ハイパーネットゲーマーアルテラ
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【スキル一覧(~PARADISE LOST)】【マップ一覧】
※ここはCHUNITHM PARADISE LOST以前に実装されたキャラクターのページです。
- このページに記載されているすべてのスキルの効果は、CHUNITHM PARADISE LOSTまでのものです(限界突破の証系を除き、NEW以降で入手・使用できません)。
- 専用スキル装備時に名前とグラフィックが変化していたキャラクター(いわゆるトランスフォーム対応キャラ)は、RANK 15にすることで該当グラフィックを自由に選択可能となります。
通常 | 魔法使い | 大賢者 |
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Illustrator:Saty.
名前 | ハイパーネットゲーマーアルテラ ↓ 魔法使いアルテラ ↓ 大賢者アルテラ |
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年齢 | 18歳 ↓ 20歳 ↓ ??? |
職業 | 超人気ネットゲームブロガー(元事務職OL) |
特技 | クソオタ相手にイキる |
CV | 高橋 李依※デュエルで入手可能なシステムボイス |
- 2019年1月24日追加
- AMAZON ep.IIマップ3完走で入手。<終了済>
- 入手時・チュウニズムデュエル時の名義は「魔法使いアルテラ」。
- 入手方法:2021/1/21~3/3開催の「「穏やかな日々……愛しのあなたへ」ガチャ」<終了済>
- 入手方法:2021/11/4~12/8開催の「「お風呂上がりの一発でわからせる!」ガチャ」<終了済>
- 専用スキル「フレイムウォール」を装備することで「魔法使いアルテラ」、「メテオスウォーム」を装備することで「大賢者アルテラ」へと名前とグラフィックが変化する。
- 「ウォーターボール」は装備できない。
- 対応楽曲は「男装女形表裏一体発狂小娘の詐称疑惑と苦悩と情熱。」。
オンラインゲーム「ラグナファンタジーユニバース」全ラン1位の廃人プレイヤーにして超人気ブロガー。
アルテラ【 通常 / パリピビーチスプラッシュ】
そこへ至るまでには、1本のネットゲームに良くも悪くも振り回された壮絶(?)な過去があった。
CV:高橋 李依
「ファンタシースターオンライン2」にて、リュミドラ役を担当している。
チュウニズムデュエルのタイトル
バンダイナムコオンラインが製作中のMMORPG「ブループロトコル」が元。なお、約二年前から発表・開発しているのにも関わらずこのデュエルが開催された2021年11月4日現在、未だに正式リリースしていない。
各EPISODEタイトル
現実に存在するオンラインゲームの名称が元ネタになっている(当ページコメントを参照)。
ラグナファンタジーユニバース
後述の元ネタ的に、「ラグナロクオンライン」「ファイナルファンタジー11」「ファンタシースターユニバース」を合わせたタイトルだと思われる。
リリース初回こそネットワーク不具合により
システムの不具合が発生しやすいのは、稼働開始直後(初期不良)もしくは長期稼働後(経年劣化)とされる。セガのオンライン対応RPG「ファンタシースターユニバース」でもコレが話題となっていたが、一種の自虐ネタなのだろうか……?
