憩う薄紅の才女
リーラン・ラムレイ cv.下屋則子
国のため日々奮闘する勇ましき少女。
全然休まないので無理やり休暇をとらされた。 |
2019/10/31
白猫温泉物語3
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思い出
＜ちちぶの島＞での騒動から、少し経ったある日――
こんにちは、皆さん。お邪魔いたします。
あら、リーランじゃない。ちちぶぶりね！
（ちちぶぶり……！？）
はい、ちちぶぶりです。先日の一件では、お世話になりました。
色々ありましたけど、楽しかったですね♪
ええ♪素敵な文化に触れられて、とても有意義な休暇でした。
それで、今日は突然どーしたの？
実は、他国への表敬訪問を終えた帰路だったのですが……
このところ酷使していたせいか、飛行艇の調子が悪くて……
で、ちょうど飛行島が見えたから寄らせてもらったってわけだ。突然ぴょんしちまってすまねえな。
ぴょーーーん！！！
ムサイわ。みんなして、お仕事の帰りだったんだ？
皆さん、お疲れ様です。相変わらず大変そうですね……
ふふ、なんてことありません。タイカンの未来のためですから。
このくらいで音を上げていたら、ケンセイ様やゴウケツたちに呆れられてしまいます。
＜波蝕の島＞を舞台にした、＜闇＞の軍勢との激戦――
数多くの犠牲と引き換えに、勝利を手にした戦い――
ったく……揃いも揃ってシケた顔してんじゃねえよ。
いまはリーランを中心に、皆―丸となって国を支えてんた。なあ！
はいはい……もう、暑苦しいです……
ですので、飛行艇の応急処置が済むまで、少しだけ場所をお貸しいただけませんか？
だったらさ、このまま飛行島でタイカンまで乗せてったげるわよ？
そんな……！この上さらにご迷惑をかけるわけには……
迷惑なんかじゃありません。タイカンに着くまで、ゆっくり休んでください♪
……ありがとうございます。それでは、お言葉に甘えさせていただきますね。
すまねえな。恩に着るぜ。
ありがとう♪♪♪
あ、でもちょっとだけ寄り道するけどいーい？
アオイの島に用事のある仲間がいるので、半日ほど滞在する予定なんです。それでもよければ……
アオイの島……もしかして、温泉で有名なあのアオイの島ですか……！？
いきなりずいっときて、どうしたのよ？
あ、い、いえ……！ずいっとなんてしていません……！
――アオイの島、か……
？
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思い出2
とゆーわけで、せっかくだから日帰り観光よ！
ここがアオイの島……！
高いわね！テンション！！
そんなことありませんっ！！
あるわよ！！ガッツリ着替えてるじゃん！！
軍服のまま観光地をうろつくのもはばかられますので……！
その服装、とても素敵ですね。大人っぽくて上品で、リーランさんにぴったりです♪
あ、ありがとうございます……メイリンが見繕ってくれたんです。
さってと！アオイの島の元温泉大使キャトラさんが、とっくりと案内したげるわ！
アタシのおしりについてきなさーい！
……ってアレ？リーランどこ？
古き伝統と豊かな自然が見事に調和した街並み……なんて風情あふれる景観でしょう……！
いつの間にあんな遠くへ……！？
皆さ～ん！向こうに＜綾乱鳥居＞という名所があるそうです！いってみませんか～！？
待ったー！先いくんじゃないわよ！
す、すみません……つい先走ってしまって……！
まったくもー！
それにしても、やはり噂に違わずたくさんの温泉があるのですね……
実は私、あの山道の先にあるという秘湯にも寄ってみたくて――
じ～～～……
……はっ。
……めずらしいわね？
ええと……なにがでしょう？
ずいぶん無邪気じゃないの。いつものアンタなら、仕事のことで頭がいっぱいなクセに。
そ、そんなことは……
前のときだって、休暇ってなにすればいいかわかんないーってゆってたでしょ。
は、羽を伸ばせるときはちゃんと伸ばすということを覚えただけです……！
それにアオイの島の素晴らしさは、タイカンにも届いていましたし……
なーんだ。よっぽど楽しみだったのね♪
それならせっかくですし、ゆっくりとアオイの島を楽しみましょう♪
それじゃあらためて！いっくわよー！
はい！！
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思い出3
こんな所にも温泉が……！でも、とても浅いですね……
教えてあげるわ！それは足――
これが足湯ですね！
そのとおりよ！！
キャトラ……
ふふ、気持ちいいです……♪
なんて長い階段でしょう……！
教えてあげるわ！それは――
＜天上石段＞ですね！頂上まで登りきれば。この先一年の健康が約束されるという……！
