葛葉 ツカサ/遊戯

Illustrator:maimai(しきみ)
| 名前 | 葛葉 ツカサ(くずのは つかさ) |
|---|---|
| 年齢 | 17歳 |
| 職業 | 学生(高等科2年)/言ノ葉使い |
| 特技 | 周囲を気にせずにひとりでいられる |
| 苦手 | 馴れ馴れしい相手、裏表のある奴 |
- 入手方法:2015/12/17~2019/4/10期間中にmaimaiで「りばーぶ」を難易度BASICでプレイ。<終了済>
イベントinclude:開催日(maimai連動)
- 所有スキルではないが、「言の葉のコトダマ」も装備可能。「コーーーーン!!」と「怒りの遠吠え」は装備できない。
- 言ノ葉Projectマップ8のマップボーナス(+2、キャラカテゴリと合計で+4)に名指しで指定されていた。
キャラinclude:葛葉 ツカサ
「遊戯」は第二章「言ノ葉遊戯」を意味する。
スキル
| RANK | スキル |
|---|---|
| 1 | 言ノ葉のコトワリ |
| 5 | |
| 10 | |
| 15 |
include:共通スキル
| ※以降は他キャラクターが所有 | |
|---|---|
| - | 言の葉のコトダマ |
スキルinclude:言ノ葉のコトワリ
スキルinclude:言の葉のコトダマ
ランクテーブル
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| スキル | Ep.1 | Ep.2 | Ep.3 | スキル |
| 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
| Ep.4 | Ep.5 | Ep.6 | Ep.7 | スキル |
| 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| Ep.8 | Ep.9 | Ep.10 | Ep.11 | スキル |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
| 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
| スキル |
include:上位ランクテーブル仮置き
STORY
名前:葛葉ツカサ(くずのは つかさ)
年齢:17歳
職業:学生(高等科2年)/言ノ葉使い
特技:周囲を気にせずにひとりでいられる
苦手:馴れ馴れしい相手、裏表のある奴
転入生。クールで不良めいた雰囲気を持ち、いつもあまり他者に関心を見せず、そっけなく振る舞う。
彼には、意図せず他人の言葉を介して『タテマエ』のバケモノを出現させてしまう厄介な力がある。だが一方同じ他人から『ホンネ』妖怪を引き出して自ら操り、敵と戦う術も体得している。
「深い意味はない。余計なことは考えるな」
そうした彼の能力と技術が、どこから来たかはわからない。家族についても語りたがらず、謎が多い。
他人の隠されたホンネを引き出し、抱え込んだタテマエを打ち破ること……それが彼の責務となっている。
尚、金色の髪は地毛である。
突如学園を覆い尽くす、極彩色のサイケデリック。
歪んだコラージュに塗れた空間には、絶え間なく耳障りなノイズが響く。流行歌の歌詞の断片と何か古めかしい訓話を切り貼りしたような意味不明の言葉がノイズにちりばめられていた。
空間の只中にたたずんでいる、巨大なタテマエのバケモノは絡新婦……女郎蜘蛛だ。
その蜘蛛はまるで洋菓子のようで、全身に生クリームを塗りたくられ、光沢を放っている。
一瞬、頭痛がしそうなほどの甘ったるい香りが漂う。
だがすぐそれが腐臭に変わり、俺は顔をしかめる。
出来たてのおいしそうなスイーツがあっという間に腐敗してカビていく……その様子が巨大蜘蛛の体表で繰り返されているみたいだった。
「まったく何を考えてるんだ、あいつは」
俺はタテマエと戦うべく、その由来者・鈴乃音舞からホンネ妖怪を引き出し、言ノ葉の術を構えた。
けれど肝心のホンネはまったく戦うには役立たずで、鈴乃音本人のほうが蜘蛛に格闘を挑んでいく始末。
やれやれ、どうしてこんなことになってるんだ?
俺は思い出す……
もはや物珍しい転入生としては扱われなくなった俺は時折朝の校門での風紀チェックに引っ掛かりながらも、平穏な学園生活を送っていた。
名門の風格を漂わせるこの学園において、俺はどちらかと言えば出来も素行も悪い部類に入るのだろうが……ひとまず、日々に大きな問題はない。
ただこの頃、少し気になることはある。
以前に学園を覆っていた霧や空気の淀みとはまた違った、怪しげな気配がするんだ。
それは誰かのタテマエのバケモノが出現する予兆だ。
しかし、まだ目には視えなかった。
この気配をあえて表現するなら……それは音だった。
俺がヘッドフォンをかけていても、外から伝わってくる。音量は決して大きくないが存在が確かな、ノイズ。
いったい誰がこのノイズの由来者なんだ?
