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王子たちの狂宴 Story

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開催期間:8/17~8/24

花嫁が欲しいメルクリオに(珍しく)頼られ、

あの張り切り王が一肌脱ぐ!


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Story1 二人の王

エーベルハルトメルクリオ

メルクリオ

ようこそ、我が城へ、アイリス。

……それから、その他大勢。


アイリス

こんにちは、メル君。


キャトラ

お呼ばれしたから来たけど、

―体なにをはじめるわけ?


エーベルハルト

<合コン>ですよ、どら猫様!


キャトラ

エーベルハルト!?

アンタもいたのね……って、

『ゴーコン』ってなによ?


エーベルハルト

<合コン>とは、平民様のみに

許された、高尚な催事なのです!


キャトラ

それじゃわからん!


メルクリオ

ようは人間の女を宴の席に招き、

我の花嫁として迎え入れることだ。


キャトラ

……なぜかしら、

今の説明、すっごく

間違ってる気がするわ。


メルクリオ

ククク……

いちいち花嫁を探す手間も省けて、

なんとも効率的じゃないか。


エーベルハルト

余もメルも合コンをやりたいという

一心で準備いたしましたので、

きっと楽しんでいただけるかと。


メルクリオ

……おい、馴れ馴れしいぞ、人間。

気安く我の名を呼ぶでないわ。


エーベルハルト

いいじゃないか、王同士だろ。


そもそも、お前が

どうしてもって言うから、

余が<幹事王>に頼んで


メルクリオ

お、お前だってノリノリだったろ!

僕がワガママ言ったから仕方なく、

みたいな言い方はやめろ!


エーベルハルト

ささ、皆様、どうぞお席へ。

そろそろ最初の客人が

来られるはずなので。


アイリス

それじゃあ、お言葉に甘えて……


キャトラ

ま、美味しいものが

食べられそうだし、

付き合ってあげるわ。


メルクリオ

おい、ここは我の城だぞ。

勝手な振る舞いは許さん。


エーベルハルト

ああ、憧れの平民様と合コン……

この高揚感、舞踏会や園遊会では

決して味わえないだろう……


メルクリオ

話を聞けーー!

主催者は僕だぞ!!


エーベルハルト

ウェイター様、お待たせしました。

我らは準備万端でございます!


ウェイター

承知いたしました。

それでは、お客様を

ご案内いたします。


初級:宴のはじまり
……む、さっきの娘はどこだ?
平民様との語らいは楽しいな!

Story2 最初の客人


インヘルミナ

わらわの名はインヘルミナ。

招致に応じ、参上したぞ。


メルクリオ

(おお、これはなかなか……

これが幹事王とやらの采配か!)


メルクリオ

ようこそ、我が城へ。

我は<夜の王>の名を継ぐ吸血鬼、

メルクリオだ。


キャトラ

まだ正式に継いでない

でしょうが……


インヘルミナ

まさか吸血鬼の王族から

饗宴の招待が来るとはな。

いかな目的でわらわを呼んだ。


メルクリオ

貴様を、我の花嫁として

迎え入れたい。


インヘルミナ

……ほう。


キャトラ

直球すぎでしょ!


メルクリオ

我はー目見て貴様を気に入った。

その美貌、人間の中にあって

至宝と呼ぶに相応しい。


インヘルミナ

なるほどな。世迷い事にしては、

なかなか気の利いた賛辞だな。


キャトラ

あ、あれ? 意外と好感触?


インヘルミナ

花嫁云々はさておき、もう少し

そなたの話を聞いてやろうぞ。


メルクリオ

ククク、なんと不遜な人間よ。

だが、そうでなくてはな。


(よし! ここまでは順調だ。

僕の手にかかれば人間なんぞ

すぐ支配下に――)


エーベルハルト

待て。


インヘルミナ

……なに?


エーベルハルト

その方、女王だろう。

ここは王族の来るところではないぞ。


メルクリオ

お、おい! なにを勝手に……!


インヘルミナ

……それはどういう意味か。

そもそも招待したのは

そなたらであろう。


エーベルハルト

その席は平民様のために用意した。

女王の分際でそこに

着くなど畏れ多いぞ。


インヘルミナ

わらわが平民以下、と。

そう言いたいのか、貴様。


エーベルハルト

当たり前だろう。

その方はなにを言っているのだ?


インヘルミナ

ここまで徹底的に侮辱されたのは

初めてだぞ……ふふふ……


メルクリオ

ま、待て!

僕はこいつとは関係ない!


エーベルハルト

おいおい、つれないな、同志だろ?


メルクリオ

いつそうなったんだよ!

いいからお前は黙って――


ひっ!


インヘルミナ

不愉快だ、帰らせてもらう。

その面、二度とわらわに

見せるでないぞ。


メルクリオ

ああ……ああ……

せっかくいい感じだったのに……


キャトラ

どこからつっこめばいいのやら……

大丈夫かしら、あの二人……


中級:招かれざる客たち
い、痛い………
………ほんとすまん。

Story3 王たちの反省会


メルクリオ

おい、お前!