まあそうなんだけどね！！
リーランさん、詳しいですね……！
え？そ、そんなことはありませんよ。
ぐぬぬ……今度こそ……！
遊技場……！さすが観光地として有名な島です！
てめえら、これで勝負を決めるぜ！横隊射撃――とりさん陣形だぁ！！
ばさばさ～～！！
ジャッキーたちだ。
射的で遊んでるみたいだね。
まだ倒れねえ、だと……！？あのおっきなくまさん、全然とれねえじゃねえか！
へっへっへ、もう諦めるかい？異国のお客さん？
クソッ……！
もうおこづかいが……！
仕方ないわね！キャトラさんが、射的のコツを教えたげるわ！
まずタマを込めるまえにレバーを引いて――
ジャッキー、銃を貸しなさい。店主さん、料金です。
！
はぁ！！！
な……！？あのデカイぬいぐるみが……
たった一撃、だと……？
どんなもんです♪
もがーー―！！！
（キャトラが荒ぶってるわ……！）
す、すみませんキャトラさん！お詫びに、次はあのかんざしをとってプレゼントします！
アラかわいい♪仕方ないから許してあげるわ！
よう。助かったぜ、リーラン。
猛虎騎兵ともあろうものが、くまごとき撃ち抜けなくてどうするのです？
ジャッキーたちもしっかりアオイの島を堪能してるみたいね？
ああ。さっきまでひとつ風呂、ぴょんしてたところだ。
トゥルトゥルたまご肌だぜ！
赤ちゃんのころに戻った気分ですぜ！！
ふふ、よかったですね♪
それにしても、リーランよ。
……な、なんですか。
――ずいぶんと、はしゃいでるな。
なっ……！？私ははしゃいでなど……！
いえ！さっき銃を構えたときの、きらきらと輝く瞳……
間違いなくウキウキでした！
そ、そ……
そんなことありません……っ！
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思い出4
……はぁ……
ちちぶの＜おまつりの湯＞に負けず劣らず……気持ちいいです……
はぁぁ～……落ち着きます……♪
ふぅ……気持ちよかったですね♪
さあ、次は――
フフ……実はこの道の先にね、隠れた名湯があるのよ？
特別に案内したげるわ♪
あ、もしかして……＜浅春の湯＞ですか！？別名を＜艶肌温泉＞！美容に良いと名高い……！
まあうん！そうね！
（キャトラ……ことごとく先回りされて……）
ふふ、ではさっそくいきましょう♪
おなかが減ったわね！！
おすすめは温泉まんじゅう！なんてったって、まずコレよ！
！＜ついにキャトラが、もったいぶった言い回しをやめた……！？＞
ふふ、いいですね！あ、それと実は、ほかにも気になっている名物があって……
＜温泉粥＞という、温泉で煮た米料理があるらしく……！
それは私も食べたことありません……！
なんでそんなに詳しいのよ！食べるけども！！！！
いけー！いけー！雨にも風にも負けずー！
いーざーさーけーベー！！
歌え歌え～～♪
＜リーランは、休憩所に設置された＜ルーンカラオケ＞で熱唱している……！＞
――こぉぉぉおおんちいいいくしょぉぉおおおおおおお！！！！
ウヤッホー！！！
さあ、キャトラさんもご一緒に！
こんちくぎにゃーー！！！
イエーーーー！！！！！
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思い出5
ふぅ、楽しかった～♪あとはタイカンに向かうだけね！
……あれ、リーランさんは？
お散歩にでもいったのかしら？
！
＜リーランはひとり佇み、夜空をあおいでいる――＞
あ、いたいた。おーい――
――ケンセイ様。ゴウケツ。ガルザ。シュケン。イセキ。ブル。コウシュ。ムジ。バッケス。キスカ――
コドカ。ヤン。ヒュウラ。セルリ。ラモン。トビア。トムス。ジーハ。バテマ――
名前……？
……これって、もしかして……
……あの戦いで亡くなった、タイカン兵の人たちの……
＜慈しむような。あるいは、祈るような声音で――
あの日、戦火の狭間に消えていった者たちの名を、リーランは呼び続ける――＞
……リーランさん……亡くなった人たちの名前、みんな覚えてるんだね……
……そうよね……いくら元気に見えたって……
大事なひとをたくさん亡くして……本当はまだつらいに……決まってるわ……
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思い出6
あ、皆さん……？
……ゴメンね、リーラン。覗き見するつもりじゃなかったんだけど……
ふふっ。そんな顔しないでください。私はもう、落ち込んでなんていませんから。
でもさ……
今のは、報告をしていたんです。
報告、ですか……？
はい。ケンセイ様やゴウケツ、先の戦いで散っていった兵たちに……
念願のアオイの島で、とても穏やかで楽しいひとときを過ごしてきた、と――
念願……？どういうこと……？