「……本日を持ちまして、私アルテラはこのゲームを引退します!」
オンラインゲームでは度々言われることだが、「引退宣言する人は割とすぐ戻ってくるし、本当に引退する人は予告なくいつの間にかいなくなっている」ものらしい。
「見抜きさせてもらえないでしょうか……?」「しょうがないにゃあ……いいよ」
元は「ラグナロクオンライン」で起きたとされる会話。「見抜き」は本来、「何か物事をよく見極め本質を掴むこと・見抜くこと」という意味だが、ここではその意味で使われていない。どういう意味かは当wikiには表記できないため、あとはお察しください。「しょうがないにゃぁ……」はThrough The Towerで称号になっている。
「『さん』をつけろよ! デコ助野郎!」
アニメ映画「AKIRA」に登場する台詞。ネット上では、「さん」付けすべき存在が呼び捨てにされている場面で、ネタとして発言される場合がある。
ネットゲーム関連のネタが多いことを考えると後述のブロントさん関連のネタで使用されることが多いため、どちらかというとこちらである可能性もある。
「汚いな。流石オタク汚い……」「私の寿命がストレスでマッハ! このままだと頭がおかしくなって死ぬ!」「うるさい、気が散る。一瞬の油断が命取り」「おい、やめろ! 馬鹿!」
「ブロント語」と呼ばれる、ネットスラング群より。「ファイナルファンタジー11」のとあるプレイヤーを元にしたキャラクター像「ブロントさん*1」による、独特の文章構成による会話。元ネタの本人だけではなく、それを模した別人によるものも混ざっていると推測されている。「日本語としては表記が色々おかしいが、言いたいことは何となく判る」と度々形容される。
『お兄ちゃん止めないで! そいつ殺せない!』
詳細は伏せるが、「ラグナロクオンライン」に関する真偽不明の都市伝説が元ネタ。
「現実なんてやっぱりクソッ!」
「人生そのものこそが究極のク○ゲーである」という説(ネタ)がある。
――ネットゲームは人生
ここまで来たら既に手遅れです。現実だとろくなことにならない危険性が高いのでご注意ください。一応元ネタと思われるのは5ちゃんねるに投稿されただんご大家族の称号にもなっている「CLANNADは人生」。
- デュエル進行中(状況:オンラインゲームでの出来事)
登場 | ちょっと可愛くおねだりするだけで、私のわがままに全部合わせてゲームをしてくれるのって、超快感!! |
---|---|
攻撃 | 現実じゃこんな乙女ゲーみたいな展開、絶対あり得ないし!! |
あー、やっぱリアルよりネットよねー。 | |
アップデートもきたし、マジ楽しいわ。このゲーム | |
撃破 | 本日を持ちまして、私アルテラは復帰いたします!皆!心配かけてごめんね!そしてお待たせ! |
- リザルト
SSS | そうそう!それそれ!その感じ!やっぱりネトゲって最高ね! |
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SS | 面白ーい!あれほど暇で仕方なかった私が、今や時間が足りないほどだわ! |
S | もっと強くなりたい!そしてもっとちやほやされたい! |
A-AAA | うるさい、気が散る。一瞬の油断が命取りなのに何を言ってるんだ...? |
B-BBB | 自分のやりたい方向性とズレてるんだよねー |
C | こ、こんなはずじゃなかったのにーーッ!! |
D | アタシの寿命がストレスでマッハ!このままだと頭が可笑しくなって死ぬ! |
- その他(NEW~)
マップ選択 | マップを選択するのね |
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チケット選択 | チケットを選択するのね |
コース選択 | コースを選択するのね |
クラスエンブレム更新 | |
ソート変更 | ○○順にソートするのね |
クエストクリア | クエストクリア! |
限界突破 | 我はアルテラ。聖なる大地と無数の星々にて、大賢者の名において愚者に裁きの鉄槌を!爆発しろ、メテオスウォーム! |
コンティニュー? | コンティニューしなきゃな~ |
コンティニュー | ――ネットゲームは人生 |
終了 | セーユーネクストプレイ! |
スキル
- フレイムウォール [TECHNICAL] ※専用スキル
- コンボエッジ系列の亜種。
GRADE | 効果 |
---|---|
初期値 | 300コンボを達成した場合 ゲーム終了時にボーナス +40000 |
+1 | 〃 +43000 |
理論値:103000(6本+1000/24k) |
- メテオスウォーム [HARD] ※専用スキル
- 神殺しの一撃の亜種。平たく言えばフレイムウォールが即死スキルになったもの。強制終了条件の比較的緩い即死スキルのため、6本狙いの場合は選択肢になりうるか。
- ノーツ数300未満の譜面では、プレイ自体は可能だが1ミスで終了、フルコンボを達成してもボーナスは無いので、ただの縛りプレイにしかならない。そもそもこのスキルで強制終了になる方が難しい。
とはいえ総ノート数300未満の譜面はBASICでも大分少ない方(当キャラ実装時点でBASIC568譜面(全難易度合計で2355譜面)中72譜面)のため、類似スキルと比較すると縛りプレイにさえなり得ない。 - 公式サイトのキャラ紹介で属性が[CATASTROPHY]となっている誤植があったが、現在は修正されている。
GRADE | 効果 |
