ロッカ・思い出

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思い出1

キャトラ

……さむっ！！

……なんでこんなに寒いのっ！？

アイリス

雪が降ってるわ。

どうりで寒いわけね。

キャトラ

なんで雪ッ！？

ロッカ

ゆきゆきゆーき、

あわゆきわたゆきみぞれゆきー！

キャトラ

アンタね！！

ロッカ

見渡す限り銀世界！

キャトラ

落ち着きなさい！

ロッカ

みんな、雪合戦しない？

キャトラ

雪女と雪合戦？

なんだかお魚と泳ぎで

勝負するみたいな話ね。

ロッカ

雪女の里では、

毎日雪合戦してたなあ。

アイリス

のどかですねえ。

ロッカ

みんなで雪の弾丸を

撃ちあったなあ……

なつかしいなあ。

キャトラ

弾丸？撃ちあう？

ロッカ

雪の弾丸を氷の壁で防ぐと、

横から雪崩がバーッって！

アイリス

雪崩ぇ！？

ロッカ

あげく、山の上から

氷山が降ってきてね？

すっごく盛り上がったよー！

キャトラ

ふつうに戦争よ！

ロッカ

雪女の雪合戦は、

里を守るための訓練でも

あるからねー。

ロッカ

みんなもプライドがあるから、

ここぞとばかりに技を

繰り出すんだよ。

キャトラ

とんでもないイベントね！？

ロッカ

面白いよ？

ハンデつけるから、やろうよー。

キャトラ

できるかぁー！！

思い出2

アイリス

ロッカさん、この雪うさぎさん、

かわいいですね！

ロッカ

うさぎじゃないよ？

ぶたさんだよ？

キャトラ

肉まんの具ッ！？

あんたの肉まん愛、

感心するわ……

ロッカ

かわいいでしょー。

さわるとほわほわだよー！

キャトラ

う、動いた？

アイリス

生きてるの？

ロッカ

私が動かしてるんだよー。

見てよこのブタっぽさ。

雪ブタ

だいろーぱおー。

キャトラ

鳴き声が豚じゃない！

雪ブタ

ぽーくばーんずー

べりーていすてぃー

キャトラ

意味はわからないけど

語彙が豊富ね！

ロッカ

ふわふわだから、私は

だっこして寝てるんだよ。

キャトラ

普通の人間だったら

凍ってるわね……

ロッカ

この子を抱いてると、

肉まんの夢をみちゃうんだよね。

ロッカ

もちろん、抱いてなくても

見るけど。

キャトラ

寝ても覚めても肉まん……

ロッカ

私の体はほとんど肉まんで

できてるからね！

アイリス

食べたものが

体をつくるっていいますしね。

キャトラ

雪女でしょ！

雪はどうなったのよぅ！

雪ブタ

まんたー

ぱおずー

ばいんばおー

思い出3

ロッカ

はああ……

アイリス

どうしたんですか？

ロッカさん、今日は

あんまり冷たくないですけど。

キャトラ

たしかに、

すごしやすい寒さね？

ロッカ

ちょっと、

ショックなことがあって……

キャトラ

テンション下がると

こうなるんだ……

ロッカ

実はこの前、

一個だけ残ってた

チャーシューまんを買ったの。

アイリス

チャーシューまん、

おいしいですよね。

ロッカ

そう……！

おいしかったのよ！！

……それが問題なの！

アイリス

おいしすぎて

食べすぎちゃうとかですか？

ロッカ

ちがうわ！

私が好きなのは肉まんなの！

肉まんを愛しているの！

ロッカ

そんな私が、チャーシューまんを

おいしいと感じてしまうなんて……

ロッカ

これはゆゆしき問題だわ！

アイリス

肉まんも好きだけど、

チャーシューまんも好き……

難しいですね。

ロッカ

この気持ちを……

どうすればいいのかしら……！

アイリス

微妙な問題ですよね。

ロッカ

いってみれば三角関係ね。

肉まんとチャーシューまんが

私をめぐって争ってるの！

アイリス

ロッカさんをめぐって……？

ロッカ

肉まんは長年つれそった

優しい彼。

ロッカ

チャーシューまんは

危険な香りのする

プレイボーイ。

ロッカ

二人の間を

揺れ動くわたし！

キャトラ

あの……ロッカ？

チャーシューまんも

いってみれば肉まんなんじゃ？

ロッカ

ハッ！？

キャトラ

だめだこりゃ。

思い出4

ロッカ

シチューか！

ほかほかシチューか！

キャトラ

いきなり何よっ！？

ロッカ

シチューはいいわよね！

おいしいもんね！

心まであったかくなりそうね！

アイリス

シチューも好きなんですか？

ロッカ

