学したてのころなんだけどね。
リコ
まだ小さかったから、寮に入って、
お父さんとお母さんと
離ればなれなのが寂しくて……
リコ
でも、それはグリも同じだから、
誰にも気づかれないように、
夜になってから1人で泣いてたの。
リコ
でもね! 私の前に、
ある魔法使いが現れたの!
リコ
その人がくれた
<ポッキー>のおかげで、
私は元気を取り戻せたんだ。
キャトラ
お菓子って、食べるだけで、
笑顔になるもんね。
リコ
うん。悲しみをやわらげて、
幸せにしてくれるお菓子の力……
リコ
それに感動して、私、
りっぱなお菓子の魔法使いになる
決意をしたんだ。
キャトラ
リコには、憧れの人がいるのね。
リコ
うん。私も、その人みたいに、
みんなに笑顔を届けたいな。
思い出6
ルーンの光が、
リコの周りを照らし出す……
リコ
これって……? これが、
主人公くんの
力……?
リコは、光に照らし出された、
主人公たちの
笑顔を見る……
リコ
……そっか。
私、1人じゃなかったんだね!
リコ
ありがとう!
主人公くんの
おかげで、そのことに気づけたよ!
キャトラ
そうよ、リコ。
アタシたちが一緒よ!
リコ
うん、ありがとう!
アイリス
みんな、
ホットミルクができたわよ。
リコ
わあ!
キャトラ
さすがアイリス、気がきくわね!
リコ
よーし、じゃあ、今日は、
パジャマパーティーにしよう!
リコ
リコ・グリコ・
リコ・リコ・グリコー!
星空から、たくさんの
<ポッキー>が降ってくる!
キャトラ
おおー!
アイリス
きれいね……!
リコ
みんなで、星を見ながら、
<ポッキー>食べようよ!
キャトラ
うん!
リコ
世界は違っても、
お菓子のおいしさと、
笑顔の優しさは同じだね。
リコ
私かもらった笑顔の分も、
みんなに笑顔を届けるんだ。
キャトラ
リコならきっとできるわ!
アイリス
ええ。
リコ
ありがとう! 今夜のこと、
私、ずっと忘れないよ。
リコ
優しさを、<ポッキー>の
バトンでつないで……
リコ
世界をもっと
おいしくするんだから!