---|---|
共通 | |
300コンボ達成不能となる MISS判定で強制終了 | |
初期値 | 300コンボを達成した場合 ゲーム終了時にボーナス +50000 |
+1 | 〃 +53000 |
理論値:113000(6本+11000/24k) |
一定コンボ達成でゲーム終了時にボーナスが入るが、達成不能となるMISS判定(ノルマ未達成かつ残りノーツ数がコンボノルマ未満)を出した時点で強制終了するスキル。
要はコンボエッジ系列の即死版で、コンボジャッジとでも言えばよいだろうか。
ノーツ数自体がノルマより少ない場合は単に「MISS判定1回で強制終了」だけでボーナス無しの縛りスキルと化す。
スキル名 | ノルマ ボーナス 理論値 |
---|---|
[HARD] | |
メテオスウォーム+1 | 300コンボ +53000 113000(6本+11k) |
絶†影+3 | |
二重最強化・連鎖する龍雷+3 | 400コンボ +66000 126000(7本+0) |
ジャンボセイバースラッシュ+3 | 500コンボ +70500 130500(7本+4.5k) |
[ABSOLUTE] | |
滅亡の風+1 | 800コンボ +92000 152000(8本+0) |
神殺しの一撃 | 1000コンボ +93000 153000(8本+1k) |
悪童 | 1000コンボ +93000 153000(8本+1k) ※初期値時点 |
ランクテーブル
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
スキル | Ep.1 | Ep.2 | Ep.3 | スキル | |
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
Ep.4 | Ep.5 | Ep.6 | Ep.7 | スキル | |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | |
Ep.8 | Ep.9 | Ep.10 | Ep.11 | スキル | |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | |
スキル | |||||
~50 | |||||
スキル | |||||
~100 | |||||
スキル |
STORY
超人気ネットゲームブロガー『アルテラ』。
彼女は大規模MMORPG『ラグナファンタジーユニバース』で、数パーセントしか居ないと言われている魔法使いの最高ランクジョブである『大賢者』であり、彼女が運営する『ラグナファンタジーユニバース』の攻略サイトは辛口ながら的確で『公式以上に公式らしい』と言われ、世界中の人間から閲覧されている。
今日はハイパーネットゲーマーと言われるアルテラが打ち立てた数々の伝説、そして彼女の輝かしい軌跡を追ってみよう。
アルテラがネットゲームと出会ったのは、意外と遅く大学1年生の夏休みだった。
(あーあ、大学に入ればリア充になれるかと思ったのにな……)
内気で人見知り。なのに中途半端にプライドが高かったアルテラは、大学デビューを見事に失敗していた。
基本的に受け身の彼女は、自分から同じ学部の生徒に話しかけることができなかったのである。それは勇気を出して入ったサークルでも同じだった。
リア充に憧れている癖に、心のどこかで彼らのことを馬鹿にしていたアルテラは、流行りの遊び場に出掛けることもせず、暗い夏休みを送っていた。
そんな時、偶然読んでいた雑誌で、ある広告と出会う。
「……『ラグナファンタジーユニバース』?……ふーん、オンラインゲームってプレイしたことないけど、ちょっとだけやってみようかな」
大規模MMORPG『ラグナファンタジーユニバース』。
リリース初回こそネットワーク不具合により、ひんしゅくを買うことはあったが、今はエラーNo.15やアカウントが使用不可になる岩男現象に悩まされることはなくなっており、快適にプレイできる状態にまで成長していた。
だがこの当時はまだ新しいMMORPGで、成長途中のコンテンツであり、現在のような人数を抱えるまでには至っていなかった。
アルテラは、勢いのある若き『ラグナファンタジーユニバース』にどっぷりハマってしまった。
「ネトゲって面白ーい! あれほど暇で仕方がなかった私が、今や時間が足りないほどだわ!……もうすぐ夏休みは終わっちゃうけど……ま、いいか」
こうしてアルテラは寝る間も惜しんで『ラグナファンタジーユニバース』をプレイし続けたのである。
ネットゲームに慣れるのに必死だった頃は、純粋にゲームの内容を追いかけ、楽しんでいたアルテラだったが、やがてあることに気がつく。
(なんか、やたら男の人が話しかけてくるなぁ)
アルテラは、ゲーム内で可愛らしい女魔法使いのアバターを使用していた。すると男性(少なくともアルテラにはそう思えた)のプレイヤーから、親切にされることが多いのである。
(レアアイテムや装備品を譲ってもらったり、大して強くもないのに優先的に回復してもらえたり……)
それだけではない。現実では宅配便のドライバーや、コンビニの店員くらいとしか会話がないというのに、ネットゲームの中では皆が競い合うようにして、アルテラに話しかけてくる。
(ちょっと可愛くおねだりするだけで、身を挺して庇ってくれるし……男の人が私のわがままに全部合わせてゲームをしてくれるのって、超快感!! 現実じゃこんな乙女ゲーみたいな展開、絶対あり得ないし!!)