以前、ケンセイ様やゴウケツたちと話していたんです――
ケンセイ「なあ、お前たち。戦いが一段落ついたら、やりたいことはあるか？」
ゴウケツ「そうですなぁ……まずは温泉で有名なアオイの島で、ゆっくり湯に浸かりたいですな。」
ケンセイ「気が合うな。俺も同じことを考えていた。」
リーラン「アオイの島ですか。たしかに、観光地として名高い場所ですね。」
ジャッキー「そいつはぴょんだな。怪我に効く温泉も多くあるらしい。」
ガルザ 「あ～、いいですねぇ！この傷と疲れを癒やしたい……！」
シュケン「俺、裸の付き合い苦手なんで……」
イセキ 「女々しいんだよ。足湯っつーのもあるらしいぞ？」
ブル 「せっかくなら秘湯も楽しんでみたいですな！！」
コウシュ「僕は観光したいですね。繚乱鳥居って名所があって……」
ケンセイ「他国の伝統に触れるのは、いいもんだよな。」
ムジ 「うちの母ちゃん、アオイの島の天上石段と温泉粥が健康の秘訣だっつってました！」
バッケス「ガキの頃にやったルーンカラオケ、楽しかったなぁ……」
キスカ 「リーラン様、おれ射的得意っす！好きなモンとってあげますよ！」
リーラン「まったく……気が早いにも程があります。戦いはまだまだこれから――」
「おい、リーラン。仕事だ。」
「はい？」
「今のうちに計画を練っておけ。アオイの島での、宴のな。」
「はあ！？今からですか！？」
「当たり前だろ。上陸早々、右往左往なんざ格好がつかねえだろうが。」
「今はそれどころじゃ……！文献を取り寄せるのだって大変ですし……！」
「浅春の湯つつう、隠れた名湯がたいそう肌にいいらしい。」
「……はぁ？それがなにか？」
「お前でも、少しは艶が出るかもな？」
「子ども扱いしないでください！！！」
ゴウケツ「湯上がりのリーラン様にお酌していただけた暁には。これまでの苦労が吹き飛びそうですな。」
「「「「うぉおおおおおお！！！それすっげえいいです！！！」」」」
「いい加減にしなさーい！！」
ケンセイ様たちの――そして、私の夢だったのです。
すべてが終わった後、皆の力で勝ち取った平和を、温かな湯に癒やされながら、喜び合うこと……
それで、アオイの島のこと、あんなに詳しかったのね……
私、今日は本当に楽しかったです。アオイの島に来られて、本当によかった……
これでいつか……生命の灯火が消えて、私の魂が還ったとき――
今日という日の思い出は、生命の環を巡り巡って、いずれ皆のもとへ届くかもしれません。
……うん！
ケンセイさんたち……みんな、喜んでくれると思います。
……それに私、まだまだ満足していませんから。
？
今も国のために尽力してくれている兵たち……
自分のやり方で、私を支えてくれているセレナ……
いずれ皆一緒に、アオイの島をゆっくりと堪能したいと思います。
アタシもそれまでに、アオイを極めておくわ！
困ったことがあったら、いつでもタイカンに駆けつけますから。
ふふ、ありがとうございます。
＜リーランは、夜空を見上げた――＞
タイカンの未来は、必ずや守り通してみせます。
――だからどうか、私を見守っていてください――
覚醒絵・覚醒画像
覇道を継ぎし女傑 リーラン・ラムレイ
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その他
関連ストーリー
| 画像 | 説明 |
|---|
 | リーラン・ラムレイ cv.下屋則子軍を支える有能な副官。王の背中を見て学び、成長していく。 |
| リーラン（温泉）国のため日々奮闘する勇ましき少女。全然休まないので無理やり休暇をとらされた。 |
| リーラン（正月）国のため日々奮闘する勇ましき少女。身に纏う艶やかな衣はタイカン伝統の晴れ着。 |
人物紹介
| 画像 | 詳細 |
|---|
| ケンセイ・ライゴウ cv.山寺宏一一代でタイカンの諸国を統一した覇王。天才的な戦術眼を持っている。 |
| リーラン・ラムレイ cv.下屋則子軍を支える有能な副官。王の背中を見て学び、成長していく。 |
| メイリン・フォンラン cv.大西沙織兵法書を信じる軍師。尊敬する兄の役に立つため、日々精進している。 |
| シャオフー・タイヤン CV:小澤亜李不老長寿のキョンシー。見た目は少女だが中身は優しいお婆ちゃん。 |
| レンファ・クンルン cv.金元寿子お祝い事があると舞を披露する踊り子。持久力がなく、5秒踊るのが限界。 |
| ハオ・フォンラン cv.七瀬亜深ある国を支える軍師の少年。民の平和を守るため、無数の策を巡らせている。 |
| ゴーマ（オーガ国大王） |
| ジャッキー cv.景浦大輔 |
 | セレナ・アルカマル cv.花澤香菜
永い眠りから目覚めた闇の王の後継者。
託された願いのため、戦場を駆ける。 |