渡り廊下を歩いていると、妙な集団に出くわす。
中心にいるのは校則違反の常習らしい派手目な印象の女だが、その周囲には何故か、少々情けない感じの男しかいない。旧校舎の不良の輩たちとはまた異質な雰囲気を醸していた。
その女が、突然、俺に近づいてきた。
……ノイズが大きくなる。
体調にあわせていくつか使い分けてはいるが、一年中俺がマフラーを手放すことはない。こいつは通年仕様で冬は暖かく、真夏でも暑くない、特殊な蔦状植物の繊維を集めて編み込まれたものだ。
単なるファッションではなく、言ノ葉使いの術を制御するために、このマフラーは俺に必須だ。
祝詞を唱えてホンネを操る陰陽師は、時に多大な霊力を自身で呼び込んで抱えてしまい、そのために暴力的な衝動や嫌悪感をもって苦しめられることがある。
特に俺の場合、元々の体質の問題もあり、霊力を溜めすぎる危険が大きい。俺の身体を通じて他人のタテマエのバケモノが出てしまうのも、この体質のせいだ。
だがマフラーがあれば、強すぎる霊力を常に空中に逃がし、散らしてくれる……電気器具につけられたアース線のようなものと考えていい。
扇子とマフラーの材質をあわせれば、術の威力も加減しやすくなるので一石二鳥だ。
……といった事情があるため、実は他人にマフラーをいじくり回されるのは、俺にとってはヘッドフォンを取られるよりも深刻な問題だ。
他人の言葉が視えるどころではなく、何か感情のひりつきを相手から受け取った瞬間に、バケモノが姿を現してしまう可能性がある。
だから、頼むからそいつを触らないでくれ。
女・鈴乃音舞は俺にまとわりつき、俺のマフラーを触りまくり、ヘッドフォンまで勝手に外して、そして耳元でささやいた。
『一緒に遊びましょう』と。
お断りだ。
だが……
俺が鈴乃音の言うことを聞かないよう意識していたにも関わらず、鈴乃音の周りに漂うノイズに何かの文言が含まれていると気づいた瞬間、タテマエのバケモノは現れてしまった……
この女の主張はどれだけ強いんだ。
人の建前としては、異様な押しの強さだ。
果たして本当にこれが『建前』なのだろうか?
ともあれタテマエとして出現した敵は、巨大な蜘蛛。
絡新婦=女郎蜘蛛と、鈴乃音によってストレートな名付けをされた。
そいつは毒々しい見た目で、実際毒を持つ。毒は直接身体に害をなすものではないが、たちは最悪に悪い。
この女郎蜘蛛はスイーツ志向だ。
ノイズと共に拡散される、洋菓子の匂い……その甘い匂いは、たちどころに悪臭に変わっていき、俺は戦う前から気分が滅入ってくる。
そしてやたらと子だくさん。同じ毒を持つコドモをそこらじゅうに振りまく。あまり戦う気がないタテマエのようだが、迷惑千万なのは間違いない。
巨大なスイーツのタテマエ・女郎蜘蛛を前にした、俺と鈴乃音。もはやタテマエのバケモノの由来が鈴乃音であることは明白で、俺は説明をすっ飛ばし、ホンネ妖怪をとっとと呼び出すことにする。
……ホンネを呼ぶには本来、由来者の承諾が必要なはずなんだが、鈴乃音のホンネである猫鈴はいきなり俺の召喚に答えた。事後承諾になってしまうな……
猫鈴は幼童姿となり、やたらと俺にくっついてくる。
なかなか馴れ馴れしいホンネだ。
しかしいざ戦闘のために猫鈴を操ろうとすると、これがまったく言うことを聞いてくれない。
鈴乃音、お前の『本音』はなんだか妙だぞ。
『建前』に対する矛盾を含んでいる。
しかし……鈴乃音個人の事情など知らないが、今の俺はタテマエの相手をしなければならない。
戦うための手段を講じるには、さて……
本当のホンネというやつが必要だろう。
俺がいくら命じても、ホンネ妖怪・猫鈴はまだ戦う様子がない。まさかとは思うが、鈴乃音が猫鈴に向かって何か言ったのが原因じゃないだろうな?
ついには、鈴乃音本人がモップを掲げ持って女郎蜘蛛に殴りかかるという異例の事態になった。
さすがにまずい。案の定、鈴乃音に危険が迫る。
女郎蜘蛛は積極的に破壊行動を行うタテマエではないみたいだが、その巨躯と怪力ゆえに、歩いたり振り返ったりするだけで物が壊れる。蜘蛛の足先で突かれただけで、鈴乃音は大ケガをしかねない……
洋菓子で出来た身体の新生と腐敗を繰り返す女郎蜘蛛はだんだん機嫌を損ねている模様で、生み出すコドモの多さと毒素の強さも、深刻さを増していく。
猫鈴は何かを盛んに俺に訴えようとしているが、さっきから「ねー」しか言えてない。こいつの意志を汲もうにも俺はどうすればいいのか……
「……あの蜘蛛、たぶんイチゴをもいだら死ぬ」
突然、猫鈴が普通に喋り始めた。
しかも俺が確信を持てなかった物事にいきなり答えを出してきた。
本当は相当賢いんじゃないか?