シチューの人気に嫉妬してるの！

シチューにくらべたら、肉まんは

おやつに見られがちでしょ！

アイリス

私はどっちも好きです。

ロッカ

それよそれ！

……なんかもう、なんなの！？

どっちも好きってなに！？

キャトラ

優劣つけるもんじゃないでしょ。

ロッカ

まあシチューと肉まんじゃ、

くらべてもって気はするわね。

でも許せないのはうどんよ！

キャトラ

なんでよー！！

ロッカ

うどんって好きな人は

年中食べてるじゃない！

ロッカ

私だって

年中肉まん食べてるっての！

それを、冬しか

出番ないみたいにー！

キャトラ

パンはどうなの？

ロッカ

あつあつじゃないし。

せいぜい焼きたてでしょ？

ロッカ

肉まんは蒸してるのよ！

あつあつよ！

アイリス

蒸しパンはどう？

ロッカ

いいけど、中にお肉をいれた方が

いいわね。

キャトラ

それ、ほとんど肉まんだから！

アイリス

ロッカさん、あったかいものが

好きなんですね。

キャトラ

（……あと、小麦粉？）

ロッカ

……こうなったら

敵の力をとりこんで……

ハッ、肉まんシチューうどんとか！

キャトラ

小麦粉小麦粉小麦粉

じゃないのっ！？

思い出5

ロッカ

あ、主人公、

肉まんあっつー！！

ロッカ

今の？

今のは私のオリジナル挨拶！

ロッカ

主人公も、

もっと個性だしていこっ！

(ロッカから冷気が出る)

ロッカ

あ、ごめん。

個性でちゃった。

キャトラ

冷気じゃー！！

ロッカ

冷気じゃなくて

肉まんが出ればいいのに！

アイリス

それだと肉まん女さんですね。

キャトラ

ほとんどそれであってるわ！

ロッカ

……私が肉まん女だったら、

いろんな肉まんをつくるのになあ。

キャトラ

アンタが肉まんつくるなんて、

命がけだからねぇ。

ロッカ

私自身の湯気で肉まんが

蒸しあがっちゃうからねー。

キャトラ

湯気になっても

すぐに復活するから驚きよね。

最初はびっくりしたわ。

ロッカ

雪女っていろいろ不便なのよ。

なんか周りのみんなを

寒がらせちゃうし。

キャトラ

そういえば

雪女だったわね、アンタ。

湯気女じゃなくて。

アイリス

ロッカさん……

ロッカ

やだなあ、みんな変な顔しないで？

雪女が寒いのはあたりまえじゃん！

キャトラ

変な顔してんのは、アンタよ！

ロッカ

えへへ、そうかも……

私、もう行くね。

みんな、寒いでしょ？

思い出6

ロッカ

……この光はなに！？

……とっても、あったかい……？

ロッカ

主人公、

この温もりは、君の光？

アイリス

いいえ、ロッカさん

これは、ロッカさん自身の光です。

ロッカ

……私の中に、こんなに

あったかい光が……？

ロッカ

……私、わかったよ。

ロッカ

私が肉まんからうけとったのは、

美味しさだけじゃなかったんだね！

キャトラ

けっきょく肉まんなの！？

ロッカ

肉まんは私の生きる意味、

情熱の証、

明日への希望……

ロッカ

私は雪女の里にも

肉まんを広めて見せる！

キャトラ

……ハードル上げたわね！？

ヘレナ

ふふ、肉まん蒸しあがったわよー。

ヘレナ

ロッカちゃんの意見を取り入れた

新作よ。われながら自信作！

ロッカ

肉まん！

肉まん食べたいです！

ヘレナ

はいはい、熱いから気をつけてね。

ヘレナ

主人公、

アイリスちゃん、キャトラちゃん、

あなたたちもどうぞ。

キャトラ

わーい！

ロッカ

はふはふ……

幸せで溶けそう〰！

キャトラ

蒸気に！

蒸気になってるわよ！！

ロッカ

はうあ〰

アイリス

ロッカさーん！

ロッカ

肉まんさいこー！！！

じゅわー……

キャトラ

戻ってこーい！！

思い出7

凄まじい吹雪――その中で、
生きるものがいるとは思えない。

この極寒の中を進める者は、
まさしく冬の化身であろう。

ロッカ

姉ちゃん……

マフユ

聞こえてるわ、ロッカ。

ロッカ

姉ちゃんは、何と戦ってるの？

マフユ

残酷で悲しい運命と、ね……

ロッカ

私、知ってるよ？　姉ちゃん、

いつもクールだけど、

本当は凄く優しいって。

マフユ

私はロッカとは違う。

ロッカ

私だって、姉ちゃんみたいに

クールじゃないもーん。

マフユ

あなたはまるで綿雪。

いつまでもその暖かさ、

忘れずにいて……

ロッカ

姉ちゃん……？

(主人公が現れる)