すっかりネットゲームの中でちやほやされることを覚えてしまったアルテラ。
こうして彼女のおねだりスキルは、日に日に高くなっていったのだった。
周りの男性プレイヤーのアシストもあり、アルテラは順調にネットゲーマーとしてレベルを上げていった。
すると彼女の中で、欲が出てくる。
(……もっと強くなりたい! そしてもっとちやほやされたい!)
強くなるために、一日の大半をネットゲーム内で過ごすようになったアルテラ。酷い時には、食事すらろくに取らず、ゲームに没頭するようになっていた。
彼女の中で私生活とゲーム生活の優先順位は完全に逆転してしまったのである。
そうなると当然、私生活にも影響がガンガンに出てくる。
ただでさえ大学の友人が少なかったアルテラだが、大学に顔を出す機会が極端に減ったため、浮いた存在というより、もはや空気と化してしまっていた。
仲のいいグループ同士でかたまり、和気あいあいとお喋りしながら学食でランチを食べる同級生の姿を横目にアルテラは1人で安い牛丼を貪る。
そして、ようやく気がついた。
(若くて、そこそこ可愛い……はずの私が、このまま大学4年間を彼氏ができないどころか、友達もできないまま1人で過ごすとか、辛すぎるでしょう! なんのためのキャンパスライフよ! 遊んで爛れた青春を過ごすためでしょう!?)
アルテラは遂に一大決心を固めた。
いつものように『ラグナファンタジーユニバース』にインすると、いつものメンバーを集めて宣言する。
「……本日を持ちまして、私アルテラはこのゲームを引退します!」
アルテラの突然の引退宣言に、周りのプレイヤーたちは驚いて彼女を引き止めたが、彼女はそんな声を無視して、ゲームからログアウトした。
「これからは華のキャンパスライフを楽しむぞ!」
ようやく現実世界に目を向けたアルテラ。彼女は大学生活を楽しもうと必死だった。
幸いにも彼女は以前の彼女とは違っていた。ネットゲーム内でちやほやされたことで、変に自信をつけたアルテラは、まったく同じ方法で男子生徒に接するようになっていたのだ。
すると、この戦法がアルテラが所属していた『映画研究会』のちょっとイケていない男子にジャストミート!
アルテラは『映研の姫』と呼ばれるようになる。
(……現実でも男の人って結構単純! ちょっと甘い言葉を言って、褒めてあげれば何でも言うこと聞いてくれるのね!)
だが、彼女の人気はあくまでも男子限定だった。映研の女子部員たちは、女王様気取りで男子部員を顎で使い、わがまま放題の振る舞いをするアルテラに対してはっきりと嫌悪を示していた。
そんな女子部員たちの態度に気づいていても、アルテラは余裕の笑みを浮かべていた。
(ふんっ! どうせ私の人気に嫉妬してるんでしょう? 悔しいなら、皆も私と同じことをすればいいのに)
中にはアルテラに対し『部を乱すような態度を取るのは良くない結果になると思う』とやんわりと忠告してくれる女子もいたが、彼女の優しさに気がつかないアルテラは、こう言い放った。
「皆、自分の意志で私に優しくしてくれてるのに、何か問題があるの? むしろ、皆の気持ちに応えない方が、可哀想だし、不誠実じゃない?」
……こんな調子のアルテラは、完全なオタサーの姫となり、ある意味でキャンパスライフを満喫することになったのだった。
……ある日、珍しく映研の下僕たちが居ない状況でランチを取っていたアルテラに、1人の男子生徒が声をかけてきた。
「やあ、君って映研の子でしょう? 前から可愛いなって思ってたんだ」
洗練されたファッション、ラフに整えられた髪型、日焼けした肌と、笑顔の時に覗く白い歯のコントラストが美しい……。
アルテラに声をかけてきた男子は、テニスサークルの主将だった。
自分の下僕である映研男子と比べると月とすっぽん。天と地ほどの違いがある。
(……素敵! こんなイケメン、映研には存在しない!)