一体なにを考えてるんだ!


エーベルハルト

<合コン>は平民様の催事だぞ。

王族なんか来たら台無しだろ?


メルクリオ

……お前の言ってることが、

僕には欠片も理解でさないぞ!


とにかく! 誰が来ようと

さっさみたいな態度はやめろ!

いいな!?


エーベルハルト

まあ、お前がそこまで言うなら……


キャトラ

あのー、ちょっといい?


メルクリオ

なんだ!


キャトラ

アンタもさ、会っていきなり

『花嫁になれ』はよくないと

思うわよ。


メルクリオ

なにを馬鹿な。我は吸血鬼だぞ。

下等な人間どもへ命令を下すことに

いったいなんの落ち度がある。


キャトラ

その上から目線、

さっきのエーベルハルトみたいよ。


メルクリオ

うっ!


エーベルハルト

はっはっは、やっぱり王同士、

気が合うな!


メルクリオ

やかましい!

お前とー緒にすんな!


アイリス

うーん、私もキャトラの意見に

賛成かな……


メルクリオ

アイリス!? そ、そうか……

ふん、お前がそこまで言うのなら

今回だけは従ってやる。


キャトラ

言ったのはアタシなのに…………


エーベルハルト

そろそろ次の客人が来る頃だな。

ああ……心が浮き立つぞ!


メルクリオ

……おい、我が言ったこと

ちゃんと覚えていような。


エーベルハルト

大丈夫だ、任せておけ、メル!


メルクリオ

だから馴れ馴れしいんだよ、お前!


ウェイター

お待たせいたしました。

こちらでございます。


???

あ、あの――


っ!


上級:宴の仕切り直し
頼むから余計なことはするな……
再び余に任せておけ!

Story4 彼氏持ち?

???

えっと……私はー体どうすれば……


メルクリオ

(ふむ、美しい娘だ。

幹事王め、やりおるではないか)


よく来たな、娘。

我は――


エーベルハルト

その方!


メルクリオ

どわぁ!?


フローリア

わ、私のことでしょうか……?


エーベルハルト

ところどころに見られる土汚れに

草のあと……もしや貴方は……!


フローリア

申し遅れました。

私はフローリア。

庭師をしております。


エーベルハルト

に、庭師様ですと!

王族とはー線を画すといわれた、

あの伝説の……おおお……!


偉大なる庭師様!

ぜひお話をお聞かせ願えませんか!

そして今後とも余と良き関係を――


メルクリオ

おい、貴様!

抜け駆けするでないわ!

こやつは我の花嫁候補なのだぞ!


エーベルハルト

なっ! 王の分際で庭師様に

なんて口をさくんだ!

立場をわさまえろ、メル!


メルクリオ

お前、僕をバカにしてんのか!


フローリア

あの、どうか落ち着いてください。

喧嘩はよくありませんよ。


エーベルハルト

し、失礼しました、庭師様!

……メル、お前も謝るんだ!


メルクリオ

ぐぇ! あ、頭を押さえるな!

……ええい、わかった!

わかったからとっとと離せ!


エーベルハルト

まったく、お見苦しいところを……

本当に申し訳ございません!


フローリア

い、いえ、私は

気にしていませんから。

どうか顔をあげてください。


エーベルハルト

おお、なんと寛大な心をお持ちか!

さすがは庭師様、我ら王などとは

品格からして違いすぎます!


メルクリオ

……頭が痛くなってさたぞ。

もう勝手にしろ……ん?


???

フローリア!!!


フローリア

え? カスミ、なの?

あなた、どうしてここに……?


カスミ

どいつが吸血鬼!?


フローリア

えっ?


エーベルハルト

うむ、吸血鬼なら、ここにいるぞ!


メルクリオ

へ?


カスミ

成敗!!


メルクリオ

ごはあ! な、なんだ貴様!

人間風情が我をげふっ!


カスミ

悪しさ吸血鬼!

よくもフローリアを

かどわかしたわね!


メルクリオ

ぎにゃ! げふぅ! あばぁ!


カスミ

悪鬼退散! 滅ぶべし!!

はらいたまえ! きよめたまえ!!


カスミ

ふう……さ、こんな陰気臭い城、

とっとと出ましよ、フローリア。


フローリア

え? あ、うん……


メルクリオ

…………


…………た……助けろよ。


エーベルハルト

すまん!


絶級:メルクリオの受難
ああ……いい雰囲気だったのに。
せっかくの合コンが台無しだ。

Story5 虎視耽々


エーベルハルト

むむ……あれが<合コン>における

禁断の招かれざる客、

<カレシモチ>というものか……!


なんというスリル!

平民様とはなんと刺激的な

日々を送られているのだろうか!


