【白猫】レオナルド・思い出
奔放なる電子魔槍 レオナルド・リッツォ cv.狭川尚紀 ふまじめな態度の学生。 電子技術とルーンを組み合わせた魔槍を、特に努力もせず使いこなす。 |
メインストーリー
思い出1
ん?なに?おまえら。
<学生服を着崩した美貌の少年が、ため息を吐く。>
そんなじろじろ見つめて……
またオレのファンか。悪いけどサインは書かない主義なんだ。
誰がファンよ!アンタのサインなんかいるもんですか!
え?違うの?
意外そうにするなぁー!
へえ……ホントに違うんだ。ふうん……
<少年は、こちらを見て、うれしそうに笑った。>
いらないって言われると、あげたくなるなぁ。
いらないっつーの!
そう言うなって。オレはレオナルド。魔道工学院の学生さ。よろしくな。
思い出2
あの、レオナルドさん……
なんだい、アイリス。オレのサイン、欲しくなった?
じゃなくって……その槍、不思議だなって思って。
ああ、これ? これはアレだよ。ルーンの魔法に、電子工学の技術を組み合わせてんの。
でんしこーがく?
ざっくり言うと、機械で起こした電気を使って、魔法みたくいろいろできるようにする技術さ。
俺の国はルーンの加護が微妙でね。みんな魔力が弱いから、こーゆーの使ってんの。
そうなんですね……使うの難しそう。
そうでもないよ~?慣れりゃ簡単なもんさ。
ホント……こんなの、簡単すぎて学校で習うまでもないってのに。
思い出3
いい天気だなぁ……空、青くて。
<仰向けに寝転んで、空を見上げ―――レオナルドは、真剣な顔でポツリとつぶやく。>
やっぱ、まちがってる。まちがってるよ……
こんな天気のいい日に汗水垂らして勉強するなんて……そんなの、まちがってる!
マジ顔で何言ってんのよ。アンタは……
だって、そ~じゃん?
主人公もさ、こんな日は何もしないで、昼寝してたいだろ?
猫のアタシでさえ、昼寝しないで働いてるってのに!
だってさぁ、しょーがないじゃん。
<ふと、真剣な表情に戻って―――レオナルドはつぶやいた。>
……がんばるとか、努力とか。オレ、そんなコトする必要すらないんだからさ。
思い出4
ふう、やれやれ……
お疲れですか、レオナルドさん?
ああ、ちょっと、クラスメイトに追われててね。
何をやったわけぇ~?
何もしてないのに、『なんで何もしないんだ! 勉強しろ!』ってつっかかってきてさ。
そういうことね……
ったく……しょーがないじゃん。特に勉強しなくたって、オレはだいたいできちまうんだから。
そうなんですか?
オレは学院始まって以来の天才さ。勉強も運動もなんでも得意で、努力ってもんをしたことがない。
ついでに背も高けりゃカオもいい。野郎からは妬まれるけど、女の子にはモテる。
オレは何もがんばったことがない。がんばりようがないんだ。全部、普通にできちまうから。
がんばりたくてもがんばれないヤツの気持ちなんて―――がんばるヤツにはわかんねーんだよ。
それに…………いや、まあ、いいや
メンド……
思い出5
メンド……
レオナルドさん……元気ないですね。
まあねー。卒業試験が近くってさ。
卒業試験は実技なんだけどさ。みんな、卒業したいもんだから必死で練習してくるわけよ。
でも……どうせオレには勝てない。何もしてないオレが、才能だけでみんなの努力を散らす。
恨まれるのは慣れてるけどさ、でも……やっぱ、気持ちいいもんじゃないよ。
アンタ……嫌なの?努力してきた人たちに、あっさり勝っちゃうのが……
それをうれしがるようなヤツ、どこにいるよ?
オレはさ……うらやましんだよ。努力できるヤツ。努力する意思を持ってるヤツが。
それを、またオレは散らすんだ……たんぽぽの綿毛みたいに、せっかくの努力を踏みにじって。
やってらんないよな……あいつらも―――オレも……
思い出6
え―――何?なんなワケ?これ……?
すげ……ちょっ……わけわかんねえ―――なんだよこれ。こんな光、世の中にあんのかよ……
<呆然と見開かれたレオナルドの両目から、透明なしずくが流れ落ちていく。>
知らねえ……オレ、知らねえよ。
こんなの。こんなきれいなもん……オレの人生にはなかったよ……
<レオナルドは、涙を流したまま目を閉じ……ぎゅっ、と小さく拳を握った。>
……オレの国、みんな魔力が弱いって言ったろ。
でも……オレだけは、他のみんなの何倍もの魔力を持ってたんだ。
えっ……
だから、本当は電子技術なんか要らなかったんだけど、みんなと違うのは嫌だったから……
みんなと同じフリをしなきゃって。そう思ったのに、結局、オレはできすぎて……孤独だった……
……ここは、あなたの国じゃないですよ、レオナルドさん。
いろんな人が訪れて、いろんな人が暮らす島です。魔力の強い弱いなんて関係なく……
ああ……そうだな。
<涙をぬぐい―――レオナルドは目を開いた。>
……試験、受けてくるよ。
いいの……?
ああ、みんなに、オレの本当の力を魅せてくるさ。もしそれで、みんながオレを嫌うなら……
オレ……ここに戻ってきても、いいかな……?
<うなずくと―――レオナルドは、穏やかに笑った。>
ありがとよ、主人公。
みんなに嫌われなくても、戻ってくるかもしんねえけど―――ま、よろしく頼むわ!
秀麗の電子槍術士 レオナルド・リッツォ
やっほーレオナルド。試験、どうだった?
ん? オレにそれを聞く?
ま、うまくできたんでしょうね。
あったりまえだろ?
それで……そのあとは、どうなりました?
なんも努力してねぇオレが、ぶっちぎりで一位取ってさ。
そりゃ――いろんなこと言われたぜ。
……心無いことをですか……?
それが多かったけどよ――
――それだけでもなかったぜ……!
え?
***
――思うがままにさ。才能出し切ってみたオレを見て、こう言ったヤツがいた。
『ここまでコテンパンにやられると、むしろスガスガしい』ってな。
ま、そーゆーヤツだって多少はいるわけだしさ。
それによ……今回の試験、全力でやってみてオレは思ったのさ。
『才能をフルに活用しようとする』ってのも、ある意味努力なんじゃないかってな。
これからのオレは手を抜かねーぜ。
見せてやるよ。努力に目覚めた天才が、どんなもんかってことをな……!
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