テニスサークルの主将の圧倒的なリア充オーラに、アルテラは一発KOだった。そして彼とトントン拍子に付き合うことになり、この世の春を味わう。
(こんな爽やかイケメンと付き合えるなんて! ああ! これこそ私が憧れたキャンパスライフよ!……このまま、将来、彼と結婚……なんてなったらどうしよう! きゃーっ!)
そんな幸せな妄想をしていたアルテラだったが、この世のバランスというものは実によく取れている。誰彼構わず愛想を振りまいていたツケを、支払う時が遂にやってきたのだ。
ある日のこと、アルテラは、放課後に彼氏とデートをしているところを映研の下僕たちに目撃されてしまったのである。
次の日、下僕たちは一斉にアルテラのもとに集い、彼女を問い詰めた。
「アルテラちゃん! 昨日の男は何!? 俺という彼氏がいながら、浮気とかしてないよね!?」
「馬鹿、アルテラちゃんの彼氏は俺だ!」
「はぁっ!? アルテラちゃんの恋人は俺だ! 俺がいくら貢いだと思ってるんだ!」
彼氏の有無を問いただすところから始まり、やがて取っ組み合いの喧嘩を始めてしまった映研男子たち。
最終的には、騒動を聞きつけた講師や警備員たちが出動するような事態に発展し、謹慎処分を受ける生徒まで出してしまった。
どう考えても騒動の原因はアルテラにある。だが当の本人はそんな風には露とも思っていなかった。
「なんで私が責められなきゃいけないの!? これだからオタクって最低よね! 人に責任を押し付けるとかまさに社会の落伍者って感じ!」
……こうしてオタサーの姫からサークルクラッシャーへと進化したアルテラは、半ば追い出されるような形で映研を退部することになったのだった。
映研部を追い出されたアルテラ。だが、悪いこととは重なるものだ。
なんとテニスサークルのイケメン彼氏は、二股どころか四股もしていた浮気者だということが発覚する。しかも、自分は本命ではなく3番目。ただのキープ要員だったのだ。
「ふ、ふざけんな! もう別れる!」
テニスサークルの主将と別れたアルテラだが、彼女に帰る場所は無かった。
サークラさせた映研部は、実質廃部状態。また、アルテラのサークラっぷりは、すっかり大学内に広がっていて、他サークルどころかゼミの同級生たちからも白い眼で見られるようになってしまっていた。
アルテラは再びひとりぼっちになってしまった。しかも今回は、以前と違いノーフューチャー。
どんなに頑張っても大学内に広がった悪評を消すことはできないだろう。それでも彼女は自分に責任があるとは思わなかった。
「……やっぱりリアルの世の中はクソだなッ!」
そう叫んだアルテラは再びモニターの前に座り、懐かしい『ラグナファンタジーユニバース』にインする。彼女の予想通り、そこには輝かしい楽園が姿形を変えずにそのまま残っていた。
過去、アルテラに貢いでいたプレイヤーたちからの熱いメッセージは、彼女がログアウトしている間にもせっせと届いており、彼女の安否を気遣う声で溢れていた。
「そうそう! これこれ! この感じ! やっぱりネトゲって最高ね!」
久しぶりに自分が世界の中心にいるという実感を得たアルテラ。
もはや現実世界で帰る場所を失った電脳世界の姫は、トイッターで高らかに宣言する。
「本日を持ちまして、私アルテラは復帰いたします! 皆! 心配かけてごめんね! そしてお待たせ!」
こうして再び電脳世界に舞い降りたアルテラ。彼女がネトゲから離れている間に、同じく引退したプレイヤーもちらほらいるようだったが、基本的に急激な変化を嫌うオタクの本質は変わらない。
『ラグナファンタジーユニバース』の住人たちは、アルテラの帰還を心から喜び、再び下僕となるために集い始めた。
ゲームのメッセージボックスはもちろん、トイッターのDMにも、アルテラへの愛のメッセージが大量に届く毎日。下僕たちの変わらぬ忠誠心に浸り、ようやくアルテラは満たされた。
