リベンジ版ミラ・思い出
思い出まとめへ戻る
リベンジ版ミラへ戻る
思い出1
入信をご希望の方ですね?
普段は言葉少なでも、
胸の内には秘めたる悩みが
あったんですね。わかります。
さぁ! 今すぐレッツご入信!
お布施は後払いでもいいのよ!
キャトラ
なぁに目を離した隙に
布教してんのよ!
いいでしょへるもんじゃなしー。
キャトラ
お布施を要求したくせに。
その分心が豊かになるもん!
キャトラ
あいかわらずだわね。
イロイロあったはずなのに。
そうよねえ、イロイロあったわ。
あたしのニセモノが
現れたりとかね。
キャトラ
そうだったわ。アンタニセモノに
力をよこどりされてたのよね。
その後どうなったのよ。
ニセモノはとっちめてやったわ。
でもとどめを刺す前に
逃げられちゃってねー。
アイリス
ニセモノのミラさんって、
何者だったんですか?
あたしより古い『悪魔』よ。
あたしのことを使い魔にしてたの。
失礼しちゃうわ。
キャトラ
悪魔が悪魔を使い魔に?
ないことじゃないのよ。
悪魔の世界じゃね。
まーそんなのはいいのよ!
ニセモノ退治に力を使いすぎて、
コッチはまた信仰集め直しなの!
だから入信してー!
ほら、聖典も新しくなったのよっ!
入信したくなったでしょ!
キャトラ
あいかわらず、
小物にこだわるのね。
こういうのが大事なのよ!
これを読んであたしに
信仰を捧げて!
アイリス
はい。じゃあ……
読んでみますね。
キャトラ
なになに……あら、なんだか
この文章、いつものアンタの
しゃべり方そのままね。
難しく書いたって、
伝わらないもーん。
キャトラ
白い聖女を信じれば、
なんでも上手くいくみたいね。
いくわよ?
あたしを信じればね!
キャトラ
うさんくさい……
あら、このおすすめ
デスメタル100選っての何よ。
文字通りだけど。
基本どころはおさえといたわ。
アイリス
激辛悪魔料理って、
なんですか?
なんか激辛料理が一部で
流行ってるっていうからさー。
キャトラ
悪魔的な気分になれる宿って。
ゆったり眠れて食事が美味しい、
おすすめの宿。
キャトラ
エッセイ集か!
思い出2
いやあっはっはっは、ウケたわ!
つかみからバッチリだったし!
キャトラ
ミラったらご機嫌ね。
その調子だと布教に成功したの?
もちろんよ!
チラシも全部くばったしね!
キャトラ
で、信徒増えたの。
ハッ……!?
ウケたのに、増えてない!?
キャトラ
だめじゃん!
なるほど……あたしは布教について、
根本的なところから考えを
改める必要があったようね。
キャトラ
そうよ悔い改めなさいな。
いろいろと。
信仰ってなんなの!
アイリス
大きなテーマですね。
キャトラ
どうにもならないやつだわ。
………………………………………………………
………………………………………………………
………………………デビルのうさいぼー!!
キャトラ
あ、ミラの頭から湯気が。
んはぁー!!
キャトラ
なんか出てきた?
どうにもならなかったわ!
キャトラ
チャレンジ精神は認める。
でもこれだけはわかったわ。
キャトラ
何がよ。
チラシがなくなって、結局
赤字ってことがね。
キャトラ
お金なら貸さないわ。
あ、あてにしてないもーん!!
えーい、こーなったらバイトよ!
アイリス
お仕事をするんですか?
だったら……
キャトラ
実はこれからギルドの依頼で
仕事に行くの。一緒に働く?
やるわぁ!!
よーし、みてなさいよー!
この悪魔の弓がファイヤー
しちゃうんだからぁ!
思い出3
あ、あんたたち悪魔ね!
キャトラ
悪魔はアンタでしょ。
なんでよりによって教会の
大掃除なんて仕事を!
アイリス
ギルドの人からどうしてもって……
キャトラ
お給料出たんだし、
いいでしょ。
こっちは悪魔だっての!
教会とか聖なる場所とか
あーもう虫唾がー!
キャトラ
面倒な『シスター』だわね。
あくまで仮の姿よー!
あ、でも最近は普段もこのカッコだ。
アイリス
慣れてきたんですね。
キャトラ
アンタ、シスターのコスプレする
前はどんな格好してたの?
えーっと……悪魔っぽい恰好
してたわよ。
キャトラ
悪魔っぽい、ねえ。
ミラは、レコードのジャケットを
取り出した。
キャトラ
これ、デスメタルのレコードね。
なんか派手で怖い人がいるけど。
こんな格好してたわ。
キャトラ
スゴイわね。
アイリス
とげとげがいっぱい。
コッチに比べると、シスター楽よ?
キャトラ
まあこれに比べると、
そうでしょうね……
前は髪をセットするだけで、
だいぶ時間かかってたわ。
キャトラ
そんな時代があったのね。
あの時代は迷走してたわ……
悪魔らしさについて、日々
悩んでたし。
キャトラ
アタシ突っ込んだ方が
いいのかしら。
角生やしたり、ペイントしたり、
フォークもったり、火を吹いたり。
試行錯誤の連続。
キャトラ
形から入るタイプなのね。
いろいろ悩んだ末に、今のあたしの
シスタースタイルが
あるってわけ。
アイリス
えーと……
信仰を集めるためじゃ?