メルクリオ

……もういい! 次だ、次!


ウェイター

かしこまりました。

どうぞ、こちらになります。


……………………

…………


ダージサワワシャナオウ

シャナオウ

我が名はシャナオウ!

呼ぱれて参上プロトコル!


サワワ

サワワです……

ふ、<風神見習い>、です……


メルクリオ

(なぜ男が混じっている!!)


(―体なにがあったのだ、

幹事王~~~!)


エーベルハルト

(メル、頭を抱えている場合か。

勝負はもう始まっているんだぞ)


メルクリオ

(はあ? なに言ってんだ、お前)


エーベルハルト

(合コンの言い伝えによれば、

我らは今、平民様の御令嬢に

試されているらしい)


(この4人の誰が自分の伴侶に

相応しいのか……とな)


メルクリオ

(なん……だと?

こんな幼い娘がか?)


サワワ

ええと、こんなときは

<風神の巻物>によると……


メルクリオ

(にわかには信じられんが……

だが、おもしろい。その挑戦、

受けて立とうではないか!)


シャナオウ

……む、なにやら熱い

デッドラインを感じるぞ。


メルクリオ

お前じゃないわ!!


ダージ

なあ、メシはまだかよ。

こっちはタダメシ食えるっつーから

来てやったんだがよ。


ウェイター

失礼いたしました。

ご注文を承ります。


エーベルハルト

なんと食事も満足にできないとは!

貴方は平民様の中でも

特に位の高い御方なのですね!


ダージ

……なにいってんのかわかんねーが

ムカつくことだけは確かだわ。


シャナオウ

吸血鬼は太陽が

苦手というのは本当なのか?


メルクリオ

吸血鬼による。

我はそれほどでもない。

それがどうした。


シャナオウ

実は俺も最近、太陽が苦手でな。

正確にはまぶしく光るサムシングが

俺のハートを苛むのだ……


メルクリオ

???

よくわからんが、

絡繰人形も大変なのだな。


エーベルハルト

根なし草の傭兵様におきましては、

我らのような王では想像もつかない

苦労をされたのでしょうね……


ダージ

……なあ、お前、刻んでいいか?

特にその高そうなマントとかよ。


キャトラ

すみませーん、

力二カマおかわり!


ウェイター

かしこまりました。


アイリス

もうキャトラ、さっきから

力二カマばっかり注文して……


サワワ

……あの、もう帰っていいですか?


破滅級:男どもを蹴散らせ!
本当に大丈夫なんだろうな!
余に任せておけ!

最終話 締めは男同士で


エーベルハルト

うむ、これが<合コン>か!

なんとも楽しい宴だったな、メル!


メルクリオ

……ホケェー……


エーベルハルト

そうかそうか、お前も魂が

抜けるほど楽しんだか!


メルクリオ

……結局、―人も……

めとることがでさなかった……


うう、こんなザマでは、

我が始祖に顔向けでさん……!


エーベルハルト

我らもまだまだ平民様には

程遠いということだ。

精進あるのみだぞ、メル!


キャトラ

ていうか、やっぱりアンタに

お嫁さんは早いんじゃないの。


メルクリオ

そうなのかな……なんだか

そんな気がしてきたよ、僕……


キャトラ

あー……これは重傷ね。


エーベルハルト

なんだ、メル。もしや本気で

伴侶が欲しかったのか?


メルクリオ

最っっっ初からそう言ってるだろ!

今までなにを聞いてたんだよ!


エーベルハルト

よし、わかった。

余がー肌脱いでやる!


メルクリオ

へ?


エーベルハルト

我が国から<婚活王>に

くお見合い王>、さらに

<出会い王>も紹介しよう。


これだけの王が揃えば、

花嫁もすぐに見つかるだろ!


メルクリオ

ほ、本当か!?

信じてもいいんだな!


エーベルハルト

安心しろ、余にまかせておけ!


キャトラ

それよりも<花嫁王>さんとか

<結婚王>さんに頼んだ方が

早いんじやないかしら?


……いるかどうか

わからないけどね。


エーベルハルト

よし、前祝いに一つ、

派手に祝杯をあげるぞ、メル!


メルクリオ

お、おう……


エーベルハルト

っと、すでに杯は空か。

ウェイター様!

まことに恐縮ですが、注文を

お願いしてもよろしいでしょうか!


ウェイター

はい、なににいたしましょう。


エーベルハルト

水をお願いいたします!


キャトラ

アンタはトマトジュースよね。


メルクリオ

おい! その選択は

吸血鬼に対する偏見だぞ!


キャトラ

あ、アタシも力二カマ追加で~。


アイリス

えっと、じゃあ私も……


エーベルハルト

よし、杯は持ったな。ではいくぞ!


メルクリオ

え、えっと……


エーベルハルト

余は偉大なる<平民様>を

目指して……


メルクリオ

わ、我は高貴なる<夜の王>を

目指して……


乾杯!




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