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【白猫】ジュダ・思い出

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん

2016/07/15

帝国の棺
ジュダ・バル・アーウェルサ cv.子安武人
帝国第十三軍団に所属する大佐。
皇帝に仇なす者を納棺する執行人。

思い出1



聖地ディルムンで起こった、世界各国を巻き込んだ戦乱――

それは一時の終息を見、主人公たちも本拠地である飛行島へと帰還していた。


――新たなる、仲間……と、ともに……



アンタは、ジュダ……よね?

そんなとこでぼーっとしてどうしたの?

嘆きの声に耳を傾けていた。

!? 嘆きの……声、ですか……?

多くの英雄がいた。黒か白か、いずれにせよ、この島に関わりし、英雄が。

<ジュダの言う<英雄>とは、戦場にて散った者たちのことだ……>

…………

おーむかしのハナシだわ!

そうだ。この島をとりまく遺恨は、遥かなる――神話の世界の物語。

今を生きるお前たちに、関係はない。

ハイハイ! 難しい話は置いといてさ!おしゃべりしましょう!

ジュダってば、なんか、普通の人には聞こえない声とか聞けたりするわけなのかしら?

そうだ。

あら♪ 耳がいいのね♪

そうだ。俺は帝国の棺と呼ばれている。帝国軍、第十三軍団所属、大佐、ジュダ……

だがそれは真実ではない。俺の使命は、皇帝に仇なす者を、納棺すること……

……!

なればこそ……耳を澄まさねばならぬ。

死神の忍び寄る、微かな足音に、な……

<ジュダは、射抜くような眼光でこちらを真っ直ぐに見据えている……>



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思い出2



…………

<ジュダの周りで風が哭いている……>

ジュダ? どうしたの?

そんなヘリのトコにいて、風が気持ちいいの?

(キャトラ……)

<ジュダは振り向くと、圧のある瞳で見つめてくる。>

世界が誕生したときから、風は吹き続けている。

海も、空も、大地も。世界は、在り続けている――

ほほう……!ふむふむ!たしかにね!

普段意識してないけども、たしかにそうね!

海は、何万年も前から海ですもんね……

そして、人も――

ひとも……?

子には親がある。親にも親が。その親にも。

人でなくなる線を越えても、親は必ず存在する。

なれば人とて、たぐれば世界の発生へと、行きつく――

なんだかまた難しい話だけど……

お父さんお母さんをたどれば、ものすごい昔までいくってことよね?

そうだ。

ジュダも?

いや――俺は違う。俺に親と呼べる者はいない。

で、でも……?必ず存在してなきゃ、ジュダもいないはずじゃない……?

俺は造られたのだ。

世界の<我儘>――その因子から、な……

<ジュダはギラギラと光る眼差しでこちらから視線を外さない……>



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思い出3



――お前たちか。

<ジュダがこちらを見つめている。>

…………俺の本性は――

世界の<我儀>の因子、神獣の因子、それを合成し、造られた、俺は――

――納棺する者。そして――

――大地を飲み込み、門の前に侍る孤狼……!

<ジュダは、野性を宿した瞳でこちらを射すくめる……>

大地を飲む……おおかみ……!

<ジュダはなおも、こちらに目線を定めている……>

…………

…………

<足音も立てず、ジュダが眼前まで迫ってくる!>

…………

な、なに……!?

<――と。ジュダは唐突にプイと真横を向いた。>

…………俺は、狼だ。

――?

!――わかったわ!

とう!

そうだ。

そうよね。

きゃ、キャトラ……?

ああ、説明するわね。おおかみが近くでプイっと横を向くのは――

――毛並を整えてくれ、っていうサインなのよ。

助かる。しばらくの間、手入れが滞っていたからな。

お安いご用よ♪

キャトラ……!

あとね、おおかみがじーっとこっちを見てるのも――

――遊びたい、っていうサインなのよね♪

そうだ。

じゃあこれ終わったら遊びましょーね♪

ああ。

キャトラ……!!!