だったら期待が持てそうだ。
裏技で、こいつの真の能力を引き出させてもらおう。
猫鈴は「鈴乃音を助けたい」、とハッキリ言った。
ならば、と言ノ葉使いの俺は手にした扇子を裏返す。
猫鈴の言葉を言霊の力に変換し、猫鈴の状態変化を促した。扇子に新しい文様が浮かぶ……
斯くして、気分昂揚した猫鈴は、凛とした青年の姿となり、自ら『麝香猫キヌ』と名乗った。
ひとまず見かけはだいぶ頼もしい。
瞬時に鈴乃音の身を守る盾として動き、巨大な女郎蜘蛛の動きを止めるなど、戦闘力もあるようだ。
ならば早々に決着を――
と思いきや、キヌとやらはのらりくらりと番傘の先端で敵蜘蛛のコドモをあしらうばかり。超余裕の立ち回りと表情だが、どうして敵本体に挑まない?
「こんなもんが、私のやる仕事かい?」
おい。鈴乃音を助けたいんじゃなかったのか。
お前はなんのためのホンネなんだ……
「慌てなさんな、お前さん。相手はいずれ隙を見せる」
……やる気がないフリをして、敵を油断させ、機会を窺っていたのか。こいつ、食えん男だ。
俺はひと呼吸置いて、キヌと頃合いを合わせる。
番傘の仕込み刀が一閃。巨大な敵は、両断された。
鈴乃音舞のタテマエは倒された。本来ならば鈴乃音と俺の縁はここまでとなるはずだが……
けれどもホンネの解放をきっかけに生活態度を変えた鈴乃音は、今までの取り巻きの男連中から離れ、今度は放課後にたびたびキヌひとりを従え、俺に対してちょっかいを出すようになった。
正直なところ、いい迷惑だ。
鈴乃音……お前、表面的な媚びこそなくなったが、相手の気持ちなどお構いなしにやってくるあたりは以前と全然変わってないどころか、悪化してるぞ?
……つまり、これがこいつの本音だったのか。
繕った性格をやめて自分のやりたいようにやるのが。
他人のホンネを出して俺が後悔したのは、これがはじめてかもしれない……
まあ、鈴乃音とキヌの仲が悪くないのは幸いだが。
ところで戦勝の茶会に俺は招かれた。キヌの主催だ。
どこでも自在に茶道具を扱うのがキヌの固有能力のようだが、出てきたのは謎のコーヒー。
いったいなんなんだ、この最高級コーヒー……
いや、別に詳しい説明はいらない。
どうしてそんなものを俺に飲ませる?
もてなしなのか、それとも嫌がらせなのか、麝香猫。
おい。なんで俺の服がないんだ。
少しばかり席を外していた間に、教室に置いておいた俺の上着が消えた。
珍しく早く学校に着いたから、中庭の散歩に行ってたその間に……
なあ誰か、俺の服……知らないか?
ほう。キヌは鈴乃音に弁当を毎日作ってるのか。
鈴乃音はその弁当を忘れたのか。
わざわざ持ってくるとはマメだな、キヌ。
え? ついでに隣の教室を覗いたら俺の上着のほつれを見つけたから、繕っておいただって?
あのな、勝手にやるなよ……上着、返せ。
× × ×
あとから思い返せば、この日のキヌの行動時間には、矛盾がありすぎた。
なんで鈴乃音が学校に来る前にキヌが来てるんだ。
俺をからかってそんなに面白いのか?
……面白いから、やってるんだろうな。やれやれ。
鈴乃音が、よくわからないことを言っていた。
昔、俺によく似た人物に会ったらしい。
鈴乃音自身がまだ幼い頃のことのようだが。
そのことが余程印象に強く残っていたのか、似ている似ていると強調して連呼していた。
ただし似ているのは顔の造作だけで、他は性格も雰囲気ももちろん髪の色も、何もかも違うらしい……
それ、ほとんど似てない他人の空似じゃないのか?
または、俺の知らない親戚や兄弟の可能性か。
俺の知る限りでは、そういうものはいない。
しかし鈴乃音がかつて会ったのが『俺に似た俺でない誰か』なのは、本人曰く確実だそうだ。
にわかに信じ難いが……
俺も昔、鈴乃音に会ったことは一度もないと思う。
だって過去に会っていたら気づかないわけがないだろう、こんな強烈な奴。昔は性格が違ったらしいが、それも信じ難い。
どういうわけか、鈴乃音がムキになって何かを言えば言うほど、俺はそれを信じられなくなるみたいだ。
別に鈴乃音を嫌いではない。キヌもそうだが。
ただ俺は、距離を測りかねているだけだ。
信じる信じないと、親しいかどうかは、別の話だ。
難しいものだな……