「あー、やっぱリアルよりネットよねー。アップデートもきたし、マジ楽しいわ。このゲーム」
再びネトゲの姫となったアルテラ。……いや、その人気はもはや女神と言っていいだろう。少なくとも彼女は自分でそう思っていた。
アルテラは以前にも増して、自分を称える男たちに甘い言葉を囁き、わがままで小悪魔な態度を取った。そして、今度は下僕たちのおねだりも、場合によっては聞くようになっていた。
例えば、こんな頼みをされたこともある。
「ア、アルテラちゃん……見抜きさせてもらえないでしょうか……?」
アルテラに依頼をしてきたプレイヤーは、現実の姿形が分からないはずのネトゲの世界であっても挙動不審で、いわゆる『キモオタ』と呼ばれる部類の男だった。
(見抜き? 何を抜くの? 目?……良く分かんないけど、まあいいか)
ネトゲの女神となったアルテラは、最下層の下僕に対しても寛大であった。よって彼女は分身であるアバターに微笑みのモーションをさせて、こう答えたのだ。
「しょうがないにゃあ……いいよ」
この事件は『ラグナファンタジーユニバース』の中でも有名になり、アルテラのもとにはさらに下僕志願者が集まることとなった。
女神として注目を集まれば、当然ながらアンチのプレイヤーも集まってくるのだが……。
「うざっ! アンチは死ねっ!」
アルテラには気に入らない連中など、一瞬もためらわずに即ブロックする強さと速さがある。
こうして彼女は、自分にとっての最高に居心地の良い楽園を作り上げることに腐心したのだった。
非常に充実したネトゲ生活を送っていたアルテラだったが、決断の時が迫る。
アルテラも大学3年生となり、ゼミでは自然とこんな会話が流れてくるようになった。
「……履歴書の書き方が……」
「……あそこのエントリーシートって……」
そう、魔の大学大戦就職活動編が始まったのである!
アルテラも『いつかは働かなきゃなー』と漠然と考えていたが、その『いつか』はすぐ目の前に迫ってきていたのだ。
ところが泰然自若を良しとするアルテラは動かなかった。というか現実からひたすら逃げていた。
そんな彼女を見かねた両親が、知り合いの企業を就職先として斡旋してやろうとしたのだが、中途半端に理想が高いアルテラは『自分のやりたい方向性とずれてるんだよねー』などと言って断っていた。
(滅茶苦茶辛い大学受験を抜けて、ようやく伸び伸びと遊べるようになったんだから、放っておいてよ!)
……だが、いかにのんびり屋さんのアルテラと言えど大学4年生のゴールデンウイーク前になると、流石に焦りだした。
「うちのゼミで就職先が決まってないのって、私だけ!? やばいっ! このままじゃ実家を追い出される!?」
仕方がなく就職活動を始めたアルテラ。しかしこんな時期から始めても、大手はもちろん、中小企業の人員募集すら中々ない。
アルテラは、現実でのジョブをGETするにはネトゲをやっている場合ではないとやっと気がついたのだった。そこで泣く泣く、ネトゲの引退を決意する。
「……私は就職活動に専念するので、本日を持ちましてこのゲームを引退します!」
……この時、アルテラは引退は就職活動期間の一時的なもので、無事にどこかの企業に滑り込むことができれば、再びネトゲに戻ってくる予定だった……。
しかし、アルテラの引退を聞きつけた下僕共からは、こんなメッセージが次々と送られてきた。
「アルテラちゃんってリアルで大学生だったんだね。どうりで可愛いと思ったよ」
「は? 『さん』をつけろよ! デコ助野郎!」
「アルテラちゃんに会えないなんて寂しいな。だから今度ホテルで会わない?」
「今まであれだけ貢いだじゃん! 今度はアルテラちゃんにリアルでご奉仕してほしいにゃ♪」
「キモッ!? 何勘違いしてんだ! このオタクどもッ!」
ただでさえ、上手くいかない就職活動でイライラしていたアルテラの怒りは遂に頂点に達した!
