【白猫】リーラン・思い出
ライゴウ軍副官 リーラン・ラムレイ cv.下屋則子 軍を支える有能な副官。 王の背中を見て学び、成長していく。 |
2019/06/28
覇戦のレガリア
思い出1
<ライゴウ改め、タイカンの国では<波蝕の島>進軍の準備が着々と進められていた。
ハオ。部隊の立て直しにどれくらいかかる?
負傷者も多く、武器も摩耗しております。再編成に2~3日はかかるかと。
猛虎騎兵は?
同じくらい時間が欲しいな。人はともかく、馬の疲労が激しい。
闇の王子よ。お前たちはどうする?
アタシたちはいったん飛行島へ戻るわ。いろいろ準備をしなきゃ。
みんなよく聞け。連戦で辛いのはわかる。だが、正念場だ。次の戦は絶対に負けるわけにはいかん。
あの、ケンセイ様?
ああ?
私はなにをいたしましょう?
お前はそうだな……休め。
はい?
進軍の準備が整うまで休めと言った。
なんで私だけ!?
此度の武功の褒美だ。この機会に飛行島でも見せてもらったらどうだ?
納得できません! 皆が戦の準備をしているのに、ひとりだけ休むわけにはいきませんよ!
うるせえな! 休みをやるって言ってんだ! ありがたく頂きやがれ!
というわけでお邪魔します。
いらっしゃい、リーランさん。
ここが噂の空飛ぶ島なんですね。見事なものです。
タイカンの島ほど大きくはないけどね。
大きければいいってもんじゃありません。広すぎる国土のせいでタイカンは覇権争いが絶えなかったんですから。
タイカンが統一できたのも、皆さんのご助力のおかげです。
いえ、私たちはやるべきことをやっただけですから。
それにしても……
ケンセイ様はどういうつもりなんでしょうか……はぁ……
なにを落ち込む必要があるのよ? せっかくの休みを満喫しなさいな。
そうは言われても……正直、何をしたらいいのか分からないんです。
どーゆーこと?
なにしろ戦乱の世に生まれましたからね。幼いころから武術を学び、軍人として戦ってきました。
もちろん英気を養うため交代で休みはとりますが、有事の際は駆けつけなければなりません。
ゆっくり休めるのは戦で負傷したときぐらいのものです。
リーランさん……
そんなわけですから、休暇と言われてもピンとこないんですよ。
普段、皆さんはどんな休暇を過ごされているんですか?
そーゆーことならアタシにまかせて。
アンタが休暇を楽しめるようにキャトラさんが一肌脱いであげるわ!
それは心強いです!
もちろん私たちも協力します。ね、主人公?
ありがとうございます♪
思い出2
おお~! にぎわってますね。
この辺りじゃ一番の繁華街よ。
道ゆく人々がみんな笑顔で幸せそうです。これが泰平の世というものなんですね。
で、ここでなにを?
言ったでしょ。休暇を楽しむのよ。まずはドーナツを食べるわ。
ドーナツなんていつでも食べられると思いますけど。
ふふん。ただのドーナツじゃないわ。アレをごらんなさい!
なんですかあの行列は?
巷で話題のドーナツよ。みんなソレを食べるために並んでいるの。
なっ! たかがドーナツのために並ぶんですか!?
それだけ美味しいってコトよ! 休みの日でもなきゃできないゼータクだわ!
むむむ……それが贅沢なんでしょうか……?
じゃーん! これが話題のドーナツよ!
おいしそう♪
思ってたのと全然違いますね。
私が知っているドーナツは素揚げしたものに砂糖をまぶしたモノですから。
これは使っている素材が違うの。厳選した卵と牛乳。生地を発酵させてから揚げるからこそ得られるもっちり感が魅力なのよ!
うん。確かに美味しかったです。
ええっ! アンタもう食べちゃったの!?
はい、頂きました。
わざわざ行列に並んだんだから、もっと味わって食べなさいよ!
いつ敵襲があるかわかりません。のんびり食事などしていられません。
食べられるときに食べる。これが鉄則です!
……
…………
おお~! なんとも華やかなところですね。
お次はショッピングよ。実際にモノを買わなくても、見ているだけで楽しめるわ。
確かに色とりどりの衣装があって目の保養になります。
じゃあ、私がリーランさんに似合いそうな服をプレゼントしますね。
ええっ、本当ですか!?