ロッカ

えっ！？　ちょ、ちょっと！？

ロッカ

駄目だよ！　凍っちゃうよ！

主人公は、
仲間から託されたルーンを
見せた……

凍えるほどの寒さだが、
発生する熱で、かろうじて
前に進める――

ロッカ

私じゃ、頼りないかな？

ロッカ

はははは。やっぱり――

やさしいんだね。

ロッカ

＜永久凍土のルーン＞は、

もうすぐだよ。

早く帰って、肉まん食べよう！

冷たい――

とてつもなく冷たいものが、
近づいてくる――

マフユ

来てしまったのね。

ロッカ……

ロッカ

姉ちゃん――？

そっか！　やっぱり私たちを

助けに来て――

マフユ

…………

ロッカ

……どうして？
どうして黙ってるの！？
姉ちゃん……姉ちゃん！！

マフユ

不敬である。わきまえよ小娘。

ロッカ

姉ちゃん、どうしたの！？

マフユ

我は氷の女王――

世界全てを白銀に閉ざすもの。

ロッカ

……姉ちゃんなのに……

姉ちゃんじゃ――ない。

誰なの……！

マフユ

私はマフユ。あなたの姉。

そして同時に――

氷の国の女王！

ロッカ

うわああ！！

ロッカの体が……凍りついた！

ロッカ

私が……凍る……！

マフユ

あなたに宿る冬は、春の前に

消えて溶けるだけの冬。

マフユ

私の冬は、とこしえの冬――

眠りなさい、ロッカ――

ロッカ

姉……ちゃん……！

(主人公が立ち上がる)

まだ終わらない――
仲間からたくされた、
このルーンの光で！

マフユ

邪魔を――！

ロッカ

だめっ！！

意識が――薄らいでいく。
体が凍りつく――

(主人公が凍った)

あとは――彼女に――！

ロッカの体が、暖かい光に
包まれていく。
氷が溶けていく――

ロッカ

……みんな……！
主人公――！！

マフユ

……ロッカ、あなたは――！

ロッカ

うおおおーっ！！

思い出8

ロッカ

私のハートは……！！

主人公と
仲間達から託された、
最後の想いが……

ロッカ

あつあつなんだからぁー！！

ロッカを目覚めさせ、
新たな力を与えた！

マフユ

私達に、温もりなど不要。

マフユ

せめて凍りつくがいい――
そして眠りの内に見よ、
冬と氷の支配を！

ロッカ

姉ちゃんが女王様で、

女王様が姉ちゃん……

どういうことなの？

マフユ

我らは混ぜられた。

国を守りたいと願う、

氷の女王の魂と――

マフユ

命が消える冬の訪れを、

誰よりも悲しんでいた

雪の妖精が、一つになった。

ロッカ

そんなー！！

守りたいと願う心。
救いたいと願う心。
だが二つが混ざることで――

この世の、脅威となった……

(一瞬エピタフが現れる)

ロッカ

姉ちゃんは、私よりも――

悲しかったんだ……

ロッカ

春が来ることが……

命がいつか終わることが……

マフユ

もう……悲しくないわ。
私は救ってみせる。
全ての命を――！！

ロッカ

姉ちゃんに、そんなことさせない！

マフユ

我が前に立ちはだかるか。
冬を誘う娘よ！

ロッカ

終わらない冬なんて、

悲しいだけだよ……

マフユ

ロッカ……！

ロッカ

だから私……終わらせるね？

マフユ

地吹雪よ荒れ狂え――！
全てを永遠の冬に！

ロッカ

姉ちゃん！

ロッカ

うううう……あああああ！！

ロッカの体より、暖かい光が
ほとばしった！

マフユ

……残された、温もりを……！

ロッカ

肉まんをあったかくしたい。

……それだけ。それだけだったの。

ロッカ

雪女は熱を奪う。

だからね……？　奪った熱を！

マフユ

ぐああああああっ！！

ロッカ

姉ちゃん……大好きだよ……

マフユ

……ロッカ……

ロッカ

姉ちゃん……！！
うっ……うああああっ……！

最後の温もりを受けて、
マフユは消える――

マフユが立っていた場所に、
ルーンが輝いていた――！！

ルーンは激しい冷気を
発しながら、激しく輝く。
さながら凍て星のごとく。

ロッカ

＜永久凍土のルーン＞――！

ロッカ

……暴走してる……！！
このままじゃ――！

ロッカは、ルーンを抱きしめた。

ロッカ

うああああああ――！！

ロッカ

私に残ったソウルで……
ルーンを……！

ロッカ

みんな……セルゲイ……

イーノくん……姉ちゃん……

ロッカ

雪が降ったら……私のこと――

ボイス

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