……実は彼女に来たメッセージのうち、何割かは真っ当なものだったのだが、それよりも遥かにキモいメッセージの方が多く、彼女の気持ちはすっかり冷めてしまったのである。
「汚いな。流石オタク汚い……本当オタクって最低!」
……こうして、アルテラは今度こそ本当に、ネトゲを引退する決意を固めたのだった。
ネトゲから離れ、死に物狂いで就職活動を頑張った甲斐があり、アルテラは某企業の事務職の内定を取ることに成功する。正社員ではないが、待遇もそれなりだし、定時にも上れそうだ。
出世欲の強い若者では耐えられないようなノンビリした企業だが、アルテラには好都合だった。
(別に、ここにずっといるつもりなんて、最初から無いし。イケメンの彼氏を探して、さっさと寿退社しよーっと!)
……そんな甘い考えをしていたアルテラだったが、いつだって現実は無常である。
いざ就職した企業にはイケメンどころか、そもそも若者がいない。稀に居ても、全員左手の薬指が銀の鎖でつながれていた。
(不倫! ダメ絶対! 後で確実に面倒なことになる!)
過去、浮気性のイケメンと付き合ったことのある女として不倫を憎んでいたアルテラに、職場恋愛の道は無かった。さりとて、ずっと事務所で内勤をしているアルテラに、職場外での出会いなど皆無だ。
(こ、こんなはずじゃなかったのにーーッ!!)
何よりの計算違いは、アルテラをピンポイントで攻撃してくるオバサン職員がいることだ。
お茶の汲み方が悪い、電話を取るのが遅い、化粧が濃い……人が見ていないところでネチネチとアルテラに精神攻撃を仕掛けてくる。
いわゆる『お局様』の存在に、アルテラの心はぽっきりと折れてしまった。
(実は、お局様がアルテラをしごき始めたのは、彼女が職場でもオタサーの姫気質を発揮し、自分から動こうとしないで、人に甘えてばかりだからだということが原因なのだが、当然彼女は気が付くわけもなかった)
「私の寿命がストレスでマッハ! このままだと頭がおかしくなって死ぬ!」
会社帰り、安くてアルコール度数がバカみたいに高い缶チューハイを片手に、アルテラは遂にパンドラの箱、ネットゲームの世界にインしてしまった!
現実世界がブラック極まりない中、職場でのストレスを発散するかのようにアルテラはネトゲにのめり込んだ。
そして彼女の復帰を喜ぶプレイヤーたちと共に、そのレベルはドンドン上昇していき、遂にこのネトゲで僅か数パーセントしか存在しないと言われている最高ランクのジョブ『大賢者』まで上り詰めることに成功する。
もはや彼女はただの姫ではない。依然としていわゆる『オタサーの姫気質』は抜けないものの、その立場は『姫』などという可愛らしいものではなく『女帝』の域にまで達していた。
また今のアルテラは『オタサーの修羅』でもあった。
姫の帰還を、ほとんどの下僕は下心を隠して喜んでいたのだが、時折空気が読めず『アルテラちゃんと今度オフでも会ってみたいなー(*^_^*)』などという命知らずのメッセージを送る者も存在した。
かつてまだ『姫』であった頃は、そんな輩にもそれとなく『察しろよ』的なメッセージを返していたアルテラだったが、『女帝』となった彼女は違う。
「うるさい、気が散る。一瞬の油断が命取りなのに何を言ってるんだコイツは? しかもこんなランクの低いヤツが私に声をかけてくるなんて、何様のつもりだ?」
……このように、愚かで恥知らずなオタクからきたダイレクトメールは他のユーザーに転送、そして場合によってはトイッターで一連の内容を曝す。女帝アルテラに迷いはない。
公開処刑の末、自分にとって面倒なユーザーをクランから排除することなど日常茶飯事だった。
「なんでオレがこのクランから外されなきゃならないんだ!」
「おい、やめろ! 馬鹿!」
「アルテラちゃん、オレのことが好きなのになんでそんな酷い仕打ちをするんだ!」
アルテラの所属するクランは阿鼻叫喚の嵐となった。
最終的には彼女が『お兄ちゃん』と慕っていたクランリーダーからも『お前みたいな奴がいるからクランの雰囲気が悪くなるんだ。もうオレたちに関わらないでくれ』と言われ、絶縁状を叩きつけられてしまう。
……こうしてクランを追放されたアルテラだが、彼女の残した傷跡は多くの人の心に残った。
例えば、他クランメンバーを処刑しようとした際、クランリーダーから止められたアルテラが『お兄ちゃん止めないで! そいつ殺せない!』と叫んだことなどは、今でもクランの人々の心に深く刻まれている。
もはやアルテラは『サークルクラッシャー』ではなく、『サークルデストロイヤー』へと超進化を遂げていた。
これ以降も、彼女は多くのクランを駆逐していき、草木の一本も残さず焼け野原にしていったのである。
数多のクランを焦土と化してきたアルテラ。しかし、ここで意外な効果が生まれる。