これなこれなんかどうかしら?
わあ、素敵ですね♪ でも……
気に入らないの?
生地は厚手でしっかりしてますが、袖がきゅうくつで剣を振るのに支障がでそうです。
やっぱり私は戦いなれたこの服が一番ですね。
今回は皆さんのお気持ちだけ受け取っておきます。
アンタ少しは戦いのコト忘れなさいよ!
思い出3
ふんとにもう!
アンタ、ホントに休暇を楽しむ気はあるの?
すみません。わざわざ付き合って頂いたのに……
やはり私が休暇を取るなんて荷が重すぎます。
いいえ、アタシも引き下がるわけにはいかないわ。なにがなんでもアンタに休暇をタンノーしてもらうからね!
では、次は何をすれば……?
なにもしなくていいわ!
はい……?
アタシと一緒に日向ぼっこよ!
……
…………
お日様がまぶしいですね。
まぶしいわねぇ。
雲が流れています。
流れてるわねぇ。
あ、鳥が飛んでる。
飛んでるわねぇ。
久しぶりです……こんなにのんびりと空を眺めたのは。
ここ最近はケンセイ様に振り回されてばかりで、空を見上げる暇もありませんでしたから。
ふふふ、思い出したら腹が立つてきました♪
いつもいつもいつも自分勝手に行動して……
いくら私が段取りをしても、平気でひっくり返しやがって……
挙句の果ては『お前なら合わせられんだろ』ですよ! そりゃ合わせるしかねーだろっ!
いったい自分は何様だと思ってるんですかね? 王様? 冗談じゃない。ただの俺様ですよ!
あ、あの、リーランさん……?
いいのよ。溜まったウップンを晴らすのも休暇のダイゴミだわ。
そうなのかな……?
さあ、リーラン。今こそ思いのたけを吐き出してごらんなさい!
はい! では遠慮なく!
……
…………
はぁ、はぁ、はぁ……
全部吐き出しました。ええ、吐き出してやりましたとも。
そう、良かったわね……
聞いてるアタシたちもさすがに疲れたわ。
今までずっと我慢してたんですよね。だって兵たちの前じゃケンセイ様の悪口なんて言えないじゃないですか。
だからジャッキーに愚痴を聞いてもらってたんですが、返ってくる言葉と言えば
……オレに言えることはひとつ……ぴょんだぜ。
意味わかんねーよ! 意昧わかんないでしょーが!
そうそう、ジャッキーに関しても言いたいことは山のようにあるんです。
聞いてもらえますか!?
ぎにゃー! まだ続くの!?
思い出4
いやー、いろいろ吐き出してスッキリしました♪
うん。アンタが苦労してたことはよ~く分かったわ。
分かって頂けましたか!?
でも、そんな不満があるなら、どうしてケンセイのもとで副官をやってるのよ?
あ、それ聞きます? 聞いてくれますか!?
話したくてたまらない感じね。
乗りかかった船よ。何でも聞いてあげようじゃない!
ご存知のように、タイカンには大小いくつもの国がありました。
私はそんな国のひとつ、ラムレイ王家の娘として生まれたんです。
ふーん、そうなのね……
ええっ! じゃあアンタはお姫様なの!
立場上はそうなりますかね。
でも王の娘として、民にその力を示さなければなりません。私は父の右腕として兵たちを指揮していたんです。
そんなある日――
急速に勢力を伸ばしていた<オード>が攻めてきました。
私は兵を率いて私は兵を率いて対抗しましたが、多勢に無勢です。
そんなとき――軍勢を率いた男が現れたんです。
「はああああああ!」
戦局は瞬く間にひっくり返り、オード軍は撤退しました。
ケンセイがリーランの国を救ってくれたわけね。
……と、そこまではいいんです!
?
問題はここからですよ!
当時のケンセイ様はまだ国の王ではなく、各地を転々として共に戦う仲間を集めていました。
彼にタイカンの未来を見出した父は、国を託すと言い出したんです。
娘の私を差し置いてですよ! あり得なくないですか! あのバカ親父!