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思い出4



さ~て、今日もジュダの毛並をなでてあげましょうかね~♪

キャトラ、ずいぶんジュダさんと仲良しになったのね♪

そうね♪ アタシは猫だけど、おおかみの気持ちも――

――ジュダ!?

……う……く……!

<木陰で目をつぶっているジュダが、うめき声を上げている!>

……く……おお……!


 ――欠片よ――

貴様は……!

世界の<我儘>か……!


 ――我が門を解き放て――

 ――欠片よ――

 ――均衡を――

 ――粉微塵に破壊するのだ――


また、それか……!

 ――この世界ごと、な――!

!!


 ***


……!?

気がつきましたか、ジュダさん!

どうしたのよ!?ウンウンうなされて、怖い夢でも見てたの!?

……声を、聞いていた。

声……?

俺に内在する、世界の<我儘>の因子……その声だ。

なんていってたの……?

門を解き放て、と。……この世界を、破壊するのだ、と……

え!? じゃあ、ジュダは……するの!?

だって、その<我儘>のいんしが、アンタにもあるのよね!?

世界、には、帝国も含まれる。なれば無論、皇帝も。

俺の使命と、矛盾する。

ジュダさん……

俺は棺。皇帝に害を及ぼす者、ことごとく始末する、棺。

俺は……皇帝を……!

ジュダ……


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思い出5



己の生まれを呪ったことがないわけではない。

俺は、なぜ造られたのか……?

作り主の顔も知らぬ。捨て置かれたのか。なぜ俺は、ここにいる。

……わからぬまま、無為に時を過ごしていた。

人の時間に換算すれぱ、数万年にもなるだろうか。

俺には目的がなかった。

生きながら棺に入っていたも同然だった。

――ある時、あいつと出会った。

俺は何も考えていなかった。

考えるべきことなど、なかったのだから。


「……?

「ゴメン! ぶつかっちゃった!?

そのままなら興味を抱くことはなかっただろう。

だが、俺の足元に転がったのは――

「……骨……?

「ヘヘヘ……当てるんじゃなくてね。目の前に転がすつもりだったんだ。

あげるよ、それは。

「この……骨を……?

「キミ、狼だろ?

「……?

「わかるんだボクには、そういうの。キミは――

――遊び相手を欲しがっている。

「……侮辱するなよ……!下等生物があああああ!!!

な……!?んだ、これ、は……? 俺、なのか……?

それが初めての変身だった。

狼狽する俺を見ながら、楽しそうにそいつは言った。

「オニゴッコなら、ボク、得意でね……♪

「貴様……!八つ裂きにしてやる!

「ハハハハッ♪


それからそいつは、毎日やってきた。


「ほらほら♪ボクを、つかまえてごらん♪

すばしっこい奴だった。目が覚めてから眠るまで、毎日俺は、そいつを追いかけた。

……いつしか、俺は感じていた。

……楽しさを……

雨の日も……雪の日も……

――そして――


「とうとう捕まえたぞ……!

……はは……はははははは……!

はははははは!やった、やったぞ……!

「――最初にあげた骨、覚えているかい?

「……?

「ボクの鎖骨さ。

「!?

「少し、戦ってね……尻尾巻いて、逃げてきた。

「お前の、逃げ足の速さでか……?

間の抜けた俺の質問には答えず、そいつは立ち上がると、真っ直ぐに見つめてきた。

純粋な瞳――では、なかった。嫉妬、憎悪、怒り……そういったものも、あった。

だが、その眼に……!たまらなく、魅かれた……!

「キミはこれから<ジュダ>と名乗れ。

そしてボクと、共に来い。

ボクはこれから―――帝国を作る――!

「……!!


――それからまた、歳月が流れた――


奴はまだ生きている。あらゆる技術を駆使し、延命している。

だから――

――俺と皇帝の絆も、永遠に続いてゆくのだ――!


 ***


 ――儂の門を開けるがいい――

……世界の<我儘>……!