確かにアルテラがやってきたことは大問題だが、大量のキモオタで厄介な出会い厨のユーザーを公開処刑し、駆逐したことで『ラグナファンタジーユニバース』の全体的な民度は少し上がったということである。
「ラグナファンタジーユニバースって、女の子でも気軽に遊べていいよね」
「気持ち悪い出会い厨、いつの間にかいなくなったし」
そんな声がささやかれるようになり、コンテンツの勢いはより増していった。
『ラグナファンタジーユニバース』が成長し続ける中、アルテラのネトゲ依存もますます過激なものになっていった。
もはやネトゲと社会人を両立させることは、アルテラにとって不可能だった。
「……どうにかして、ネトゲでお金を稼ぐ方法を見つけないと……そうだ!」
アルテラは、今までの輝かしい炎上記録を含め、自身の功績をまとめたクランブログを公開。その赤裸々な内容が大ヒットとなり、有名なネットゲームブロガーとなった。
「あははは! 現実なんてやっぱりクソッ! 私が生きていくのはラグナファンタジーユニバースの中なの!」
……もはや誰も彼女を止めるものはいない。実家住まいで、もちろん家賃など払っていない彼女は、ありとあらゆる可処分所得をネトゲにつぎ込んでいく。
そしてついにサーバ内ランク1位の廃人プレイヤーへと昇り詰めたのだった!
なおその記録は、いまだに破られていない。それどころか、彼女は日々自分自身の記録を塗り替えていっている。
ハイパーネットゲーマーアルテラの伝説の最後に、彼女自身のブログに書かれた言葉を紹介しよう。
――ネットゲームは人生
チュウニズム大戦
レーベル | 難易度 | スコア | |
---|---|---|---|
スキル名/効果/備考 | |||
●リレイ | ADVANCED | 0 / 200 / 400 | |
オールレベルチェイン(チェイン選択権) | |||
自分の場にBAS、ADV、EXP、MASがある時 発動。自分の場の1枚を選びCHAINにしてもよい。 |
-
-
虹鳥
522022年08月30日 20:01 ID:bm8wstejクラスエンブレム更新セリフ
「クラスエンブレムを更新しよーっと!」
-
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デュエルイベントお疲れ様でした
512021年12月10日 21:11 ID:e65yn5eoま、まあ、中身がアレでも彼女自身が立ち上げた攻略サイトはユーザーの間では好評だし、ゲーム自体の民度を上げたという功績があるから……
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チュウニズムな名無し
502021年12月06日 21:34 ID:m0zbobzz見た目以外全て終わってて草
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チュウニズムな名無し
492021年12月05日 18:58 ID:tc1dhyrsネタがどれも古すぎるアルテラちゃんは30over
好き
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チュウニズムな名無し
482021年11月23日 20:11 ID:qhhxryypデュエル硬すぎ…萎える…
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チュウニズムな名無し
472021年11月16日 17:00 ID:hf3iprczデュエル名のレッドプロトコルはブループロトコル(国産MMO)が元ネタでは?
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チュウニズムな名無し
462021年11月07日 21:57 ID:eamirsfz>属性が[CATASTROPHY]となっている誤植があった
まあこいつは存在がCATASTROPHY…()
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チュウニズムな名無し
452021年08月24日 11:53 ID:kuvunlhcきずなちゃんを見習え
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チュウニズムな名無し
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チュウニズムな名無し
432019年03月11日 20:04 ID:m6n3824mネトゲ依存抜きでクソ人間で草