かくして私の国は……
ケンセイ・ライゴウを王として迎え、<ライゴウ>を名乗り、私は軍の副官になったわけです……
そうだったのね……
最初はケンセイ様があまりにも言うことを聞かないから、衝突してばかりでした……
背中から剌そうと思ったことは一度や二度じゃありません。
でも、一緒に戦ってきてよくわかりました。
やはりケンセイ様は覇王の名に恥じぬお方です。私など足元にも及ぴません。悔しいですけどね。
ケンセイさんを信じてるんですね。
それはもちろんです。
今でもたま~に背中から刺したくなる時はありますけどね♪
思い出5
はっ! はっ! せりゃっ! せいやっ!!
ちょっとアンタ、何やってんのよ?
あ、すみません。起こしてしまいましたか? 剣の稽古に勤しんでいます。
私は軍人ですからね。いくら休暇といえど、鍛錬を怠るわけにはいきません。
だからって真夜中にやるこたーないでしょ!
ではご迷惑にならぬよう、ちょっとボリュームを下げて……
はっ。せりゃっ。はっ。せいやっ。
あの、リーランさん?
はい?
間違ってたらごめんなさい。何か心配なことでもあるんじゃ……?
どうしてそう思うんですか?
いえ、理由はないんですけど、なんとなく……
まいったなぁ……
わかりました。正直に言います。私、不安なんです。
<波蝕の島>のこと?
それも不安です。でも、もっと不安なのは戦が終わった後です。
?
……私は戦乱の世に生まれ育ちました。
ケンセイ様と出会ってからは、タイカンの島が統一されることを願い、ただひたすら戦ってきたんです。
その願いは叶いました。タイカンはひとつの国になった……
これで争いはなくなるわ。いーことじゃないの。
はい、喜ばしいことです。でも戦争がなくなったら、私は何をしたらいいんですか?
リーランさん……
私は戦うことしか取り柄がありません。
このまま戦争がなくなれば、もう副官である私は必要ありません。ケンセイ様もそう考えているんじゃ……
そんなワケないでしょーが。
そうですよ。ケンセイさんはそんな人じゃないと思います。
分かってます! 分かってますけど……
じゃあ、私は何をすればいいんですか?休暇をもらっても何をしたらいいかわからない人間なんですよ。
そんな私がこれからタイカンの国のため、そしてケンセイ様のためにできることはあるんですか?
仕方ないわね。主人公、教えてあげなさい!
思い出6 (友情覚醒)
何ですかこれ……?
どう? 少しは落ち着いた?
はい、とても暖かい光です……
まだ自分のことを必要のない人間だなんて思ってる?
いいえ……私、忘れていました。
私は軍人であると同時に、タイカンの民でもあります。戦うだけが仕事じゃありません。
長い戦争で荒れ果てた大地をならして、土を耕し、種をまきます。
それに村や町を建て直さないと。そのために人々が行きかう道も造らなきゃ。
戦争をするより大変な仕事だわ。
そしていつか――
タイカンの民が話題のドーナツを求めて行列に並んだり、笑顔で買い物ができる国を造らなきゃいけないんですよね。
ええ、そうですね。
そのためにも、まずは<波蝕の島>での戦に勝たなければなりません!
なんだか目が覚めました。
戦うことしか取り柄がないとか言って、戦うこと以外で悩んでいた自分が恥ずかしいです。
いいのよ。また何かあったらいつでもいらっしゃいな。
はい、自分を見つめ直すいい機会になりました。本当にありがとうございます。
ふふふ。ケンセイさんはリーランさんが悩んでいることを知っていたのかもしれませんね。
はい……?
だから無理やり休暇を取らせたのかもしれませんよ。
確かにケンセイ様ならやりそうなことです。
私はまんまと手のひらで転がされていたってことですか!?
いつも言ってんだろ。お前なら合わせられるってな。
ううっ、王の勝ち誇った顔が目に浮かびます。無性に腹が立ってきました!
こうしちゃいられません。明日一番でタイカンに戻ります。
休みはどーすんのよ?
今は一刻も早く戦の準備を整えるのが先決です。
そして戦が終わったら、ここに来ますね。
その時は――
またケンセイ様に対する愚痴を聞いてください!
それは正直、勘弁だわ……
覚醒絵・覚醒画像
覇王を守護する懐刀 リーラン・ラムレイ
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