 ――破壊するのだ――

 ――この世界の――――全てを――!

「……くっ……!……うぅ……!

……ぁぁああああ……!


 ***


ジュダさんが……!

このあいだよりも苦しんでる!どうにかしてあげなきゃ、主人公!


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思い出6 (友情覚醒)



――見るがいい、欠片よ――

……?

――この世界は発生より――

――均衡を求めた――

――くだらぬ約束よ――

――儂は<我儘>となろう――

――全てを――無に還すのだ――!

――さあ――

――門を開け――!

……貴様の思い通りに……事が運ぶと思うな……!

――反抗するか――

――儂の、欠片よ――

黙れ! 俺は俺だ!

貴様に命令されるいわれはない!

貴様が門の開放を望むならば――

――俺は貴様に対する<我儘>として!門を封じてやる!

未来永劫、決して開かぬようにな!


――ハハハハハ……!

――それが<我儘>――

――さすがは儂の欠片よ――


「俺の中から消え失せろ!くだらぬ因子など知ったことか!

俺は奴の……皇帝の味方だ!帝国の棺だ!


 ***


――はっ!?

よかった……!気がついたんですね……!

俺は……?

寝てたわ。めちゃくちゃ苦しみながらね……

……ジュダさんが、何かに飲み込まれてしまいそうで……

主人公の、ルーンの光の力で手助けしたんです……

……そうか……

……ふ……ふふふふ……!

礼を言う。俺は、知らぬうちに束縛されていたようだ。

だが、もう心配はいらぬ。

ジュダ……?

俺は、世界の<我儘>の欠片……なればこそ……

何者の言いなりにもならぬ……!フハハハハハハ……!

ちょ、ちょっとジュダ……?

……ううん。いいんだよ、キャトラ。きっと、ね……



(俺は勝手にやらせてもらう。これからも、永遠にな……!)

付き合ってもらうぞ……!我が、友よ……!)





世界の<我儘>を封印せし門 ジュダ・バル・アーウェルサ


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画像説明
ジュダジュダ・バル・アーウェルサ cv.子安武人
帝国第十三軍団に所属する大佐。
皇帝に仇なす者を納棺する執行人。
ジュダ(帝国)ジュダ(帝国)
帝国軍第十三軍団<葬送>大佐。
特務機関<狩猟戦旗>のメンバーとなった。
ジュダ(帝国Ⅱ)ジュダ(帝国Ⅱ)
鎖を引きずる弔い手。
縛られてなお、獣は帝国の敵を追い続ける。
ジュダ(王冠)ジュダ(王冠)
棺に名誉は必要ない。
ただそれは、語られざる絆の証であった。
ジュダ(茶熊)ジュダ(茶熊)
茶熊学園に入学した帝国の棺。
我儘な獣は、弔いの花を咲かせる。
ジュダ(6周年)ジュダ(6周年)
その身に大いなる二つの存在の因子を宿す帝国軍第十三軍団大佐。
因縁に終止符を打つため、個人で参戦。
ジュダ(帝国3)・思い出ジュダ(帝国3)
弔いの狼は咆哮する。
すべては良帝陛下の命じるままに。

帝国戦旗  

人物紹介
画像詳細
アイシャアイシャ・アージェント
特務機関<狩猟戦旗>に席を置く女性。
ジェリービーンズを手放さない。
(年齢・20代前半)
ジュダジュダ・バル・アーウェルサ cv.子安武人
1人で構成された特殊な帝国軍十三軍団「葬送」に所属。
親友である皇帝への忠義は非常に強く、帝国の敵には一切の容赦をしないことから「帝国の棺」と呼ばれ、恐れられている。
サイファーサイファー・オブニアル cv.三上哲
聖王家の特務機関<V.O.X>の一員。
危機的状況でもユーモアは欠かさない。
(年齢・20代前半)
エリスエリス・ミラージュ cv.ゆかな
聖王家の特務機関<V.O.X>の一員。
主な仕事はお茶くみ。



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