あっ。
思い出4
ねえ主人公、
ちょっといい?
なんかさ、布教されるときって
あるじゃない?
あるかもしれないでしょー!
そういうときさ、
何をもらったら入信したくなる?
え、なになに?
あー、そういうのねー。
いちおー参考にするわ。
キャトラ
何してるのよ。
もので釣ろうと思って。
アイリス
ストレートですね、ミラさん……
こっちはなりふりかまって
られないのよ。
キャトラ
前のちょっと怖い人形は
どうだったの?
一部で好評だったけど、
作るのに時間かかるし。
もっとラクなのがいい。
キャトラ
じゃ、チラシでいいじゃん。
ラクではあるけど、あたしだったら
チラシなんか文面見ないで
メモにしちゃうわね。
アイリス
飛行島でも、チラシはメモに
してますね。
もので釣るのも大変なのよ。
キャトラ
そうだわ、チラシじゃなくて
紙をくばったら?
いいわねえ、両面メモになるし!
ってなによそれはー!!
何をもらったら入信を
したくなるか聞いてるの!
アイリス
なんでしょうね?
キャトラ
もらって嬉しいものね。
そうね。それでいて、
わざわざ買わない奴。
キャトラ
わざわざ買わないけど、
もらったらうれしいもの……
そうねえ……
キャトラ&アイリス&ミラ
タオル。
……えっと……
キャトラ
タオルつくりましょう。
もらってあげるわよ。
いくらでも。
ぜったいそういうのじゃない!
思い出5
ふっふ~ん。
キャトラ
ずいぶん上機嫌ね。
あえて聞かないわ。
聞きなさいよ~!
キャトラ
どうせ特売品が安かったとか
そういうのでしょ。
そうなの玉ねぎがね。
じゃなくて!
あたし、聖典を配ってたでしょ?
それがウィザーズ・マガジン
出版社の目に留まってね。
キャトラ
アンタの……あれが?
どうも編集の人に好評だった
らしくてさー。ぜひわが社で
出版を、だってー!
キャトラ
す、すごいじゃないのー!
本が売れれば儲かるし、
信仰だって集まるわぁ。
地味にやってきてよかったー!
アイリス
よかったですね、ミラさん!
…………
……
キャトラ
えーっと、ミラ、どうしたの?
しめきりがぁ~。
キャトラ
ヘバッてるわね。
まあここ最近カンヅメだった
らしいじゃない。
アイリス
あれ以来ずっと執筆活動ですね。
キャトラ
まー本がソコソコ売れてよかったわよね。
おかげで実家兼聖堂も
建ったわぁ!
キャトラ
貸家だけど立派よ。
アイリス
今度は何の記事を
書いてるんですか?
花の都の島の市場で、
食べ歩きをした記事よ。
もーちょっとなんだけど、
頭、真っ白になっちゃって。
アイリス
ミラさんってエッセイの才能が
あったんですね。
あったのかもね。そういえば
あの学園で冊子とか
つくったりしたし。
キャトラ
それはいいけどさ。
信仰集まってるの?
そりゃもう集まってるわよ!
こう見えてあたし、
いろんな雑誌に連載しているし!
集まって……
キャトラ
どうしたの。
集まってない……
はぅあああ……
どうしてええ!
キャトラ
主人公……アレの時間かも。
思い出6
ルーンの光……
なんて清らかで澄んだ輝きなのっ。
うえっぷ。
キャトラ
気持ち悪くならない!
悪魔なんだから
しょうがないでしょ!
アイリス
どうですか? ミラさん、力は?
なーんとか持ち直したわね。
いつも、ありがとね、
主人公。
キャトラ
でも、本を出したのに、かえって
信仰を無くしちゃうなんて、
どうしたの?
うーん、きっとあれだわ。
みんなあたしの聖典とか記事を
楽しんではくれたけど……
信仰してくれるっていうか、
ネタにして楽しんでただけ
みたいだわ……
キャトラ
なるほど、そういうことね。
書いてる間布教しなかった分、
力も下がったと……
うちで養ってる暴れん坊にも、
心配かけちゃったわ。
キャトラ
あの元気な子ね。
原稿料も、思ったより少ないし、
布教と執筆の両立は
ムズカシイかも。
えーい、もうやめちゃお!
やっぱり地道な布教がいちばん!
キャトラ
アンタはそれでいいかもね。
アイリス
ねえキャトラ、ミラさんのこと
信じてる人って、増えてるよね。
キャトラ
そうよね。前に比べればね。
新しい聖典に、聖印に、チラシに
もやし君っと……よっし準備完了!
キャトラ
あら、その聖典って出版されて
ソコソコ売れたやつね。
前のと内容は同じ?
けっこう書き足してるのよ。
ありがたーいことに
変わりはないけどね?
キャトラ
ちょっと読んでみてもいい?
いいけど?
キャトラ
ふむふむ……
『アンタが誰であっても、
信じてくれる人はいるものよ。
そういう人がいるから世の中
まわってるんだからね!』か。
アイリス
ミラさん……
キャトラ
いいこと書いてるじゃないの。
こ、声に出して読まないでよ!
照れるじゃない!
気を取り直して……
さあ行くわよ! 信徒のみんなの
ところへっ!